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結局のところ、まともな政治集団というのは小沢一郎のグループだけなのだろう。候補者が乱立するなか、彼らのマニフェストは極めて異質なのだけれど、実際のところ支持者ですら核心をほとんど理解していないのだと思う。
我々はメディアの常套句に幻惑され本質を見失いがちなのだが、この国の病巣とは不可視化された財政構造であり、独立行政法人を主体とする官吏機構の不労所得に他ならない。
小沢一郎は前回の総選挙に引き続き、特別会計の廃止と外郭団体の統廃合、天下り禁止を掲げているのだけれど、これはすなわち国家権力との対峙を意味するのであり、一連の疑獄事件が既得権益者による弾圧であったことは語るまでもない。
この国の実行予算とは国家歳入の6倍超となる特別会計であり、どのように高邁な経済理論を振りかざしたところで、税収が40兆円規模でしかないのに270兆円規模の歳出を継続すれば破綻することはわかりきっているだろう。このシステムは間違いなく、今後10年内に大破局をもたらす。
国庫財政は単式簿記という前近代的なシステムによりブラックボックス化されているのであり、つまり旧ソ連と同じく国民はキャッシュフローを周知されず、市場経済ではなくノーメンクラツーラ(特権官僚)によって官製経済が実践されているわけだ。
982兆円という国家債務の約50%が外郭団体の発行した財政投融資債であることは既述のとおりなのだが、国民の90%以上は財政投融資の意味すら理解していない。つまり官吏の権益のためだけに存在する100余の外郭団体による借財が、増税や社会保障の削減という形で、国民の負担に付け換えられているということだ。
石井紘基は生前に「400兆円の債務が国民の負担となる」と警告していたのだけれど、特殊法人改革が行われる2001年時点でこれらの借金は417兆円規模に達し、そのまま国債に合算され国民の負債として転化されたのだから、予言は見事に成就したと言えるだろう。
特殊法人は独立行政法人として継続しているのだが、中央官庁からの天下りは拡大し、給与体系が国家公務員を上回るなど、利権構造はむしろ強化されている。特別会計の不可視化により人件費総額など国政議員ですら把握していないのだが、補助金だけでも実に国防費200%を上回る12.7兆円に達しているわけだ。
この国の貧困率はすでにOECD加盟国中7位まで上昇し、GDPに占める教育費の割合は34カ国中最低であり、財源不足を理由に消費税率が倍に引き上げられようとしているのだが、つまり国民は2万7千人中央官庁OBを頂点とする権益集団のために犠牲を強いられている。
以上を踏まえるならば、小沢一郎グループの政策がいかに真っ当であり、むしろ圧倒的多数の政治集団が支配の下部構造に過ぎないことが理解できるのではないだろうか。
メディアは「金と政治の問題」という醜いレトリックで執拗に小沢に対する攻撃を繰り返したのだけれど、金が目的であるのであれば、小泉純一郎や竹中平蔵のように粛々と官僚機構と日本経団連の意向に従って政策を実践するのであり、むしろ合法的に莫大なインセンティブ(成功報酬)を確定できていただろう。
小泉純一郎は法人税減税や会計制度変更など、経団連の政策課題を達成した論考として、傘下のシンクタンク顧問に就任。竹中平蔵は派遣労働法改正に取り組み、業界売り上げを2.3兆円から7.7兆円に拡大した貢献によりパソナの会長に就任し、それぞれが莫大な報酬を得ていることは公然だ。これが「金と政治の問題」でなく、なにが「金と政治の問題」というのか?彼らの背徳によって、今や1000万人労働者が年収200万円以下だ。
特別会計や独立行政法人問題など解決したところでインセンティブは皆無なのであり、むしろそれは自身の地位や生命すらも脅かす行為であるのだから、小沢一郎が私心なき政治者であることはもはや説明するまでもないだろう。
なお、これは非公式であるだけれど、小沢代表は原子炉事故にも言及し、被爆地住民の避難や児童の疎開を実行すべきだと述べているという。今回の選挙結果は個々の生命や生存率に直接かかわるのであり、ぜひ皆さんには賢明な選択をして頂きたいと思う。
(以上転載)
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