http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/830.html
Tweet |
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-7774.html
2012/12/31 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆「貯蓄課税」で消費を活発にしろ
「貯蓄税」は、経済活動に使われていない眠っている預貯金を消費や投資に向かわせようというアイデアです。デフレ不況が長引いているのは、消費が伸びないからで、「貯蓄税」を導入し、消費や投資を活発にすれば、景気は上向くはずです。
具体的に、どうやるのか。現在、一般家庭が保有している「預貯金」と「国債」の残高は約800兆円。この800兆円に、たとえば税率1%を課すのです。預金としてカネを寝かしておくと税金を取られるようにする。貯蓄がデメリットになれば、バカバカしいので、預貯金を引き出して消費や投資に回すようになるはずです。
税率は、ある程度、累進性を加えたほうがいいでしょう。預貯金額1000万円までは税率1%、2000万円までは2%、それ以上は3%といった具合に税率を重くしていく。一種の富裕税です。
課税を嫌って、800兆円の課税対象のうち、年間2兆〜3兆円が消費に回るだけでも、名目成長率を押し上げる。
「貯蓄税」はデフレ対策の意味もあります。物の価格が下がるデフレ下では、たとえゼロ金利でも、きょうの100円の預金は、来年には100円以上の価値を持つようになる。そこで、仮に1%のデフレなら、1%の「貯蓄税」を課せば、実質金利は0%になるというわけです。
基本的な考えは、株などの「リスク資産には課税しない」というものです。課税は元本が保証されている資産に限る。デフレ下では、元本保証の資産はそれだけで相対的に利益を生むからです。
もちろん、「貯蓄税」は万能ではありません。警戒すべきは、預貯金が株や土地に流れ、バブルを誘発しかねないことです。その時に備えて、バブル抑制の措置を取っておくことは必要でしょう。
「貯蓄税」の大きなメリットは、税収が大きいことです。800兆円に1%の税率をかけるだけで税収は8兆円に達します。消費税4%に相当する。
「貯蓄課税」は、どの国もやっていないシロモノです。導入しようとすれば、反対も強いでしょう。しかし、閉塞状態を脱するには、経済にショックを与え、インフレ的な経済に変えていく必要がある。「貯蓄税」の導入は、その起爆剤になると思います。
◇しらかわ・ひろみち 99年に日銀を退職。専門は金融政策論。著書に「消費税か貯蓄税か」「危機は循環する―デフレとリフレ」など多数。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。