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「1行も書かない情報のために多くの人が動き、経費がかけられた。そのお陰で、私は誤報をせずにすんだ」
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2012/10/15 晴耕雨読
江川紹子氏のツイートより。
https://twitter.com/amneris84
私も、オウム事件で重大な誤報をやらかしそうになったことがある。
坂本弁護士の長男龍彦ちゃんが生きている、という情報だった。
話は具体的で迫真性に富み、不明朗な点は、情報源の男が自分と事件の関わりを隠しているためのように思えた。
私がさらに男から話を聞き、花田編集長率いる週刊文春の 若い記者たちが、各地に飛んで裏付け取材を行った。
ところが、全く裏がとれない。
その点を追及すると、男はそれらしい説明をする。
それで、記者たちがまた裏付けに走る?
やっぱり、裏がとれない。
すると、男は、また「今まで言えなかった話だが」と新たな説明をする。
で、また裏付け取材が行われる
そんなことが繰り返された末、編集部は男の話を虚偽と判断し、関係を絶つことを決めた。
1行も書かない情報のために多くの人が動き、経費がかけられた。
そのお陰で、私は誤報をせずにすんだ。
ただ、私は龍彦ちゃんが生きているという話が捨てがたくて、未練がましく、自分のお金で男との接点は しばらく維持しておいた。
結局は、すべてが真っ赤な嘘だった。
その時の経験から思うのだけど、重要な特ダネ(かもしれない)情報については、メインの取材をする人と、裏付けをする記者は分けた方がいいと思う。
その情報が本当であって欲しいと思う人が裏付けをやると、どうしても甘くなったり 誰かの発言や事実を、自分の見立てに合うように解釈しちゃったりしがちだから。
気持ちが熱くなりがちな情報こそ、覚めた心で冷静に裏付けをする人が必要。
これって、特捜検察の独自捜査なんかでもってそうじゃないかな。
捜査の結果だけをチェックするんじゃなくて、 もっぱら見立てを否定する立場の捜査官が、独自に裏付け捜査を行って、その結果と照らし合わせて総合的に判断するようにしないと。
単に、報告受ける人を増やしただけでは、意味がない。
とりあえず、了
ジャーナリズムって、無駄をいとわない、「効率」とはもっともかけ離れた仕事のはずなんだけど、最近はマスメディアの世界も経営が厳しいこともあり、「効率」がずいぶん重視されているように見えて心配。
あと、編集者とか編集部の役割って、とても大事だと思う。
筆者を励ますことも大切だけど、覚めた心で書かれている内容をチェックする。
活字でもネットでも放送でも、そういう人たちを常にちゃんと育てていないと。
わらしが読売新聞に第三者による検証をして欲しいのは、関わった人たちへの責任追及より、誤報を生んだ背景まできちんと検証することで、記者がガンガン特ダネを求めていく気風を大事にしながら、こういう間違いや一連の陸山会事件の時のような報道をやらない方策を考えていって欲しいから。
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