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長谷川幸洋氏〜与野党協力を「新しい政治文化」と持ち上げる新聞の気味悪さ〜「ニュースのことばは嘘をつく」第46回〜
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11330387398.html
週刊ポスト2012/08/31号 :平和ボケの産物の大友涼介です。
消費税引き上げ法案が成立した。野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表が「近いうち」の衆院解散・総選挙と引き換えで法案成立に合意したためだ。
この「近いうち」について各紙が同床異夢を指摘している。たとえば、朝日新聞は「両党の解釈がずれている。自民党が今国会での解散を要求しているのに対し、民主党では輿石幹事長が『<近いうち>にこだわる必要はない』と語るなど先送り論が大勢だ」と書いた(8月11日付社説)。
谷垣と野田は本当に解散をめぐって同床異夢なのだろうか。たしかに谷垣は早期解散を求め、野田は先送りを狙ってきた。だが、谷垣は最終局面で先送りを容認したように見える。
あくまで早期解散を狙うなら内閣不信任案と首相問責決議案を出せば、野田は追い詰められたはずだ。だが強行突破しなかったのは、増税さえ実現すれば、解散が秋にずれ込んでも9月の自民党総裁選で再任される見通しをつけたからだろう。
舞台裏には自民党長老組と財務省がいる。増税で財源に余裕ができれば、減災・防災を大義名分に公共投資のばらまきを復活できる。長老組にとっては解散より地元への公共投資が重要だった。そんな道筋をつけた谷垣は功労者でこそあれ反逆者ではない。
長老組は解散時期をもともと重要視していなかった。谷垣は強硬論と妥協論との間で揺れ動いていたが、どちらが総裁再選に有利に天秤にかけて、最終的には増税優先を選択した。私はその時点で早期解散要求は棚上げしたとみる。ダメもとでいいのだ。長老組の支持で再選が確実になるなら、早期解散にこだわる必要はないからだ。
いま永田町で次も民主党が政権を握ると考える脳天気な議員は、与野党を問わず1人もいない。「どうせ次はおれたちの出番なら、増税のような『重たい荷物』は民主党政権に背負わせてしまえ。その方が政権に復帰するとき身軽になる」。谷垣が増税を容認した背景には、そういう打算もある。
新聞が同床異夢を指摘するのは、実は「周回遅れ」なのだ。事態はもっと先に進んでいる。肝心なのは総選挙後の政権枠組みである。いずれ来年夏までには衆院議員の任期が終わるので、総選挙が必ずある。果たして次の政権をどうするか。与党も野党もそこを考えないで解散もなにもない。
自民党としては単独で政権を奪取できればそれに越したことはないが、過半数を握れないなら、野田民主党との連立が視野に入ってくる。民主党が100議席を割るような大敗北を喫しても、公明党も加えれば過半数の240議席を超すだろう。谷垣は消費税3党合意をきっかけに、次は自公民政権を視野に入れているはずだ。
増税と社会保障政策でほぼ一致し、オスプレイの沖縄配備に象徴されるように日米基軸の外交安保政策で一致しながら、連立政権を考えない方がむしろ不思議である。
一方で、自民党内には「民主党のような組合政党とは絶対に手を結べない」という有力な保守派もいる。ここは政治の重要な結節点である。
朝日は先の社説で「不毛な政争はやめ、協力すべきは協力する。一体改革関連法の成立を、そんな新しい政治文化をつくる一歩ととらえたい」と呼びかけた。協力といえば聞こえがいい。だが、新聞が「新しい政治文化」などと持ち上げると、どうも大連立・翼賛会の提灯持ちをしているようで気味が悪くなってしまうのだ。(文中敬称略)
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