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2013年3月30日 神州の泉
国民目線を貫いて原発批判を崩さなかった堀潤アナウンサーは、日本偏向報道協会NHKが生んだ突然変異体である。米官業利権複合体に都合の良いことしか報道しないNHKは次代を担うまともな感覚の若手アナウンサーをまた一人潰した。福島第一原発事故についてまともな検証番組を司会した森本健成アナウンサーは見せしめのために人身御供にされたが、彼らのように“まとも”な感覚の職員がある一定の数はいるようだ。
朝ドラなど、つまらないドラマが多い中で、ごくまれに娯楽性や密度の高いドラマが放送されることもある。NHKがテレビの開局から60周年を記念して、今年の1月26日から3回に分けて放送されたドラマ『メイドインジャパン』(井上由美子氏脚本)がそれである。物語は日本を代表する大手電機メーカーが倒産の危機を迎え、それをどう乗り切っていくかがメインストリームになっているが、日本が失われた20年に突入し、物づくりを誇っていた産業界が衰退している背景を舞台にしている。
メインバンクが手を引いたため、倒産寸前の危機に陥った電機メーカー「タクミ電機」の余命はあと3カ月しかない。創業者である会長(岸辺一徳)は、まさに沈まんとする会社のために起死回生の一計を案じた。個性が強く周囲に浮き上がってしまう変わり種の社員7人を特命チームに選抜し、倒産回避のための再建戦略室を設けたのである。このチームリーダーに任命されたのが矢作(やはぎ 唐沢寿明)であり、彼の下に財務担当や、リストラを専門に行う者、電気技師長、弁護士資格を持つ女性社員など6人が任務に就いた。
このドラマは現実日本の製造業、とくに電機メーカーの凋落と強く同期していて、見たものはかなりのリアリティ(臨場感)を感じたのではないだろうか。戦後、優秀な電化製品で世界を席巻し、「メイドインジャパン」の象徴的な電機メーカー各社は、今や円高、EU債務危機、アジア新興国家などが勃興し、危機的な状況に至っている。ご存じの通り、ソニー、シャープ、パナソニックなどはもう完全に斜陽化している。
シャープは液晶技術のトップの座を走っていたが、その技術も下手すると提携先のサムスンに奪われかねない状況に至っている。確か2、3日前にNECがガラケー(ガラパゴス携帯)の生産中止を発表していたから、今や日本の家電産業は落魄の気配濃厚である。ドラマはこの現実とリンクしているよう見えるので、生々しい緊迫感があった。このドラマの特徴は技術流出を真正面から扱っていて、タクミ電機の技術者・迫田はリチウムイオン電池という画期的な電池を開発したが、会社の方針で電池部門は廃止される。
迫田は自分の技術が埋もれるのを問題視し、中国の会社に引き抜かれて同じ電池を中国製品として開発し、中国の会社を発展させた。再建戦略室は元同僚の迫田や中国企業を相手取って戦うことになる。娯楽作品だから現実にはありえないような奇想天外なストーリー展開があるが、かなり面白かった。
高度経済成長期を通過してきた年代の人たちは、このドラマを複雑な心境で見ていたに違いない。日本のモノづくりの衰退や技術の海外流出は、根深い複数の理由が錯綜しているから単線的な説明は難しい。だが、このドラマを見ていると、現実とリンクする緊迫感やドラマ性は十分に楽しめるが、結局は“何で日本はこんな風になってしまったんだろう?”と、実に複雑な心境になる。
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