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2013/07/01 15:32 日々雑感
この国のマスメディアは絶えず「正義の月光仮面」を装っている。プラザ合意により米国によって貿易立国日本のあり方を叩かれるや、たちまち「内需主導の経済」への転換を声高に叫んだ。
しかし当時を振り返ってみても、日本のGDPに占める貿易額は30％に満たず、現行の中国の36％と比較しても必ずしも高いとはいえない。しかし米国企業は労使が一緒になって狂気じみた叩き方をし、日本はたちまち萎縮して「反省」をしてしまった。
国内生産による輸出が否定されたからと、企業はとりわけ自動車産業は生産工場の米国を中心として海外展開を行い、国内産業が空洞化した。そうした産業界の流れに対してこの国のマスメディアは今日の事態を予想して警鐘を鳴らしただろうか。
中国投資熱が過熱して猫も杓子も工場を中国へ移転させる愚挙を日本の経営者が先を争って行っている時「それでも日本企業か」と経営者たちを叱ったマスメディアがこの国のあっただろうか。彼らはお調子者のごとく、中国進出を煽りNHKなども「熱風大陸」などというプロパガンダ番組を流していたではないか。
翻って政治家たちも、所詮は票頼みの人気稼業に身を窶して、その場限りの拍手を求めている。ただ政党の底を流れる主調低音には一貫したものがあったはずだ。
たとえば自公政権は小泉政権当時から新自由主義を標榜して、米国のハゲ鷹たちに日本の国富を投げ与えて恥じない政策に邁進している。民主党は2009マニフェストに新自由主義に対抗すべく社会保障と未来への投資を実施する政策を掲げていた。それらは日本の未来に渡る二大政策の潮流をなすはずだった。
しかしマスメディアによる嵐のような民主党2009マニフェストの批判により、民主党は政策推進の柱となるべき小沢氏を「政治とカネ」捏造プロパガンダにより排除されたため、政権交代後一年とたたずしてガタガタに崩された。
所詮は票頼みの人気稼業の政治家たちに理念型の政治を望むのは木に登って水を求めるようなものでしかなかった。しかし民主党の政治家たちを萎縮させ、政治主導の「一律社会保障」や「未来への投資」をマスメディアが吹かせる逆風に耐えて推進する力量も度量も、そして何よりも覚悟もなかった。
なぜ一社なりとも国民を餓死させない「一律社会保障」や、少子社会を撲滅するために子供手当を直接支給する「未来への投資」を支持するマスメディアが現れなかったのだろうか。そして現在、一社なりともアベノミクスは実態は何もないプロパガンダに過ぎない、このまま推移すればスタグフレーションの奈落の底へ国民をつき落とすだろう、と安倍政権を批判するマスメディアが出現しないのだろうか。
英国や米国では選挙時に「わが社は○○政党を支持する」と立場を表明して論陣を張る。日本のように「我こそは絶対無瑕疵の正義の使者だ」という厚顔無恥な立場に固執しない。
国民はあらゆる政治課題で多面的な立場を耳元で囁かれている錯覚に陥っているが、結果的には強引に新自由主義に引きずり込まれている。「政治とカネ」で散々小沢氏の名誉を棄損したテレビ報道番組のMCやコメンテータたちは一人として小沢氏の無罪確定に際して自己批判とお詫びをしただろうか。彼らがいかに自分たちの為した犯罪行為に対して鈍感なのか、呆れるばかりだ。
謝る必要もない日韓併合時代に対しては「植民地政策」などと植民地がいかなるものか定義もないまま先人を辱め、存在しなかった従軍慰安婦に対して日本国民は謝罪すべきだと論を張っていたのは何処のマスメディアだったか、頬被りして知らぬ顔を決め込んでも、証拠は山ほど残っている。
この国のマスメディアこそがこの国の政治を混乱させている張本人だ。決して「ねじれ国会」が政治を混乱させているのではない。似非・月光仮面が国民を惑わせているのだ。
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