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最近、NHK「プロフェッショナル−仕事の流儀」のDVDをよく見る。
この番組は「プロジェクトx」の後番組でかなりの人気を誇る。「プロジェクトx」が高度成長期へのオマージュならこの番組は現代のプロフェッショナリズムに焦点を当てている。
多くこの番組を見ていると学ばされる回も多いがスマップ特集や芸能マスコミ特集だの恥ずかしい回も結構ある。
この番組に出るプロを3種類に分類すると
1、カタカナ職業、例えばプロデューサー、cmプランナー、コピーライター、ファッションデザイナー等
2、大企業のサラリーマンや医者等の大組織内の専門家、ようするにエスタブリッシュメント層が多い。
3、中小企業、あるいは個人経営層、例えば農家や建築業
まず、1については皆さんテレビでいやというほど知らされている。TBSの「情熱大陸」に出るのはほとんどこの層だ。「プロフェッショナル」でも駄作の回がほとんどこの層を取り扱っている。例えば、松本人志に収録後にご馳走をくわせるのが仕事と心得ている勘違いフジテレビプロデューサーとか駄作連発の出たがり映画プロデューサー、芸能ゴロの妻の料理研究家、作家へのおべっか使いで出世した編集者等、いうなればマスコミ幇間業種(おっと本業の太鼓もちのかたがたに失礼な表現だ。)だ。こいつらは論じるに足らないので以後全面的にカットする。
次に3についてだが、彼らがこの番組に出てくる中で一番、パイオニアのイメージに近い。左官とかりんご農家、牡蠣養殖業とかだ。多くは中小企業の親父で学齢は高卒が多いが、営業も掛け持ちしてるので2のサラリーマンより話も面白いし社交性もある。ただ、視聴者の皆さんからもちょっと見下されている感じもするが、彼らこそ実は日本社会の最後の希望だろう。裸で生きているので見ていて一番すがすがしい。
そして、日本の社会の中軸でこの番組のメインでもある2層の大企業勤務者とエスタブリッシュメント層だ。彼らこそこの投稿の分析の焦点だ。
その多くは技能、技術者なので企業のトップじゃなくて研究、開発、施工、施術部門の中間管理職で大体40代後半から50代だ。
番組じゃ肯定的にとりあげるが、1層や3層にもいえるが2もほぼ例外なく転職などせず企業の生え抜きだ。ようするに継続して長じたというやつだが、その条件として会社の与えた職種にもとから合っていたか忍耐で絶えた、あるいは考えずに受け入れた者たちだ。だから、この層は大体苦虫をかみ殺した医者とか技術者か逆に能天気な植木等型社員だ。
しかし、この条件に入らなかった、あるいはドロップアウト、転職した潜在的プロフェッショナルと仮定で比較した場合でも彼らは優れているのだろうか。番組じゃ世界的権威だとか業界に名がとどろき渡っていると喧伝するが視聴者はそれを確かめる術もあまりないし、仮にそうだとしてもその技量を本当には評価できる者はさらに少ない。多分、そのプロをよく知る者には賛否両論が渦巻いているはずなのだ。
そして、この2層は大企業の業務の中軸の歯車として苦虫をかみ締めたような責任感や苦悩を背負っていて大体、挫折しそうになるが乗り越えて現在の地位に至った者たちだ。しかし、「プロジェクトx」で描かれた戦後成長期の世代の破天荒さや大胆さはなく、何より明るさや希望が体現されていない。そして、なんだか仕事が楽しくない「義務」と言った感じだ。だから、その先輩たちに比べて本当に凄腕なのか常々疑問に思うのだ。現在の日本経済と社会の停滞もそれを担うプロたちの資質の差に現れていないだろうか。
この2層も3層と同様に自らの全身を職に捧げてほとんど無料報酬で働いている部分で差をつけている。しかし、3層は自分の会社だからかまわないが2層がそれをやったらサービス残業だし、それは企業から見たらただで働いてくれるありがたい奇人たちなのだ。そして企業はそういう奇人をうまく歯車に組み入れて利用する。先輩は生活を捨てて仕事に身を捧げていると後輩や同僚の手本にさえする。ここにいたってプロフェッショナリズムは企業の労働条件を無視した生産効率性や利益の道具となるのだ。
これこそ、現代日本の陥った経済的社会、企業社会を形成する大きな要因の一つじゃないのか。そのなかの企業では技能、技術が権力構造、支配構造の形成に利用されているが、それが本当の技能、技術なのか。例を挙げたら封建的徒弟制度のように研修で1週間で教えられることを何年も掛けて教える。というか見て盗んで覚えろとか言って出来るだけ教えない。
以上の理由で「プロフェッショナル」たちには大いに尊敬の感をいだくが、それが積み重なった「立派な職業人」であらずば社会人にあらずといった現在社会の模範としてかなり煩わしい優等生にも見えてくるのだ。ましてやニート諸君はこの番組を見れば見るほど社会復帰、就職に怖気ずくんじゃないのか。
長くなりましたが、NHK「プロフェッショナル−仕事の流儀」とニート社会Aで再考してみたいと存じます。諸氏のご高見をお聞かせください。
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