http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/823.html
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http://www.uekichi.net/zakki/10.htm
弁当を食べた後は昼寝する。クルマの中、ベンチ、芝生、地べた、その他どこにでも寝る。
春、木の根元にダンボール敷いて、枝葉の向こうの空を見ながら寝る。青葉若葉の風のさやぎ。鳥のさえずり。流れる花びら…。
夏。できるだけ影の濃い場所にねぐらを探す。やぶ蚊のいない、風通しのよい場所。陽の移動でねぐらはあっというまに炙られる。その距離を計算して寝に入る。
秋、陽だまりが恋しくなる。夏とは反対に、できるだけ長く日が差す芝生のような場所を選ぶ。高くなる空。果実や稲穂の香り。
冬はもっぱら車の中で寝る。フロントガラスに日差しを入れて。シートに身体を折りたたんで。穴熊のように自分の寝息を聞きながら。
どこで寝ようが不思議なことに1時5分前になると目がさめる。他の職人もそうだ。目覚めたときは大抵、ここがどこかわからない。わずか20分ほどだが熟睡している。
昼寝をすると日が新しくなったような身体になる。その身体でまた午後の仕事に精を出す。
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http://www.uekichi.net/zakki/15.htm
古寺のアカガシの樹勢回復の仕事が始まった。
キノコとコケとノキシノブで樹幹はほとんどボロボロになっている。
二十年前に境内をダスト舗装してから一気に樹勢が落ちた。
そのダストを剥がして黒土と竹炭で土壌改良する。
スコップが効かないほど転圧された表土。
半裸でツルハシを振う。
日蔭にはアジサイが満開だ。
なんという色だろう。
遠い記憶がする。
とおいぃ記憶。
通う山道には卯の花、ウツギ。
白い花弁が零れ落ちている。
したしたと惜しげもなく色を落として、
そこは次元が違う。
誰もいないのに、
夏が来ている。
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