http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/212.html
Tweet |
房総沖“巨大活断層”の恐怖!「M9」級に“現状”打つ手なし
2012.04.05
ZAKZAK http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120405/dms1204051810012-n1.htm
東日本大震災で液状化現象が発生した千葉県浦安市。房総沖の巨大地震では首都圏で再び深刻な被害が出そうだ
南海トラフ巨大地震で発生する大津波新想定が衝撃を与えるなか、房総半島沖で発見された未知の巨大活断層は、首都圏各自治体の防災担当者に別方面からの課題を突き付けた。最大でマグニチュード(M)9級、東京湾に5メートル規模の津波襲来もあり得るのに、ノーマークだったため同海域での地震を想定した防災対策は皆無。歴史上、指摘された未知断層での活動記録はないが、大地震は静穏期の後に発生するというだけに不気味だ。
長大な二つの活断層が存在するとの調査結果をまとめたのは、東洋大・渡辺満久教授(変動地形学)らの研究グループ。海上保安庁作成の海底地形図などで地形を詳細に分析し、房総半島南端から南東へ百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、長さ160キロと300キロ以上の活断層があることを突き止めた。一度にそれぞれの断層全体が動けばM8〜9の地震を起こす可能性があるという。
渡辺氏は、「この海域で発生した大地震の記録はなく、完全にノーマークだった。地震でできた崖の高さは東側の活断層が約2000メートル、西側は3000メートル超。いずれも大地震を何度も繰り返してきた可能性が高い」と解説した。
東日本大震災の場合、“前回”の発生は869年の貞観(じょうがん)地震(M8・3以上)といわれる。ところが、渡辺氏らが指摘した海域で発生した巨大地震はどの歴史書にも記録がない。つまり、今は大地震へのエネルギーを蓄積している静穏期の可能性もあるわけだ。
武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)は、「日本で地震の記録がさかのぼれるのはここ2000年程度のこと。過去に(未知断層が)大地震を起こした可能性は十分ある」とし、次のように被害を想定した。
「深い海なので、東日本大震災で三陸などを襲った20メートル級の大津波が房総半島に到達することも考えられる。東京都区部の津波は南海トラフ地震の新想定で2・3メートルとされたが、房総沖から東京湾の間には伊豆半島という“防波堤”がない。5メートル級の津波が達する危険もある。連動型の地震なら首都圏は長く揺れ続け、3・11のような液状化もみられるだろう」
記録にあるなかで、東京湾に過去最大の津波を発生させたのは、房総半島南端を震源とする1703年の元禄大地震(M8・1)。浦賀に4・5メートル、両国や本所には1・5メートルの津波が押し寄せたといわれる。
津波の高さは海の深さに比例する。元禄大地震の震源はごく浅い海域だったのに対し、渡辺氏らが注視する房総沖は水深5000メートル級で、東日本大震災の震源域に匹敵する。そのため、元禄大地震よりはるかに大きな津波の発生が考えられる。
研究チームの渡辺氏が訴えた。
「活断層は海中にあり、国でなければ実地調査ができない。国が責任を持って詳しく調べ、危険性を評価すべき。安心だと分かるならそれでよい。危険だと認識されたら、首都圏では今後、この海域で発生する大地震を想定した防災対策を考えなければならない」
当然ながら、未知の房総沖大地震に備えた防災対策は、どこの自治体にもない。首都圏の防災に重大な空白地が生じている。最も大きな被害が予想される千葉県でも、地域防災計画に盛り込んできた想定地震は東京湾北部地震(M7・3)、千葉県東方沖地震(M6・8)、三浦半島断層群による地震(M6・9)の3つで、大津波は考慮されていない。
千葉県は現在、地域防災計画の改訂作業中で、「地震や津波など多くの想定が出てきており、夏ごろまでの策定に向け、あらゆる可能性を考えたい」(防災計画課)と、未知の大地震も検討材料になりそうだ。
自治体の防災対策は「役人が決めるため、前例にとらわれがち」(地震学者)といわれる。世の中には、前例にないからこそ恐ろしい自然現象もある。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。