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(回答先: 日本経済は「どの政党がやってもダメ」藤巻健史氏が指摘〈週刊朝日〉 投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 12 月 30 日 16:35:00)
恐縮だが、藤巻氏の説明は、大学生の解答と見間違うレベルであり、とても金融業界で活躍した人とは思えないものである。
【引用】
「 安倍自民党でも日本経済はよくならないと思う。安倍首相だからではなく、誰がやっても、どの政党がやっても残念ながらもうダメだと思うのだ。財政赤字があまりにも巨大化してしまったからだ。」
【コメント】
藤巻氏は、これほどまでに財政赤字が巨大化していながら、デフレが続いている現実を無視している。
財政赤字の問題は、ひとえに、インフレを招来することである。一般歳出の半分近くを国債に依存していながらデフレが続いているのだから、財政政策だけを俎上に載せれば、財政赤字がまだ足りないというということになる。
敗戦直後のように、供給不足からインフレを亢進させてしまうことがわかっていても、復員兵や失業者の最低限の生活を支えるため財政出動をしなければならない状況が問題なのであり、インフレにつながっていない現在の赤字財政は問題とは言えない。
【引用】
「安倍政権では耐震性強化等の財政出動が一つの目玉だが、これには財源の問題がある。借金とは、借りるほうが「借りる」と言っても、貸すほうにお金がなくなればできない。」
【コメント】
ここ数年の国債増発の主要因は、経済社会で、貸すほうにカネが余っているのに、貸してもいいと思う借り手がいないことである。
いわゆる預貸率の低下が国債の増発につながり、国債の増発が預貸率のさらなる低下につながるという“悪循環”が続いている。このようなサイクルが、政府債務を急速に積み増しさせているのである。
【引用】
「大型財政出動は、財源を確保できないばかりではなく、長期金利上昇の引き金になってしまう可能性もある。ここまで大きい借金下での大型財政出動には、さすがにマーケットも黙っていないと思うからだ。こうなると金利支払い急増で政府は財政破綻に追い込まれてしまう。」
【コメント】
財務省・日銀は、預貸率の低下で運用難に苦しむ銀行のために国債を増発していながら、さらなる金融緩和政策を採り、金利の上昇や国債未消化という不測の事態が起きることを回避する“万全の態勢”を敷いている。
マーケットが黙っていないというのなら、国債の空売りや金利上昇に賭ける投機を行ってみればいいだろう。そのような向こう見ずの博打は、手痛いしっぺ返しを受けることになる。
【引用】
「もう一つの柱、さらなる量的緩和にも「ハイパーインフレへまっしぐら」という極めて大きなリスクがある。インフレとはお金の価値が低くなることだから、円は暴落である。「ハイパーインフレ近し」と知れば、国民は円預金を引き下ろして競って外貨を買う。その結果、民間金融機関は、明日の国債入札に参加する円資金に困る。こうなっても財政破綻が起こるのだ。」
【コメント】
量的緩和という金融政策で起きるインフレは、引き締めという金融政策で抑制することができる。
量的緩和が原因ではないが、近未来に供給活動の減退を要因として高いインフレに見舞われる可能性はある。
現在の日本における経済政策の主眼は、このような事態に陥ることを如何にして回避するかということである。
藤巻氏は本当に金融業界で活躍した人なのだろうか?
「国民は円預金を引き下ろして競って外貨を買う。その結果、民間金融機関は、明日の国債入札に参加する円資金に困る。」と説明しているが、円預金を下ろして外貨を買っても、外貨購入に使われた円のほとんどは国内銀行の別の口座に戻ってくるから、銀行が円資金に困ることはない。
海外のオフショアなどに滞留する円があるとしても、日銀が円を供給することで問題を解消できる。
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