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妙な気持になった。この国のマスコミは誰のものなのかと考えざるを得ない。なにも小沢氏に関して3年有余も続けて来た狂気じみた「小沢殺し」報道だけを指して言っているのではない。ここ数日来の報道ぶりに基本的な問いかけをしなければならなくなった。この国のマスコミはおそらく日本国民に情報を伝えるために存在しているのだろう。
そしてマスコミの存在を支えているのは購読している国民ではないか、と考えるものの、いやそうではないのではないかと思わざるを得ない。全国紙がマスコミの大半を占めていた当時は国民の購読者がマスコミの支え手だったことは間違いない。しかしテレビがなかった時代でも、マスコミは勝手に暴走して大本営発表を丸丸報道して国民を戦争へと駆り立てた。
現在マスコミの王者は全国紙から東京のキー局へと移っている。系列の全国テレビ局を支配し、情報の最上流に位置して中央から地方へと配信している。衛星テレビでその様相はもっと顕著だ。地方局の存在すら必要としないで、一局から全国民へ情報を伝播する。
そうするとテレビ局を操る者がこの国のマスコミを牛耳っていることになる。概ねテレビ局が全国各紙の下部組織として出発した歴史から、全国紙がテレビ局を支配する、という構造が定着している。すると全国紙の経営者がテレビ局を支配しているのか、と理解するしかないのだろうか。
なぜそういう疑問を呈したのか、というと日本の報道の自由は報道する側の自由であって、各種情報を受け取る側の自由度は著しく制限されていると思わざるを得ないからだ。たとえばギリシヤ危機から世界金融恐慌に陥るかもしれないとマスコミは不安を煽る。ーだから「消費増税」して財政規律を確立すべきだ、との結論を繰り返し国民に刷り込んでいる。
しかし世界の金融機関はそれほど間抜けではない。リーマンショックに学び、ギリシヤ危機に際しても「ギリシャの破綻」を織り込む作業を終えている。だが、そうした報道はこの国では皆無だ。たかだかギリシヤはGDP20兆円と埼玉県程度の経済規模の国家で、しかもユーロ発行権を持っていない。つまりギリシャの責任で金融市場に刷った紙幣が流通しているのではない。
すべてはユーロ圏内で決着がつく問題だ。他に伝搬するとしても、それはギリシヤ国債を買った金融機関のその国債額面の範囲内のことでしかない。ギリシヤ破綻の影響は極めて限定的だと思わざるを得ない。
たとえば国会で野田氏が消費増税で官僚支配政党の自民党に抱きつき心中すれば会期内に成立するかのような報道に終始している。しかし自民党の中も一枚岩でないという報道は極めて少ない。民主党内の小沢氏たちの非主流派の存在ばかり取り上げて、民主党はバラバラだと国民に刷りこんでいる。
しかしバラバラ度でいえば自民党も深刻だ。自民党には官僚から政界入りした官僚派と、在野から政界入りした議員たち党人派と呼ばれる人たちの二大流派があった。現在ではその線引きは入り乱れているようだが、少なくともこの時期の「消費増税」に反対する自民党議員もかなり存在している。ことに将来ある若い議員に非主流派の動きは強く、長老議員たちが完全に議員たちを牛耳っているわけではなく、決して一枚岩ではないのだ。
野田氏が会期内に「消費増税」を決議すべく支持を出していよいよ「消費増税」は小沢氏を切って自民党と抱きつき心中をして決着か、とマスコミは書き立てるが、どっこいそうはいかないようだ。たとえ衆議院は強行突破できても、参議院では民主党の小沢派と自民党の非主流派が「消費増税」の反対に回れば成立は微妙な情勢のようだ。
自民党衆議院は会長選挙のしこりがあって、主流派と反主流派とねじれ状態にある。自民党も谷垣執行部の鶴の一声で「消費増税」が決着する状況でないようだ。しかし、そうした状況をマスコミは伝えない。だから国民はいよいよ小沢氏たち「消費増税」反対派は少数で、このまま会期内に決まってしまうかのように受け取っている。
それはマスコミの世論操作の一環としか思えない。もはや決まったことだから国民は政府決定に従って「消費増税」を受け容れろ、と命じているかのようだ。今日から6月に入ったが、この十日までの間に政界でどんな動きが出るかじっくりと観察しなければならない。
全国紙は「消費増税」大賛成で、世界のエコノミストたちがほとんど例外なく「日本のデフレ経済下に消費増税を議論しているノダはクレージーだ」と評していることは一切伝えない。先日のG8でも財政規律に邁進すると宣言した野田氏だけが浮いていて、他のG8メンバーたちは財政緊縮策から経済成長路線へと転換した。
しかしそうした動きを日本のマスコミは伝えないで、国際会議で野田氏が「消費増税」を宣言したから国際公約だ、とわけの分からないことを喚いている。テレビ解説者たちも「消費増税」は既定路線で、増税に反対する者は「国家財政破綻」を歓迎するのか、と国賊扱いだが、しかし国賊はどっちだろうか。
原発再稼働に対してもマスコミは再稼働推進で一致団結している。なぜ再稼働に疑義を挟むマスコミが1社なり存在しないのだろうか。この国のマスコミを支配しているモノはこの国の国民の意思とはかけ離れ、国内情勢と世界情勢を正しく公平に報じていない。歪んだ意思の下、偏った情報だけを各社が競うように報じている。
日本国家財政が破綻の瀬戸際にあるというのなら、先日格付け会社が日本国債の信認度を中国以下にしたが、日本円が買われに買われて対ドル対ユーロで円高へ振れている現実をどう説明するのだろうか。辻褄の合わない報道を行って、マスコミ関係者たちは少しは恥を感じないのだろうか。マスコミに携わる多くの人たちに羞恥心はないのだろうか。そして、国民に公正・公平な報道を行うという使命を放擲している状態を、この国のマスコミ人たちは国民への裏切りだと思わないのだろうか。
http://km2295.iza.ne.jp/blog/entry/2706703/
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