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地上波テレビの視聴率凋落、どう見る?
http://sengoshi.blog.so-net.ne.jp/2013-03-04
2013-03-04 02:46 戦後史の激動
地上波テレビの視聴率が上がらないといわれています。1月の3週目から2月最終週(〜24日)まで、6週連続でひとつも20%超の番組がなく、テレビ界始まって以来の珍現象とか。つまらない番組を放送してきた地上波の「終わりの始まり」、もしくは価値観の多様化で落ち着くべき数字である、といった指摘もあります。さて、どう見たらいいのでしょうか。
私は子供の頃から「何曜日は何を見る」と決めていたテレビ世代だったはずなのに、21世紀になってからは地上波のお楽しみ番組がなく、せいぜいCSで昔のドラマを見る程度。ではその分、どこに時間を費やしているかと問われたら、ネットと答えるかもしれません。そういう方は少なくないと思います。時代が変わり、視聴者の価値観の多様化という面はたしかにあるのでしょう。ただ、私たちは受け手です。原因の根本は、受け手をそうさせた作り手であるテレビ局側の事情を見るべきでしょう。
地上波テレビの視聴率問題を取り上げているのは「日刊ゲンダイ」(3月4日付)です。
http://sengoshi.blog.so-net.ne.jp/upload/detail/m_nikkangendai0304.jpg.html
「週間ランキング上位は『サザエさん』『笑点』といった長寿番組。時代を牽引する番組がなく、“テレビは終わった”といわれても仕方がない状態です。しかも今期は特に連ドラがひどい。きちんと作っているドラマは多いのですが、民放で平均15%を超えるものが1本もありません。やはり、最近話題になっている録画して見る『録画再生率』のアップが原因なのか」(放送関係者)
連続ドラマで手堅く20%をとれた番組は、おそらく『渡る世間は鬼ばかり』(2011年番組終了)が最後ではないかと思います。その最終回が22.2%でした。それでも「20%超え」が話題になったものです。
そもそも放送されていた「木9」の石井ふく子枠といえば、『肝っ玉母さん』や『ありがとう』といったお化け番組が記録的な視聴率をあげていました。それに比べれば、20%超えなどという「並みの高視聴率」で騒ぐなんてちょっと寂しいと思っていましたが、2年後の現在はそれすらとれないわけです。
もっとも、単発的な数字なら、やはり2011年の『家政婦のミタ』のように、最終回で40.0%の高視聴率を記録したものもあります。しかし、同番組は1クール。以前のテレビ界なら、好評だから放送を延長する、ということがありましたが今はそれはありません。人気番組に育っても、飽きられないうちに終わって、あとはスペシャル番組や映画化やDVD化で稼ごうというやり方に変わってきています。
ここが地上波ドラマ低落の原因のひとつだと私は見ています。通販番組台頭にもあらわれていますが、テレビの番組コンテンツのあり方が変わってきているのです。
つまり、制作したものを半年や1年かけてじっくり見せ、視聴率にかかわらずその枠を持ってくれている単独スポンサーとの信頼関係でCM料を得るという高度経済成長時代のビジネスモデルは破綻したのです。
大正製薬、ロート製薬、ブラザー工業、東芝、松下電器、三菱電機などそうでしたが、放送される番組にかかわらずその放送枠を面倒見てくれ、テレビ局は安定的にCM料を得、企業もともに発展する、という関係は、松下電器(現パナソニック)が『水戸黄門』のスポンサーを降りた時点で終焉しました。
現在テレビ局のドラマ制作は、映画化やメイキングその他を加えたDVD化など、まるで後のビジネスが実は本来の目的になってしまい、テレビ放送は成果主義的に視聴率を求める複数スポンサーのもと、1クールだけ「お試し」的に放送する“フロントエンドコンテンツ”になってしまっているのです。これでは視聴者だって本腰を入れて見ることができません。
民放某キー局などは、今や放送局ではなく不動産事業者になったともいわれています。
よく、テレビは視聴率至上主義になったからだめになったといわれますが、それはそのような経緯による結果であり、大手企業がテレビ番組枠を面倒見る、というシステムが維持できなくなってしまったことが質の後退の最たる理由ではないかと思います。
そうなりますと、これは不可逆的な変化ですから、以前のような地上波の隆盛はもうないんじゃないかと私は思います。
それにしても思うのは、プロ野球は恵まれてますね。テレビドラマ枠が後ろ盾になる単独スポンサーを失っているのに、球団は必ず買い手が出てきますからね。
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