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テキサス州に住む24歳のリジー・ベラスケスさんは、世界でたった3人しかいないというきわめて稀な病気を抱えている。この病気のせいで体重は増えず、右目も失明している。しかし彼女は、人間の美しさについての人々の考えを新しくし続けている。
「テレグラフ」紙の記事によると、専門家はベラスケスさんの病気を、新生児早老症様症候群の一種だとしている。老化が早くから始まる早老症様顔貌と、皮下脂肪組織の減少が特徴であり、食事から栄養がほとんどとれないため、ベラスケスさんの場合は1日に60回食事を取らなければならないという。
ベラスケスさんは高校時代に、自分が映った動画をYouTubeで見つけたという。「世界一醜い女性」というタイトルがついたこの動画の再生回数は数百万回に上っており、ひどい書き込みがたくさん付いていた。
そのページを見たとき、彼女は決めざるを得なかった。こうした否定性を投げつける者たちに、自分はどういう人間であるかを決めさせるのか、それとも自分の価値を決めるのは自分だ、と決意するのかを。
家族の支えの下、ベラスケスさんは、周囲から投げかけられる残酷さから影響されず、周囲からの否定性をかえって自分を前進させるためのバネにする勇気を得た。彼女は大学を卒業し、本を出版するという目標をたて、それを実現してきた。
2013年12月にテキサス州オースティンで開催された「TED X」で彼女は、自ら人生の舵をとるぞという決意に至ったそれまでの経験について、聴衆に向かって語りかけた。彼女は、自分はどういう人間であるかは自分で決めると決意し、「前進しよう」という思いによって周囲からの否定性を打ち消してきたのだ。
ベラスケスさんは冒頭から、つらい体験談をユーモアたっぷりに語り、聴く者を引きつける。他人にひどい態度を取られたら、右側に立ってもらうようにする(右目を失明しているため、右側はあまり見えないそうだ)とか、ダイエット食品会社「ウェイト・ウォッチャーズ」やスポーツジムの「イメージキャラクター」になりたい、と言って聴衆を笑わせる。
ベラスケスさんは聴衆に対して、自分とはどういう存在であるかを決めるのは何なのか、考えてほしいと訴えかけている。友人や知人なのだろうか。家族なのだろうか。育つうえでの環境や身体的条件なのだろうか。
自分の中に幸せを見出し、自分の人生を自らコントロールするようになれば、いじめる側の者たちは常に負けるのだ、と彼女は訴える。
「私は本当に困難な人生を送ってきました。でも、それでもいいのです」と彼女は語る。「自分の外見ではなく、目指す目標や成功、成果によって、自分の価値を決めるつもりですから」と話している。
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