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料理は、レシピに収まりきらないところに面白さがあるのである。
レシピはたしかに便利なもので、多くの場合、その通りにやればおいしく出来る。
ぼくなどのように料理ブログをやっている者にとっても、料理の味を伝えられるものはレシピしかないから、それをどのように書くかはそれなりに考える。
ただし料理の「面白さ」については、レシピでは伝えることができない。
レシピはその性質上、「全てをその通りにきちんとやる」ことが前提とされている。
他人の言うことにただ従って料理して、仮にそれがどんなにおいしく出来たとしても、面白いわけがないだろう。
料理の一番の面白さとは、「イメージする」ことにあるとぼくは思う。
完成形を強くイメージし、その手前の味付やら、調理の段取りやらを自分で考え出すところに、料理の醍醐味がある。
自分で考えて料理すると、失敗して不味くなることもあるわけだが、「おいしさ」と「面白さ」とは、また別の話なのである。
しばしば重要性が強調される「味見」についても、ぼくは懐疑的である。
炊込みご飯や焼き物など味見が不可能なものも多いし、下手に部分を味見してしまうことで全体を見失い、味をまちがうこともある。
それよりも、調理途中の料理の状態を直感的にイメージし、それに従って作業を進めていく方がよっぽど面白く、またうまくいくのではないかと思う。
きのうは魚屋へ行ってイワシを買い、これを煮付けることにした。
この魚の煮付けがまた「面白い」わけだが、それは魚の煮付けが、レシピ的な考えに収まらないことが多いからである。
レシピは「分量」「時間」と「火加減」により、料理法をすべて指定できることを前提としている。
その通りにやれば、極端にいえばロボットでも、同じようにおいしく出来るというわけである。
ところが魚の煮付けは、それだけではうまくいかない。
それは「煮詰める」からで、煮詰めるに当たっては「煮時間」と「煮詰めたあとの煮汁の量」の両方を同時に管理する必要がある。
「2カップの煮汁が10分で、3分の1に煮詰まるよう、火加減を調整する」とレシピに書いても、何も指定したことにはならないだろう。
だから魚の煮付けは、レシピはもちろん参考にするにしても、調理しながら自分で判断する余地が大きい。
「判断」が味を決定的に決めるからこそ、「面白い」のである。
といっても魚の煮付けは、べつに難しいわけではない。
話としては単純だ。
平たい鍋、またはフライパンにだし昆布を敷き、頭を落としてワタを抜き、よく洗ったイワシを並べる。
ここに水を2カップくらい、イワシが完全にひたるまで入れる。
水の量は、どちみち煮詰めるのだから「正確に2カップかどうか」はどうでもよく、「イワシが完全にひたる」ことが大事である。
昨日はここに冷凍してあった実山椒を入れたが、これはべつに、穴をあけた梅干しを2〜3個入れるのでもいいし、ショウガを細く刻んでもいい。
ここに調味料を入れていくのだが、その量は、初めの水の量ではなく、「煮汁をどの程度残すか」によって決まることになる。
残った煮汁が、一定の濃さである必要があるからだ。
昨日は煮汁をほとんど残さないことにしたから、その煮汁があまり濃くなり過ぎないよう、調味料は少なめにする。
酒とみりん、砂糖と醤油をそれぞれ大さじ2ずつ。
さらに梅干しを入れない場合は、イワシの骨をやわらかくするため、酢大さじ1を加えておく。
強火にかけ、出てきたアクをサッと取る。
そのあと落としブタをし、弱火で1〜2時間、コトコト煮る。
イワシは1時間以上煮ることで、骨がそのまま食べられるくらいやわらかくなる。
2カップくらいの水なら、1〜2時間でいい具合に煮詰まると思う。
最後は煮汁をスプーンですくって上からかけ、味をしみさせる。
煮汁が大さじ2見当くらいまで煮詰まったら、火を止める。
イワシはこれだけ煮ても脂が抜けず、プリプリなのである。
ただしそれは、弱火で時間をかけて煮るからだ。
これが圧力鍋など使ってしまうと、とんでもないことになる。
脂が抜けてモソモソになるのは請け合いである。
あとはセロリの葉の卵炒め。
セロリの葉とツナ2分の1缶をオリーブオイルでさっと炒め、砂糖とうすくち醤油それぞれ小さじ1で味付けし、溶き卵2個分をくわえてさらに炒める。
厚揚げの焼いたの。
中火にかけたフライパンでこんがり焼き、おろしショウガと青ねぎ、味ぽん酢をかける。
とろろ昆布の吸物。
すぐき。
酒は冷や酒。
イワシを煮ているあいだも酒を飲んでいたから、昨日もよく酔っ払い、終盤は記憶があまりない。
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