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仕事で借りている倉庫の周囲には、のどかな田園風景が広がっています。
ある時小柄で日に焼けた、典型的な中年太りの男が通り過ぎました。
目が合うと人懐っこく微笑んでくれて、その日はそのまま去って行きました。
次の日もまた次の日も、同じ時間帯には現れるようになり、やがて自然に会話が始まりました。
稲の苗がようやく分蘖を始めた頃でしたが、それを指してこう言うのです。
「あれはなんだい?」
「? あれって。。。え?」
「ほら、あれ。あれは何を作ってるの?」
まさかと思いました。彼は稲を知らない日本人でした。
「ふ〜ん。あれが米か。沖縄では無いからなあ。」
それから話が色々弾んで行きました。
聞けば八人兄弟の長男で、貧しい家計の為、マグロ船の漁師として働き、弟妹たちを大学まで進学させて来たそうです。
もう歳を取って、マグロ船は無理で、こうして出稼ぎに来ている。
故郷に帰れば皆が歓待してくれるのだが、それも窮屈だからと。
知る人ぞ知るマグロ船。その当事者から語られる内容は壮絶の一語に尽きます。
漁に出る前には支度金として一人500万円が支給されます。
半分を家族に渡し、生きて帰れる保証はないからと、残りを一晩で使い切るそうです。
彼の場合は女と酒。
漁に出たら1〜2年は帰れない。次の港に立ち寄るまで、数ヶ月は海の上。
そこには医者はいない。
ある時、仲間がロープを巻き上げる機械に腕を持って行かれた。
それでも漁を中止して何処かの港に引き返す事は出来ない。
引き返せば他の漁師たちの稼ぎも泡と消えます。そういう約束で乗っている。
腕を切り落とし、回復を待つ。
治らずに傷が悪化して死んだ時は、マグロと一緒の冷凍庫(−50〜60℃)に入れられる。
帰国してから、死因を警察に明らかにするために冷凍保存しておくのだ、という。
またある時。
親子で乗り込んだ漁師が居て、息子が夜の荒海に投げ出されてしまった。
夜の荒海はどんなに屈強な漁師でも、一度海に放り出されれば、忽ち見えなくなってしまうそうです。
そうすると帰国してからが大変です。
口裏を合わせた殺人の疑いが全員に掛かり、警察にも、保険屋にも、どうにも証明が出来なくなります。
海で溺れる息子にはまだ何の外傷もありませんが、父は息子の腹めがけてモリを投げました。
助けるチャンスは一瞬でなくなりますから、浮き輪ではなく、モリを射るのです。
引き上げられ、傷口に焼酎を吹き付け、手縫いします。
あとは次の港まで放置され、漁は続行されるのです。
その息子もやはり最終的には冷凍庫に入れられました。
これが真剣勝負で生きる、ということなのかと。
他の職業に同じ覚悟を持って、働かねばならない過酷な環境はそうはないでしょう。
でも、あなたにも同様の事がそれは明日にも起こるかも知れないという事を、実感して欲しいと思います。
そのことを証明しようとする為のたとえ話ですが、実際に経験した話でもあります。
数年前、妻と田舎道をドライブしていました。
空いているので気分良く時速80キロ程で走行していたら、上り坂の左カーブに差し掛かりました。
ところが其処には全く何の注意書きも前触れも無く、自分の走行車線上に10個位のカラーコーンが立ち並び、行く手を塞いでいたのです。
あたかも対向車線上に迂回して行けとばかりの誘導が無人でされていたのです(好意的に観て、多分沿道の草刈作業でもあったのかもと推測するのみですが)。
仕方なく標識の中(自分の走行車線上)に突っ込み停止する行動への迷いは、
その刹那、横で「何処行くの!」と叫び、その行動を否定する妻によって生じたものの、
なんとか自分の思う行動を取る事は出来ました。
とっさの事です。見通しの効かぬカーブでも、素直な方ならその誘導に従ってしまったかも知れません。
その時もしも、そんな事とは知らぬ対向車が右カーブの下り坂から猛スピードでやって来たら?
一方的に落度があるのは対向車線上にはみ出した方です。
何処の誰が誘導したかもわからぬ無人の標識を信じて、横道に逸れた方です。
最悪の事態は、その正面衝突の後で標識が何者かの陰謀で片付けられてしまっていたら?
車の運転と言うのもひとつの真剣勝負です。
悲惨な事故という言い訳無用の現実に誰もが日々晒されているのです。
洗脳を極度に嫌う人ならば、日々の暮らしとて真剣勝負でなければなりません。
投票行為とは自分の代理を選ぶことでしょう?
そこを本当にイコールで結べる人にしか、自分の代理などは任せられぬはずです。
それをポスターや演説ひとつで選ぶ事は真剣勝負ではない。と。
土台、人任せで、自分の事なのに、してもらおうと言う行為が投票行為の本性でしょう。
匿名的で無責任なのはどっちか?
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