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《こちら特報部》「メディアの自殺行為 『ニュースソース(情報源)を守る』という責務どこへ」 2012/07/27東京新聞
http://www.asyura2.com/12/hihyo13/msg/282.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 7 月 27 日 22:43:25: igsppGRN/E9PQ
 

【こちら特報部】「メディアの自殺行為 『ニュースソース(情報源)を守る』という責務どこへ」
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11313194483.html
2012/07/27(東京新聞) :平和ボケの産物の大友涼介です。


ニュースソース(情報源)を守る。内部告発者の立場を危うくしないため、この原則は報道機関にとっては重大な責務と考えられている。日本経済新聞社が検察幹部を取材したメモを証拠として法廷に提出したことが最近になって判明した。メモには実名も明記。大原則が崩れてしまったといえないのか。(上田千秋・出田阿生記者)


記者「(被告とゼネコン関係者が)頻繁に会っていたというのは堅い話ですか?」

幹部(実際は実名)「頻繁かどうかは知らんけど。中司はどう言っているんだっけ」

大阪府枚方市の前市長中司宏被告(58)=談合罪で一、二審有罪判決、上告中=が日経新聞を相手取り一千万円の損害賠償を求めた訴訟。この中で、日経側は冒頭の内容のような取材で得た情報を実名を挙げて大阪地裁に証拠として提出した。

日経は二〇〇七年七月六日、大阪本社発行の朝刊で「中司被告が大手ゼネコン関係者から頻繁に接待を受けていた」との記事を社会面トップで掲載した。当時、同市発注の公共工事をめぐる談合事件が各紙で盛んに報じられ、日経の記事もその中の一つだった。中司被告は同月三十一日、大阪地検特捜部に逮捕され、一時は容疑を認めたが、公判では一貫して無罪を主張。日経の記事についても「誤報で名誉を傷付けられた」と提訴していた。

日経側が提出したのは。検事正や次席検事とのやり取りを記した複数のメモ。頻繁に接待があったとの情報の裏付けを取ろうと記者が幹部に食い下がる様子がうかがえる内容だ。ただ、大阪地裁の小海隆則裁判長は先月十五日、メモを含め、「記事を正当化するには到底足りない粗末なもの」と述べて日経側の主張を退けて、同社に六百万円の支払いを命じている。

取材源秘匿の原則を守るべき報道機関が、実名の取材メモを公の場に出すのは極めて異例だ。このケースでは、日経側が取材源が検事正と次席検事であることを隠さず、公にしたことになる。実名を明かすことの了解も取っていないという。

メモは検察幹部の自宅周辺などでの個別取材(いわゆる「夜回り取材」)によって得た情報を基にしており、実名報道が原則の記者会見などで聞いたものではない。記事では「関係者によると」と実名を示さず、情報源が分からないよう配慮している。日経側は今回の判断について「本件については六月十九日に大阪高裁に控訴しており、係争中のためコメントは差し控えさせていただきます」(同社広報グループ)としか説明していないが、なぜ、こうした実名公開の選択をしたのか。

元共同通信記者でジャーナリストの青木理氏は日経側が原則を破ってまでも、メモを提出することで裁判を有利にしたいと考えた可能性を指摘する。「『検察幹部もこう言っているんだ』という補強材料を出したかったのではないか」。また、検事正は組織のトップであり、次席は広報の窓口で、いずれも、高い公的な立場にあることも手伝って、「名前を出してもいいのでは、との意識が働いたと考えられる」と推測する。

◆情報源秘匿 原則どこへ

「メディアはできるだけ情報源を明らかにすべきだが、一方で情報源を守れなければならない」。立教大学の服部孝章教授(メディア法)は強調する。なぜ、情報源は守られるべき存在なのか。

第一の理由は政府が隠したがる情報を報道するためにはどうしても内部告発者の情報が必要になる。内部告発者は身元が明らかにならないことが前提でなければ、情報は出したがらない。情報源を明らかにされて、漏らしたことが発覚すれば、立場上、不利益を被ることになるからだ。「日本社会では内部告発者が定着していない。安易な情報源の開示はメディアの自殺行為だ」。服部氏はこう警告する。

元共同通信記者でジャーナリストの魚住昭氏は今回の日経側の対応について「職業倫理以前の問題で、本来有り得ないことだ。報道機関が取材源を裁判で出してしまうとなったら、怖くて誰もしゃべってくれなくなるだろう」と指摘する。

報道機関が安易に情報源を明かすようになってしまえば、情報提供者は出てこない。報じられる情報は闇に消え、読者=国民にとっては大きな不利益となってしまう。

◆究極の職業倫理

日本新聞協会の見解はどうなっているか。協会が定める「新聞倫理綱領」には直接、取材源秘匿について述べた部分はない。ただ、地方議会などが参考人や証人として記者を呼び、情報源を明らかにするよう要請するケースが相次いだ二〇〇三年には「取材源を秘匿することは、報道機関が何より優先すべき責務」とする編集委員会の見解を発表。記者にとって取材源の秘匿は「取材活動の根幹を成す究極の職業倫理」と宣言している。

◆かつては証言拒絶罪 

情報源秘匿は古くて新しい問題。例えば、一九五二年に最高裁大法廷判決が出た「朝日新聞石井記者事件」。税務署員の汚職事件を翌朝刊に書いた記者が、捜査当局から情報源を明かすよう求められた。「新聞記者の信義として話せない」とした記者は証言拒絶罪で起訴され、罰金三千円の有罪判決が確定した。医師などには認められている証言拒絶権は認められなかった。

しかし、一九七九年に札幌高裁が出した「北海道新聞島田記者事件」の決定では「新聞記者の取材源秘匿は民事訴訟法の職業上の秘密にあたる」と初めて認めた。刑事では認められなかったが、その後の証言拒絶罪での立件はほとんどない。

最高裁は二〇〇六年十月、明確な見解を出している。米国健康食品会社の日本法人への課税処分に関する情報を巡る裁判で、「取材源は、民事訴訟法で証言拒否を認めている職業の秘密に当たる」との判断を示している。

◆米記者は徹底抗戦

海外ではどうか。元駐ガボン大使の妻が米中央情報局(CIA)工作員だったと報じられた事件では、二〇〇五年、ニューヨーク・タイムズ紙記者のジュディス・ミラー氏が連邦大陪審から証言命令を受けて拒否し、法廷侮辱罪で収監された。記者は「取材源の許可が得られた」として証言に最終的に応じたが、その抵抗ぶりが話題になった。

日経側の判断に対しては「ジャーナリズムの観点から議論していないのではないか」(服部氏)との見方もある。実際に掲載した記事では情報源を明かさず、裁判では明らかにしたことに、青山学院大学の大石泰彦教授(メディア倫理・法制)は「読者には説明していないのに、国(裁判所)には実名を出した。新聞社として立ち位置が分からない」と話している。

※デスクメモ 情報源の秘匿は理想とか倫理というレベルという話ではない。情報源をメディアがバラしてしまえば、その情報源の身を危険に置くことだって考えられる。情報源の命に絡む現実の問題と理解されるべきだ。なぜ、「いろはのい」を曲げたのか。メディア全体にかかわる問題でもあり、説明が望まれる。(栗デスク)


 

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コメント
 
01. 法務博士に愛を 2012年7月28日 03:06:47 : pq/XpR5fxBdSQ : 8rNCXQYiW2
日経のようなマスゴミは、「ジャーナリズム」では無いのではないか。今や日本で「ジャーナリズム」と言えるのはゲンダイ・ポスト・東京新聞ぐらいではないか。

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