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■「たかが株価」派は経済オンチ?
「円安誘導して株価を上げる」という安倍首相の経済政策に対して、「株価が上がっても、庶民には関係ない」とか「株価と実体経済は無関係」と主張する方々がいるようです。しかしながら、株価は極めて有力な景気の先行指標とされていて、約半年程度先行すると考えられています。
「株価が上がっても無関係」と思っているうちに、だんだん周りの景気が良くなって、末端まで景気拡大の恩恵が浸透するのは景気拡大の末期になります。逆に、失業率や求人倍率は景気の遅行指標といわれています。このため、「たかが株価」などと考えて失業率などだけに注目していると、常に対応が遅れることになります。
また、今回は円安主導の株高です。国内上場企業の多くは輸出や海外の売上げの円換算額が増える一方、日本国内では競合輸入品が値上げをせざるを得なくなり、その分国産品の売上げが増えたり、販売奨励金などの実質的な値引きをしなくて済むようになります。その結果、数ヵ月後には利益が実際に上がり始め、株価に合理性が出てくるというわけです。
■2013年にありそうな展開 ゴールデンウィークに一旦手仕舞いを
現在の状況は、「日本株が外国株に比べ周回遅れ」「新政権への期待感で外国人による日本株買いが増えている」「量的緩和政策で円安が進展している」「未だに懐疑的な見方が残っている」といえるでしょう。これは2005年8月から12月の郵政解散後の株高局面と極めて似ています。
★今回も同様の展開となると考えるなら、2012年12月から4-5ヶ月間に、あれよあれよという間に相場が吹き上がる可能性があります。その後は、本格的なバブル形成なら2年ほどかけて一段高、アメリカや中国などの外的要因で失速を余儀なくされるなら、その水準でしばらく値動きが止まるというシナリオが想定されます。
このシナリオに沿って当面の投資戦略を考えるなら、2013年初めからゴールデンウィークにかけては、素直に日経平均コールと米ドルやユーロのコールの買いが効果的と考えられます。日本の個別株では、銀行・証券・その他金融・建設・土木が安倍政権の政策に沿った本命、電機機械・自動車・半導体なども円安による競争力向上で利益増大で期待できそうです。eワラントなら短期トレーディングでも数ヶ月の投資でもこれらのコールへの投資に妙味があると考えられます。
いずれの場合も、ゴールデンウィーク頃には一旦手仕舞うことも重要なポイントとなるでしょう。
■アベノミクスがバブルを呼ぶなら上手に乗る!
安心と信頼の「約定力」 拙著『勝ち抜け!サバイバル投資術』で説明しているように、「前回のバブル崩壊から10〜20年程度経過している」「お金がだぶついている」「誰もが夢を見られるようなストーリーがある」と3条件が揃えば、バブルが発生する可能性が高くなります。
今回もバブルが大きければ大きいほど、それが崩壊する際の市場ショックは大きくなります。このため、初期から中期の上昇トレンドを享受し、天井付近では早めに資金を避難させることで、10年単位の投資パフォーマンスを大きく向上させることができます。
なお、リーマンショックで実証されたように、各国の株式相場や商品市況・為替相場はショック時には同時に下落します。このため、投資する国を分散しても、あるいは個別株をいくら選別しても、ショックでは下落の程度が若干違うだけで資産を守ることはできません。
一方、あらかじめバブル崩壊を念頭におけば対応が違ってきます。急落が始まったら日経プットの短期売買で利益を上げ、下げきったところで温存しておいたキャッシュで買いに回るということもできるわけです。
■バブルかな?と思ったら見返したい、天井チェックリスト!
予想通りに安倍政権が打ち出す経済政策がバブルを引き起こした場合、これまでのバブルと同様の天井の兆候が現れると考えられます。また、経験的に直接的な売りシグナルとなるイベントも同様なものとなるでしょう。そこで、「バブルかな?」と思ったらこのリストを見返してみましょう!
★バブルの天井チェックリスト!
•アベノミクス礼賛一色となり、安倍首相が国内外の経済誌の表紙を飾る
•本社ビル建設ラッシュ
•若い経営者がタレントばりにバラエティ番組の人気者になる
•高級グルメ、豪華客船旅行などのTV番組が増える
•ふるさと創生事業のようなバラマキ政策が始まる
•新聞・雑誌がこぞって、数十年後のばら色の将来を掲載する
•「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」のようなタイトル本が流行る
•美術品・骨董品収集ブームが起こる
★金融で分かるバブルの兆候
•日経平均5万円説が出る
•証券会社が新超大型ファンドを立ち上げる
•一般週刊誌で株式投資特集が組まれる
•株やFXで数十億円稼いだカリスマ投資家がもてはやされる
•平均PER(株価÷1株利益)が30倍を超える
•上場企業のほとんどが増収・増益になる
•日系金融機関が海外支店をどんどん作る
•アフリカ、中南米、南アジアなどのフロンティア株式市場が注目される
★自己診断項目
•保有株・外貨ポジションのほとんどが含み益になっている
•投資は簡単、自分は天才だと思うようになった
•最近、投資に疎い友人にアドバイスを求められた
★確度が高い売り(勝ち抜け)シグナル
•量的緩和政策の終了(金融引き締め政策への転換)
•増税(2014年4月と2015年10月は要警戒、その次の増税ならさらに注意)
•不動産融資規制の強化
•短期金利が上昇し、長期金利を上回る
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません=土居 雅紹)
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