http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/799.html
Tweet |
先日行われたIWJのシンポジウム『饗宴3』の内容が、岩上氏のtwitterにアップされていた。以下、TPPに関する部分(連投51〜74)を抜き出した。
http://twitter.com/iwakamiyasumi
続いて、テーマ4 <TPP・日米関係>に移ります。ゲストは、鈴木宣弘氏(東京大学大学院教授)、山田正彦氏(元農水相)、郭洋春氏(立教大学教授)、堤未果氏(ジャーナリスト)です。
◆鈴木氏
TPP問題は危険水域を迎えている。政府は『事前協議のための情報収集』と国内向けには言っているが、野田総理は米国向けには『参加したい』と言ってしまっている。自動車・郵政・BSEについて国民無視の暴走を始めている。
米国は、BSE問題以降続いている米国産牛肉の輸入制限の撤廃を要求している。さらに、米国車の最低輸入義務台数の設定を要求されているが、国民の反発を予想して、極秘に譲歩条件を米国に提示している状況。
TPPは米国巨大企業中心の『1%の1%による1%のための協定』で、大多数の人々を不幸にする政策。ごく一部の多国籍企業の儲けを増やすための協定である。遺伝子組み換え食品の表示もできなくなる。
鈴木氏「騙されてはいけない。早く入れば交渉が有利に→嘘。例外も作れるし嫌なら脱退できる→嘘。メキシコやカナダの参加を認めた際に念書で『既に合意した内容については変更できないし今後決める協定にも口を挟まない』ことを約束。
◆続いて山田氏講演
TPP参加は国益に適うのか情報を開示した上で国民的議論が必要。TPP参加により外国企業が医薬品の価格設定に介入し公的医療保険縮小を招く。遺伝子組換食品の表示もできなくなる。食品添加物基準も改悪される。
実は米国民の7割がTPPに反対。メキシコとNAFTA協定を結んだら翌年にメキシコのトウモロコシが大量に入ってきて100万人が失業した。日本もTPPにより軽四規格撤廃やハイブリッド技術公開など無理難題を言われる。
TPP参加により、為替介入するなとも言われる。米韓FTAでは英文の長文の批准書を映し出され、内容を吟味できぬまま強行採決。TPPは国の形態をも変えてしまう、非常に問題のある制度。導入に反対せねばならない。
◆続いて郭氏の講演
米韓FTA。経済社会構造そのものが変容。国内市場が外国企業に席巻される。豊かになるのは一部の輸出企業や外国企業だけ。ネガティブリスト、ラチェット条項、未来最恵国待遇など、問題が非常に多い。
脱原発政策自体が意味がなくなる。類似例として、脱原発政策を掲げるドイツ政府が、ヨーロッパ版のISD条項によって、スウェーデンのVatenfall社によって訴えられた。ドイツ政府は賠償金を払った。
食の安全も担保されなくなる。食品への表示義務制度が廃止される。例えばタバコの害への注意表示や遺伝子組換食品表示が廃止される。『議論してないから大丈夫』ではない。『議論してないことはやっていい』が米国の論理。
韓国FTAでは、投資家への『内国民待遇』によって、相手国投資家を自国投資家より不利な待遇をしてはならないとされてしまった。これにより、特定産業において海外からの新規参入を規制できないことに。
海外企業への課税が『間接接収』にあたると言われる可能性がある。当事国にとって実態のない国際慣習法により訴えられる可能性もある。海外参入企業が利益を上げられなかった場合に、受入国の政府が訴えられる可能性も。
◆続いて堤氏の「TPPより怖いもの〜アメリカからの警告〜」
米国通商交渉委員会のワイデン議員に会い、今起きていることを良く見てほしい、パワーバランスがひっくり返されようとしている、アメリカ側も困惑している」と言われた。
私達が知っているかつてのアメリカのイメージと今のイメージは違う。この10年で大きく変わった。企業群をはじめとする上位1%の大資本が政治を買ってしまった。まさに『独裁資本主義』という状態。
シチズンズ・ユナイテッド。最高裁判決が合衆国憲法を変えてしまった。企業からの政治献金の上限を撤廃する危険な内容。アメリカは世界有数の警察国会(国家?)になった。言論統制が行われ、重要なことが知らされなくなった。
愛国者法。思想の監視が厳しくなり、令状なしで逮捕。ウォールストリートなどでのオキュパイ行動で、警官が市民を暴力的に大量に逮捕。さらに大手マスコミが報じないことを報じたジャーナリストやブロガーが大量逮捕されている。
アメリカ国民はTPPについてもほとんど知らされていない。このようなアメリカ国内での動きは、やがて日本にも来ることになる。すでに韓国には変化の兆候が出ている。とにかく、マスコミの情報を鵜呑みにしないことが大切。
審議中の法案に目を光らせる必要がある。法律は一度できてしまうと翻すことができない。IWJのようなメディアも活動できなくなる恐れがある。まだ情報発信できるうちに、法律を作らせないこと、改悪させないための啓発が必要。
◇
鈴木氏「皆さんの講演を聴き、改めてTPPの恐ろしさを再認識した。経済産業省の役人が、TPP参加のメリットが見えてこないので、何かメリットがないか見直したが、やっぱりメリットが出てこなかった、と聞いている」
山田氏「知的財産権。薬剤の研究開発や手術方法までも網に掛けられる。TPP参加で基本特許がアメリカにカバーされてしまい、わが国の強みである派生特許が衰退する。日本は参院選に向けTPPや原発を含めた選択肢を有権者に提供すべき」
郭氏「米韓FTAは朝鮮半島防衛などの安全保障に包括されてしまったことに加え、条文が700ページと膨大で内容も難しすぎ、結果的に丸め込まれた。当時、批准後に変更すれば良いと思って批准したが、後に変更を申し出たら断られた」
堤氏「TPP以外にもACTAの問題も重要。ここにいらっしゃる山田先生のように、反対して下さった国会議員はごくわずかで、大半の議員は内容を理解していない。とにかく、条文が膨大かつ難解すぎる。アメリカの中小企業は、(1)従業員を減らす、(2)国外に会社ごと移す、(3)従業員の就業時間をカットする、という苦しい状況。結果的に雇用状況の悪化を生み、貧富の格差がますます拡がることになる。」
以上
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。