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「日本は驚きの景気刺激策」(RFI・France24の記事)
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/874.html
投稿者 無段活用 日時 2013 年 1 月 14 日 16:14:57: 2iUYbJALJ4TtU
 

(Le Japon en quête de croissance: RFI)
http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130108-le-japon-part-quete-croissance-shinzo-abe-nikkei


日本−記事発表:2013年1月8日火曜日−最終更新:2013年1月8日火曜日

成長を模索する日本

記者 RFI


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安倍晋三・日本新首相
DR



安倍晋三・日本新首相は、この世界3位の経済大国の景気回復を、自ら率いる保守政権の最重要課題にしている。インフラの改修・M&A支援・技術革新に焦点を当てた、その先駆けとなる1100億ユーロを超える景気刺激策が明らかにされた。財界の日刊紙・日経が伝えた。


報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル

価格と名の付くもの全てが下がる、日本経済をこの10年蝕んできた癌である、デフレから日本を脱却させるために、地域の補完的な投資も含めて、2100億ユーロを超える資金を、安倍晋三首相は成長を刺激する目的で投入することにした。

この巨額な資金は、いくつかの鍵となる分野に投資される。耐震構造物の強化(非常に強力な地震がまた来ることを、日本では怖れている)、中小企業の資金繰りのための政府・民間双方の投資ファンドへの資金供与、そして、日本の企業集団による外国企業買収の促進、さらに、幹細胞の研究・開発への投資だ。

安倍晋三首相は、景気刺激策を1度実施したくらいで、欧州諸国平均の2〜3倍となっている政府債務を怖れていない。それでも、この政策のための資金の一部は、日本の膨大な貿易黒字から調達されるだろう。

日本の債務は世界一豊かな貯蓄によってまだ賄われているが、日本がこれ以上債務を深刻化することはできない。


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(La relance nippone, le pari du nouveau parti au pouvoir: RFI)
http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130109-relance-nippone-pari-nouveau-parti-pouvoir-aujourd-hui-economie


今日の経済−記事発表:2013年1月9日水曜日−最終更新:2013年1月9日水曜日

日本の景気刺激策:新政権の賭け

記者 ドミニク・べヤール


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安倍晋三・日本首相。
REUTERS/Toru Hanai



日本国内の経済活動を最短の速さで回復させるための緊急対策の資金手当を目的とした、9〜12兆円規模の2012年度の大型補正予算が決定されると、日本メディアが伝えた。欧州にすれば驚きの選択。大部分の欧州諸国はこの種の政策を諦めたのだから。


日本の保守政党−2012年に再び政権を握った−が、国民総参加のカードゲームをしていることは明らかなようだ。なぜなら、企業のトレードマークはわずかだからだ。いまは外国の顧客が日本のクルマや電気製品を買い控えしているので、この選択は意味のあること。日本の国土に再び意識を向けるのは尤もなことだ。

日本の債務−国内総生産の2倍以上−が天文学的なのは事実だ。しかし、他の欧米諸国の債務事情とは異なり、日本国債は国内の預金者がその95%を保有しており、外国ファンドによる保有はない。そのため、日本はいま、海外マーケットの攻撃から守られている。


この景気刺激策の資金調達はどうするの?

財政の教義など気にかけず、認められた上限を超えるのを覚悟で、新政権は国債の発行を続けることにした。敢えてそれをやろうと思ったのは、その方が債務の返済が楽になるという理由もある。

事態は切迫しており、最短の時間で何があっても、デフレを克服する必要がある。日本で10年続いたように、物価が下がると企業は余裕資金のことで苦しみ、投資ができなくなる。これが、経済を下方に引っ張るデフレスパイラルだ。


この景気刺激策で、自動車業界のような輸出産業は恩恵を受けるの?

景気刺激策の予算措置から、輸出産業が直接的な利益を得ることはないが、その代わり、彼らは新政権の金融政策の方で利益を得たいと考えている。なぜなら、日本が抱えるもう一つの問題は、通貨・円だからだ。

円は高すぎるので、輸出産業、特に自動車メーカーは被害を被っている。日銀は、1%でなく2%のインフレを認めるよう、言葉通りの命令を受けた。競争力を取り戻したい産業界は、これで一息入れられる。


この景気刺激策に成功の可能性はあるの?

エヴリン・ドゥリーユ−フェル氏によれば、それは正味で景気を刺激する部分がどれだけあるかによるだろう。この研究者によれば、「週末、地方や参議院との対話が持たれたときに、よりはっきりするだろう。」政府と民間の連携という手段を用いる点や、政府が地方を巻き込む点など、この政策には興味ある目新しい点があると、同氏は考えている。この3者の協力により、より効果的なアクションが可能となるだろう。

これはつまり、この保守政党が本当の意味で変わったわけではない、ということだ。なぜなら、この景気刺激策は、自民党が幅広い公共事業のプログラムを通じて1950年代から行ってきたものものだからだ。これはコンクリート政治と呼ばれる。不平等な結果をもたらしてきた政策だ。

エヴリン・ドゥリーユ−フェル氏の指摘では、1980年代に急いで作られた道路や橋は、あまり有用な投資でなかったことが明らかになっている。それでも、耐震建築物の強化、省エネルギー住宅、そして勿論、これまで遅れていたポスト−フクシマの復興など、実際に必要なものに事業が向けられるなら、多分、興味深い結果が現れるだろうと、論文は述べている。


(以下、元記事ではアリタリア航空・AIG・BNPの話題ですので、省略します)



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(Quand Tokyo opte pour la relance, à l'inverse de l'Europe: France24)
http://www.france24.com/fr/20130111-japon-plan-relance-deficit-dette-abe-boj-rigueur-economie-investissement


最終更新 2013年1月11日 − 財政赤字政府債務日本


欧州と逆に、日本が景気刺激策を選ぶ時


日本は世界で最も債務が大きい国であるにも係わらず、日本政府は1750億ユーロの野心的な景気刺激策の実施を決めた。欧州ではどの国も祈るような気持ちで財政の引き締めに努めており、このアプローチに驚くかも知れない。


安倍晋三首相
© AFP


記者 セバスティアン・セブ


債務?怖れるに値しない。日本の首相は金曜日、日本経済を下支えするために、20兆円(1750億ユーロ)の野心的な景気刺激策を実施すると発表した。半分は国債の発行により資金を調達し、残りは民間部門が支援する予定だ。日本は世界最大の債務国だが、これは強力な後押しとなる。

この日本の計画では、2011年3月11日の津波で最も大きな被害を受けた地域となった東北地方などで、インフラを改善するための巨額投資が計画されている。また、国内での企業活動の継続を奨励するために、中小企業に補助金を出すことも検討されている。新たに選出された右派政権によれば、流動性の投入により、数十万人の雇用が可能となるに違いない。

欧州では、政府債務と財政赤字の削減のために、各国政府が財政の引き締めを強く呼びかけているので、この計画はいくらかの羨望を引き起こすに違いない。そのため、日本は政府債務がGDPの220%に達しているものの、欧州の緊縮政策は日本経済の考え方とかなり相違がある。

欧州と逆に、日本では、「金融市場は国債の保有リスクを見込んでいない」と、フランス経済研究所(OFCE)の日本経済専門家ブルーノ・デュクードゥレ氏はフランス24に説明する。日本国債の5年物と10年物の金利は、それぞれ0.2%と0.8%となっている。これは、スペイン(4%)やイタリア(5%)の国債に課される金利とは、比べものにならない低さだ。


景気回復が先、赤字削減は後

こうした金融市場の「寛大」さは、2つの日本特有の事情によって説明できる。まず最初に、日本銀行(BOJ)が国債を大量に購入している。ヨーロッパ中央銀行(ECB)よりもずっと大量にだ。「そのため、投資家は確実にお金を返してもらえる」と、ブルーノ・デュクードゥレ氏は強調する。さらに、日銀はECBとは逆に、財政赤字削減という条件を提示することなく、国債を購入している。

次に、国債の91%は日本国民が購入している。そうすれば、何が違うのか?「外国人機関投資家は[日本人投資家よりも:編集者注]短期的な見通しを持つことが良くあるので、金利が上がるよう行動しがちで、特に、より投機的なアプローチを採る傾向がある」と、ブルーノ・デュクードゥレ氏は指摘する。

しかし、この専門家が強調するところでは、だからといって、日本が財政赤字と政府債務の問題を無視しているわけではない。「政府債務がもう10%増えれば、『永遠に安泰』というわけにいかないと、政府は良く理解している。」しかし、同氏の主張では、欧州と異なり、日本政府の論理はいわば、景気回復を財政健全化に優先させるというものだ。

この計画が効果的に成長を生み出すかは、まだ分からない。「短期的には、確実に良い効果をもたらすだろう」と、ブルーノ・デュクードゥレ氏は主張する。しかし長期的には、この予定表の確実性は低下する。「財政支出による景気刺激策を行うと、その分だけ、労働市場の構造改革が遅れるリスクが発生する。日本が競争力を取り戻すために、その改革はやらなければならない」と、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は懸念している

自由主義色の濃いこの新聞からすれば、景気刺激策を決めたことにより、機能障害に陥った国内経済に直面しても、その危険性から目を逸らすという政策を、日本政府が採ったことになる。それは少し早すぎる分析だと、ブルーノ・デュクードゥレ氏。「東北地方が復興すれば、長期的にも、日本の生産能力の向上が可能となり、また、生産拠点の海外流出を食い止めるための中小企業支援がうまくいけば、日本国内でノウハウを維持できる」と、同氏は考えている。



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(投稿者より)

RFI・フランス24の両サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

安倍氏の経済政策を批判する声は多いのですが、海の向こうはどう見ているか、知っておくのも悪くないと思いました。日本の貿易収支は既に赤字傾向となっており、他にも「?」と思える箇所があるかも知れませんが、訳の拙さもありますので、細かいところは脇に置いていただければ有り難いです。

「20兆円の景気刺激策で、10兆円の財政出動」、日本では「財源はないんじゃなかったの?」という辺りでもめていますが、そもそも、欧州にそれだけのお金すら既にないようで、これは驚きと羨望の目で見られているようです。「国債は貯蓄の一種」など、日本では当たり前の感覚が、実は世界標準からすると幸せこの上ないことなんだと、教えてくれる記事でもあります。

日本は今や、米国だけでなく世界のATMですから、どのみちお金は搾り取られるでしょうが、それならそれで、国民の分け前を少しでも取っておくよう、少しでも国内経済を豊かにしておく必要があるわけで、少し自虐的ですが、日本国と日本国民が生き延びるためには、このような生き方も仕方ないのかなとも思います。

「労働市場の構造改革」"les réformes structurelles du marché du travail"、つまりは、正社員のリストラと勤労者全体の賃下げ、ということでしょう。こうした事態に対応するなら、政府がセーフティネットをきちんと構築する必要があるのですが、安倍氏は生活保護の支給水準引き下げを表明するなど、逆の方向性のようです。

先ほど、牧義夫・前代議士のこのようなツイートを見つけました。

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牧義夫 ‏@yoshiomaki758

いくら前政権が酷かったからといって、これで日本の国が見違えるように生まれ変わると期待していたら、後でまたがっかりですよ。今回の緊急経済対策、とてもこれで新たな雇用を生み出すとは思われません。成熟した日本社会にふさわしい「新しい公共」分野で、もっと雇用創出を図るべきです。

2013年1月13日 - 10:41

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私は安倍氏の狙い通り、雇用は増えると思います。円が凄まじい勢いで下がっていますので、輸出産業が息を吹き返すと思います。非正規雇用よりも正規雇用の方がましですが、失業よりも非正規雇用の方がずっとましです。失業することを考えたとき、仕事があるということは、それだけで有り難いことです。

しかし、「自民党」は基本的に、国民生活を充実させることもより国のカタチを整えることを重視していますので、やはり、「生活の党」に頑張っていただきたいです。「生活の党」の皆様には、経済政策のしっかりとした青写真を示していただき、参議院選挙に備えていただきたいと願っています。「脱原発」は勿論ですが、「消費増税凍結・TPP加入阻止」の旗を降ろさずに、国民生活を第一に、頑張っていただきたいです。  

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コメント
 
01. 2013年1月14日 17:01:06 : 4aBZHmXs5A
円安になって輸出企業の雇用者の給料増えれば国民の生活は良くなるだろ。十分国民生活の党だと思うが。

02. 2013年1月14日 17:14:01 : FfzzRIbxkp
50兆円の米ドル債購入・・って記事も出てきたけど・・ほんとうかなぁ。

リーマンショック後の円高は自民政権で起きているからね。
易々とはしておられませんがな。


03. 2013年1月14日 23:32:23 : y7KmCFzQwU
日本は輸出大国なので円安のメリットが大きいと今だ考えている人は、電力が足りないので原発は必要と思っている人と同じ。

04. 無段活用 2013年1月14日 23:59:15 : 2iUYbJALJ4TtU : pnFKtUyAeE
日本の外需依存度は約16%で、決して輸出大国ではありませんが、製造業は雇用の
吸収力が大きいので、円安になると雇用が助かるのは本当のことです。

そして、これと「脱原発」とは、全く別の問題です。

景気回復について、安倍氏の手腕に期待する人はかなりいることは知っていますが、
安倍氏を「羊の皮を被った狼」のように見る人も多く、私は判断ができないでいま
す。

官邸サイトで安倍氏の経済対策を読んだとき、EMS債の購入は明確に謳っていました
が、米国債について一言も書いていないのが気になっていました。米国債はむしろ
売るべきだろと、感情では思うのですが、バランスを考える必要もあるのかなとも、
思います。

「苦しいから助けてくれ」と頭を下げるのなら、「お互い様」とも言えるのでしょ
うが、311直後には100兆円をかすめ取っていったという噂もあるくらいで、今まで
やってきたことがあんまりにもあんまりですから、相手が米国だとこちらも感情的
になってしまいがちです。難しい問題です。



05. 2013年1月15日 01:08:53 : KjDe3Re6QA

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130110/242049/?ST=print
急速な円安に潜む懸念
2013年1月15日(火)  張 勇祥


安倍新政権の金融緩和へ期待が高まり、円安が急速に進んでいる。自動車大手などは歓迎しているが、メリットは以前ほどではないとの声もある。円高対策を大胆に進めた企業や、電力使用が多い業種などで懸念も広がる。
 「中小企業も含めて考えると、1ドル=100円でないと日本のモノ作りは危機に陥る」(豊田章男・トヨタ自動車社長)。「1ドル=88円は、数年前だと『何だ、この円高は』と言っていた水準。1ドル=100円でようやくバランスが取れる」(伊東孝紳・ホンダ社長)。7日に東京都内で開かれた自動車業界の賀詞交換会では、最近の急速な円安を歓迎するコメントが大勢を占めた。
 2013年の年明け早々、為替は一時、1ドル=88円台まで円安が進んだ。2012年の円の最高値から比べると、1ドル当たり12円の円安だ。トヨタの場合、円が1円安くなると年350億円、日産自動車は200億円の営業利益改善要因になる。
 自動車大手は新興国などでの現地生産を増やしてきたとはいえ、国内で部品を調達して組み立て、製品を輸出する割合がまだ高いだけに、一段の円安を求める声も強い。
「六重苦」の1つ、解消に期待
 旭化成は1円安くなると、利益が年7億円改善する。海運は運賃をドル建てで受け取るため「円安メリットは1円当たり年11億円という水準」(日本郵船)だ。
 2008年のリーマンショック以降、ほぼ一本調子で続いてきた円高は、自動車など輸出企業の競争力をそいだ。高い法人税や雇用規制などと並ぶ日本企業の「六重苦」の1つに数えられてきた。製造業による生産の海外移転に歯止めがかからない要因でもあった。
 風向きが変わり、円安の流れが加速し始めたのは2012年11月中旬。安倍晋三氏は政権を取った際、日銀に無制限の金融緩和や建設国債の買い取りを求め、デフレ脱却を目指す方針を公表した。その後、発言には修正が加わったが、日銀に対し、政府との物価目標を巡る連携を求めており、大胆な金融緩和への期待はなお強い。
 円安などで企業業績が改善すれば、リストラ圧力は和らぎ、雇用の改善や賃金上昇を通じ、デフレ解消の道筋が開ける。これが「アベノミクス」と呼ばれる安倍首相の経済政策の骨子でもある。
円高対策が逆効果に
 ただ、以前に比べると、円安のメリットは縮小し、逆に急速な円安が収益に打撃を及ぼす場合も増えている。その一例が、部品や素材調達のグローバル化を大胆に進めてきた企業だ。
 東芝の佐々木則夫社長は、最近の円安について、「円安は望ましいが、できれば一気に進むのではなく、じわじわと進んでほしい」と話す。円高がこれからも長期化するという前提で、1ドル=70円でも利益の出る経営体質を目指し、海外からの部品や素材調達を増やしてきた。この結果、「急激に円安になると対策が間に合わず、逆に利益を圧迫しかねない」(東芝幹部)という状況になっている。
ガソリン値上げ、車販売に影響も
 エネルギーコストへの影響も大きい。2012年度は電力大手の発電用燃料調達コストが約6.8兆円になる見込み。2010年度実績の2倍近くに膨らむ。電力大手は東日本大震災後の相次ぐ原子力発電所停止に伴い、LNG(液化天然ガス)などの燃料輸入を拡大。特にLNGは日本の輸入量が急増したことで売り手市場になり、価格も高騰した。その分、円安になった場合の調達コストへのインパクトも拡大している。
 住友商事エネルギー本部長の高井裕之氏は「今は円相場が1ドル=1円安くなるごとに、天然ガスや石油など日本全体の燃料輸入コストは年2750億円増加する」と指摘する。発電用燃料コストの上昇は、燃料費調整制度によって電力料金に転嫁される。この結果、電炉業界など電力を大量に使う業種を筆頭に、産業界の収益を圧迫することになる。

(注:業種別日経平均株価を、2012年11月1日を100として指数化)
 全国のガソリンスタンドを束ねる全国石油商業組合連合会の河本博隆副会長・専務理事は、円安について「もともと薄利なのに、さらに利益が薄くなる」と危機感を募らせる。石油元売り大手は、円安による原油調達費用の上昇分を、ガソリンスタンドへの卸価格引き上げで吸収したい考え。一方、ガソリンスタンドは、周囲の店舗との競合状況によって、製品価格を十分に値上げできないことも多い。このため収益悪化への懸念は強い。
 円安を歓迎する自動車業界にとってもリスクはある。原油価格の高止まりを受け、既に高値の水準にあるガソリンが、円安によりさらに値上がりすれば、減速傾向にある国内の自動車市場に、一段の逆風が吹く可能性も出てくる。
 資源だけではない。円高が続く中、安くなった輸入食材を活用し、販売価格を引き下げて顧客の獲得につなげてきた外食産業や、海外からの調達を増やしてきた小売業界。円安がこのまま進めば、影響は大きそうだ。安さに慣れた消費者に、調達コストが上がったからといって、値上げを浸透させるのは難しいためだ。株価の推移を見ても自動車など輸出銘柄は総じて大きく上昇する一方、内需関連には波に乗り切れない銘柄もある。

1ドル=85〜90円が妥当との声
 石破茂・自民党幹事長は円相場について「1ドル=85〜90円くらいにどうやって収めるか考えなければならない。円は安いほどいいのかというと、日本の産業構造上、そうではない」と繰り返し述べている。丸紅の朝田照男社長も「とりあえずは1ドル=85〜90円程度が妥当ではないか」と話す。
 長期間続いた円高へ、多くの企業が対策を積み重ねてきた。原発停止などの大きな環境変化も経た日本では、円高になれば企業の競争力が低下し、円安になれば回復するという単純な図式が通用しにくくなっている。
 安倍政権への期待が剥げ落ちれば、いつでも円高に振れる可能性はある。経営者は為替の行方とともに、それが収益に与える影響を慎重に見極めつつ、舵取りをすることが必要になる。

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)
日経ビジネス記者



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安倍内閣、経産省主導に火種
2013年1月15日(火)  安藤 毅


「強い経済」の再生を一丁目一番地に掲げる安倍晋三政権。出足は経済産業省の構想に乗った運営が顕著だ。水面下では閣僚や各省の主導権確保を巡る火種がくすぶる。
 「この政権は『経済産業省内閣』なんて言われているようですが、久々に出番が来た感じはありますね」
 ある経産省幹部はまんざらでもない表情でこう話す。原子力発電所事故以降、意気消沈ムードが漂っていた同省。それが安倍晋三政権の発足以降、とみに活気づいているのは、閣僚人事や経済政策の決定の仕組みなどがほぼ同省の思惑通りに運んでいるためだ。
 同省幹部は自民党の下野以降も将来の政権復帰をにらみ、商工関係議員などへ足しげく通っては関係維持に努めていた。その対象の代表格の面々が安倍政権の主要ポストを占めたのだ。
 麻生太郎氏が副総理兼財務・金融相に就任。菅義偉氏は官房長官、甘利明氏は経済政策の要の経済財政・再生相にそれぞれ就いた。首相秘書官も政務に同省出身の今井尚哉氏が起用された。「ほぼ満点の人事」と同省幹部は漏らす。
 こうした人事の“圧勝”を背景に財政・経済政策の滑り出しも同省主導で進んでいる。2012年度補正予算案は渋る財務省を麻生氏らが説き伏せ大規模になることが確定。公的資金を使って電機メーカーなどの資産圧縮を支援する構想が盛り込まれる方向になるなど、従来型の産業政策を重視する経産省の意向が反映されつつある。
 経済政策の司令塔を巡る仕掛けも同様。中長期的な経済財政運営の目標などのマクロ政策は復活する経済財政諮問会議、個別の産業政策は新設する日本経済再生本部がそれぞれ担当する。

「経済政策をリード」の悲願へ一歩
 再生本部やその下に置かれる産業競争力会議は経産省が甘利氏らに提案してきた肝いりの構想。再生本部、諮問会議の各事務局には同省出身幹部の登用が相次ぎ、経済政策全般にわたって同省が主導権を確保する構えだ。
 「もともと、諮問会議は経産省がマクロ政策への関与や官邸を仕切る狙いから設置を仕掛けながら、結局は蚊帳の外に置かれた経緯がある。やっと経産省の悲願に近づいたということだ」。自民のベテラン議員はこう指摘する。原発を巡っても、民主党が掲げた「2030年代の原発ゼロ」の目標の見直しを安倍首相が検討する考えを表明するなど風向きは一変しつつある。
 前政権とはパワーバランスが変わる中で順風に船出したように見える安倍政権。だが、水面下では既にいくつもの火種もくすぶり出している。
 その1つが2013年度予算編成を巡る攻防。財務省は2013年度予算案については政策経費を71兆円以下に抑える中期財政フレームを堅持すべく、各省に予算案の絞り込みを求めている。
 だが、今夏の参院選を控え、各業界団体からの予算要望に応えるべきとの自民内からの圧力は高まる一方。財務省の影響力が相対的に低下する中、脱デフレを掲げる政府・与党の調整が難航する可能性もある。
 安倍首相や麻生氏ら政権中枢の間に隙間風が吹きかねない事態も起きていた。竹中平蔵・慶応義塾大学教授の登用を巡る意見対立がそれだ。竹中氏の発信力を評価する安倍首相は当初、諮問会議の議員への起用を想定。日本維新の会にパイプがある竹中氏の登用で参院のねじれ対策として維新との連携に含みを持たせる狙いもあった。
 だが関係者によると、かつて小泉純一郎政権時に郵政民営化を巡り竹中氏と鋭く対立した麻生氏らが「小さな政府重視や維新との連携に踏み込むメッセージと受け取られかねない」などと反発。竹中氏を産業競争力会議のメンバーに据えることで落ち着いたという。
 ただ、竹中氏は政府が補助金などで特定産業の育成に関与する伝統的手法の産業政策に懐疑的な立場。同会議では持論の構造改革の推進を主張する構えで、ある閣僚は「政権は時限爆弾を抱え込んだ」と話している。

安藤 毅(あんどう・たけし)
日経ビジネス編集委員。



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http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130110/242050/?ST=print


06. 2013年1月15日 01:10:28 : KjDe3Re6QA
社長、今年もデフレ脱却は無理ですね 「アベノミクス」に踊らない経営者
2013年1月15日(火)  馬場 燃


 新年を迎え、各メディアが主要企業の経営者アンケートを掲載した。株価はリーマン危機前を上回る水準に回復、為替も円安に…。鼻息の荒い見通しが並ぶ一方、悲観的な数値もある。物価だ。大半が今年もデフレ脱却は無理だとみている。
 各メディアの経営者アンケートには「景気回復元年」「円高修正進み明るさ」といった威勢の良い見出しが新春に躍った。昨年末に政権交代を果たした自民党は大胆な金融緩和と財政出動を進める「アベノミクス」によって、積年の経済課題であるデフレ脱却を目指すと強調している。景気は「気」からの文字通り、経営者のマインドは上向きつつあるようにみえる。

経済3団体の賀詞交換会で安倍首相はデフレ脱却への決意を述べた
 経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体が7日に都内で開いた新春祝賀パーティーでは、安倍晋三首相が出席した1700人を前に「久々に政府・与党として新年を迎え、6年ぶりに演壇に立った。民主党は産業界の声を聞かない傾向があったが、安部政権はデフレ、円高から脱却し、経済を成長させる」と、やや緊張した声音で決意を述べた。安倍政権の一丁目一番地の大方針である「デフレ脱却」。日銀とは政策協定の締結も視野に、昨年末から2%の物価上昇を目指す考えを繰り返している。
物価上昇率予想は軒並みゼロ
 ところが、1月3日付の読売新聞が報じた経営トップ30人に聞いた新春アンケートには、驚かされた。0%、0%、0%…。値動きが激しい生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率に関しては、主要経営者30人のうち21人が0%と答え、プラスに転じるとの見方は極めて少なかった。みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長にいたってはただ1人、0.5%のマイナスと答えていた。
 足元のデフレは政府が2001年3月の月例経済報告で初めて言及した。そもそもデフレとはどういう状態を示し、どうしたら脱却したと認定できるのか。実は、政府は世界的な好景気に沸いていた2006年に明確な定義を示している。
 デフレは「持続的な物価下落」を意味する。これを踏まえ、政府はデフレ脱却を「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」と定義した。その判断には「4つの経済指標」を重要視するとも表明している。消費者物価、物価の総合的な動きを示す「GDP(国内総生産)デフレーター」、経済全体の需要と供給の差をあらわす「需給ギャップ」、そして企業が一定のモノを作るのに必要な賃金を示す「単位労働コスト」である。
デフレ脱却を見る4指標はマイナス
 この4指標は2000年以降、ほぼマイナス基調で推移している。2007年ごろに上向いたものの、その後に米国のサブプライムローン問題、リーマン危機があり、政府はデフレ脱却宣言を諦めた。現在の安倍政権では消費者物価の上昇率ばかりが注目されているが、日本全体を見渡した際のモノやサービスの需給状況、さらには賃金の動向も追わないとデフレ脱却の道筋は見えてこない。




 需給ギャップの改善に関しては、現政権は公共事業頼みを鮮明にしている。景気が後退局面にある日本経済の足腰が強まる気配は現状ない。単に公共事業で景気を一時的に「ふかす」だけでは、いずれ需給と供給のバランスがまたしても悪化するのは時間の問題といえる。
 企業が財布のヒモをきつくしめる中、デフレ脱却を判断する4つの指標では賃金の上昇も高いハードルになりそうだ。日々の経営を通じ、こうした状況を肌感覚で掴んでいる社長の答えが今年も物価上昇は「ゼロ」。デフレ脱却は依然として遠いというのが、経済界の共通認識である。
 7日の新年祝賀パーティー後に記者会見した経済同友会の長谷川閑史代表幹事(武田薬品工業社長)は「日本経済から長年たまった垢を落とすのはなかなか難しい。安倍政権に望むのは日本の活力を取り戻すこと。経済成長が最優先だ」と力を込めた。成長戦略を着実に実行し、規制緩和や制度改革などで経済の足腰を強める。その場しのぎの「アベノミクス」ではなく、経済成長を実現する政策こそがデフレ脱却への近道になる。

馬場 燃(ばば・もゆる)
日経ビジネス記者



記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
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07. 2013年1月15日 01:39:32 : KjDe3Re6QA

【第769回】 2013年1月15日 週刊ダイヤモンド編集部
安倍新政権20兆円緊急経済対策
赤字だけが残る懸念ぬぐえず

再開された経済財政諮問会議。膨らむ一方の財政赤字を解消する方針を示せるか
Photo:JIJI
?“アベノミクス”がいよいよ始動した。経済再生を最優先課題とする安倍晋三首相は7日、経済3団体の新年祝賀パーティで「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間の投資を引き出す成長戦略の3本の矢によって、経済を成長させていく」との方針を示した。

?その方針に沿って、2012年度補正予算を含む緊急経済対策が策定された。補正予算の規模は13.1兆円。これに地方や民間企業の負担分などを含めると対策の規模は20兆円に達する。

?公共投資には12年度当初予算とほぼ同額の約5兆円を充てる。古い道路やトンネル、河川などの補修、復興事業などがその内訳だ。

?加えて、国際協力銀行と民間の協力でファンドを設立し、日本企業の海外企業買収やアジアでのインフラ整備に出資する。iPS細胞の実用化やスーパーコンピュータの「京(けい)」などの先端技術開発支援にも資金を振り向ける。

?こうした財政出動で、13年度の成長率は0.5〜0.6%は上向くと見込まれている。ただ、財政出動による成長率押し上げは一過性のもの。1990年代には、景気が落ち込むたびに、公共投資を積み増す経済対策が講じられたが、その効果は短期間で消え、財政赤字だけが積み上がっていった。

?同じ轍を踏まないためには、財政出動で一時的に成長率が上向いている間に、成長戦略の実行で中長期の成長力を向上させなければならない。「成長戦略で最も重要なのは規制緩和」(河野龍太郎・BNPパリバ証券経済調査本部長)である。しかし、これまでの政権は、既得権益の壁を崩せず、大きな効果を挙げられなかった。

?また、今回の補正予算のための国債増発額は5兆円前後に上る。13年度予算でも新規国債発行額は50兆円前後に達する見込み。財政赤字は膨らむ一方だ。

?安倍政権は日本銀行に強力な金融緩和と2%の物価上昇率目標の設定を求めている。緩和を継続すれば、物価上昇率2%が達成できる公算はある。しかし、物価上昇は金利上昇を招く。そのときに財政再建の道筋が見えていなければ、財政悪化を危惧して長期金利が急上昇する懸念はぬぐえない。長期金利が上昇すれば、国債の利払い費が増大し、国債を大量に保有する銀行が多大なる損失を抱えることになる。

?財政再建には高齢化で増大する社会保障費抑制が必須だ。安倍首相も、財政再建への道筋を経済財政諮問会議の骨太の方針で示す意向だ。しかし、今回の経済対策では70〜74歳の医療費の窓口負担割合を本来の2割ではなく、従来通り1割に据え置く措置の継続が盛り込まれている。社会保障費にメスを入れられるのか疑問が残る。

?歴代の政権が先送りしてきた実効ある成長戦略遂行と社会保障費抑制、これらの施策を早期に実現しなければ、今回の緊急経済対策も財政赤字を増やすだけの結果に終わるだろう。

?(「週刊ダイヤモンド」編集部?竹田孝洋)
http://diamond.jp/articles/print/30516

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安倍新政権に望むのは「目線」を下げた政治
人間らしい保守の論理を大切に
2013年01月15日(Tue) 筆坂 秀世
 自民党安倍政権が上々のスタートを切ったように思える。株価は上昇し、円安傾向も続いている。閣僚の顔ぶれを見ても、安定感を感じる。党役員の布陣も良い。バランス感覚に優れ、外交にも造詣の深い高村正彦副総裁、論理的に物事を考え、喋れる石破茂幹事長、それに高市早苗政調会長、野田聖子総務会長と2人の女性を登用したのも良い。

 このなかで何度か酒を酌み交わし、個人的に知っているのは野田聖子氏だけだが、彼女はまず他人の悪口を言ったことがない。民主党と政権交代した際も、「いまさら民主党の批判をしても仕方がない。政権を奪われた自民党自身の反省こそが大事だ」と語っていた。負け犬の遠吠えよりも、みずからの在り方を見つめ直すという姿勢は、政治家として大事なことだ。彼女なら、むずかしい党内のまとめ役も、その人柄でやりこなしていくことだろう。

石破氏の厳しさは大事

 石破幹事長が新人議員に対し、年末年始の「行動計画表」を提出させ、それをチェックすることを厳命したことが話題を呼んだ。新聞各紙は、無派閥の石破氏が新人教育の主体を派閥から党本部に移すことで、幹事長としての求心力を強めようという狙いがある、などといういつもの浅薄な「裏読み」記事を報じているが、私はまったく違う見方をしている。

 自民党が野に下ったのは、誰の責任でもない、自民党自身の責任であった。政治などまともに考えたこともないような小泉チルドレンの大量当選、事務所費問題などの相次ぐスキャンダル、不安定雇用と失業の増大、消えた年金記録など、さまざまな失政が重なったためだ。

 そのために民主党が上手くやれるかどうか不安を感じながらも、有権者は民主党を選んだ。今回の選挙でも議席は飛躍的に増えたが、得票数が増えたわけではない。石破氏は、この現実を直視している。この厳しさ、真剣さは今の自民党には、何よりも必要なことだ。

目線を下げよ

 6年前の第1次安倍政権の時は、絶大な人気を誇った小泉純一郎首相の後継ということもあり、あまりにも力みかえっていたと思う。例えば「美しい国、日本。」というスローガンだ。悪い言葉ではない。だが当時、大変違和感があった。

 最近、その違和感の原因が分かった気がする。「美しい国」という表現は、一種の理想社会を目指す論理だからだ。現実には、美しいだけの国などというものは存在するわけがない。美しさの裏には、醜さもあるものだ。表があれば、裏もある。それが人間社会である。やはり地に足が着いていないスローガンだったのだ。

 「日本を、取り戻す。」というスローガンにも、安倍晋三首相の思いが込められているのであろうが、同じ臭いを感じてしまう。政治家である以上、理想を持つのはまったく悪いことではない。だが同時に政治家には、リアリティーがなければならない。

 民主党の失敗は、現実よりも「こうあるべきだ」というところから出発したことにある。「脱官僚・政治主導」「普天間基地を最低でも県外」等々がそれだ。ここには物事の手順だとか、困難さだとかがまったく考慮されていない。これは平たく言えば、頭の中だけ、あるいは上から目線、あるいは力みということなのだ。

 安倍首相の側近であり、今回の選挙で復帰を果たした萩生田光一議員が、落選中の3年余の間に自民党の反省すべき点を見つめ直したとして、次のような指摘を行っている。

 〈まず、最たるものは自民党のブルジョア体質である。実に世襲議員が多いうえに、エリート意識が強い官僚も多く、国民の目線と政策が合っていなかった〉

 〈自民党の経済政策も結局、大企業や経団連向けだった。党の部会の議論も世界金融の話に終始し、地元の信用組合からお金を借りられない中小企業や、シャッターが閉まった商店街への配慮が欠けていた〉

 〈教育行政も同じです。歴代首相は小学校から私立に入り、圧倒的多数の子どもが通う公立小中学校のことを知らない。だから現場とミスマッチを起こす〉

 貴重な指摘だと思う。側近のこの目線を生かして、国民の期待に応えてほしい。

「保守」とは何か

 「金持ち喧嘩せず」という言葉があるが、かつての自民党にはその趣があった。「清濁併せ飲む」という度量があった。「水清ければ魚棲まず」と言われるように、現実社会は無菌社会ではない。失敗もすれば、過ちを犯すこともある。どんな公正な人間であろうとしても、利己心や邪心から逃れることはできない。それが人間だ。

 人間をそういうものとして包摂していく、それが保守の強さであったと思う。

 政治に理想は必要である。だが古今東西、理想的な国などは存在しない。この社会には、多様な人間が存在する。思想も、宗教も、出自もばらばらだ。1つの価値観で統一された国家は、為政者にとっては実にやりやすい国家である。だがそんな国家は、かつてのナチスドイツや軍国主義日本、旧ソ連など独裁国家や専制国家でしかありえない。

 私自身の懺悔にもなるのだが、理想的な人間と思想によって、理想的な社会を実現することが可能だと錯覚したのが、共産主義であった。だが旧ソ連を見ても、中国を見ても、あんな無残な社会しか実現できなかった。ユートピア(現実には存在しない社会)は、やはりユートピアだったのだ。

 保守の出発点は、欠陥だらけの人間が理想的な社会など実現できるはずがないという前提に立脚し、しかし、社会をより良い方向に漸次改革することは可能だという立場に立つ、これが保守だと私は思う。その意味では、非常に人間らしいのだ。安倍首相には、この保守の論理を大切にしてほしいと願う。

経済対策の最終目標は雇用にあり

 安倍政権は、20兆円規模の大型補正予算を組むと言われている。結構なことである。公共事業も、金融政策、財政政策、成長戦略も大いにやってもらいたい。

 ただ経済政策の究極の目標は、言うまでもない経世済民、すなわち世を治め、民を救うことである。このことだけは忘れないでほしい。

 中でも最重要の課題として取り組んでほしいのが雇用である。失業対策である。

 失業ぐらい人の心を傷つけるものはない。これは「あなたは、この社会には必要がありません」と言われるのと同じことだからである。この世に生を受けた人間は、誰でもこの社会に有用な人間になりたいと願っている。その人がどんな仕事に就こうが、それは関係ない。

 私は若い人と話をする時、いつも言うことがある。それは「この世に不要な人間など1人もいない。必要だから生まれてきたんだ。だから自分のことをまず何よりも大切にすべきだ」ということである。

 それでなくても若い時というのは、「自分はどうして生まれてきたのか」「自分などこの世には必要がない」などと、自己嫌悪に陥るものである。その若者たちが、働く場所すらない。あってもせいぜい派遣労働者で、解雇自由の立場に置かれている。こんな状態を放置して、「安定した、良い社会」を実現できるわけがない。安倍政権には、安定した雇用をこそ、ぜひ「取り戻して」ほしいものだ。

日本は独立国か?

 最後に一言。安倍首相は憲法改正を、選挙でも公約した。アメリカ占領下で作られた憲法を改正し、自主的な憲法をというのがその趣旨だ。

 現在の日本を取り巻く国際情勢、アジア情勢に鑑みれば、日米同盟が重要なことはよく分かる。だが普天間基地やオスプレイ配備問題をとってみても、果たして日本は本当に独立国と言えるのだろうか。アメリカの属国ではないのか。そこで本当に自主的な憲法が作れるのか。

 この問題は、今後、集団的自衛権の問題も含めて、追々論じていきたいと思う。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36902


第9回 世界で起きている「3つの変化」に迫る

Open Talent Economy Working-Learning-Playing Continuous Change Management

2013年1月15日(火)  キャメル・ヤマモト

 しばらくコラムをお休みしていたが、前回までのお話は「起承転結」で言えば、「起・承」だった。今回は「転」で転がしてみたい。というのも、昨年11月は仕事と休暇を兼ねてほとんど海外で過ごし(シンガポール、カイロ、北京)、久しぶりにペースを変えて節目的な思考を試みたので、そのささやかな成果を皆さんにご紹介したい。

 さて、このコラムではグローバル人材になるために有効そうなハウツー(How To)の話をしてきた。今回は、その話の前提においてある種の変化が起きていることについてお話しする。

 前提の変化とは、世界の潮目の変化のようなものであり、そこがよく見えてきて体感できるようになれば、そういう前提条件の中で使うハウツーにも貴重なガイドとなるだろう。私もまだ手探り状態だが、この前提条件の変化とその変化がハウツーに及ぼす影響について書いてみたい。

 変化は3つの言葉で象徴される。「Open Talent Economy(人材開放型経済)」、「Working-Learning-Playing(仕事即学習即遊び)」、「Continuous Change Management(常時変革)」の3つだ。

 3にこだわる私は、既にこの3つの変化に3文字のニックネームをつけた。OTE(人開経)、WLP(仕学遊)、CCM(常変管)。1つずつ説明しよう。

人材がある場所に囲い込まれずに、オープンに動く経済

 第1の変化を表す言葉はOpen Talent Economy(人材開放型経済=OTE, 人開経)だ。これは、米デロイトのヒューマンキャピタルグループが提唱しているもので、その意味合いは、人材がある場所に囲い込まれずに、オープンに動く経済だ。そういう経済における企業の在り方を考えていこうというものである。

 類義語として、Mobile Talent EconomyやNetworked Talent Economyという言葉も出されている。グローバル化と情報化が掛け合わさった今の世界に特徴的な状況をタレントの目線でとらえたものとも言えよう。

 まずは、企業の中で自分が所属する部門に囲い込まれずに、他の部門とも壁をなくして協力しながら働く(協働)。さらには、企業の外の人材(タレント)とも協働する。

 企業の外には、国の外も含まれる。個人ばかりでなく、企業同士の関係(組織レベルの関係)でも、タレントを介してオープンな関係になる。そこでは既存の情報システムに加えてソーシャルメディアも取り込まれる。さらに、人間だけなく、様々な情報分析を行う情報プログラムや3Dマニュファクチャリングのようなシステムも、人間と同様にこのオープンな環境に入ってくる。

 つまり、マネジメントの対象がいわゆる個人だけでなく、もっと広がるという意味まで含まれている。様々な人、様々な組織、様々な情報プログラムが、すべて実在するモノ(Entity)として企業活動に参加し、価値を生み出していく。人間に限らない、実在するモノをどう扱うか。それがこれからの課題だろう。人間も人間関係だけでなく、情報プログラムとどう付き合うかが極めて重要になってきた。

 加えて、人間にとって、自分が所属する部門だけでなく、会社内の様々な部門(実在するモノ)とどう密接に連携していくか、社外や買収相手、提携相手の組織とどう関係するか。こうしたことが、Open Talent Economyでは中心的なテーマになる。その意味ではHuman ResourcesやTalentを超えたEntity Managementという考えになっていくだろう。

仕事と学習、遊びがワンセット

 変化を表す2つ目の言葉は、Working-Learning-Playing (WLP、仕学遊)である。この言葉は、昨年10月末から11月はじめにシンガポールで開催された「ASTD(American Society of Training and Development)」で使われたキーワードをいじりつつ、ゲーミフィケーションの意味を込めて加えてみたものだ。

 例えば、ASTDのキーノートスピーカーのダニエル・H・キム博士(Dr. Daniel H. Kim)は、情報革命・ソーシャルメディア革命という文脈において、能力開発や学習の在り方、リーダーの役割などの面で起きている変化について話をした。

 何をしてどういう結果を出すかということの変革を求めるFirst Order Changeよりも、そういうことをする人とその人のMental Modelそのものを変えること、つまりSecond Order Changeの重要性を説いた。言い換えれば、WhyやWhat、Howよりも、それらを考え出すWhoの重要性に注目した。

 自分について考えるとよく分かるが、全身全霊を傾けて活動している時間、つまり自分のMental Modelの全体を使いこなしている時間というのは極めて限られている。多くは頭(Brain)のごく一部を使う、単なる知的作業者として働いている。本当の自分のポテンシャルを生かしきるような働き方にはなかなかならない。

 他方で、今の世の中、人々がお金を払うモノやサービスを創り出すには、それこそ全身全霊を動員し、自分や仲間の頭のみでなく、Heart and Mindまで駆動させることが必要だろう。

 しかも、そうした創造活動は、それ自体が、新しいことに取り組む「学習」であろう。果たして仕事(Work)と学習(Learning)は一体化する。加えて、そういうふうにトータルな自分が駆動する際には、遊び(Play)に熱中するような面白さも伴うのが自然だろう。

 ワークとラーニング、そしてプレイがワンセットになって初めて、頭(Brain)と情(Heart)と心(Mind)の共同動員に成功する。キム博士の話はそのあたりを狙ったものだと私は受け止めた。

 そのように人々のMental Setを全体的に動員するという視点から、リーダーの役割も再考される。キム博士は、第1世代の創業リーダー、第2世代のトランズアクショナル・リーダー(ものごとを仕組化して効率的にマネージするリーダー)を経て、今求められるのが第3世代のトランスフォーメーショナル・リーダー(TL)だと言う。TLは人々をインスパイアして、人間の存在・思考の本質にまで届くような影響力を及ぼし、そういう深いレベルで人々を巻き込めるようなリーダーである。

マネジメント手法をKnowledge Worker向きに替える

 ASTDでは、元米グーグルで育成プログラムを担当したジュリー・クロウ(Julie Clow)氏が、別のセッションでこんな話をした。

 彼女は、今のマネジメント手法は(人材マネジメントも含めて)工業ワーカー時代の名残が強いが、これをKnowledge Worker向きに切り替えるためには革命的なルールの変更が必要であると主張する。そのほとんどのポイントは既にどこかで聞いたことではあるが、組織における実践となると、なるほど彼女が言うように、多くの組織はまだ時代に追いついていない。

 例えば、朝9時から夕方5時までという勤務体制は明らかに工業化時代にできたものだろう(それを基準にした残業という考え方も含めて)。そういう今までのマネジメントを支配したルールに変えて新しいルールとして彼女は次のようなポイントを指摘した。

(1)Impact not Activities(結果やインパクト重視):
 結果に至るプロセスでは完全な自由を与える。
 
(2)True urgency, not false urgency(見せかけではなく本当の緊急案件に集中する)
 本当の緊急案件に対応する時はエネルギーが湧いてくるが、見せかけの緊急案件(例えば上司が不要に気にしているだけなど)だと、エネルギーは湧かない。

(3)Strengths, not job slots(職務記述書ではなくて本人の強み)
 各人の強みに焦点を当てよう、各人の職務の定義ではなく。 ジュリー自身の例で言うと、彼女のチームは彼女も含めて3人で、職務的に言うと皆Instruction Designer(育成プログラムのデザイナー)だが、1人ずつの強みが異なるので、役割は分かれている。

 ジュリーは、戦略的なビッグピクチャーを描くのが得意。ナンシー(仮名)は、聞き上手でファシリテーションやリクルーティングが得意。フィオリーナ(仮名)は、新しい人脈を開拓したり、チームを形成したりするのが得意。つまり3人の職務は同じだが、タレント(才能)が異なるのでそれを生かすのが大切だ。

(4)Right thing, not everything (すべてではなくて、まさに正しいことに集中)
 情報洪水の中では焦点を正しく定めることが大切である。
 
(5)Grassroots, not top down(上からの押し付けでなくて草の根からの自発性)
 ああせい、こうせいというボスよりも、草の根の人々全体から集合知を汲み上げることが大切だ。

 要するに、グーグルでの体験的な事例に基づきながら、「人が自発的に自分のやりやすい方法で新しいことを学習しながらそれを応用して、遊び的な創造性を発揮すること」を最優先したマネジメントの方法を提唱している。

あるべき姿と現状のギャップを埋めていく

 第3の変化はContinuous Change Management (CCM、常時変)、つまり、常時変化時代の変革である。英語は私のフレーズだが、その中身は、デロイトのヒューマンキャピタルグループが戦略的変革(Strategic Change)の中核的なアイデアとして出したものだ。

 これまでの変革論は、一方で将来時点(例えば3年先)のあるべき姿を描き、他方で現状を分析して、両者のギャップを明らかにしたうえで、そのギャップをステップ・バイ・ステップで、時間をかけて埋めていくという方式だった。

 ところが、人材開放型経済(より一般的には開放型経済)では、変化は常に発生しているという想定に立ち、変革も常時行うというように考える。この新しい変化・変革は、ゲーミフィケーションの世界で、午前中に仮説を作りそれを発信し、午後データ(参加者の反応としての行動データ)を見て、仮説を検証し、修正する、というのがイメージ的に近いのだろう。

 さて、Open Talent EconomyとWorking-Learning-PlayingとContinuous Change Managementは、それぞれ言葉としては多少目新しいにせよ、考え方としてはそれほど新しいということでもないだろう。しかし、これらを組み合わせて見ると、私たちがとんでもない流動性の真っただ中に身を置いているというイメージが、改めて浮かんでこないだろうか。

自分のコントロールを超えた力とどう付き合うか

 そのイメージは、一方で自分のコントロールできない流動的な力にさいなまれるという意味では脅威であるが、他方で自分のコントロールを超えたこともなし得るという意味ではチャンスである。いずれにしても、「自分のコントロールを超えた力とどう付き合うか」がこの新しい前提としての世界における課題である。それは新しい人間観を紡ぎだす試みでもある。

 もとより、私が本コラムでこれまで述べてきているハウツーは、自分がコントロールできることのみをしっかりコントロールしましょうという意味のハウツーに限定したものではなかった。アウトライン法を含めて(第1回参照)、コントロールし難いところもうまく使っていこうということを含めていた。

 しかし、コントロールできるかできないかという切り分けにぴたりと焦点を当てて、それぞれに相応しいハウツーを割り当てていたわけではなかった。切り分けは不明確だった。

 ところが、今回述べたような新しい前提を目の前にすると、コントロールできない諸力とどう付き合うかを、改めて明確な課題として設定し、コントロールを超えた諸力にどう対処し、どう生かすかを考える必要がありそうだ。そのような視点からこのコラムのテーマであるHow To Think like a Global Leaderについて、改めて考え直すこととした。その手始めとして、その場合のスタンスというかトーンについて簡単に述べてみたい。

自ら「流れ」を創り出す

 1つは、この世界的な流動性の波に、サーファーのように乗る工夫が必要だろう。間断なく押し寄せる流動性の波に流され、さいなまれるのではなくて、主体的に乗りこなすのである。

 乗りこなすポイントは、意外性や偶然性とうまく付き合い、うまく生かす術を創りつつ、新しく学び続ける姿勢だろう。

 その1つの方向性は、自分から「流れ」を創り出すことだろう(攻撃は最大の防御なり)。

 自分から作り出す「流れ」とはこんなイメージである。

(1)Open Talent Economyから貪欲に情報や智恵を取り込み、
(2)それが及ぼす自分の内部の深いところの反応を確認し(WLP)、
(3) 自分を変化させ、自分を流動性のある波に乗せて共鳴させることだ(CCM)。

 例えば、(2)について少し解説すると、こんな感じだ。

 この流動のただ中で、私の内部の奥深くまで、他のタレントの影響が届く、私の深いところもそれに不断に反応している。ただし、そのほとんどを私は普段は意識できていない。でも、私の深部への働きかけ、それに対する私の反応、それは必ず起きている。
 
 その声を私が聞き取ることができるか? 流動的で多様な外力にほぼ無意識で反応する私の内力、その声をきけるか? さらに、私以外の人々にも内なる声を聞いてもらい、私の内なる声と聞き比べてもらえるか? 聞こうとするか?
 
 こうした(1)(2)(3)というプロセスは、いわば、「流れ」のイメージに合わせたものだが、そういうプロセスをそもそも起動すること、つまり、そもそも、波に乗ろうとすることに当たっては、勇気も必要だろう。

 どうなるか分からないのだが、とにかく乗ってみようと決断して、乗り出す、という勇気である(勇気以外にも、いくつかの態度・メンタルセットが必要になるがこれは今後改めて考えたい。これは、ある意味で、新しい状況における新しい人間観に相応しい「人間力」を考えることにつながるだろう)。

 次回から、この線の話をもう少し掘り下げつつ、とらえどころのないところから、とらえられそうなところへつなげる話をしてみたい(といっても、偶然の起き方次第ではある)。


キャメル・ヤマモト

【肩書き】
デロイトトーマツ コンサルティング ディレクター(2007年4月〜)、
ビジネスブレークスルー大学教授(2010年4月〜)

【略歴】
 島根県松江市出身、愛知県生まれ。東京大学法学部を卒業後、外務省に入省。エジプト、英国、サウジアラビア、および東京に勤務。その間、エジプトでアラビア語を習得、オックスフォード大学大学院中東政治・宗教問題を研究。青山学院大学大学院異文化マネジメント修士課程修了。外務省を退職後、外資系人事コンサルティング会社に入社。のちに、別の外資系人事コンサルティング会社に転じ、2002年まではシリコン・バレーに。2003年7月から2006年6月まで中国・上海に駐在、アジア太平洋大学大学院講師を経て、現職。

【主な著書】
 『世界標準の仕事術』(日本実業出版社)、『世界で稼ぐ人、中国に使われる人、日本でくすぶる人』(幻冬舎)、『稼ぐ人、安い人、余る人』(幻冬舎)、『鷲の人、龍の人、桜の人』(集英社)、『はまる人、はもる人、はめる人』(朝日新聞社)、『グローバルリーダー開発シナリオ』(日本経済新聞社)、『グローバル人材マネジメント論』(東洋経済新報社)、ほか。


グローバル時代を生き抜くための術を伝授する

日本企業のグローバル化にともなって、ビジネスマンに求められる役割は大きく変わろうとしている。外国人社員が配属されて英語による会議に参加する機会が増えたり、外国人上司に業務を報告したりといったことが、現実に起きてくる可能性が出てきた。そこで、グローバル人材になるにはどうしたらいいのか、本コラムで紹介する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20130108/241973/?ST=print


JBpress>海外>The Economist [The Economist]
我々はトイレに勝る革新を起こせるのか?
イノベーションの減速と経済成長を巡る議論
2013年01月15日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年1月12日号)

イノベーションが減速しているという懸念は大げさに語られすぎている。とはいえ、政府はイノベーションを後押しする必要がある。

 目が回るような勢いで技術が進歩するせいで、我々は現代を史上最も革新的な時代だと考えがちだ。スマートフォンとスーパーコンピューターがあり、ビッグデータとナノテクノロジーがあり、遺伝子治療と幹細胞移植がある。

 各国の政府や大学、企業は、総額で年間1兆4000億ドルほどを研究開発に費やしている。かつてこれほどの額が研究開発に注ぎ込まれたことはなかった。


エコノミスト誌の最新号の表紙は、ロダンの考える人がトイレに座っている様子を描いた〔AFPBB News〕

 だが、近年では誰ひとりとして、本誌(英エコノミスト)の今週号の表紙を飾った発明品の半分でも役に立つものを考案していない。簡素なトイレは、清潔な外観と直観的なユーザーインターフェースにより、無数の人々の生活に変革をもたらした。

 19世紀後半から20世紀前半の人々の頭脳から生まれたのは、近代的な公衆衛生だけではない。自動車、飛行機、電話、ラジオ、抗生物質もその時代に生み出された。

 現代科学は、これらと同じくらいの影響力を持つものを1つも生み出せていない。イノベーションのペースが落ちていると考える人が増えている理由はそこにある。

 興味深いことに、そうした悲観的な人たちの中には、トイレと比較して近年の発明力のなさを評価することを提案した米国の経済学者ロバート・ゴードン氏などの学者だけでなく、フェイスブックを支えたベンチャーキャピタリストのピーター・ティール氏のような起業家も含まれている。

 悲観論者たちが正しければ、その意味するところは大きい。経済は何かを増やすことで、成長を生み出すことができる。労働者を増やし、投資を増やし、教育を増やせば、成長が生まれる。

 だが、1人当たりの生産量を持続的に増やすためには(収入と福祉の向上には欠かせないことだ)、既に持っているものをより良い形で使うことが求められる――言い換えれば、それがイノベーションだ。イノベーションのスピードや、そのイノベーションが普及するスピードが落ちると、ほかの条件が同じであれば、成長も減速することになる。

暗く悲観的な生産性の数字

 マルサスが我々は皆、飢えるだろうと予言して以来、人類の創意工夫は、様々な破滅の予言が誤りであることを証明してきた。だが最近では、イノベーションの影響力が確かに弱まっているように見える。

 例えば、1980年以降の米国の平均寿命の伸び率は、20世紀初めよりも落ちている。1世紀ほど前に急上昇した移動速度も、少なくとも先進国では、1世代前よりも遅くなっていることが珍しくない。

 ゴードン氏によれば、生産性も悲観論者の主張を裏付けているという。生産性は19世紀半ばに上昇し始め、20世紀初頭に加速し、1970年代初めまではかなりよく持続した。その後、急激に低下し、コンピューター化により1990年代後半に上昇したものの、2000年代半ばに再び低下した。

 だが、そのパターンは、悲観論者たちが主張するほど決定的に暗いものではない。平均寿命は、先進国でもまだ上昇を続けている。電化後の生産性の向上は、なだらかに増えたのではなく、ある時点で急激に上昇したものだった。2004年以降の低下は、発明が基本的に欠如しているというよりは、恐らく経済危機の影響を強く受けたものだろう。

 それに、現代のイノベーションのインパクトを見限るには、まだ早すぎる。

 現世代の技術的進歩への貢献は、ほとんどが情報技術(IT)の分野で生まれたものだ。電化により、発電場所から遠く離れた場所でエネルギーを使用できるようになり、あらゆることが変化したように、コンピューティング技術と通信技術も、それを持たない場合の人間の能力をはるかに超える形で計算や人とのつながりを可能にし、生活やビジネスを変革している。

 だが、電気の場合と同じように、企業がそれを使いこなす方法を身につけるには時間がかかる。そのため、その影響力を余さず実感できるようになるまでには、まだ何十年もかかるだろう。

 コンピューターの力は、既にIT分野を大きく超えて、劇的な進歩に寄与している。3次元(3D)印刷は、新たな産業革命を引き起こす可能性がある。米グーグルのつくった無人自動車のような自律走行車は、10年以内に街で普通に目にできるようになるかもしれない。人工装具の性能は、本物の四肢に急速に追いつきつつある。

 こうしたイノベーションがいずれどれほど大きな意味を持つことになるかを判断するには時期尚早ではあるものの、グローバル化している現代は、イノベーションにとって実りの多い時代であるはずだ。

 現代は、100年前よりもはるかに多くの頭脳が活動している。クールな新製品の開発レースには、米国と欧州の発明家に加え、日本、ブラジル、インド、中国の発明家が参加してきた。

基礎研究に公的支出を

 このように、21世紀もイノベーションの活力の流れは衰えないと考えてよい十分な根拠がある。だが、それを妨げるものに警戒すべき理由もある。最大の危険要因は、政府だ。

 政府が今より小さかった時代には、イノベーションも今より容易だった。製造業者は、規則違反を言い立てる役人に煩わされることなく、新たな製法を導入したり、設計を変更したりできた。

 近年、医薬品が厳しく検査され、工場の排出物が規制されているのは良いことだ。だが、役人というものは、公益のために必要なものよりもはるかに多くの規則をつくりがちだ。そして、複雑に入り組んだお役所仕事は、イノベーションを抑圧する。

 イノベーションを促進するための規則でさえ、その多くはあまり機能していない。例えば、欧米の知的財産保護制度は、利点の疑わしい特許を与えすぎているせいで混乱に陥っている。

 国は、自身のイノベーションの受け入れでも明らかに失敗している。公的部門では、生産性がほとんど停滞している。公務員の労働組合は、政府が業績評価指標――民間では経営者にイノベーションを促してきたもの――を公表することさえ、しばしば妨げてきた。

 ITには、医療と教育の分野で生産性を高める大きな余地がある。だがそれも、そうした分野が変化に対してもっとオープンになればの話だ。

 1970年代以前の先進国の急速な成長は、インフラ(下水道など)と基礎研究への公的支出に後押しされていた。コンピューター、インターネット、食品技術における緑の革命は、いずれも直接的な商業目的を持たない科学から生まれたものだ。

 公的支出がイノベーションをもたらす威力の最も顕著な例が、戦争だ。ジェットエンジンは言うまでもなく、無人飛行機や義肢の驚異的な新技術は、その威力のほろ苦い証しだ。現在のように財政が逼迫した時期であっても、炭素回収・貯留といった分野の基礎研究に投じる資金は、やはり捻出しなければならない。

結局は人類次第

 起業家の邪魔をせず、公的部門を改革し、賢く投資する――政府がこうしたことをうまくこなせば、その見返りは大きいだろう。イノベーションが減速するリスクは現実のものだが、その危険は避けることができる。

 実際にそうなるかどうかは、人類の運命のほとんどの側面と同じく、人類自身にかかっている。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36914


08. 2013年1月15日 02:45:48 : omn1IhzfdA
7さんのThe Economistの記事について

「公的支出がイノベーションをもたらす威力の最も顕著な例が、戦争だ」というのは、即ち技術の革新がかならずしも人類の「幸福」を保証するものでなく、むしろその逆の効果を齎す可能性を常に孕んでいるということ。「何の為の技術開発か」という目的意識と、「どのように活かして行くのか」という実践の問題を「政府(公権力)任せ」にしない事こそ重要であろう。庶民の日常生活の中から無限にくみ出されるべき創造の機会をこそ大事にしたいものである。


09. 2013年1月15日 09:35:52 : KjDe3Re6QA
安倍財政で日本経済は年内破綻も、「ガラガラポン」早まる−藤巻氏 
  1月15日(ブルームバーグ):著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた経歴を持つフジマキ・ジャパン代表取締役の藤巻健史氏は、安倍晋三政権の財政拡張政策により、年内にも日本経済が破綻する可能性があるとの見方を示した。
藤巻氏は11日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「安倍首相が円安政策の重要性に気付いたことは正しく評価できる。一方、公的債務残高が膨らむ中で大型の財政出動はとんでもない。長期金利が上昇する可能性があり、非常に危険なばくち」と述べた。
また、「10数年前にアベノミクスをやっていれば、日本経済は回復しただろう。しかし、累積債務残高が1000兆円程度までたまった中で、財政支出拡大と円安政策を進めれば、調整が早まる」と説明し、日本経済の崩壊と再生につながる「ガラガラポン」の時期が早まったとの見方を示した。
長期金利 は昨年12月6日に0.685%と9年半ぶりの低水準を記録したが、その後は安倍氏が大胆な金融政策や財政拡大策を打ち出すにつれて、財政悪化懸念から超長期ゾーン中心に金利が上昇。今月7日には0.84%と4カ月半ぶりの高水準を付けた。為替市場では円・ドル相場は1ドル=89円台後半と、2010年6月以来の水準まで円安・ドル高が進んだ。日経平均株価は約2年ぶりの高値。
藤巻氏は、株価が上昇して景況感が改善しているとしながらも、「景気が回復しても、金利が上昇すれば、税収増加よりも金利支払い増加の方が大きくなり、日本の財政はもたない」と述べた。
長期金利急騰・円安進行
国債市場について、「資金が株式市場に向かえば、金利が上昇する。あるいは円安が進み、円預金が海外に流出してドル資産などに向かえば、銀行など金融機関が国債を購入する資金がなくなる。現在、ぎりぎりのところで国債を買い支えているが、財源が枯渇すれば、かなり危険な状況になる」と懸念を示した。「日本銀行がお金を印刷して、ハイパーインフレーションになれば、1ドル=300−400円以上まで円安が進み、ロシアが崩壊した時と同様に長期金利は60−80%程度まで急上昇する可能性がある」と警告した。
一方、藤巻氏は「このまま何もせずにずるずると悪くなって2、3年後に崩壊するよりは、今やって早く崩壊させた方が、経済学者シュンペーターの言う『創造的破壊』につながり、その後の回復が早くなる。ここまで公的債務残高が膨らむと、どちらにしても救いようがないので、早く崩壊させた方が良い」とも語った。
安倍政権が日銀に物価目標2%設定を求めていることに対しては、「日銀の独立性と権威を地に落としてしまったことはマイナス。白川方明総裁は職を賭して受け入れられないと拒否すべきだった」と指摘した。また、「インフレになっても景気が良くなるかは疑問。スタグフレーション(不況下での物価上昇)になる可能性もある。量的緩和策では円安にはならないと思う」とも述べた。
政府は11日に決定した事業規模20.2兆円の緊急経済対策で、日銀との連携を強化する仕組みの構築を明記。安倍首相は、「明確な物価目標の下で、日銀が積極的な金融緩和を行っていくことを強く期待する」と要請した。藤巻氏は、財政破綻やハイパーインフレの状況から資産を防衛する方法として、不動産投資のほか、米国株などドルを中心とした先進国の外貨建て資産を購入することを提案している。
藤巻氏は1950年生まれ。74年に一橋大学を卒業し、三井信託銀行(現・中央三井信託銀行)に入行した。米ノースウェスタン大学大学院で80年に経営学修士(MBA)を取得。85年にモルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)に移籍し、95年から2000年まで東京支店長。2000年にはジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 Monami Yui myui1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/01/15 09:00 JST


バーナンキ米FRB議長:量的緩和効果の評価を続ける方針
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  1月14日(ブルームバーグ):バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日、量的緩和(QE)の便益は時とともに変わる可能性があり、連邦準備制度は債券購入の影響のモニタリングを続けるとの見解を示した。
同議長は、「現在のところ、ある程度の効果があるとみているが、まだ初期に過ぎない」とした上で、「時間の経過と状況の変化によりこれら手段の影響は変わり得るため」、プログラムの「効果の程度の評価をわれわれは続ける」と説明した。ミシガン大学ジェラルド・フォード公共政策大学院のスーザン・コリンズ氏との対談で語った。
原題:Bernanke Says Fed Is Monitoring Effects of QuantitativeEasing(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Craig Torres ctorres3@bloomberg.net;ワシントン Jeff Kearns jkearns3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/01/15 07:36 JST


 


円が対ドルで10年6月以来の安値付近、金融緩和期待で89円台半ば 
  1月15日(ブルームバーグ):日本時間朝の外国為替市場では円が対ドルで前日に付けた2010年6月以来の安値付近で推移している。日本銀行の金融緩和への期待を背景に円売りの流れが継続。首相はこの日、白川方明総裁の後任人事について有識者と意見交換を行う。
午前8時27分現在のドル・円相場は1ドル=89円51銭前後。日本が祝日だった14日には一時89円67銭と10年6月25日以来の水準まで円安が進み、米国時間にいったん89円ちょうど付近まで値を戻した後は再び円売りに押される展開となっている。
ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤)は、日銀の追加緩和観測を背景に、円が売られやすい状況というのがまだ続いているとし、「マーケットが傾いている割にはまだまだドル・円は上がって、90円、92−23円くらいまでは上がる可能性がある」と指摘する。
ユーロ・円相場も前日に一時1ユーロ=120円13銭と11年5月4日以来の水準まで円安が進行。その後118円後半まで値を戻す場面も見られたが、東京市場に向けては再び円がじり安となり、同時刻現在は119円77銭前後で推移している。
一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=3380ドル前後と、前日に付けた昨年2月末以来のユーロ高・ドル安水準(1.3404ドル)付近で推移。白井氏は、最近は欧州問題も少し落ち着いているため、市場の注目は米国の債務上限引き上げの問題に移っていると言い、「またぎりぎりになるまで何も起こらないのではないかという感じでお互いがもめているのでドル売りになっている感じ」と話す。
インフレ目標と総裁後任人事
日銀は21−22日に開く金融政策決定会合で現在1%としている「中長期的な物価安定の目途(めど)」の見直しについて協議する。安倍首相は2%のインフレ目標の設定を求めている。
安倍首相は13日のNHK番組で、4月に任期を迎える白川日銀総裁の後任には大胆な金融緩和を実行できる人が望ましいとの考えを示した。15日に内閣官房参与の浜田宏一エール大学名誉教授らと会談し、意見を聞くという。
白井氏は、新政権になって、市場の期待も非常に大きく、「期待を外したらまた円高になってしまうという思いが政府の方にもあると思う」と指摘。このため、「できる限りの金融緩和、QE(量的緩和)はしてくるのではないか」と話す。
米債務上限引き上げ問題
ガイトナー米財務長官は14日、連邦債務の上限突破を回避するための緊急措置は2月半ばから3月初めまでしか機能しないと述べ、議会が債務上限を引き上げなければ、同国に「深刻な経済的な困難をもたらす」恐れがあると警告した。
前日の米国債市場では10年債利回り が1週間ぶり低水準付近で推移。連邦債務上限の引き上げをめぐり議会が合意できなければ、景気に悪影響が及ぶとの警戒感から米国債に買いが集まった。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、ミシガン大学での講演で、成長ペースは雇用を大きく支援するほど強くないと述べた。また、QEの便益は時とともに変わる可能性があるとし、連邦準備制度は債券購入の影響のモニタリングを続けるとの見解を示した。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:青木 勝 maoki6@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/01/15 08:34 JST

 


米大統領:債務上限引き上げなければ、市場は「大混乱」 

  1月14日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は債務上限が引き上げられなければ、「市場が大混乱する可能性がある」ほか、社会保障 や軍人の給与など政府の支払いが遅れるとし、債務上限引き上げを歳出削減協議の材料として利用しないよう議会に警告した。
オバマ大統領はホワイトハウスでの記者会見で、共和党議員は連邦借り入れ権限の早期引き上げを遅らせても、「身代金を受け取ることにはならない」と指摘。「手品も抜け穴もなく、安易な逃げ道もない」と述べた。
オバマ大統領は16兆4000億ドルの連邦債務上限引き上げをめぐり、議会と今後数週間にわたって闘うのは避けたい考えだ。共和党議員は歳出削減を引き出す手段として、政府機能の一時停止などを検討している。
債務上限引き上げを回避するために、プラチナ硬貨を鋳造する案も浮上していたが、米財務省は同案を拒否している。
オバマ大統領と側近は、米国はすでに発生している債務を支払わざるを得ないため、ホワイトハウスは債務上限引き上げをめぐる合意で議会とは交渉しないという立場を公的に取っている。そのため、選択肢は上限引き上げかデフォルトの2つになる。
共和党のマコネル上院院内総務は、債務上限引き上げに関する議論は歳出問題に対処する「絶好の機会」だと述べている。
原題:Obama Warns of ‘Haywire’ Markets If U.S. Debt Ceiling Hit(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Julianna Goldman jgoldman6@bloomberg.net;ワシントン Margaret Talev mtalev@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Mark Silva msilva34@bloomberg.net
更新日時: 2013/01/15 07:27 JST


10. 2013年1月15日 10:33:35 : Un17GcMvis
安倍政権の20兆円の補正予算に驚いているようだが、昔の高橋是清やシャハトのやった経済政策と同じように見える。 現在のデフレは主に供給過剰と一般消費需要の低迷に原因があるはずで、この状態は1930年代の不況と同じだろう。 高橋是清やシャハトの場合には拡大された政府支出が軍事費の増加に充てられ、兵器の生産と兵士の増員となり、結果的に不足していた需要が喚起され、同時に雇用も拡大して一般消費需要も拡大に転じたと言う事ではなかったか。 今回のアベノミクスが前回と同じ道を歩むのではなく、例えば地熱発電の如き事業の拡大や、道路・鉄道などの地下化の事業に振り向けられれば、国内の雇用や需要を拡大させてデフレを克服することになる可能性はあると思う。 本来であれば民主党が政権を獲得したときに行われても良かったはなしだが、当時の藤井財務大臣が財務省と結託して潰してしまった。 安倍政権について心配なのは、折角の支出増大が軍事費の拡大に使われることで、それはそれなりにデフレ克服につながるとしても、主に中国を刺激して紛争の拡大になり得る点であろう。 防衛予算の拡大や憲法の改正も必要ではあるだろうが、同時に対中国融和外交を進めることが必要になる。 また海外に移転してしまった製造業を国内に呼び戻すための税制の優遇措置も、必要なのではないだろうか。 また行き過ぎた金融精度の緩和も是正さるべきだと思うが如何? N.T

11. お馬鹿さん 2013年1月15日 12:21:27 : bluTVR5Uktzsk : 1rsXfu6tMg
現在日本のドル保有高は1兆2千億ドル円に直して95兆円だ日本が持っている米国債は7千億ドル日本円にして60兆円この国債の金利は大きいよ1パーセント毎年5−6兆円米国は日本に払っている米国にただ貸ししているわけでは無い。

12. 無段活用 2013年1月15日 13:58:54 : 2iUYbJALJ4TtU : pnFKtUyAeE
確かに、米国の兵器を買っても日本の雇用には結びつかないけど、その辺りの
バランスは難しい。属国の立場はつらい。

60兆円に対する1%は6000億円だけど、押し売りされた分でしょう?世間で言う
ような「投資」とは意味合いが全く違うわけです。日本が保有する米国債を担保に
保証を引き受けるわけにも行かないでしょう…信用がないでしょうから。

これも困った話です。


13. 2013年1月15日 20:28:41 : kFDc588ANp
安倍晋三は世界最強のバカだ。こんなばかに国を任せておいて良いのか?

金ばらまいて、景気回復なんてするわけがない。
株、債券・・・は上がるが、景気は回復しない。

アメリカは、QE1、QE2、QE3をやってきて株はたしかに騰がったな。だけど、景気なんてまったく回復しない。
ばかでもわかることだ。
財政の崖も2月いっぱいまで先送りしただけで何も解決していない。

安倍晋三が米国債を50兆円買うそうだ。
アメリカのご機嫌を取って自分を売り込むためだけに、国民の税金を投入する人間のくずだ。

金をばらまいてシャープや、ソニー、パナソニック、ルネサス、エルピーダ、NEC・・が再建できるのか?
この会社の製品を買いたくなるのか?

経産省は、数百兆を日本企業に出して、数十年かけて、液晶や、有機EL、FED、電子ペーパー・・・。太陽電池、リチウムイオン電池、・・・を開発してきたのに、何一つ製品化できてない。雇用も解決しない。
いくら金かけてもだめだったんだよ。

少しは頭を使う時期なんじゃないのか?
東京大学出の口先官僚に任せてもだめなんだよ。


14. 2013年1月15日 21:57:45 : Pj82T22SRI

>>10

アベノミクスで老朽インフラ等の整備を進めるだけでなく、米国からICBMやラプター、原潜などを買えば、大分、中国やロシアへの抑止力になるから悪くはないが

それより、自分は手を汚さず、国債を買ったり、ODAを積んだり、思いやり予算を米国に渡して、用心棒をしてもらう今のやりの方が、コストパフォーマンスも良いし、対外的にも見栄えが良い

ただし、だんだん米国の抑えが弱くなり、コストパフォーマンスが悪くなってきているのが問題だw


15. 2013年1月15日 23:50:52 : FMJt7c06ds
ナチスも、景気をまず回復させて、

大衆を釣り上げた。


要注意

要注意

要注意

要注意

要注意

要注意


16. 2013年1月16日 11:55:23 : n0atIMUQng
共産主義も
労働者の生活向上を叫んで
大衆に一時の夢を見させた。

その結果は?。

要注意
要注意
要注意


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