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【新連載キックオフ宣言】ジャーナリスト堀潤の新しい活動はここから始まる! 「目指せ"オープンジャーナリズム" 」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35310
2013年04月01日(月)堀 潤 :現代ビジネス
筆者がNHKに退職届を提出した事が公になった3月19日、現代ビジネスの瀬尾傑編集長が「わたしたちもメディアの世界を変えたいという思いでやっています。ご一緒できるとすごく嬉しいです」とFacebookでメッセージをくれた。面識はなかったものの「ぜひ」と返事を返すと「今夜会いましょう」とまたすぐに連絡がきた。
午後11時、新橋の居酒屋で落ち合い、終電の時間もすっかり忘れ午前2時頃まで二人で話し込んだ。
組織の建前とジャーナリズムの実践が混在するマスメディアのジレンマ。ソーシャルネットワークの発達で加速する市民発信と既存メディアとの融合の未来像。一次情報保持者が直接発信する時代におけるジャーナリストの役割とは何か---話題は尽きなかった。なかでも、市民発信の可能性についての意見交換は盛り上がった
■一次情報を持つ人々が直接発信する時代
筆者は、去年6月から、ソーシャルネットワークを活用した市民投稿型映像ニュースサイト「8bitNews」を友人達と共に運営している。
このサイトは、国民が自由に電波を使って発信できる権利「パブリックアクセス」の実現を目指し、前提となる市民側の発信力強化を目的に設立した実験サイトだ。 サイト側で投稿動画の選定や編集は行わず、市民が手元のスマートフォンやコンパクトカメラなどで撮影した動画がそのままYoutube経由で投稿される。
パブリックアクセスとは、アメリカやヨーロッパ各国、そしてアジアでは韓国がすでに法律で保障している市民の権利だ。英国のBBCや米国各地のPBS・公共放送がその受け皿となり、市民映像を電波にのせて発信するサポートを続けている。8bitNewsでは市民から取材や撮影の相談があれば、メンバーとして登録しているマスメディア在籍者や経験者が本人に直接アドバイスをして発信の手助けをする試みも続けてきた。
サイトの開設から半年以上が経過し、投稿テーマの偏りや投稿者が次第に限定されてくるなどの課題も見えてきたが、一般の会社員女性が撮影した総理大臣官邸前のデモの様子が世界各国からのアクセスで10万回以上再生されたり、原発作業員自身による内部告発の投稿動画が、後にテレビ・新聞によって取り上げられるようになったりと、一定の成果もあげてきた。
一次情報を持つ人々が直接発信する時代に、日本のマスメディアは今後ニュースにどう関わっていくのか・・・。筆者が所属していたNHKをはじめ、民放各社ともに模索を続けているのが現状だ。
■英国名門紙「ガーディアン」の挑戦
こうした中、欧米では「オープンジャーナリズム」という名のもと、市民発信とマスメディアの融合が先んじて行われている。
代表例は、およそ1年前に始まった、英国の大手新聞「ガーディアン」の取り組みだ。ガーディアンは「次代の報道にオープンジャーナリズムの実践は不可欠だ」として、インターネットを駆使した市民参加型の新しい報道スタイルを確立しようとしている。
オープンジャーナリズムとは、SNS・ソーシャルネットワークの発達に伴い存在が議論されるようになった概念で、従来、編集権を主張し特定の職業メディア人たちによって行わ れてきた取材、執筆・撮影、編集作業に、市民をはじめとした非メディア人が制作者の1人として関わる取り組みを指す。
ガーディアン紙のサイトを覗いてみて欲しい。「Open Journalism」と銘打たれたページでは、"ジャーナリストは世界で唯一の専門家ではない"と語る編集長の言葉とともに、市民が執筆した記事や撮影した写真が並んでいるほか、市民からの意見や質問をもとに記者が取材を進めた記事などが掲載されている。
情報公開の徹底ぶりにも驚く。特筆すべきは「The Guardian's open newslist」というページだ。ガーディアンの編集部が、その日のニュースオーダーを決めていく様子をリアルタイムで公開している。どんな記事を準備し、誰が取材をしているのか、これまでブラックボックスだったニュースセンターの心臓部に、誰もがアクセスできる環境をつくったのだ。
また本サイトでは、オープンジャーナリズムを実践する狙いを周知するために、人形劇仕立ての動画も掲載し、ガーディアンへの参加を呼びかけている。
この動画では、保険金詐欺の事件をめぐって同紙が発した第一報を、SNSで繋がり合った市民が様々な角度から検証し合い、マスメディアが明らかにできなかった新事実を見つけ出して社会運動にまで発展させる、というストーリーが描かれている。
ガーディアンのアラン・ラスブリジャー編集長は、ジャーナリストが専門家であるとは限らず、いまや他者の意見を広く取り入れなければ物事の検証は十分にできないと語り、市民とマスメディア側のネットワーク化やジャーナリズムの更新が必要だと説明している。
■日本のマスメディアはガラパゴス化してしまうのか
インターネット後のメディアは、大きな変革期を迎えている。
世界の動きに目を向けると、これまでの概念を打ち破る新たなジャーナリズムの実践も様々な形で、その試みが始まっている。足踏みを続ける日本のマスメディアは世界の潮流に乗り遅れ、ガラパゴス化していくのか---。
この連載では、世界のメディア変革の動きに目を向けつつ、次世代メディアの創造力を皆で刺激し合いたい。
次回は、オープンジャーナリズムで変わる「戦争報道」について書いてみたい。
◇
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ニコ生 緊急対談 元NHKアナウンサー堀潤×津田大介 130401... 投稿者 plutoatom
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