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首都圏は水道水でも放射能シティ。PM2.5は『奴隷の言葉』。3/2(土)ガレキ問題京都講演&サプライズ。
2013-02-12 03:00:45
(部分転写開始)
この話を何回も書こうとして、ずっと考えているのですが、まず僕の見立てが、最終的には、甘い可能性があることを、皆さんにお断りしておきます。
それは、PM2.5がなぜこんなにマスコミで喧伝されているのかということです。
まず、僕のところにもこの話について、下らないコメントが届きます。きょうは、これが主ではないのですが、こうした馬鹿のコメント内容で、皆さんが間違っていろんなイメージ(直接のイメージに限らず、全然違うイメージも含めて頭に着想しそうなので、まずこれを削除しますが、面倒くさいし、時間の無駄!)を発想しそうなので、まずは、これから処理します。
「西日本のエリアは、中国からの汚染物質の飛散で大変なことになっていると聞きました。もともと、中国大陸から放射能やさまざまな毒物がやってくる地域でしたが、これではもうどこに言ったらいいかわかりません。沖縄や九州の人も、中国からの発がん物質に晒されていると思います。東日本などへの移住を考えたほうがいいのではないかと心配です。」
こうしたあまりにも頭の悪いコメントが付きますから、なかなか話が通じなくなりますが、まず潰しておきます。
そもそも、中国からの黄砂などの飛散は従来から変わっていません。それも放射能ではありません。そして、中国の微粒子はきのうきょうから始まっていません。しかも影響は西日本にとどまらず、全国的に可能性があります。
他の因子もありますが、ちなみに東京でもPM2.5は「板橋区で、国の環境基準(1日平均で大気1立方メートル当たり35マイクログラム)を上回る同59マイクログラム、練馬区で同50マイクログラムを観測」です。
沖縄の速報値はこちら。→http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/taiki/documents/sokuteikekka.pdf
東京と沖縄とでは、中国からの汚染や環境にPM2.5がどのくらいあるのかという点では、大きな違いがありません。というか、環境下のPM2.5は大都市圏の方がはるかにそのリスクが高いです(車や近接工場、清掃工場など)。
しかし、東京と沖縄には、大きなリスク差があります。
放射性物質が大量に環境下にある東京とほぼない沖縄の差は圧倒的です。
これで西日本に中国からのPM2.5が飛散するから、東京よりも危険だという馬鹿話はおしまいです。
ちなみに、大阪は従来から大気汚染が酷く、その影響が、さらにガレキ焼却で出ています。中国の影響も加味されますが、圧倒的に近隣で燃やしているものが大きいです。こんな話は、議論レベルではありません。
「木下さん、西日本へ移住させないために、マスコミはPM2.5を喧伝して、中国の汚染ばかり話しているのではありませんか。もしかすると大阪のガレキ焼却を誤魔化す為では?」こう話す人もいます。
放射能や広域処理に懸念している人が、マスコミを疑いの目で見ています。しかも先ほどのような下らない嫌がらせコメントがかなりくるので、皆さん余計にそう思います。
でも、それはおそらく違うのではと僕は思っています。
僕の感覚でいうと、恐らく東京のマスコミに、意味のない「嫌中感覚」が蔓延しています。多聞、漠たる不安感(3.11以降顕著になっている)が現在強くある東京のマスコミ人にとって、そうした外を叩く感覚は、逆に自分たちにとって救いになります。内憂がある時ほど、実体のない外患が首をもたげます。見通しのない「維新」「石原」「橋下」というワードに過剰反応していた東京マスコミの感覚と、こうした「嫌中」は、当然にリンケージします。それが、本質的に何の意味もなくても。愚かでも。
そうすると、中国人の所業で、私たちが嫌がらせをされているというある種のおかしい感覚ベースにする人たちには、PM2.5という、実体はよくわからない事象が、使えるツールになってきます。テレビニュースや新聞の題材として、使いやすい題材と、マスコミ人、特に東京マスコミ人は探知しやすい構造になっています。
だから、PM2.5はニュースに登場しやすくなります。ここまでは、僕はほぼ間違いないと思います。被曝隠しや大阪の焼却隠しなんて意図はもともとマスコミにはないでしょう。大阪市や大阪府の当局が、自分たちの焼却影響を隠したいために、そうした話も言い訳にしていることはあっても。
ここからが、他の懸念する人たちの感覚と僕が違うところです。ある意味、僕が楽観的に思っているのかもしれません。まず、東京でガレキ焼却への懸念は強まっていると感じています。先月下旬に都内に数日いた時にも強く思いましたが、わかっている人は多くないですが、わかっています。マスクをしている人も、このPM2.5の本格報道前でしたが、かなり多くなっています。
もう一つは、マスコミの中でも、東京新聞のような動きが出てきていることです。これは、東京新聞特報部が偉いとも言えますが、それだけではありません。ああした情報提供が意味があると感じる人が、新聞社内でも、あるいは他社マスコミにも、都民にも一定数いないと成立しません。こうした動きが出てきている、都内でのバックアップ側の気持ちの背景は、あきらかだと僕は思います。
関わっている様々なマスコミ人も、一般読者も、こうした吸気被曝の危険を危惧する感覚が強まっているからでしかありません。それは、東京という汚染地にいるリスクそのものでもあります。僕は、自分も、喉が痛くなるからマスクをし、眼の痛みも続きました。僕は自分は体感的に敏感ではありませんから、これは、気がつく人には、微細なことですが、ようやく気がつくきっかけになると思っています。ガレキ焼却という愚かな振る舞いが、可視化できない放射能に気がつく手がかりになっています。
そのうえで、放射性物質が存在している懸念を東京で伝える方法があるのかというと、それをそのままいう事が憚られる雰囲気が明確に存在します。映画「おだやかな日常」でもよいし、きのうおこなわれた東大のシンポジウムでもその雰囲気はよくわかりました(本来評価すべきアカデミズムのシンポジウムがこうした雰囲気の場でしかありませんでした)。僕は、これが東京の本質と思います。
東京新聞ですら、ガレキ焼却の危険を伝えていて、吸気被曝の懸念は分っていても、東京の危険には踏み込めていません。実は、そうした大きな構造にある話です。
しかし、怖いんですよ。そして、僕に言わせれば、「逃げたいんだよ。みんな、素直になろうよ。」です。でもできない。そうした時に、どういう事がおきるのか。代わりに、なにか近いイメージで、そうした気分を伝える題材を無意識に選びたがります。
嫌中という、今はどこのメディアで放送しても、問題視されない文脈(それはそれで変ですが)の中で、吸気の危険が外から日本に押し寄せてきているというフォークロアとして、語ることがようやくできるのです。東京のマスコミが、吸気の危険を大々的に語ることは、3.11以後、初めてのことです。
「東京がもともと危ないわけではないが、訳の分からない中国のPM2.5が危ないから、N95マスクをしよう」という話が普通に流れはじめます。この話なら、何のクレームもありません。そのまま流せる。それで、マスクが普通にできるようになる。しかも、N95が。
僕は、甘いと皆さんに言われるかもしれません。それに、彼らマスコミは、無意識からでしかないでしょうが、これでも『奴隷の言葉』だと思います。
こうした『奴隷の言葉』感覚をさらに加速しかねない話が、関東のローカル新聞で報じられていました。しかも、東京よりも、放射性物質の汚染が少ない、埼玉での話です。東京のみならず、首都圏全域が、しかも焼却が加速する吸気被曝の文脈でなくて、放射能シティになっている話です。
話は「飲み水」、つまり「水道水」です。
http://www.saitama-np.co.jp/news02/10/04.html
ポイントは、<放射性物質は、水道水をつくる県浄水場でも増え続けている。河川の水の濁りを除去し、消毒する過程で生じる「浄水発生土」は現在、県営5浄水場で計7万2千トンに膨れ上がった。県水道管理課は「有機物質が少ない浄水発生土は焼却できず、保管場所も限界に近いと、一層深刻だ。>です。
放射性物質を含んだ原水を処理して水道へ。⇒河川の水の濁りを除去で「浄水発生土」大量発生、ここにセシウムが存在⇒保管場所もなく悪化という無限ループが、「水道水」でもはっきりとおきています。吸気は土壌ばかりでなく、ごみ焼却、ガレキ焼却でこうしたループになりましたが、水道水は、濁りという名の放射性物質を除去する作業の無限ループ、無間地獄ということです。
つまり私たちは、放射性物質に汚染された水を、何とか濾過して誤魔化して飲んでいるということです。それが、浄水発生土の大量発生で、あからさまになりました。もちろん水道水内に、放射性物質はごく微量は含まれますし、計測しているのはセシウムのみです。全ては濾過できない。微量であっても、徐々に体内に蓄積されます。被曝は蓄積ですから。そうすると、これはまさに、吸気以上に、はっきりと時間経過との闘いになります。
そして、水道水の原水は、埼玉よりも、千葉や東京は汚染はさらに酷いです。これは、分かりきっている話です。
人が体内に取り入れる物質のうち、半分以上は室内空気です。これが57%。そして公共施設の空気が12%。産業排気は9%。外気が5%。これらが吸気に相当。それを足していくと、8割を超えます。そして、次が飲料で8%。食物は7%になります。その他が2%(当時東京大学生産技術研究所の村上周三氏:『住まいと人体-工学的視点から-、臨床環境医学9:49-62、2000』より)。
僕は、何回も言っています、東京は「放射能シティ」だと。一番怖いのが空気、大気にどれだけ放射性物質が出るのか。そして、その次に危険なのは、水。この二つの要因は、完全には防げないのです。だから何回何回でも言いいます、首都圏は厳しいですと。
部分転写終了
マスコミ・電通批評13 阿修羅
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