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日本太郎という傍若無人なヤクザがいました。
チ9号という満員電車の中でも、流行の刺青を自分の体全体に彫るのが好きでした。
よく見るとそういうヤクザがあちこちにいるようです。
太郎の刺青は4番目に目立ちました。
どれも周囲に血が飛ばない様にしている様なので皆は黙っていましたが、
他の三人のヤクザが彫り損なって飛んだ血や、隣の人を彫刻刀で突き刺しそうになった過去があるので、皆心配でした。
案の定、突然電車が急停車し、一番端にいた太郎は自分の右肩に彫刻刀を突き刺してしまいました。
すると見る見る刺青は炎症を起こし、膿んで、雑菌を撒き散らし始めたのです。
これではいけないと傷テープを貼って、急いで服を着たので、
電車は何事も無かったかの様にまた出発しましたが、
次の駅にも着かぬ内に、太郎は今度は左腕を捲り上げ、再び彫り始めたのです。
それを見て真似をする周囲の人たちも現れたり、遠くから「恥を知れ!」と叫ぶ人の声がしました。
(恥を知れ)
その声に太郎はハッとしました。
正確に言うと太郎の中にいた、免疫たちでした。
(異物が血液に混じり込んで宿主の体を巡っている!)
(そのせいで気が違った宿主が、今度は左脇腹の刺青を又彫ろうとしている。)
(仕方がない。気が狂れた宿主の行動は止められないが、左脇腹に行く血の流れなら止められるはずだ。)
免疫にも色々なタイプがいますが、そう思った免疫が他の免疫に呼び掛けたところ
違う免疫が言いました。
「そんなことをしたら左脇腹が壊死するわよ!」
他の免疫も言いました。
「そうだそうだ!」
最初の免疫は言いました。
「この体は異物で既に腐り始めている。だから皆、弱ってしまっているのだろう?
これ以上雑菌が傷口から入れば体全体が壊死するぞ。」
違う免疫が言いました。
「それでもいい。非免疫的なことをするよりも。」
他の免疫も言いました。
「そうだそうだ!」
最初の免疫は心の中で思いました。
(腐ったのは脳だけじゃない。。。)
実は日本太郎はチ9号の運転手でした。
そろそろ終着駅です。
刺青彫りに没頭していた太郎はそのままのスピードでホームに突っ込んで行きましたとさ。
おしまい
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