http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/902.html
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http://www.eagle-hit.com/2013年1月18日 20:58
★「90円の壁」を超えたドル、来週は露骨な政策に海外からのけん制も
「アベノミクス」に便乗した円売りでドルは90円の壁をやすやすと超えた。来週には日銀金融政策決定会合を控えるが、ドル買い/円売りの熱狂が続く外為市場では、「噂でドル/円を買って、事実でも買う」というこれまでに無いパターンが出現。決定会合の結果が市場予想通りであれば、調整的なドル売りが無いか、あっても一時的に終わり、ドルが一段高になる可能性もでてきた。
他方、海外では「アベノミクス」に冷ややかな見方が広がっている。特に円安による株価押し上げ、成長てこ入れ、そして輸出業者支援政策には「近隣窮乏化策」との批判の声が上がっている。(中略)
セントルイス連銀のブラード総裁は10日、「日本がより露骨な為替政策を取っているようで、私は少々困惑している」と発言。ブラード総裁は米連邦準備理事会(FRB)内部の雰囲気をしばしば代弁するとみられており、金融界の注目度が高い。同総裁は、自国通貨を弱めて成長を達成しようとする試みは、いわゆる「近隣窮乏化策」であるとの認識を示した。これに対して、中尾武彦財務官は14日、「新政権に通貨の切り下げ競争をする意思はない」と語り、円の下落は「それまでの行き過ぎた上昇の調整」であると反論している。
欧州では、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相)が15日、「ユーロ相場は危険なほど高い」と述べた。同発言は騰勢が収まらないユーロ/円相場に向けられたものとみられる。ユーロは「アベ・トレード」が始まった昨年11月半ばから対円では18%超上昇している。ロシア中央銀行のウリュカエフ第1副総裁は、日本は通貨押し下げに向けて動いており、他国も追随することで「通貨戦争」ともいえる段階に差し掛かっていると指摘。このほか、韓国やドイツなどからも日本の為替政策に対するけん制とみられる発言が相次いでいる。
「どの国も本心では自国通貨安が良いはずだが、安倍政権のように人目をはばからずでは、欧米当局に限らず、他国はおもしろくないだろう」(国内運用会社ファンド・マネージャー)、「強い日本、強い自民党をアピールすればするほど、周りに引かれている」(同)とし、新政権の舵取りが始まってから、金融面のみならず、外交や通商面でも物事が円滑に進まなくなってきていると指摘した。
一方、政府・自民党は、紆余曲折を経て、現在の為替市場は行き過ぎた円高からの修正過程にあるという認識で概ね統一された。海外投機筋は、甘利明経済再生担当相および石破茂自民幹事長による円安懸念発言の修正により、本邦当局の更なる円安追及スタンスが再確認されたと見ているようだ。
<世界の常識、日本の非常識>
最近の欧米諸国の動きは、「アベノミクス」下の諸政策との対照が際立っている。
金融政策では、ECBのドラギ総裁は10日の理事会で利下げや資産の追加買い入れなど追加緩和の必要性は全く議論されなかったことを表明した。
FRBのバーナンキ議長は、FRB監視法が議会を通過すれば、FRBの独立性が奪われ、金融政策は目先の政治圧力で動かされ、長期的な視野での決定ができなくなる、としてこれをけん制した。一方、日本の現政権は日銀法改正をちらつかせ「無制限緩和」を求めている。
中央銀行が「大胆な」金融緩和策で国債を大量に購入しても、政府・議会が財政再建方向で動いていれば、その政策はマネタイゼーション(財政赤字の貨幣化)とは見られにくい。しかし、「日本の安倍政権は、GDP比世界最大の政府債務の国で、財政支出拡大と大胆な金融緩和策を行おうとしている。日本でチャレンジングな実験が始まろうとしていると冷ややかに見ている海外の当局者やメディアは多いように感じられる」と東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出氏は言う。
<日銀決定会合>
21─22日の日程で開催される日銀決定会合については、市場は既に、日銀によるインフレ2%の中期目標導入、短期および長期国債購入を中心とする10兆円程度の資産購入基金拡大、および日銀の2%インフレ目標達成に向けた金融政策と政府の財政政策・成長戦略等を含む政府・日銀の合意文書発表について、織り込んでいる。
さらなる円安の手掛かりとなるポジティブサプライズのシナリオとして、資産購入基金と輪番オペを組み合わせるかたちで、インフレ目標達成まで追加金融緩和を行う無制限緩和あるいはオープンエンド型国債買入オペ新設、補完当座預金制度の適用金利の0.1%からゼロ%への引き下げ、外債購入に関する議論の進展、日銀が雇用の安定に関しても責任を追うかたちとなる場合、インフレ目標達成時期が例えば数年後というかたちで明記されること、などが考えられ、「このいずれかが盛り込まれる場合には92円も視野に入ろう」とバークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は予想する。
ただ、「アベノミクスは狂信的な緩和依存症と財政危機下の財政支出の拡張のコンビネーションで、海外では反面教師とみられている」(証券会社)とされ、「目先の政治利害を優先し、危機を覆い隠すアベノミクスのつけは、先行き国民が負担することになる」(同)と警戒する声が上がっている。【ロイター 15:54】
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この記事に織り込まれているのは、なにゆえ円安になっているのか、という世界戦略である。
いみじくも記事の中段と最後で述べられている
「日本でチャレンジングな実験が始まろうとしている」
「海外では反面教師とみられている」
つまり、米欧はこれまで静観を決め込んできたが、まさに通貨安政策が引き起こす結果がどうなるかを、テスト・実験しているのである。
であるから、株式、為替市場の主体は、海外勢にあるのであって、
「噂でドル・円を買って、事実でも買う」という今までにない自作自演のパターンが現れているのだ。
そして、90円を超えたところで一斉に批判的を浴びせるのも、一段の円安を助長する逆説である。記事中にある<円安懸念発言の修正により、本邦当局の更なる円安追及スタンスが再確認された>がそれを端的に示している。
さらに、FRBも日銀を反面教師とすべく、<FRB監視法が議会を通過すれば、FRBの独立性が奪われ、金融政策は目先の政治圧力で動かされ、長期的な視野での決定ができなくなる>と逆のスタンスを採っている。
そしてさらに、この実験により、自国の利益も目論んでいる。
それが<外債購入>である
為替操作国、近隣窮乏策と日本をおとしめながら、「許してほしければ、外債を買え」と、米欧は自らの台所事情の補填のために日本を叩いているのである。(以下略)
◆流動性の罠は「原因」では無く「結果」だ・・・問題は「成長の限界」
http://green.ap.teacup.com/pekepon/1009.html
■ 1980年代前半まで日本人の生活は質素だった
「お金があれば、いくらでも買いたい物がある」
バブル世代の私のDNAには消費が擦り込まれています。
しかし、実際には、家内などは「お金があれば貯金する」と言います。
息子も貯金が大好きで、バイト代をコツコツ貯金しています。
意外と世の中、景気に関わらず貯金が好きな人は多いようで、
お金が溜まる事に無二の喜びを抱く人達が少なからず存在します。
「お金持ち」と呼ばれる人達に共通するのも「無駄遣い」をしないという事です。
その反対は「成金」と呼ばれる人達で、泡銭は身に付かない様です。
日本の経済は、1980年代以降、既に成熟期に達しています。
物質的貧しさは、過去の話となり、
現在は、消費の質が問われる時代になっています。
確かに現在の日本では、その日の生活にも窮乏する人が沢山居ます。
彼らに問えば、「消費したくても金が無いじゃないか」と言います。
しかし、現在の「生活保護レベルの生活」って意外と豊です。
市営住宅に無料で入居して、健康保険もタダ。
これ、低賃金で働いて、賃貸住宅に住んで、健康保険を負担するより豊です。
私が子供の頃は、お遣いに行かされてヤマザキの90円の食パンを買って来ると、
何故70円の食パンにしなかったのかと、母親に怒られたものでした。
これが、一般的なサラリーマンの家庭の生活だったと思います。
社宅に住んで、皆、同じ様な生活をしていました。
それが変化し始めたのは、80年代からだったと思います。
大型スーパーが進出してきて、近所の八百屋や肉屋が無くなりました。
酒屋はセブンイレブンになりました。
■ バブル時代の消費は異常だった
私達は、生活の豊かさを図る時に、ついつい「バブル時代」を基準にしてしまいます。
しかし、あれは国民全員が返済不能の借金で消費を膨らめていただけの異常な時代です。
土地を売れば、そうとうな利益が得られ、
銀行は「お金を借りて下さい」と頼みに来る。
この狂った位置時期を除けば、日本の経済と消費は結構連続性があります。
バブル期を除外して、1980年代前半と今の時代を比べると、
それ程、「貧しい」とは思えません。
■ 消費には限界がある
人が普通に働いて、普通に消費して、普通に豊かさを実感する。
そういた「普通の消費」には、多分限界があります。
そこで、80年代は「消費の質」が問われ出しました。
Loftやパルコの隆盛で、セゾングループが急成長した時代です。
しかし、これも良く考えてみると、物質的充足が限界に達して、
新たな付加価値を付けなければ、消費が喚起出来ない事によって生じたムーブメントです。
「余剰」や「無駄」を、「質」と呼び換えただけのギミックでした。
この様に、人が生活してゆく上での「衣食住」には基本的な量的限界が存在します。
高度成長期を終了した多くの国では、既に「衣食住」は従属していおり、
それ以上の消費は「余剰」によって拡大し、「質の充足」に充てられます。
■ 不景気で消失する「質」
物質的に従属した先進国においては、通常の景気循環において、
好景気の時は、消費の「質」が拡大し、不景気の時は「質」が低下します。
製造業の高度化は、「質」の向上に貢献します。
しかし、資本主義の原則に則って、資本家は利益の拡大を優先しますので、
「工場」は、人件費の安い地域に作られます。
それは最初は、国内の都市部から地方都市周辺への移転として表れます。
そして、次の段階として、先進国から新興国へと移転されて行きます。
最初に製造技術の低い産業の移転から始まり、
新興国の技術レベルの向上に伴い、だんだんと高度な商品の工場が移転してゆきます。
グローバリゼーションが進行していなかった時代では、
不景気で「質」の消失が起きても、製造工場は国内に留まっていました。
ですから、景気が回復すれば、国内の工場は「質」を向上させて利益を拡大しました。
■ 安い製品輸入によって「質」が確保される時代に
ところがグローバリゼーションの時代には、
不景気で発生する「質」の低下を、海外生産によるコスト低減で最小化します。
所謂「ユニクロ現象」と呼ばれるもので、
そこそこ満足出来る「質」を、輸入によって確保する時代になったのです。
■ 製造業の雇用縮小によって、需用の増大が雇用の増大に繋がらなくなった
この様に、国内製造業の衰退は、先ずイギリスで発生し、
次いでアメリカで、そして現在日本で発生しています。
この様に、国内の製造行が衰退した国では、
「需要と供給」の関係で語られる経済学の理論が成り立たなくなりました。
従来の経済学では、金融政策や財政政策で需要を喚起すれば、
それは国内製造業の増産に繋がり、
結果的に賃金の上昇や失業率の低下を生み出しました。
しかし、製造業の衰退した国では、
通貨供給によって生み出される需要は、輸入拡大という結果を生み出しました。
80年代のアメリカの双子の赤字は、製造業の衰退が原因だとも言えます。
そこで注目されたのが「サービス産業」です。
「サービス」とは「質」と言い換える事が出来ます。
結局、物質消費の量的限界を「質=サービス」で拡大したのです。
当時のアメリカでは既に商品時代の質は、高品質な日本製で担保されていました。
ですから拡大した「質」は、「高級なサービス」という「余剰」に費やされました。
「高級なサービス」は人手が掛かるので、労働市場が拡大します。
しかし、不景気で削られるのは先ず「質」ですから、
サービス業の雇用は、景気に敏感で、流動的です。
■ アメリカにおける不動産バブル
80年代初頭、アメリカの金利引き下げは不動産バブルを生み出します。
現在の日本と同様に、製造業の衰退したアメリカでの資金供給の増大は、
製造業の設備投資に向かわずに、不動産市場に集中したのです。
トランプなどという成金が出現しましたが、このバブルはまもなく崩壊します。
■ ITバブル
次のバブルはIT産業で発生します。
「.com革命」などと呼ばれた「IT起業」の隆盛ですが、
イメージが先行して、大量の資金が流れ込みます。
しかし、ネット環境が未熟な時代が災いして、実際のビジネスは成功しませんでした。
「ITバブル」はまもなく終焉を迎えます。
■ IT革命
その後、PCの普及とネット環境の飛躍的向上は、
本当の意味での「IT革命」を生み出します。
しかし、製造業としてのデジタル産業は、
その技術の移転のし易さから、国外へと移転して行きました。
IBMがレノボにPC事業を売却したのが象徴的です。
一方、ソフトウエアー産業は、多くの雇用を生み出しました。
これは、ソフトウエアーがIT分野のインフラ的役割を担っていたからです。
しかし、インドなどのIT教育によって、この分やでも国外流出が続きます。
現在はIT革命の第三段階で、アマゾンなどの流通業や、
ネット配信などのエンタテーメント事業で実利が得られる様になりました。
これらのビジネスは、小売業やレンタルビデオがネットを効率化の為に活用したものです。
一方、yahooやgoogleやFacebookといった、
全く新しいビジネスモデルも生まれます。
しかし、その収益源は広告収入に頼っている為、
結局、これらのサービスは同じパイを食い合っています。
株式市場は、新しいサービスが勃興する度に期待で株価が上昇しますが、
一方で、古くなったサービスの株価は徐々に下がります。
この様に、次代の産業として期待されたIT産業も、
インフラ整備の時代が終了しつつあり、
Facebookの上場などは、明らかにIT株バブルの様相を呈しています。
■ 金融革命と住宅バブル
IT革命と並行して、アメリカでは金融革命が進行します。
そして生み出されたのが「債権金融市場」です。
「債権」という誰かの借金を、「証券化」して売るという実に怪しいいビジネスです。
その為に商品である「債権」が大量に必要です。
そこで、「住宅バブル」が生み出されました。
銀行は低利の融資を、本来返済能力の無いサブプライム層にまで拡大し、
金利上昇によって、当たり前のごとく「住宅バブル」は崩壊し、
同時に「金融革命」の詐欺的手法が明らかになりました。
■ 成熟した消費社会においては、金融緩和はバブルを生み出してきた
80年代以降の日本やアメリカを見て見ると、
成熟した消費社会においては、金融緩和はバブルしか生み出していません。
ヨーロッパにおいても同様に、南欧職やイギリスで住宅バブルが発生しました。
ドイツは東西統合によって、消費が拡大したので、
バブル発生が抑えられ、さらにユーロという拡大マルク路線によって、
ユーロ圏全域の需要を取り込む事に成功し、国内でのバブル発生を防ぎました。
しかし、ユーロ圏のバブル崩壊の影響を、ドイツとて免れる事は出来ません。
■ 成長の限界に達した社会で、従来の経済学は舌足らず
この様に、消費が成熟した社会は「成長の限界」に達しており、
通貨供給の増大は、雇用を創出する以上に、バブルを生成します。
IT化による金融の高速化とグローバリゼーション化は、
資金移動を加速させ、バブル生成と崩壊のサイクルも早まっています。
いえ、むしろ、バブルはプチバブルの段階で次々と崩壊しています。
この様な社会において、従来の「需要と供給」を基準とする経済学は舌足らずです。
何故なら、彼らの目指す100%雇用が達成される前にバブルが弾けてしまうからです。
金融革命が肥大化させたバーチャルなマネーは、
今や実体経済の健全なサイクルを完全に狂わせているのです。
本来資金の需要おと供給の迅速な橋渡し役であった銀行は、
お金でお金を稼ぐ事に専念するあまり、本来の役割を忘れてしまったのです。
■ 最後の巨大バブルの「新興国バブル」が崩壊する
ゴールドマンサックスが提唱したBRICsというテーマで成長した新興国ですが、
金利を求める資金が殺到した為に、完全にバブルを形成してしまいました。
シンガポールもマレーシアも、香港も中国も、
不動産市場の過熱を止める事が出来ません。
金利を上げれば、経済が失速し、
金利を下げれば不動産価格が高騰するというジレンマに陥っています。
日本は日銀の金利引き上げと、総量規制でバブルが崩壊しましたので、
こららの国は、日本の二の轍は踏まないとうそぶいていますが、
加熱した市場を軟着陸させる手段は未だ見つかりません。
日米欧と中国中央銀行の狂った様な金融緩和が、新興国バブルを支えています。
しかし、その弊害は新興国のインフレという形で表れてきています。
これが、労働賃金ん上昇から、先進国の輸入物価に反映されると、
先進国でスタグフレーションが発生し、金融緩和が継続不可能になります。
この時点で金利が上昇すれば、新興国バブルが吹っ飛びますが、
その前に、新興国から先進国への資金の還流が発生して、
いずれにしても、新興国経済はパニックに陥ります。
韓国は既にバブルの最終段階に達しており、
中国も、富裕層が家族と資産を国外に退避させています。
そんな世界情勢の中で、日本が周回遅れで大幅な金融緩和と財政出動に踏み切ります。
ジャパンマネーの投入で、世界は少し延命しますが、
それは崩壊を先に伸ばす役割しか担えません。
リーマンショック直後から比べれば、世界は安定して危機は遠のいた様に見えますが、
実は、世界の危機は新興国のバブルといいう形で保存され、拡大されています。
アベノミクスに賛同される方達は、この危機をどう乗り越えようとしているのでしょうか?
「日本経済はこれから復活する」と信じて株を買い上げているのならば、それは、とても危険な賭けだと言わざるを得ないのではないでしょうか?
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- Re: 成長限界のゴードン説に挑むダボス会議−ダイナミズム議論へ 墨染 2013/1/19 02:54:38
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