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●東京タワーのアンテナ支柱から軟式野球ボールが出てきた。
ボールは、上部の矢印の辺りで半世紀も眠っていたとみられる
東京タワーのアンテナ支柱工事中に発見された謎の軟式野球ボール 耐震補強工事が行われている東京タワー(東京都港区)で、1958年(昭和33年)の建設時以来、初めて付け替えられた上部アンテナ支柱の中から“謎の野球ボール”が発見されたことが31日、分かった。
地上約306メートルの高さにある支柱内で、半世紀以上を過ごしたとみられる古い軟式ボール。54年前、作業員が記念に入れたのか、地上で子供が遊んでいたときに飛び込んだのか。関係者らは“真夏のミステリー”に首をひねっている。
一体、なぜ東京上空のここにこんな物が…。アンテナ支柱付け替え工事が始まり、2日目に入った7月10日午前1時ごろ、地上300メートルで徹夜作業をしていた作業員たちは、支柱の中から出てきた物体に驚きの声を上げた。傷みが進み、一部腐食し、黒ずんでいたが、間違いなく、それは軟式野球のボールだった。
ボールを持ちながら、タワー模型で発見場所を示す西野さん 耐震補強と地上デジタル放送への対応のため、タワー最上部にある長さ約25メートルの鉄製アンテナ支柱は、新規格の支柱に付け替えられることとなり、9日夜の営業終了後から、工事が行われていた。
54年前にタワーが建設されて以来、初めての付け替え工事。施工する竹中工務店の作業責任者・西野啓介さん(47)によると「古い支柱を解体するため、ガスバーナーで穴を開け、燃えたりするような物がないか、作業員が手を入れて中を確認したところ、ボールがあった」という。
支柱は鉄板の厚さを含めて直径約37センチの鉄製円柱で、内部は空洞。出てきたボールは、作業員の間で通称「ドンツキ」と呼ばれる、空洞内の鉄骨架台の最下部(土台部分)に収められていたとみられる。西野さんは「驚きましたよ。こんなところに、あるはずのない物が出てきたわけですからね」と振り返った。
東京タワーの運営会社によると、支柱は風雨を避けるため外部から密閉されている。電球交換などのため外側で作業することはあっても、内部を開けたのは今回が初めてだという。西野さんも「54年前の工事のときに、入ったんでしょう」と推測する。
50年以上、東京上空に“安置”されていたかもしれないボール。来年、開業55周年となる東京タワーでは、今回の工事で不要となった鉄部品などを、記念グッズにしたり、展示する予定だ。今回見つかった“謎のボール”も、展示する方向で検討するという。
◆耐震補強含め7・9から工事 ○…東京タワーのアンテナ支柱は、昨年の東日本大震災で先端部が曲がった。それ以前から、地上デジタル放送の対応のための工事は計画済みだったため、耐震補強の目的も含め7月9日から工事が始まった。古い支柱を十数本に分割し、だるま落とし式に解体。新しい支柱を逆の順番で建てている。それに伴い一時期は通常(333メートル)より15メートル短い318メートルになったが、31日朝の段階で329メートルまで復旧。2日朝には支柱工事は完了する見込みだという。
◆このボールについて、ご存じの方からの情報をお待ちしております。kizuna@hochi.co.jpです。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20120731-OHT1T00266.htm
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