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12月23日(日) 、NHKで報道された「NHKスペシャル「日本国債」」を見ました。
日本政府が発行する国債。日本国の借金ですが、1000兆円だそうですが、その国債がいつ大暴落するかわからない、という危機感を煽る内容です。
日本国内の金融機関が主な買い手として支えている姿と、日本国債の大暴落によって一儲けしようと企んでいるヘッジファンドが紹介されていました。
ところが、この危機をどのように乗り切るのか、という問いかけに対し、何故か、突如として登場してきた幸田真音氏が「構造改革をすべきだ。」という趣旨の発言をしたのには、仰天しました。
番組全体をドラマ仕掛けという設定は良いとしても、そのドラマの一登場者として、構造改革論者である幸田氏が出てきたのでしょうか。それで結論が「構造改革断行」になるのか、意味がわかりません。
構造改革は、新自由主義史観に基づく小さな政府を志向するものであり、主には社会保障費を削り、大幅な財政支出を抑制しようという改革です。
借金漬けとなっていることの危機を煽り立て、日本国の負債を減らすための「改革」という位置づけとでも言いたいのでしょうが、しかし、構造改革の目的は、それだけにとどまりません。
構造改革によって国の財政支出を削減するのは、法人税減税など大企業の負担を軽減し、大企業の国際競争力を回復し、生き残りをかけるためのものです。
従って、構造改革を断行したからといって、国の税収が増えるわけではありません。大企業だけが儲かる仕組みです。そのための社会保障費の削減です。
「財界の描く理想って一体… 構造改革路線に未来はない」
幸田氏の発言の中には、「社会保障費の削減」という言葉は使われていません。しかし、危機を煽るだけ煽っておいて、「構造改革だ!」なんど発言をすれば、危機感を煽ることで思考停止にさせ、「構造改革」の必要性、しかも結論だけを注入しようとする、最悪の番組構成です。
かつてNHKでは、2006年7月に「NHKスペシャル ワーキングプア 〜働いても働いても豊かになれない〜」が放送され、その格差社会の凄まじい実情が明らかにされました。
これが構造改革による歪みであることは明らかですが、同じNHKとは思えないくらい、下品な番組と言わざるを得ません。
ところで、この幸田真音氏とは、NHKの経営委員なんですね。
・NHKの紹介ページ
NHKのホームページによると、経営委員会とは次のように説明されています。
「NHKには、経営に関する基本方針、内部統制に関する体制の整備をはじめ、毎年度の予算・事業計画、番組編集の基本計画などを決定し、役員の職務の執行を監督する機関として、経営委員会が設置されています。」
番組編集の基本計画などにも影響を及ぼすようですが、監督すべき立場の経営委員がそのまま番組の中で「持論」を展開するのは、非常に違和感があります。
もともと、このような幸田真音氏のような人が経営委員に入っていること自体が財界の提灯持ちそのものなのですが、それでもNHKの現場では、非常に力の入った番組が数多く制作されてきました。
しかし、今回の「日本国債」は非常に不快感だけを残した最悪の番組といえます。
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