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メディア批判の誤謬
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投稿者 taked4700 日時 2012 年 7 月 06 日 16:06:14: 9XFNe/BiX575U
 


http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/62605bca0ebc6c208438baec32950358

メディア批判の誤謬
2012年05月31日 00時26分33秒 | 時事・評論メディア報道に不満を持つ人は多い。

「最近のメディアはなっていない」とか、「メディアにはもう少し、しっかりして欲しい」、
「メディアはもっと勉強すべきだ」、「メディアには失望した」といった類の記述はよく目にする。

しかし、メディア側からすると、こうした感覚や反応は、別段憂慮するほどのものではない。
メディアの本当の機能や役割については気づいていないことを示しているからだ。

トッピング

人がメディアの現状にいら立ちを募らせる背景には、「 メディアとは本来かくあるべきもの 」という理想像があるからだ。批判する側にこうした理想的雛形がある限り、どれだけ的確に難点を指摘されたとしても、メディアは決して意に介さない。人々の内にあるこうした理想像が、メディアにとっての鉄壁の防壁になっているからだ。つまり、自身の周りにではなく、大多数の心の中にあらかじめ防壁を築いているのだ。

一見、メディアは、少し条件が揃えば理想像に近い存在になりそうに見える。そこがミソだ。しかし、その日は永遠に来ない。真実の報道や不偏不党、公正中立、権力の番人などというのは、都合のよい自己申告にすぎない。そんな自己申告が通用するなら、マフィアが犯罪撲滅を謳えば、それを受け入れなければならない。

メディアの実際の機能は、人々の感覚や感情を刺激して、一定の方向へ誘導することだ。それ以外の役割はない。メディアはそのためのノウハウや組織的記憶を蓄積した専門機関だ。

何をどう報じるかは、あらかじめ別のステージで決定されている。メディアが現場へ取材陣を派遣するのは、事前のシナリオに、真実味や臨場感を加えるためだ。読者や視聴者は、プロが現地へ赴いてレポートしているのだから、真実に違いないと思い込む。本当は与えられた課題を強化できるものだけを選んで伝えているにすぎない。筋書きにそぐわないものはすべて無視される。メディアに求められるのは、白を黒に見せるテクニック、それだけだ。

「歴史的大事件」ともなると、メディア間で激しい報道合戦が起こる。手柄を急ぐあまり、粗製濫造の傾向が強くなる。唖然とするような強引な報道が平然とまかり通ったりする。しかし、受け手が真実だと思い込んでいると、不自然さまでもがかえって臨場感になっていたりする。

世界中のメディアが同じシナリオに即した報道を繰り返せば、すなわちそれが歴史になる。

メディアにとって事実や真実というのは、ウソに臨場感を加えるためにふりかけるトッピングのようなものだ。ウソで生地を練り上げ、その上に砕いた事実の断片をパラパラとふりかけ、釜に入れて焼くと報道ができあがる。

われわれは、生まれたときからそんなものを真実の報道として、日々摂取してきた。
メディアは、われわれをほぼ思い通りのところへ導く。

ファイアーウォール

メディアに操作されたり、誘導されているなどと自覚している人はいない。メディアに影響されたことなど一度たりともないと、たいていの人は考える。報道というのは、単なる材料にすぎず、常に自分自身で判断を下していると。

しかし残念ながら、メディアに影響されていないどころか、それはわれわれの血と肉そのものを形成している。それを証明するのはそれほど難しくはない。

サダム・フセインはいまやヒトラーと並ぶ人類史の負の象徴だ。
しかし彼は、国民の教育や医療に莫大な予算を投じ、近代的国家の建設を進めていた。彼が残忍な独裁者なら、国民の教育や健康のためにオイルマネーを使ったりはしない。独裁者というのは、国家予算を根こそぎポケットにねじ込むものだ。フセイン政権時代には、宗派対立もなかった。しかし、「民主化」されたいま、そこには教育や医療と呼べるものはほとんど存在しない。そして、血で血を洗う宗派対立が全土を覆っている。
この記述を読んで生じる内的反応がすべての答えだ。

この数行ほどの情報では、サダム・フセインを嫌悪する固い信念は微動だにしない。これが数千ページの詳細な報告書であっても同じだ。情報量は関係ない。サダム・フセインは、「国際社会」によって悪魔と定められ、メディアがそのための手順を的確に踏んだ。その結果、フセインを嫌悪し憎悪する感情は、いまでも人々の血管の中を流れている。したがって、フセインを擁護するどのような記述も、この嫌悪感が瞬時にブロックしてしまう。理性の入る余地はない。

湾岸戦争やイラク戦争にまつわる捏造報道や捏造情報が明らかになっても、ほとんど波紋を呼ばなかったのはそのためだ。一度植えつけられた感情の前に、正しい情報などまったくの無力なのだ。嫌悪感や憎悪は、意にそぐわない情報を自動的に隔離・消去する。われわれの中には、強固なセキュリティ・プログラムが存在 し、鉄壁のファイアーウォールを築いている。それはわれわれを守るためのものではなく、われわれから真実を遮断するための防火壁だ。

この防火機能は、大量投下されるメディア報道によって形成されたことは間違いない。われわれはサダム・フセインのいったい何を知ったうえで、彼を悪魔や極悪と決め付けたのか。実際は、フセインについて何も知ってはいない。すべては、メディアの主張を鵜呑みにした結果にすぎない。

生まれたときからメディア報道に接してきたわれわれが、メディアの影響を受けていないと考えるのは非現実的だ。自分だけはメディアの影響を受けていないと主張するのは、日本に生まれ育ちながら、日本語環境の影響をいっさい受けていないと流暢な日本語で言い張るようなものだ。一定の環境下にある集団は、共通の言語や共通認識などの文化的属性を獲得する。

社会的・文化的環境から獲得されたこうした属性は、意識的に捨てたり、変更したりはできない。意志の力で日本語を忘れることはできない。属性とはそういうものだ。われわれの中にある負の属性としての防火機能も取り除くことはできない。

メディアがわれわれの血と肉を形成しているというのは、そういう意味だ。
われわれの中には、一定の情報を遮断する防火壁があるということを知らなければならない。
それとも、上記の短い記述によってサダム・フセインに対する考えを変えてもらえただろうか?
メディアを語るとき、ここが出発点だ。

キーホール

メディアによって、望まぬ防火壁を築かれたからといって、いまさら報道を遠ざけても何の解決にもならない。また、どれだけ手厳しくメディアを批判したとしても同じだ。負の属性から逃れることはできない。それは必要に応じて無意識下で稼動する。意志でコントロールすることはできない。

では、われわれには成す術はないのかというと、そうでもない。
日々われわれを操作・誘導しようとするメディア報道を逆読みすることは十分可能だ。

報道というのは、一見、理詰めでじっくり説得しているように見えるが、実は、瞬間的な印象こそが勝負なのだ。読者や視聴者に対して、一定の印象を直感的に植えつける、そういう技術なのだ。ひとつの記事を何度も何度も読み返す読者などまずいない。見出しをざっとながめて、リードを読んで、だいたいそれで終わりだ。すべての記事が丹念に読み込まれることなどない。見出しを使って直感的に与える印象が、報道のほぼすべてと言える。本文は、この印象を補強するための保険のようなものだ。

インターネットが登場するまでは、報道は次々と印象だけを残して流れ去るものだった。そして一度流れ去ってしまうと、もはや閲覧することは不可能だった。図書館の縮小版やマイクロフィルムを利用するような読者はまずいない。日付も分からない過去の記事を掘り出すことなどほぼ不可能と言えた。しかし、インターネットの時代になって事情は一変した。

インターネット上には過去の報道の膨大なデータが保存され、いつでも閲覧可能だ。そして、それを手軽に保存できる。マウスを操作するだけで、テキスト情報だけを保存することも、あるいはサイトの画面全体を保存することもできる。ダウンロードできる動画ニュースもある。

ただし、多くのメディアが過去の記事の閲覧を有料にしているため、実際にはすべてのデータにアクセスできるわけではない。また、都合の悪い記事を即座に削除してしまうこともある。それでも、インターネット配信のニュースは利用価値が高い。

インターネットのニュース配信の場合、1 画面に表示できる文字数はそれほど多くない。画面はロゴやバナー広告などでびっしり埋め尽くされている。2ページや3ページにまたがるニュース記事は少ない。たいていは1 画面内に収めている。しかし、内容によってはスペースが不十分で無理が生じる。そうしたものは、本来の手順が踏めず、意図が先走りして、底が透けて見えるような記事になる。

また、インターネット配信の記事には、誤字脱字、変換ミスの頻度が紙媒体よりも多い。明らかにチェック体制が甘い。無料で配信するニュースサイトには人手もコストもかけたくないのだ。必然的にチェックは甘くなり、技術的に未熟な意図の透けて見えるような記事も公開されることになる。

昨年、共同通信社と加盟地方紙が運営するニュースサイト「47ニュース」のツイッター上で、不適切なツイートが繰り返され、炎上するという出来事があった。サイト側は、契約スタッフが個人的見解を書き込んだとしてツイッターを閉鎖したが、炎上するまで管理者側はまったくチェックしていなかったことになる。メディアによるサイト運営の現状を如実に物語っている。利益を生まないものに気を配ってはいられないのだ。おそらくどのニュースサイトも内情に大差はない。

ドアは固く閉じられているが、鍵穴はあいている。

アーカイブ

こうしたチェック機能の杜撰なニュースサイトには、メディアの本音や意図が露呈しやすい。
保存やその後の管理も容易なインターネット配信の記事を活用しない手はない。

日々の報道をマメに収集していれば、さまざまな発見がある。メディアがわれわれをどこへ導こうとしているのかも少しずつ明らかになってくる。ただし、この作業はひとつひとつ自分の手で行わなければ意味をなさない。他者に依頼したり、人が集めたものを譲り受けても何の役にも立たない。自らが行うことが絶対条件だ。

かといって、収集に躍起になる必要はない。やたら細かく分類するべきでもない。広範囲の情報を多量に集めるのが目的ではないし、何かを分析するためでもない。これはメディアを観察し、報道を「 俯瞰 」するための作業なのだ。

日々の報道にざっと目を通し、目に留まったものだけを保存する。それが基本だ。個々の記事の重要度や価値などをいちいち吟味してはならない。報道にはもともと何の意味も価値もない。基準はあくまで自分の琴線に触れたかどうかだ。

これは方法論ではない。果てしない時間と労力をかけて、それでも何も見えてこないのがこの作業の宿命だ。同じ作業をしても、誰もが同じ結果を得られるわけでもない。それはどの分野でも同じだ。何も見えないまま、単なる徒労で終わる可能性の方がはるかに高い。

しかし、この作業こそ、われわれが自分自身で築く本当の防火壁だと言える。
火の用心は、毎日行うから安心なのだ。


 

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コメント
 
01. 2012年7月06日 17:36:46 : Vsqgz0r4Xg
>>メディアの実際の機能は、人々の感覚や感情を刺激して、一定の方向へ誘導することだ。それ以外の役割はない。メディアはそのためのノウハウや組織的記憶を蓄積した専門機関だ。

投稿文の作者は情報を受け取る側のリテラシーのみを問題にしている。
 @受け取った情報には必ず何らかの偏向や間違いが含まれている。
 A発信された情報には発信する意図および偏向がある。

しかし、発信側のリテラシーは参照文の通り「メディア=情報操作機関」として改革する努力を最初から放棄した議論を展開している。
 ・発信する情報は偏見や偏向を出来る限り排したものを伝える

 メディア側に属しているらしい投稿文の作者が「メディア批判の誤謬」などとは片腹痛い。


02. 2012年7月06日 20:30:43 : 4TyeJv5weX
ヒッグス粒子のニュースほどどのマスコミも情報がよく判らずに判ったように書く事を示した例はないと思います。
もう少し専門家に聞けばよいと思うのですが、専門家の言うことが判らないようです。「判らないので易しく言ってくれ」と言えばよいと思うのですが・・・。
他の記事も同じようなものなのかも知れません。
バークレイ銀行のCEOのリボ操作なども誰が何のためにどのようにしてどういう操作を行ったのか、それによって誰がどのようにメリットを得たのか日本の新聞記事ではさっぱり判りません。
書いている方も判って書いているとは思えないのですが・・・。
記事もその程度であると思っていればよいのかも知れません。

03. 2012年7月06日 20:59:56 : pDuR0joKhA
す〜ばらしい!

>メディアの実際の機能は、人々の感覚や感情を刺激して、一定の方向へ誘導することだ。それ以外の役割はない。メディアはそのためのノウハウや組織的記憶を蓄積した専門機関だ。

三つ子の魂百まで、といいますから
まず教育という洗脳からはじまるのはしかたがない。
しかしそのあとは、各自自分で洗濯していくしかありません。つまり、
考えるいうのは、その洗濯の仕方、哲学だというのがわかります。
頭の洗濯、たしか吉田健一にそんなエッセイがありました。
なんとかムラ、かんとかソシキ、なんだかカルト、等々、
集団でなんとなくカンガエルしてるのはもうこりゃあカント。
そう、自立と共生。きょうすることは、きょうから、きょう、せい。


04. 2012年7月07日 11:52:04 : 2oD5Qm3Tbk
デジタルシニアーズは、思う。
邪悪な支配者は、もう何百年も前から民衆をうまくコントロールする手段は、情報の操作と脅しだと言う事を知っていた。
絶妙に使い分けてきた。

魂を失わない日本人と
醜い欲望を満たす為に邪悪な支配者の忠実なしもべに成り果てる日本人。

悪夢は永遠に続かない。
厳しい鉄槌が打ち下ろされるだろう。
魂を売り渡すという事は、
先祖を汚す行為だ。
親や家族への背信行為だ。
子孫の未来を破壊する行為だ。

311津波テロで悲惨な死を余儀なくされた東北の御霊よやすらかに。

民衆の氾濫を封じ込める為に、インターネットの監視とオスプレイが装備されるだろう。
インターネットの監視は、情報の拡散を防ぎ
オスプレイは、まだ誰もきずいていないかも知れないがデモなどの騒乱を封じ込めるのに適した兵器なのだ。
上空からデモなどの民衆を、射撃撃退する最も最適な兵器なのだ。
日本各地で飛行訓練を計画されているだろう。
将来の騒乱に備えた軍事行動なのだ。


05. 2012年7月07日 14:58:02 : Vsqgz0r4Xg
「詐欺師が詐欺に引っかからない注意方法を教えます」ってか。

「でも、僕は詐欺を続けます」、「詐欺師に詐欺をするなと批判することは間違っていますよ」

ということか。


06. 2012年7月07日 17:53:35 : 7RU088Xctk
個別のニュースに限らず、
テレビが日常的に見せている「バーチャルな世界(観)(=“空気”)」も、
操作・誘導の重要なコンセプト。
CM、スポーツ番組、バラエティ番組、アニメ番組・・・

・スポーツ選手は本当に「勝ち組」か?
・「ともだち」の“数”を競わせる理由は?
・長寿アニメに登場する「お父さん」が、揃って「だめキャラ」なわけは?
・「前向きな人(一昔前は“いい人”だったw)」はかっこいいのか?
・世の中は、本当に「バカばっかり」なのか?

「テレビの中の世の中」を、「リアルな世の中」だと勘違いさせて、
「自分は世の中とズレている」と思い込ませる(&空気を読ませる)。

その上での「言論の自由」。民主主義ステキ♪ 1qmOy4Hy0U


07. 2012年7月07日 23:24:25 : p1Jwnbn1zY
堤 未果著「政府は嘘をつく」を読んでみればよく判ります。マスゴミは裏づけの無い記事を垂れ流していることを頭の隅において読むべきです。原発報道が一番いい例でしょう。海外の記事にしてもロイターなどの配信記事をそのまま載せているだけです。何が本当かはいろいろなものを見て、自分で判断することも大事でしょう。嘘を見分けるひとつの方法は、その人物に対して、どこからカネが出ているか。どの組織に所属していて、スポンサーはだれか、など知ればおよそ判ります。原発報道に出た専門家などはこれに当てはめればよくわかります。

08. 2012年7月16日 18:02:57 : OYBtoXrTxU
情報古すぎ。
こんな議論はずっと昔にさんざん行われていたことだ。
思わず日付を見直してしまった。
これを書いた人は、いわゆるマスメディアに身も心もどっぷりつかっている人だろう。
今頃になって、ネットが有力な情報伝達媒体(彼の言うメディア)に育ちつつあることに気がついたと言うことだ。
しかし、まだメディアの優位性、継続性を信じているようだ。
メディアがどうでもいいもの、とんでもないもの、犯罪的なもの、既得権益者のためのものに気づき始めている日本人は急速に増えている。
まだまだ数は少ないが、この流れは止められない。
こんな古くさいメディア分析をしているくらいなら、今日のデモに参加してきたらどうか。
世の中は変わり始めていることに気づくはずだ。

09. 2015年5月20日 16:43:33 : 4JHLTNeMKQ

モジログ

2008.05.08

ウィキペディアの「誤謬」(ごびゅう)の解説がすばらしい

http://mojix.org/2008/05/08/fallacy


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