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<転載> 「知る勇気をもて」 (CWSプライベート)
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/639.html
投稿者 彼岸楼 日時 2013 年 11 月 03 日 03:24:01: njbqC.Mf1PyZ2
 


 ■「知る勇気をもて」[CWSプライベート]
 2013/10/30
 http://cws-osamu.cocolog-nifty.com/cws_private/2013/10/post-7c6b.html


 <引用開始>

博学の無知と偽装と隠蔽の社会と書いてくると、やはりカントの警告を思い出さないわけにはいきません。
引用が多くなりますが、書いておきたくなりました。

カントは、「啓蒙とは何か」という小論の中でこう書いています。

 「啓蒙とは、人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ。未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないということである。人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、他人の指示を仰がないと、自分の理性を使う決意も勇気ももてないからなのだ。だから人間はみずからの責任において、未成年の状態にとどまっていることになる。」

偽装と隠蔽の広がりは、無知での安住と裏表です。
隠蔽や偽装は無知によって支えられているからです。
原発に関しては、それが40年も続いてきているのです。
そこに立ち返らない反原発は虚しいスローガンでしかありません。

カントは、自らの身を例にして、わかりやすい説明をしてくれています。

 「わたしは、自分の理性を働かせる代わりに書物に頼り、良心を働かせる代わりに牧師に頼り、自分で食事を節制する代わりに医者に食餌療法を処方してもらう。そうすれば自分であれこれ考える必要はなくなるというものだ。お金さえ払えば、考える必要などない。考えるという面倒な仕事は、他人がひきうけてくれるからだ。」

今の私たちの暮らしは、あまりに多くの外部のものに依存しています。
たとえば、健康のためにサプリメントに依存することへの違和感を持つ人はそう多くはないでしょう。依存が日常化しているからです。
そして、それこそが「経済成長」の基礎だからです。

カントはまた、こうも書いています。

 「ほとんどの人間は、自然においてはすでに成年に達していて(自然による成年)、他人の指導を求める年齢ではなくなっているというのに、死ぬまで他人の指示を仰ぎたいと思っているのである。その原因は人間の怠慢と臆病にある。というのも、未成年の状態にとどまっているのは、なんとも楽なことだからだ。」

ではどうしたそこから抜け出せるか。
カントは、「知ることに果敢であれ」ということだと言います。
以前も書いたことがありますが、「自分の理性を使う勇気をもて」ということです。
それこそが、人間だからです。それは決して楽なことではありませんが、自分を生きることこそが人生であると思えば、自ずと生まれてくる勇気です。

カントは「後見人とやらは、飼っている家畜たちを愚かな者にする」と書いていますが、まるで現代の状況を予見しているようにも思えます。
愚か者から抜け出るように、反省しなければいけません。

 <引用終了>


 [註]:ブログ主の元の文面にはありませんが、カントの引用箇所は「」で括って表示しました。

 

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コメント
 
01. 2013年11月04日 12:23:42 : q931E3NW4E
(だからどちらの面から視ても)
その知る"べき"とされる知識の内容が問題で
内容はどう在れ特定の知識が自身か誰か
またはなにかの役に立つと云う事であれば
その者はほうっといても知ろうとするんだろう
人とは本来そのようなものである筈だ
煽りによって特定の内容に人々の目を釘付けにさせている or させようとするのは
どちら側から見ても如何わしく感じる
何故なら不自然な脅威だからだ
この場合の「勇気を持て」という言葉も誠実そうに見えて実に人の心を不自然に揺さぶる名言だ

例えば啓蒙と称して衆愚に対し
知るべきものを見ないフリをしている事が問題だとするのであれば
それはその者が見ないフリをしているのではなくて
その者は視たいものだけを視ているのである
他者の行動の欲求を呑まずして人々への真の理解など得られる筈は無い
何かを問題視するのはその哲人の個人的な望みから来る満たされぬ想いであって
個人的な欲求が他者の行動に依って満たされる事など無い事を知ることである

他人の言葉に心を揺さぶれた体験とはあくまでその個人が他者の行動を利用して得たに過ぎないのである

知識とは個人的な人生の体験を狭める為にあるのではなく
より寛大で制約無く自由である為に自ら作り上げるものであると考える


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