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2013-01-12 07:13:44 生き生き箕面通信
お早うございます。
生き生き箕面通信1482(130112)をお届けします。
・若宮啓文・朝日新聞主筆の内容の乏しい卒業論文「40年のまとめ」
若宮主筆は本日1月12日付け朝刊で、「間もなく朝日新聞を去る私は」と前置きし、異例の1ページまるまるをつぶして「私の見た政治の40年」なる、新聞記者としての「私の思い」(13面)、つまり卒業論文を掲載しました。それが、「さすが朝日の主筆」と評価できる内容ならまだしも、ほとんど内容のない、単なる歴史の経過をなぞるだけに終わっているのは、なぜか。しかも、触れなければならないはずの大事な事実についても、あえて触れないようにしているかのようです。全体として、こりゃあなんじゃ、このお粗末さはなんじゃらほい、の印象です。
まず、まったく欠けている視点が、アメリカからの要望(圧力)が日本の政治、あるいは日本という国の姿をどれほどゆがませてきたか、日本の真の独立をどれだけはばんできたか、という点です。1ページを割きながら、対米外交に関する直接的な言及はまったくありません。見出しには「日米中は心を開き大きな図描け」とありますが、いかにもとってつけたような印象です。
若宮さんが新聞記者になったころは、日米繊維交渉が火を噴いていたころです。日本側は対米繊維輸出の自主規制を強いられ、その自主規制は自動車などにも広げられました。それでも足りないと、日米構造協議と称して日本の商習慣などにまで改革を求めてきました。その後は、年次改革要望書という形で、具体的に日本側へ注文をつけてきました。次から次へと突きつけられる”圧力”によって、日本の商習慣は大きな変化を強いられ、いわゆる「パパ・ママ・ストア」などの個人商店は消えていかざるを得ませんでした。こうしたアメリカの理不尽ともいえる”内政干渉”に、若宮氏は一言も触れないのです。アメリカさまにおもんぱかって、ジャーナリストとしての筆を自主規制しているのです。新聞社を退職した後は、既得権益勢力から何かおいしいポストが用意されているのでしょうか。
原発に関しては、「唯一の被爆国であれだけの原発事故を起こしながら、多くの国民の願いである「脱原発依存」の方向すら鮮明にできない政治。総選挙では各政党がばらばらに脱原発や卒原発をかかげて争う、最も後ろ向きな自民党に大量議席を与えてしまった」と、選挙結果を記すのみ。原発問題では、一歩も二歩も踏み込んだ受け止めがあってしかるべきですが、あえてそのずっと手前で筆を止めており、主筆ですらここまで自主規制しなければならないのかと、暗然たる思いです。
小沢問題についてはかなりのスペースを割いて触れていますが、中身は噴飯ものです。こう書いています。「災いしたのは降りかかった政治資金の疑惑。本人は不起訴や無罪になっただけに検察権力にほんろうされたとも言えようが、田中元首相の裁判傍聴に通って以来、司法権力の『横暴』を厳しくついてきた小沢氏が最高権力者になることに、検察の危機感も大きかったのだろう。ロッキード事件の影はここまで尾を引いていた」と。これは何ですか。小沢問題は、小沢氏と検察だけの問題だったのですか。朝日新聞をはじめ大手マスメディアがそろって「クロ説」を書き立て、世論誘導したのではなかったですか。それをいまさら、「検察がやった。オレ、知らね」で済むでしょうか。メディアとしての検証は、1行もありません。まったくのほっかぶり。無責任もいいところです。
政治改革についても、ふにゃふにゃの記述に終始しています。今回の衆院総選挙は、「1票の格差」が大きすぎて最高裁から「違憲もどき」の判決を受けていたにもかかわらず、より大きな1票の格差をそのままに実施されました。あきらかに「違憲」です。総選挙は無効のはずです。しかし、「40年の政治記者の全履歴」をかけて書いた卒論が、ふにゃふにゃのこの体たらく。
私たちは、メディアの知性はこの程度だと承知した上で、自らの「メディア・リテラシーの力」をより強く磨く必要があります。今年は本当に私たち自身の判断力が問われる年になりそうです。
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