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今日の夜7時のNHKニュースでは大々的に、北朝鮮の‘ミサイル’発射について報じていた。潜在的には弾道ミサイルに応用できるかもしれないが、今の時点では、機能的には何らかの衛星ロケットとして打ち上げているものを、殺傷能力を全面にだした「ミサイル」と表現して報道してしまうことの是非が一つある。その表現が、政府の破壊措置命令といった、実質は意味のない、仰々しい措置を正当化させ、あたかも、戦時下のような沖縄での幼稚園児があわてて裸足で避難する場面を映し出すことをも、視聴者に違和感なく受け入れさせることになる。
ここまでは、きなくさいと思いつつも、前回もみられたような光景ではあるのだが、今回は、さらにロケット打ち上げ成功後に、北朝鮮がテレビで流したという、「北朝鮮はやるときはやる」という士気高揚のための軍歌を、映像入り、日本語字幕入りで、音楽とともに、流すということをNHKはやった。これはさすがに、異様な報道だったと思う。どこの国が、自分の国の国民を脅しにかかるような、相手国の軍歌、士気高揚歌を、ご丁寧に公共放送の電波にのせて流すことをするのだろうか。「ミサイル発射」という言葉に加えてあれを流せば、過剰に国民を不安感を植え付けるような効果があることは、わかりきっている。たぶん、7時代であれば、子供、高齢者もよくみる時間であろうが、そういうことも十分理解したうえで、むしろ、その効果を狙ってNHKは流していたのではないかと思われる。
こういった報道は、9.11後のFOXニュースなどで、イスラム過激派のテロの危険性を煽り立てるときになされていたような報道ではないのだろうか。その後の、アメリカの批判精神を消失した右傾化と、「大量破壊兵器」を安保理ででっちあげたイラク戦争への突入、最終的な収支としての、ハリバートンなどの軍需関連企業の大儲けなどを、思い出させるものであった。今回の北朝鮮のロケット実験は、先代将軍の一周忌に合わせて強行したという国内事情もあるようだが、それが韓国大統領選、日本総選挙の直前になったということに、偶然とのみはいいきれない、なんらかの米国軍需産業もからんだ思惑が透けて見えなくもない。NHKの報道姿勢の国民の不安をいたずらに煽るような異常さから、それが感じられるのだ。特定勢力の利益のために国際政治メディアを巻き込んで演出されたイスラム過激派テロ対アメリカという構図が、悪のヒーロービンラディンなき今、今度は、新たな「武器需要」を求めて北朝鮮対韓国日本といった構図で、再現されつつあるのではないか。そんな、右傾化と、軍国化、結果としての武器需要の煽りを思わせるようなFOX化した異様な総選挙前のNHK報道だった。
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