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日刊ゲンダイ 2013・1・5
緊急リレー連載
”浮かれるな! アベノミクスは日本を滅ぼす”5
小幡 績
「50年前の古くさい政策だ 銀行の貸しはがしが始まるぞ」
安倍首相はこの5年間の経済のお勉強の成果を、一生懸命言っているという感じがします。でもアベノミクスの考え方は古い。
物価とはおカネとモノの比率のことだから、日銀が大量にお札を刷ればおカネがジャブジャブになって、物価が上がるという考えは、「貨幣数量説」と呼ばれますが、1970年代以降は否定されている学説です。
なぜなら、お札がたくさん刷られることと、おカネを使うことは別だから。国民はおカネをすぐに使いません。雇用や老後に不安を抱えているのですから。
もしおカネが空から降ってきたとしても、まともな人は貯金するか、株や土地などの資産を買うでしょう。結果、資産インフレは起こるが、牛丼やラーメンなどモノの値段は上がらない。当然、景気もよくならない。
安倍首相や麻生財務省は「インフレ率の目標を設定し、それを2%とせよ」と日銀に迫っていますが、日銀がどんなに頑張っても2%は実現しません。そもそも日本で2%に近づいたのはバブル崩壊後では、円安が急速に進んだ1997年の1・76%、原油が1バレル=147ドルに上がり価格に転嫁せざるを得なくなった2008年の1・38%しかない。ですから2%は、まずあり得ません。
仮に実現するシナリオがあるとすると、極端な円安による輸入インフレしか考えられません。1ドル=80円が仮に100円になった場合、インフレ率が2%を超えるかもしれない。原油や小麦など輸入品の価格上昇によるインフレです。この場合、低所得層の生活が苦しくなります。
ただ、輸入インフレより先に国債の暴落が起こるでしょう。おカネがジャブジャブになれば、物価が動くより先に金融市場が動きます。つまり、名目金利が急騰し、国債価格の暴落が起きます。
国債を持っているのは銀行、特に地方銀行です。財務内容が大幅に悪化し破綻危機となれば、貸し渋り、貸しはがしとなって、融資先の中小企業が資金繰りに詰まってバタバタと潰れる。こういう「銀行危機から経済危機」が起こるリスクがあります。
最悪のシナリオは日銀が政府の圧力に屈して、日本経済よりも政治の言うことを優先させることです。日銀も「政府の2%目標はおかしい。日本経済にマイナスで銀行危機が起こる」とわかっていても、クビにされてはたまらない。それなら政府の言う通りにしようと。こうなるともはや経済はメチャクチャです。
(転載 以上)
福助です。
昨年末から日刊ゲンダイが連載しているこのシリーズは解り易く書かれていながら、それでいて背景の理論構成と論理の展開が実は深く、経済に突っ込んだ理解力を持った読者にも十分に訴える内容のものとなっています。
しかし残念ながら、ゲンダイネットにおいても数日を経過しても転載されず、また、日刊ゲンダイの記事を転載するブログにおいても過去4回まで一度も転載されることが無いので、記事の重要性を考えてたまたま小生に時間的余裕が生じたので転載する事に致しました。
勿論、小生は日刊ゲンダイの商売の邪魔をするつもりはなく、ブログ氏の妨害をするつもりはありません。
小生にとってアベノミクスなどといった提言はまともで本気のものとは考えられないのは自明の事であり、初歩的思考を経済分野において真面目に放つ事が出来る人であれば容易にこれが悪質な大衆を欺瞞する為の出鱈目宣伝である事を見抜く事が出来る筈です。
米国が日本人学者を使って欺瞞的に空中楼閣として造り上げる予定の安倍政権に向けて用意して与えたものでありましょう。
しかし、名目的には経済政策となっていますのでこのアホノミクスに対してもまともな批判と指摘をやってあげなければならない訳です。
小生も何人かの人々と年末から話す中ですがる様な気持で安倍政権に経済浮揚と復興を願う人達に遭いました。
まあ、日本人の政治に対する姿勢・姿として見られる少なからざる割合にはこのような神社・仏閣に対する依頼的信仰(本来、信仰とは言えないと思いますが)と全く同様の自身の努力を放棄した姿が見られる訳です。
このような立場に立てば、道で出会った盗賊も救い主や高僧に見える訳であり、それから先はストップでしかない訳です。
従って、小生は自分で道を切り拓こうとの気概を持った有権者国民に向けてこの転載投稿を行う訳です。
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