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公的資金で製造業支援 資産買い取り1兆円超
2012/12/31 2:01
政府は電機メーカーなどの競争力を強化するため、公的資金を活用する方針を固めた。新法制定でリース会社と官民共同出資会社をつくり、工場や設備を買い入れる。企業の過去の投資に伴う負担を和らげるのが狙い。技術革新が速い半導体や液晶パネルなどをつくる企業が手元資金を増やし、機動的に新たな設備投資をできるようにして次世代の成長基盤固めにつなげる。
政府は5年以上かけて官民共同出資会社による資産買い入れを進め、買い入れ額は累計で1兆円超を見込む。電機のほか、産業機械や炭素繊維のメーカーにも資産売却の要望があるという。政府は国内の雇用維持や空洞化を防ぐ効果を期待するが、公的資金の活用は経営のモラルハザード(倫理の欠如)との批判を招く恐れもある。
公的資金を使った新制度は、新政権の日本経済再生本部が制定をめざす「産業競争力強化法」(仮称)の柱とする。新法の成立は来年の通常国会以降だが、予算措置は早ければ来年1月にまとめる今年度補正予算案にまず最大1000億円を盛り込む。
国は財政投融資(財投)機関を通じて、民間リース会社と折半出資で特別目的会社(SPC)をつくる。財投機関として日本政策投資銀行などに出資業務を担わせるか、新たな政府系機関を創設するかは今後詰める。
SPCは企業から工場や設備を買い取ったうえで、リース契約を結んで企業に貸し出す。企業はリース料を払えばこれまでと同様に工場や設備を使えるほか、売却代金を新規の設備投資や研究開発にあてることができるようになる。
SPCはリース契約終了時に、リース料と資産の転売額から、財投機関とリース会社に出資分を戻す。資産価格の急減で当初の出資分を返せない場合、官民が負担を分かち合う。
政府が公的資金を使って製造業を支援するのは、製造業の雇用を支える狙いからだ。電機メーカーなどは雇用の裾野が広く、新規投資が滞って国内の製造拠点を維持できなくなると雇用が大幅に減りかねない。個人消費の低迷を通じて日本経済を悪化させる懸念があるため、政府は公的支援が必要との判断に傾いた。
半導体や液晶パネルは技術進歩が速く、加工装置などの設備負担は年々増えている。米半導体受託製造大手によると、最先端の半導体を製造する工場の初期投資額は45億〜65億ドル(約4000億〜5500億円)と、2000年代半ばから倍増した。
韓国や台湾などの海外勢と競うには、新規の研究開発や設備投資が必要。しかし、過去に投資した資産の減価償却負担が重いと、新たな投資を抑える一因となり、競争力の低下を招いた。政府はリース方式でこの悪循環を断ち切りたい考え。不振企業の財務改善にも効果が大きいとみている。
一方、民間リース会社はこれまで、電機や産業機械、炭素繊維の製造装置をリースとして引き受けることに慎重だった。自動車と異なり、リース契約終了後に転売する中古市場がほとんどないうえ、資産価値が急激に目減りする可能性もあったからだ。公的資金はこれらのリスクを国が一部肩代わりする面もある。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2900N_Q2A231C1MM8000/?dg=1
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