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野田首相に甘すぎるメディアの罪  天木直人 
http://www.asyura2.com/12/hihyo13/msg/238.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 7 月 14 日 13:19:13: igsppGRN/E9PQ
 

野田首相に甘すぎるメディアの罪
http://www.amakiblog.com/archives/2012/07/14/
2012年07月14日 天木直人のブログ


 メディアが小沢たたきに終始してきたことの罪についてはいまさら
書くまでもない。

 しかしメディアの本当の罪は野田首相に甘いところである。

 確かに小沢たたきと野田擁護は同じコインの裏表のようなところはある。

 片方をたたけばその一方の評価はあがる。

 しかし実際はそうではない。

 小沢をたたくのはいいが、野田首相のひどさについて、メディアは国民
の側に立って正しく批判すべきなのだ。

 野田首相に甘すぎるメディアの言説の典型は、政権交代をしたからと
いって世の中すべてがうまくいくと思うのは安易だ、というものがある。

 出来もしないマニフェストを金科玉条とみなすマニフェスト原理主義は
誤りだというものがある。

 その典型が7月13日の毎日新聞「記者の目」だ。

 そこで政治部の須藤孝氏が書いている。


 「民主党への政権交代が確実と言われていた09年の夏、世間は期待に
沸き立っていた・・・政権交代すれば何もかも解決する。そんな雰囲気
に強い違和感を覚えたことを思い出す。あれから3年がたち、熱気の反動
が来た・・・『財源はいくらでも出てくる』と甘い夢をふりまいたツケが
返ってきた。09年の政権交代に教訓があるとすれば『うまい話はどこに
もなかった』ということだ・・・」

 そう言って須藤氏は安易に「新党」に期待を抱く世論を次のように批判
する。

 「新しいことや既成政党と無縁であることそれ自体に何か価値があるの
だろうか」

 「政治は誰かがすべてを解決してくれる魔法ではない。みんなが少し
ずつ損をしなければいけないことを納得させなければならない」

 「多少の欠陥なら、それを修正しながら乗り越え、少しずつ前進する
ことが政治ではないか」

 「そもそも政治に過大な期待を抱くのは、うまくいかないとすべて政治家
(他人)のせいにする依存心の裏返しでもある・・・」

 とんでもない事を書く記者だ。

 民主党政権になったらすべてが解決する、すべてが変わる、などと誰が
期待したというのか。

 マニフェストのすべてを守れと誰が要求したというのか。

 我々は民主党政権になったらすべてが変わるなどと期待するほどお目出度
くはない。

 何かが変わる、自民党政権の旧弊が少しは改まるだろう、その公約のせめ
て一つでも満足に実現してくれればいい、そう期待しただけだ。

 ところが現実はどうだ。

 野田民主党政権はマニフェストのほとんどすべてを捨てた。

 それどころか自民党以上に官僚従属、対米従属になってしまった。

 自民党政権でもここまでしなかったような国民無視だ。

 つまり、政権交代に期待した国民を完全に裏切ったのだ。

 メディアもそれはわかっているだろう。

 こんな野田ではだめだと。

 それにもかかわらず小沢一郎が復活してくれば、これまでさんざん小沢
たたきをしてきた手前立場がなくなる。

 そう思って野田批判を避けているのなら、メディアはあまりにも情けない。

         
       ◇

記者の目:次期衆院選で問われるもの=須藤孝(政治部)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120713k0000m070123000c.html
毎日新聞 2012年07月13日 00時54分

 ◇「新党」求める安易さから決別を

 民主党への政権交代が確実と言われていた09年夏、世間は期待に沸き立っていた。自公政権への不満は最高潮に達する一方で政権交代すれば何もかも解決する−−。そんな雰囲気に強い違和感を覚えたことを思い出す。

 あれから3年がたち、熱気の反動がきた。民主党政権への評価は最低だ。政権公約で「財源はいくらでも出てくる」と甘い夢をふりまいたツケが返ってきた。09年の政権交代に教訓があるとすれば「うまい話はどこにもなかった」ということだ。

 ◇既成政党全体に広がった失望

 野党時代の民主党が政権公約の欠陥を知らなかったわけではない。子ども手当の政策立案を主導した小宮山洋子厚生労働相は、07年参院選の政権公約で、当時の小沢一郎代表が指示した「2万6000円」という額は財源の裏付けがないと異論を唱えた。新年金制度設計の中心だった故山本孝史参院議員は社会保障財源の裏付けとしての消費増税(年金目的消費税)の取り下げに強く反対した。だが、そうした声は「選挙優先」という小沢氏の主張にかき消された。

 当時、民主党を担当していた自分自身も含め、まだ政権に就いたことのない政党の主張を精査することへの甘さがあった。振り返ってみれば、やはり自公政権の行き詰まりを打開してくれる新政権への期待に目が曇っていたと反省せざるを得ない。

 今はまた、次の衆院選があれば政権交代は確実だと言われる。自民党がダメで、民主党に期待したが、「裏切られた」という流れで、失望は既成政党全体に広がった。一度も国政を担当したことのない橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」に期待が集まり、6月の毎日新聞の世論調査では、<衆院選が行われ、維新の会が候補者を立てた場合、比例代表でどの政党に投票するか>という設問に28%が投票すると答えた。

 永田町も浮足立つ。「新党きづな」「新党大地・真民主」と党名に新党が入った政党が雨後の竹の子のように生まれている。小沢氏ら49人は11日に新党「国民の生活が第一」を結成した。

 だが、新しいことや既成政党と無縁であることそれ自体に何か価値があるのだろうか。

 戦前・戦中の大政翼賛会は既成政党の批判勢力として革新派の近衛文麿を総裁とする「新党」として発足した。戦前の2大政党が政争に明け暮れるなか、見栄えが良く、家柄の良さも手伝って近衛氏に対する大衆の人気は高かった。「バスに乗り遅れるな」という言葉が流行したのはこの時だ。だが、近衛氏や大政翼賛会に実現すべき政策は何もなかった。その後の「力あるスッキリした国」がどういう結末になったかは言うまでもない。新しさや既成政党と違うこと自体を売りにしようとする勢力には十分な警戒が必要だ。

 ◇少しずつ前進図るのが政治

 政治は誰かがすべてを解決してくれる魔法ではない。みんなが少しずつ損をしなければいけないことを納得させなければならない時もある。消費増税法案を巡る民主、自民、公明3党の修正合意に対しても批判はいくらでもできる。自民党には早期の衆院解散・総選挙を実現するための思惑があっただろう。公明党が、年金の低所得者対策などの要求を持ち出したのも、次期衆院選対策の側面もある。もちろん政策の当否は厳しく問われなければならない。しかし、多少の欠陥なら、それを修正しながら乗り越え、少しずつ前進することが政治ではないか。

 「新党」運動が、人々の鬱屈する不満につけこみ、閉塞(へいそく)感からの解放をちらつかせ、また新しい夢を見せようとしているのだとしたら、その夢に本当に根拠はあるのか。今度こそ厳しく精査しなければならない。

 既成政党の側も、首相を辞任したら政治家を引退すると発言しながら撤回したり、政権を突然放り出すあきれた政治家に事欠かない。特にこの3年政権を担当し、政治の混乱を招いた民主党には反省してもらわなければいけない。

 そもそも政治に過大な期待を抱くのは、うまくいかないとすべて政治家(他人)のせいにする依存心の裏返しでもある。そうした依存心が幻想をまき散らす政治家を生き残らせてきた。

 次の衆院選は近い。自民党がダメなら民主党、民主党がダメなら他のなにか、という安易さを基準にしないことが政治を進める第一歩になる。


 

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コメント
 
01. 2012年7月14日 14:21:59 : eB4QhCuk2s
>そもそも政治に過大な期待を抱くのは、うまくいかないとすべて政治家(他人)
>のせいにする依存心の裏返しでもある。そうした依存心が幻想をまき散らす政治
>家を生き残らせてきた。

これはそのまま、メディア自身に言えることだよね。そもそもオリジナル民主党が酷いのはオウムによるサリン・テロが起き村山政権が潰れた時点で55年体制の維持が困難になり将来の日本の没落が確実な情勢になったことで、「日本の将来は明るい」というウソの幻想を国民に抱かせるためにバブル経済の発生→崩壊の責任を問われたくない大蔵(現財務)省や現執行部を中心に立党された「偽装Change新党」だった点にある。55年体制を支えてきた毎日・読売・朝日などのメディアはちゃんとそのことは理解しているはずだ。メディア・レベル以下に議員の質が落ちれば国民は悪政に苦しむことになる。その事実をどう考えているのか?


02. 2012年7月15日 10:48:50 : zpiwrz34IU
天木さん。埼玉9区から出馬していただけませんか。このままだと自民党の、なんじゃらかほいが勝ってしまいそうです。

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