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ついに出てきた 警察の不祥事専門ニュースサイト 溝口敦の斬り込み時評(98)(日刊ゲンダイ)2012年9月25日
▽みぞぐち・あっし 1942年7月生まれ。早大政経卒。徳間書店、博報堂勤務を経てノンフィクション作家。「食肉の帝王」 (講談社)で講談社ノンフィクション賞、JCJ賞を同時受賞した。
「ぽりすニュース」というサイトをご存じだろうか。去年3月からネット上で警察庁以下、全国47都道府県警察の不祥事ニュースばかりを掲載し続けている。アーカイブも備
え、地域別、月別に過去のニュースも参照できる。
警察にとってこれほど嫌みなサイトもないと思われるが、このサイトの主宰者が福岡県の暴力団筋と知ったら、警察はよけい頭にくるだろう。
これ以上の説明は差し控えるが、その福岡県では,夫がエ藤会系の組長である妻が福岡県警と朝日新聞に3300万円の損害賠償と謝罪広告を出せと訴えている。この裁判については本欄の70回目(12年2月21日付)で触れた。
妻側の言い分を要約すると、自分は結婚前から土木建築業のS社を営んでいる。にもかかわらず「S社が得た売り上げは年間2億円以上に上り、うち約1億円がエ藤会側に流れていたという」と報じた朝日の記事は虚偽。虚偽のストーリーをリーグした福岡県警と共に損害賠償の責任を負うべし、となる。
この件に絡み、最近、朝日新聞は裁判所に提出した訴訟資料の中で次のような主張を展開して、警察や報道関係者をのけぞらせた。
つまり、記事を担当した記者は紙面化する前に記事の原案を捜査関係者に示し、記事が正確かどうか確認を求めた。捜査関係者は「2億円のうち半分ほどがエ藤会に流れていた」という記述を「2億円のうち1億円以上がエ藤会に流れていた」に直してほしいと要請し、記事の正確性を認めた−と主張したのだ。
朝日は警察に自ら記事の事前検閲を求めた。報道の独立性はどこに行つたのか、報道倫理はどこにある、と問題にされたわけだ。
この騒ぎの眼目がどこに あるかといえば、警察情報と事前チェックをうのみにして、S社に取材しないまま公表したことにある。つまり報道メディアは警察から情報をもらい、それをそのまま報じれば、法的責任を問われることもある。それを承知すべきだ。警察情報はしばしば誤る。記事の正否はメディアの自己責任で達成しなければならない。
他方、警察とすれば、メディアは訴訟ともなれば自己の利益を図るのに汲々として警察の顔に泥を塗り、一方的に責任を押しつける。こういうメディアに記者クラブ室を提供し、独占的に報道の便宜を図る理由はない。
よって双方ともに縁切りし、「記者クラブを廃すべし」という結論となるが、どっちにしろ警察不信が福岡から発信されていることは興味深い。(月曜掲載)
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