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http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2974714/
年末に某テレビ局の討論番組を見ていたら、安倍晋三首相の要請を受けて日銀が検討している2%の「インフレ目標」を取り上げ、そこそこの経済知識を持っているはずの論者たちが雑談さながらに「物価が上がったら大変だ」と騒いでいる。
年始に選挙区に帰ると、主婦たちから「センセイッ、物価を2%も上げるつもりなの」と詰問された与党議員もいる。物価下落慣れした世間の反応はそんなものかもしれないが、誤解があるようだ。
世界の主要中央銀行が採用しているインフレ目標とは物価水準が一定程度まで上がれば、今度は金利の引き上げなどによって物価上昇を押さえ込むための指標である。
米欧と日本の違いは、米欧の物価上昇率はほぼ一貫してプラスであるのに対し、日本はマイナスの状態が14年以上も続く慢性デフレにあることだ。物価の下がり具合は極めて緩やかで、年率平均で物価は0・4%程度、1998年以降の14年間で5%程度しか下がっていない。
ところが、名目国内総生産(GDP)は約1割、サラリーマンの収入は実に15%以上も縮小した。経済とは主に消費と投資で成り立つが、物価がわずかずつでも下がり続ける状況の中では、消費者はショッピングを控え、企業は利益が下がると恐れて設備投資しない。その結果、カネは使われずに銀行に滞留し、経済活動がガタンと落ちる。たとえ、デフレの速度が緩やかでも、景気のほうははるかに大きい速度で落ち込む「負の乗数効果」がある。
この日本をみて、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は物価が下がるようになってからでは遅いということで、お札を大量に刷る「量的緩和」に踏み切り、さらにインフレ目標を1年前に設定した。それでも足りないとみて、今度は失業率が6・5%改善するまで緩和政策を続けると、ひと月前に決めた。FRBは景気をよくして雇用を改善させることを優先させている。
日銀にはそんな意識があるようには思えない。白川方明総裁は「金融政策だけではデフレから脱出できない」という趣旨の発言を繰り返し、量的緩和の効果を否定する。市場から国債を大量に買い上げると、日銀資金で財政を賄う「マネタイゼーション」になると言い続け、小出しの緩和策しかとってこなかった。そんな具合だから、日銀首脳部はインフレ目標を示すとしても、目標達成の責任からいかに逃げるかという一点に集中して鳩首協議しているに違いない。
★単に物価を上げるためだけのインフレ目標なら、消費税率引き上げだけで済む。現行税率5%を8%に引き上げるだけで、2・8%以上、消費者物価が上がるので、楽々と達成できる。国民の所得や雇用を増やすことをゴールとしない限り、インフレ目標は無意味である。安倍政権はその肝心な点をしっかりと踏まえ、日銀にだまされないようにしてほしい。(田村秀男)
◆アベノミクスは最後の賭けだ・・・失敗した時の心構えも必要では?
http://green.ap.teacup.com/pekepon/1000.html
■ 2%のインフレで全て丸く収まるか?
アベノミクスの危険性は、「2%のインフレが達成されれば、全てが丸く収まる」と錯覚する点です。
一言で2%のインフレと言っても、インフレの原因や質には様々なものがあります。
そして、財政赤字を拡大しても、景気が回復しない場合の心配も必要です。
本日は、アベノミクスが失敗するケースを考察します。
■ デフレ下では投資意欲が低下し不況が深化する
高度経済成長期には悪者扱いされていたインフレですが、デフレが長期化する中で、インフレ待望論が主流となっています。
1) デフレ化では現金の価値が上昇する。
2) 企業や個人は現金(預金)を保有するだけで実質金利が得られる
3) デフレ化では、借金は逆に実質金利が上昇する
4) 企業は借金を返済し、預金や現金を保有する
5) 結果的に投資が減少し、デフレがさらに深まる
デフレ下では企業も個人も投資意欲が低下します。
物価もどんどん安くなるので、「待っていればもっと安くなる」という意識が働き、個人消費も先送りされる為、企業の売り上げは伸び悩みます。
■ アベノミクスでインフレを達成したら
アベノミクスは2%のインフレをターゲットとしています。
金融と財政政策で、インフレ率2%達成を目指します。
アベノミクスは財政出動を伴う事で、流動性の罠を回避して直接労働市場に資金を注入して、雇用を創出すると同時に、新たに生まれた雇用を賃金の、消費による波及効果で経済を活性化し、市場に無駄に積み上がったマネタリーベースに資金循環を発生させて、マネーストックを急拡大させるプランです。
これが実現可能かどうかという議論は保留します。
仮にインフレ率が2%に到達した状況を考えます。
1) 諸物価が2%上昇する。(生鮮食料品と原油価格を除く)
2) 価格上昇は需給関係の改善によって生まれる
3) 需要の高まりにより、企業は設備投資を増やす
4) 設備の増加や、増産の効果により、雇用が拡大する
5) 雇用の需要が増えれば、いずれは賃金が上昇する
これが、経済学が描くインフレターゲットの雇用への効果です。
■ 2%のインフレを目標とするか、名目GDPを目標とするか?
ここで2%のインフレの内容について考えてみます。
1) 公共事業で賃金が配られる
2) 消費によって地域経済を潤す
3) 資金はいずれは銀行預金になる
4) 景気が十分に活性化されていなければ、預金は国債購入資金となる
ここが第一の関門ですが、銀行が国債を購入せずに実体経済に融資するケースを考えます。
1) インフレ期待の高まりで株価と不動産価格が上昇する
2) 日銀が海外のファンドに供給した資金が不動産と株式市場に向かう
私はアベノミクスでどうも怪しいと思えるのは、日銀の怪しい動きと連動している事です。
日銀は永らく控えていた海外ファンドへの資金供給を再開しています。
これらの資金は、円キャリートレードの原資ともなる一方で、日本の資産を買い上げる資金としても活用されます。
実際に日本株の上昇は、海外ファンドの旺盛な買いによって発生しています。
アメリカのQEの前例を見るまでも無く、投資効率を考えたら、資金は株式市場や金融市場、不動産投資市場で運用され、実体経済には、なかなか流れてきません。
アメリカではFRBの果敢な資金供給にも関わらず、資金は金融市場に滞留し続け、インフレ率はそれほど上昇していません。
当然、実体経済の回復も、低調です。
この様に、過度な金融緩和は株式市場や不動産市場でプチバブルを形成します。
アメリカは不動産市場のバブル形成で、住宅価格の回復を狙っていますが、
こちらは実体経済の悪化の影響で、本格的な改善を達成できていません。
結局、資金循環の過程に「銀行」が介在する事で、
財政出動によって市場に撒かれた資金も含めて、
手っ取り早く利益が得られる、株式市場や金融市場に資金は還流してしまいます。
結局、コアコアCPIを指標とするインフレ率2%の達成は相当難しく、逆に、これをターゲットにすると、投資市場や不動産市場でバブルが発生する可能性が高くなります。
日銀が海外ファンドへの資金提供を再開したのは、アベノミクスによるインフレ期待との相乗効果で、資産バブルを作りだし、その波及効果で実体経済の回復を狙っているのかも知れません。
借りにプチバブルが発生して名目GDPが成長し始めても、をれが物価に反映されなけれは、日銀の金利引け上げタイミングが遅れます。
インフレを期待している状況で、バブルの発生を危惧しても仕方ありませんが、プチバブルと言えども、それが弾けた時は、回復しかけた経済に悪影響を与え、その後の景気回復を遅らせる要因となる事には注意が必要です。
そして、何よりもバブルは仕掛た者達だけが大儲けして、
大方の投資家や庶民が損をする事に問題があります。
■ 2%のインフレの達成のされ方
一言に「2%のインフレ」と言ってもその内容には3種類あります。
A) 景気回復によって需要が回復し、需給バランスの改善により物価が上昇する
B) 円安により輸入物価が上昇し、物価が上昇する
C) 過度の通過供給により、通貨価値が下落し物価が上昇する
A)のケースは理想的で、アベノミクスの目的でもあります。
財政出動で、少し景気が回り出せば、充分に拡大したマネタリーベースが資金循環をし始め
加速度的にマネーサプライが増大して、日本は景気回復軌道に乗る事が出来るという作戦です。
■ 怖いのはスタグフレーション
B)のケースは、アベノミクスの効果が発揮されず、日本の財政の継続性に不安が生じ、円が売られる様なケースです。
景気は回復しないのに、輸入物価が上昇し始め、食料品の60%、エネルギーの大半を輸入に頼る日本では、円安によって輸入物価は確実に上昇します。
現在、円高で輸入品の価格は底値にあります。
さらには、企業努力で、コストをギリギリまで削減して小売価格は抑制させれています。
ここに、価格上昇圧力が加わると、企業はリストラなどで価格を抑制しようと試みます。
リストラには限界があるので、企業の利益は低下します。
このようにして、輸入価格が適切に価格転嫁できない事で、企業収益は減少し、リストラによって雇用喪失や所得の減少が発生します。
事ここに至って、企業は小売価格の値上げに踏み切ります。
既に、政府は小麦価格の値上げを決定しています。
いずれ、パンやラーメンなどの小麦を主体にした商品が値上げを余儀なくれます。
さらに見えない値上げも実行されます。
ポテトチップは価格据え置きで、内容量が大幅に減っている事にはお気づきでしょうか?
某ドーナッツ屋のドーナッツも小型化しています。
上手く、消費者を出し抜いたつりでも、消費者は敏感ですから、購買を控えるという行動に出れば、売り上げは減少します。
■ アメリカは巧妙に輸入インフレを抑制している
リーマンショック以降、アメリカが顕著なデフレに突入しないのは、ドルの流通過剰による資源インフレの影響を無視出来ません。
アメリカは必死でガソリン価格を抑制しています。
ガソリン価格の高騰は、車社会のアメリカ人の生活を直撃するからです。
アメリカは食料自給国ですから、食料品の値上がりは微小です。
さらに、中国がドルに事実上ペックしているので、中国からの製品輸入の値上がりも微小です。
韓国もウォン安政策を行っているので、対米輸出の価格は抑制されています。
さらに中国よりも生産コストの安いベトナムやタイやフィリピンに工場が移転する事で、生活用品などの価格上昇は抑制されています。
アメリカに行くと、日本の100円ショップのモデルになった1ドルショップが沢山あり、これら低層の庶民の生活を支えています。
■ 日本は円高で輸入インフレが抑制されていた
一方、多くの原料や製品を輸入に頼る日本では、リーマンショック以降、ドルに対して円高が進行した結果、輸入資源のドルベースでの値上がりを、円高による価格下落が吸収しています。
円安になれば、輸入コストは上昇に転じます。
■ ドルー相場のドル高では、ドルベースの資源価格は下落しない
「円安になれば、ドルの価値が上昇するのだから、原油を初めドルベースの価格が下落する」
「だから、円安になっても、原油価格はそれ程上昇しない」
こう主張される方もいます。
しかし、現在野資源価格の上昇の原因は、あくまでもドルの流通過剰によって生じています。
さらに、コモディテー市場が、資源価格の上昇に拍車をかけます。
円安でドルは円に対しては強くなりますが、元々ドル決済が中心的ば資源価格では、ドルが過剰に供給されれば、資源価格が上昇するのは当然です。
結局、ドルが過剰に供給される限り、資源価格上昇のバイアスが掛かり、円安によって、価格上昇は拡大される傾向になります。
現在は世界の景気が後退しているので、資源価格が下落しています。
原油価格も1バレル80ドル付近で足踏みしています。
ですから、円安の影響が緩和されている事に注意が必要です。
■ 景気が回復しなければ、スタグフレーションが発生する
歴史を紐解いても、ケインズ的財政政策が景気回復に寄与したかどうか疑問視する意見は多い様です。
ケインズ政策の代表とされるニューディール政策ですが、アメリカの景気は公共事業の拡大によって達成されたのでは無く、戦争という特需によって達成されたと見る研究者はマネタリストを中心に少なくありません。
私は、これには多少の前提条件が必要だと考えます。
1) 平時の景気循環における景気後退時期には、ケインズ的政策は有効
2) 景気後退が若干の需給バランスの悪化によって生じたならば財政出動で景気を刺激できる
3) バブル崩壊や、少死高齢化やグローバル化への対応不良など、
経済の根本に多くの問題が表面化したリセッションにおいては、財政出動によ る景気刺激では、根本的な問題は解決しない
4) 財政赤字の増加に対して、効果が薄いので、財政は加速度的に悪化する
5) 結局、「成長の限界」はイノベーションや、社会構造の大規模は変革でしか打破 されない
結局、リフレ論者の問題点は、金融緩和や財政拡大で「成長の限界」が打破できると思い込んでいる所にあります。
歴史的には、「成長の限界」に達した社会は、戦争などの大規模な破壊によって、古い生産設備は破壊し、新しい成長のキッカケを作り出しています。
この過程で、高いインフレが発生し、それまでに政府が積み上げた負債(財政赤字)が事実上踏み倒されて来ました。
リフレ論者は、通常の景気循環だけを例に取って、世論をミスリードしている様に思えます。
■ アベノミクスが失敗すれば、本当の円安が襲って来る
C)のケースは「流動性の罠」が発生している現状では起こり得ません。
但し、アベノミクスが失敗して、円が売られたり、日本国債を日銀が直接引き受ける様なケースが生じれば、円が市場にあふれ出し、輸入物価も高騰するので、一気にインフレが加速します。
ハイパーインフレなどと表現すると、その程度はハイパーじゃないとお叱りを受けるので、スーパーインフレとか、ウルトラインフレとでも呼称すれば良いと思います。
定期はともかくとして、景気回復を伴わない、急激なインフレが発生する事が重要です。
この時点で、日本国債の金利も跳ね上がりますから、日本の財政は事実上破綻します。
日銀は国債を直接引き受けるので、デフォルトはしませんが、本質は破綻と同様です。
こうなればIMFが乗り込んで来て、日本国民の資産は政府に付け替えられます。
さらに、外資が日本企業や日本の資産を一毛打尽に奪い去ってゆきます。
■ アベノミクスという賭け
結局、アベノミクスは「危険な賭け」と言えると思えます。
勝てば、景気回復、負ければ財政の崩壊。
しかし、日本の財政は既に回復不可能な状態ですから、遅かれ早かれ、財政の崩壊は訪れます。これを防ぐには増税しかありませんが、経済は失速するのでやはり失敗します。(ここら辺は考察が雑で申し訳ありません)
それが、早いか遅いかだけの問題ですから、考え方によっては、あまり崩壊を先延ばしにするよりも、未だ国力が残っているうちに、次の再生を始めた方が有利とも言えます。
どちらにしても庶民は、大きな社会構造の変革に対応する能力を要求されます。
再生後の日本が、従来の温かな共同体社会を維持出来ているとも考えられません。
「危機や崩壊はやって来ない」と思い込むか、
「危機や崩壊はきっとやって来る」と思うのかで、
その後の生活に大きな差が生じると私は考えています。
(尤も、私はアニメオタクの陰謀論者なので、くれぐれも、このブログは信じないで下さい。
単なる、妄想に過ぎません。)
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