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木造住宅が密集する西蒲田地区。ターミナル駅から徒歩数分だが、広い道路や高い建物はほとんどない=東京都大田区で2012年4月17日、柳澤一男撮影
毎日新聞 4月18日(水)21時49分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120418-00000106-mai-soci
東京都防災会議が18日に公表した東京湾北部地震の被害想定で、区市町村別の人的・物的被害が最も大きかった大田区。火災による焼失面積は区の24%に上るという。昭和の薫りを残す古い木造住宅と新しい建築物が混在する街を歩いた。「あきらめの気持ちもある」「実感がわかない」−−。被害想定に対する住民の心情は複雑だ。【柳澤一男】
【首都直下型地震】最大死者9700人 都防災会議、想定見直し
「24%焼失、1073人死亡」…都防災会議
JR蒲田駅の北西に広がる西蒲田地区。都は10年、周辺も含めた121ヘクタールを「木造住宅密集(木密)地域」の整備地区に指定した。20年までにすべての整備地区に都市計画道路を通す目標を掲げるが、土地所有が細分化され、用地取得は簡単ではない。
駅からわずか数分歩いただけで、迷い込んでしまった感じだ。23区東部より新しい建物は多い印象だが、築40〜50年の商店や民家もあちこちにある。道は狭く、2車線道路はほとんどない。大半が平屋か2階建てで、隣家との間はわずかな隙間(すきま)しかない。
父の代から作業服専門店を営む立花秀清さん(63)の木造2階建て店舗は築54年。東日本大震災の時は「左右に激しく揺れ、怖くて外に出た」という。
37年前、結婚を機に生まれ育った西蒲田から神奈川県鎌倉市に転居したが、実家でもある店には毎日通う。20代から地元消防団に入っているが「まずは自分の身が安全でなければ、周りを助けられない。区は一般住宅に耐震補強の助成を出しているが、商店には出ない。売り上げも年々減り、補強するお金はない」と嘆く。
商店街にある吉田良夫さん(81)の自宅を兼ねたたばこ店も築40年以上。大震災は経験した中で最も大きい揺れだったというが、店は壊れなかった。「平屋だから大丈夫」と思うし、建て替えの資金もない。ただ周囲の道路が狭いため「もし周辺の建物が倒壊したら、避難場所までたどり着けないかもしれない」と言う。
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人口約69万人の大田区は被害想定だと最悪の場合で1073人が死亡、1万412人が負傷し、4万3326棟が全壊・焼失するとされた。前回06年の想定より死者はほぼ倍増、建物被害も約2割増えた。区の防災担当者は「なぜ被害想定が増加したのか分析したい」と話している。
◇ライフラインも甚大な打撃
首都直下地震の被害想定では、建物の倒壊や焼失だけでなく、都市機能を維持するライフラインも甚大な打撃を受けるとされた。
人的被害が最大とされる「東京湾北部地震」の場合、23区で24.9%の建物と家屋で停電が起き、墨田区で6割、台東区で5割を超える。復旧におおむね1週間を要するとされるが、火力発電所や港湾施設が被災した場合、電力不足や停電はさらに長引く。
都市ガスの被害が最も大きいのは「多摩直下地震」で、最大84.6%の地域で供給に支障をきたす。固定電話の不通率は東京湾北部地震で7.6%。携帯電話は広いエリアで不通になる。
上水道の断水率は海溝型の「元禄型関東地震」が最大の45.2%で、23区の約半数の家庭で水が出なくなる。下水道は多摩直下地震で23.2%が被害を受けると推計した。
都防災会議地震部会はライフラインの寸断について「在宅医療を受けている人たちの生命維持が困難になる場合がある」と指摘している。【池田知広】
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最終更新:4月18日(水)23時58分
毎日新聞
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