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株式日記と経済展望
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米国はこのシェールガスの取り出しについて独占的な知財権で固めており、ピン
ポイントで見つけ出し、堀り上げ、精製まで持ち込むすべての工法を確立している。
2013年1月8日 火曜日
◆2013年、シェールガス革命で世界は激変する 1月8日 泉谷渉
http://toyokeizai.net/articles/-/12402
今までは、石油があと20〜30年、石炭が100年もたないという事情があるからこそ、原子力発電にいくか、太陽光、風力、地熱などの再生可能新エネルギーにいくか、という選択しかなかったのだ。ところが、である。シェールガス、すなわち砂や泥まみれの地中から取り出す天然ガスは、この状況を一変させてしまった。
なにしろ、1キロワットあたりのコストが、石油10円、風力20円、太陽光35円というのに対し、シェールガスはたったの6円なのだ。しかも埋蔵量が少なくとも150年分、実際には300年以上もあるともいわれている。なおかつ、CO2排出量は石炭に対し40%、石油に対し15%も少ないのだ。
米国はこのシェールガスの取り出しについて独占的な知財権で固めており、ピンポイントで見つけ出し、堀り上げ、精製まで持ち込むすべての工法を確立している。世界のシェールガスの約4割は米国にあるといわれている。中国をはじめ、世界各地にはシェールガスはあるものの、前記の事情で、米国が一気に最先行することになる。
日本の技術が支えるシェールガス革命
しかして、わが国日本ではシェールガスはほとんど出てこない。わずかに秋田県由利本荘でシェールオイルが見つかった程度である。それならシェールガス革命は米国に最大の恩恵をもたらすが、日本にはそれほどのメリットはないのでは、と考える人たちも多い。
ところが、実はそうではないのだ。結論を先に言えば、シェールガス革命で日本の企業には莫大なメリットが生じてくる。
シェールガスを取り出すためには2000メートルも掘り下げるわけであり、この圧力に耐えられる鋼管パイプは、新日鉄住金など、日本の鉄鋼メーカー以外には作れない。シェールガスを精製して気体から液体、液体から気体へとリサイクルを行うが、このプラントは住友精密工業と神戸製鋼しか作れない。
一番難しいのはアルミの穴あけなのだ。技能オリンピックで十数年連続金メダルを取る日本の「匠」の技術の一つが、アルミの穴あけなのだ。シェールガスを収納する運搬容器には炭素繊維が使われる。この分野は東レ、帝人、三菱レイヨンの国内勢が世界シェアの約70%を握っており、ここにも強い追い風が吹くのだ。
また、シェールガスは大型タンカーで輸送することになるが、ここでモノをいうのがアルミの厚板であり、これまた古河スカイなど日本勢しか作れない。地中から引き上げてきたシェールガスの原材料に対し、大量の水を使うが、この水量全体を減らすために膨大な窒素を使用することになる。
材料ガス国内最大手の大陽日酸は、笑いが止まらないかもしれない。さらにいえば、シェールガス採掘に伴う工事は土木であり、大型ブルドーザー、各種ショベル、大型トラックが必要になる。コマツや日立建機もまた笑いが止まらないだろう。
そしてまた、これらの建機に使用する超大型タイヤは、世界でただひとつブリヂストンにしか作れないのだ。
東京都は400億円のファンドを積んで,東京湾岸に火力発電10基を作る計画を打ち出している。猪瀬直樹新知事は必ずや断行するだろう。ここにもシェールガスを中心とする天然ガスが採用される。
原発稼働や着工が難しい現状にあって、火力発電こそが日本の中心的なエネルギーになるだろう。世界的に見ても火力発電こそが主力、という声が多いのだ。こうなれば、原発プラントで世界トップシェアを持つ東芝は、その持てる技術をシェールガスに転用して稼ぐだろう。また、ガスタービンでは世界ナンバーワンの折り紙つきの三菱重工業にも福音がもたらされることになる。
排水や薬液などの環境問題も難なくクリア
最近になって、国内化学メーカー第1位の三菱ケミカルホールディングスは、米化学大手のダウケミカルと提携し、シェールガスを活用した石油化学コンビナート構築を打ち出した。
シェールガスから基礎化学品のエチレンを生産すると、コストが日本の化学工場の20分の1になるという。つまりは、自動車部品や液晶パネルに使う樹脂工場をローコストで建設し、世界の競合メーカーに対して先行してブッチぎっていこうとの考えなのだ。
一方でシェールガスは大量の排水があり、多くの薬液も使われることからEU諸国の中にはこれを禁止する国も出てきた。つまりは、公害問題の発生がデメリットという向きもある。ところがどっこい、それなれば世界ナンバーワンの日本の水処理技術がすべてを解決してしまう。三機工業、栗田工業、荏原の出番が来たのだ。
2013年は米国で1万カ所のシェールガス掘り出しが始まるといわれている。三菱商事、三井物産、住友商事、双日など世界に誇る日本の総合商社は、これらの掘り出しに大量の出資をしており、かなりの権利を握っている。
それゆえに、現在の天然ガスのような高い価格で日本がシェールガスを輸入するということはない。シェールガス革命は米国におけるモノづくりを大復活させ、日本の最大の輸出先は中国から再び米国に変わるのだ。反日ではない国、米国との取引が一気に拡大することは確実であり、もしかしたらこれが最大のシェールガスメリット、と言ってもいいかもしれない。
(私のコメント)
「株式日記」ではアメリカ衰退論を、かなり前から書いてきましたが、それは石油の枯渇が大きな理由になっていた。しかしながら昨日もNHKの特番で「エネルギー革命」をやっていましたが、シェールガス・オイルはかなり膨大な埋蔵量があるらしい。シェール層の存在は昔から知られていましたが、そこから天然ガスやオイルが取り出す技術が無かった。
アメリカのベンチャー企業がシェール層から天然ガスや石油を採掘出来る技術を開発して、メジャーが本格的に乗り出して来た。いわば採掘不可能と思われていた地層からハイテク技術で取り出す光景がNHKで放送されていましたが、シェール層は世界中に分布している。ただし採掘技術はハイテク技術が無いと採掘できない。
アメリカは再びエネルギー大国として君臨し続けるのだろうか? 地政学的にも中東の油田は相対的に価値が低下して、シェールガスやオイルと価格競争に巻き込まれるだろう。シェール層は世界中に分布しているから掘削技術そのものが勝負の分かれ目になる。7000メートル以上掘り進んでそこから水平に掘り進んで大量の水と薬品を混ぜた物を高圧で送り込んで細かな亀裂を作ってガスやオイルを採掘する。
石油枯渇論は、杞憂に過ぎなかったという事になりますが、石油の単価が上がってきた事で様々な方法で石油やガスの採掘技術が発明されてくる。竹島問題や尖閣問題の根源も海底油田やガス田ばかりでなく海底の下にあるシェール層などからのガスや石油も採掘できるようになるだろう。日本は世界第六位の海洋大国ですが、海底の下にあるシェール層を発見できれば日本も石油ガスの大産出国になれるだろう。
NHKの特番でも、シェール層は中国でも発見されており将来的には中国もガス石油大国になるだろう。しかし採掘技術が無ければ取り出せない。取り出したガスや石油を精製する技術も日本の鋼管技術が無ければ掘り出せない。シェールガスを精製する技術も日本しか無いそうですが本当なのだろうか? また韓国や中国が技術を盗んで格安でプラントを作ったりするのではないだろうか?
アメリカは双子の赤字に悩んでいましたが、貿易赤字もガスや石油を輸出する事で解消できるかもしれない。日本にとってもシェールガス・オイルの採掘に日本のプラント技術が世界中に建設されるようになるだろう。もちろん原子力発電などの技術は無駄になるということではなく、太陽光や風力なども技術開発されて行くだろう。
もっと極端な事を言えば、藻からバイオエネルギーを安く作り出せれば地下から石油やガスを掘り出す事も必要なくなるかもしれない。シェールガス・オイルの採掘でも藻のバイオエネルギーでも大量の水が必要とされていますが、日本には「湯水のごとく」と言うように大量の水資源がある。水資源は農業などでは欠かせないものですが、エネルギーを作り出す為にも大量に必要になる。
シェールガス・オイルを取り出す為の水圧破砕には一つの井戸で数万立方メートルの水が必要になる。しかし最近の地球上では水不足が深刻な問題になっていますが、オーストラリアやアメリカ西海岸では雨が降らずに毎年のように山火事が大問題になっています。まさに水の確保が石油ガスの確保に欠かせませんが、水こそが農業ばかりでなく石油ガスの産出のカギになる。
◆シェール層掘削ブームを記録的干ばつが直撃−米テキサス州の水不足で 2011年6月13日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LMRHIU0UQVI901.html
6月13日(ブルームバーグ):米テキサス州は、116年前に集計が始まって以降で最悪の干ばつに見舞われており、当局が水の供給を制限している。水供給はエネルギー探鉱に欠かせないため、原油や天然ガスの掘削ブームが阻まれる可能性がある。
干ばつの影響を最も受けている地域では、給水 管理当局が家庭や事業所に対し河川や湖、帯水層の利用制限を通告している。テキサス州でリオグランデ川からの給水を監督するエラスモ・ヤリット・ジュニア氏によると、水不足のため石油各社は遠隔地の農家やかんがい区域、自治体で水を購入せざるを得ない状況になっている。
テキサス州水資源開発委員会の副エグゼクティブアドミニストレーター、ロバート・メース氏によれば、水利用に関する懸念は、テキサス州南部の頁岩層、イーグルフォード・シェールで特に深刻だ。この地域での掘削では他地域と比較して多量の水を必要とする。
メース氏は「ここは非常に乾燥しており、多くの石油会社が水を必要としている」と述べた。
米最大の原油・ガス産地であるテキサス州での水供給の危機は、北米と欧州で採用されている生産技術、水圧破砕の水供給への影響をめぐる問題をあらためて浮き彫りにした。環境保護団体は、この破砕方法は環境汚染につながる恐れがあると懸念を表明しており、テキサス州南部のような乾燥地域の農家の間では不足する水をめぐって争奪戦が激しさを増している。(後略)
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