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日銀とFRBの違い・・「中銀独立」!原理主義の不毛を悟るバーナンキ!
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/777.html
投稿者 墨染 日時 2012 年 12 月 24 日 10:44:00: EVQc6rJP..8E.
 

http://www.adpweb.com/eco/

■FRBは議会も根回し
安倍政権発足で、日銀や日銀の金融政策が注目を集めている。自民党の一部やみんなの党は政府に日銀総裁の解任権を持たせるよう、日銀法の改正を主張している。デフレ経済が続く日本では、金融政策によってこれを克服しようという意見が強い。政治家達は、今日の日銀がデフレ克服に真剣に取組んでいないという印象を持っているのである。

ただ金融政策だけでデフレ克服が可能なのか、疑問もある。安倍自民党総裁は、金融政策はあくまでも補助的と考えていて、本筋は財政政策と見受けられる(10兆円を超える補正予算に見られるように)。しかし財政政策を前面に出すと、自民党内にいる日本政府の累積債務を気にする者達の抵抗が考えられ、これらの人々にも配慮が必要になる。そのためどれだけ効果があるか疑わしいが、当分の間、日銀への圧力を強める形を取らざるを得ない。

しかし筆者は、日銀にどれだけ圧力が加わっても、日銀が自ら大きく変身することはないと思っている。日銀のこのような現状に対して、米国のFRBの大胆な金融政策が注目を集めている。先日のFOMCでは、バーナンキ議長が「失業率が6.5%になるまでゼロ金利政策を継続させる」と宣言している。

米国FRBは失業率にまで関与し、それに責任を持っているのである。同じ中央銀行でも日銀と大きく異なる点である。日銀は、欧州の中央銀行と同様、失業率まで責任を持たされていない。ただFRBが失業率に責任を持たされたのは1977年以降という話である。もっともその前からFRBは経済政策全般に深く関わって来た。1951年のアコード締結までの米国国債の青空天井の買入れなんかはその典型である。

米国でも、財政政策に比べ金融政策が弱いことはほぼ常識になっている。01/10/22(第227号)「9月11日の以前と以降」で述べたように、同時多発テロ以降の米国の景気後退に対して、グリーンスパン前FRB議長は、危機感を持って議会関係者に財政出動をするよう働きかけていた。おそらくバーナンキ議長も、金融政策より財政政策の方が有効と思っていると思われる。

しかし小さな政府を指向する共和党が下院で多数を占めていて、オバマ大統領は自由に財政政策を行えない状況にある。失業率を低下させることは、米政府とFRBの共通の目標である。財政政策が議会の都合で縛られている以上、弱いと認識されているが金融政策に負担を掛ける他がないのである。

米国では、経済政策と言えば金融政策と言われた時代が続いた。しかし近年、経済政策の中で財政政策の重みが増している。おそらく米国も、日本と同様、経済がデフレ傾向に傾いているからであろう(デフレは戦前の世界大恐慌以来)。

ただし米国の方が日本より金融政策が有効性を持っていると思われる。それは米国経済の方が金利に感応的と見られるからである。米国民は、ほとんどの人々がクレジットカードを持ち、住宅だけでなく大半の消費を借金で賄っている。大学の授業料なんかもローンである。したがってローン社会である米国では経済全体が金利に敏感であり、金融政策が日本より効果的と言える。

対して日本では、景気後退時には金融緩和に加え、公共投資に代表される財政政策が重視されてきた。これについては金融政策を中心とした米国の方がスマートであると、多くの日本の経済学者やエコノミストが批難をしてきた。この傾向は今日でも続いていて、彼等はいまだに公共投資に抵抗を示している。民主党の「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズもこのような雰囲気に影響され生まれたものであろう。

たしかに日本の景気対策としての公共投資については、昔の米国のエコノミストも違和感を持っていた。これにはいくつかの理由が考えられる。まず米国では、公共投資は州が行うもので連邦政府はほとんど関与しない。連邦政府が主導した公共投資は大恐慌の後のニューディール政策ぐらいなものである。

また米国は広すぎるので、公共投資の効果が国全体に広まらないのである。つまり公共投資による景気対策という発想が米国では元々薄かったのである。

★したがって米国の景気対策と言えば、もっぱら金融政策や、財政政策ならば減税ということになる。ただ最近では米国のエコノミストも日本での公共投資の有効性を理解するようになっている。いまだに公共投資に反対している日本の間抜けなエコノミストや政治家は、みごとに梯子を外されているのである。しかも彼等はそれに気付いていない。

■日銀の実力は疑問
日銀にFRBのように失業率や国民経済にも責任を持たせるべきという意見がある。しかし筆者はそれはとても無理と考える。今の日銀にそんな実力はないと思っている。だいたい日銀は経済対策としての財政政策にさえ反対している。それによって国債の新規発行が増え物価が上昇することを警戒しているからである。
★つまり日銀マンにとって唯一大事な事は日銀券の価値を守ることである。したがって日銀は一人円高を喜んでいると言われても仕方がない。

日銀は、日本がデフレ経済で国民が窮地に陥っていることを認めないための理論武装を行っている。06/2/27(第426号)「潜在GDPとGDPギャップ」や06/3/6(第427号)「GDPギャップのインチキ推計法」で述べたように、イチキ生産関数を用いて過小にデフレギャプ(デフレギャプをわずか数パーセントと)を推計している。これも財政出動を牽制することが狙いである。

★対してバーナンキFRB議長の発言は明解である。「今日の米国の失業の原因は需要不足であり、決してミスマッチではない」と言っている。前段で述べたように場合によっては議会関係者に財政出動を根回しするFRBとこのような日銀では雲泥の差がある。

★どうしてこんな事になるのか不思議である。しかし筆者は、これは日銀だけでなく日本の官庁エコノミスト全体の問題と捉えている(またほとんどのメディアや経済誌にも言える)。もっと言えば、日本の経済学界全体がおかしいのである。

08/10/6(第544号)「マンキュー教授の分類」で述べたように、米国にもシカゴ学派のように頭のおかしい学者群がいる。しかしこれらの人々は政府の中に入って仕事をすることはない。米政府に関与するエコノミスト多いが、全てがケインジアンである。米国では新古典派の中でも供給サイドを重視する考えの政治家は、共和党のティーパーティぐらいであり限られている。ところが日本の政治家や官僚には、供給サイドを重視する者、つまり構造改革派が実に多い。

これも20年ほど前にシカゴ学派の経済学者が連続してノーベル経済学賞を取ったことが影響しているのかもしれない。しかしシカゴ学派の経済学者は、象牙の塔に隠り現実の経済にはコメントを行わないのが普通である。例外はフリードマンぐらいであるが、彼がケインズの弟子であったことを考えると納得が行く。

当然、FRBに関係するエコノミストも全てケインジアンであり現実的である。一方、日銀や官庁にはシカゴ大学(筆者は上九一色村の道場と呼んでいる)に留学した者が多い。とんでもない勘違いで留学先を選んだものである。これも日本で有名なサミュエルソンやソローが、シカゴ学派の新古典派と同じと誤解されていることと関係しているのだろう。サミュエルソンやソローは立派なケインジアンであり、むしろシカゴ学派は彼等の論敵である。このように今日の日銀の人材の実力を考えると、とても日銀に今以上の仕事を託すことは難しいと考える。

ところで日銀が設立されたのは明治15年(1882年)に対してFRBが創られたのは1913年である。つまり日銀の方が古い。ただしFRB以前にも米国にはいくつかの中央銀行があり発券業務を行っていた。ただし当時の中央銀行は、政府から独立した完全な民間企業であった。

ちなみにこれらの銀行の株式のほとんどはロスチャイルド家(後にロックフェラー家も加わる)が握っていた。もっとも今日の米国連銀の大株主もロスチャイルド系とロックフェラー系の銀行である(連銀は100%民間資本であり、米政府は株式を持っていない)。驚くことに日銀の株主にもロッフェラーやロスチャイルドの名があるという噂が根強くある(日銀の株式(出資証券)の55%は日本政府が所有しているが、残りの株主は明らかにされていないようで真相は分らない)。しかしロスチャイルドやロックフェラーは、株主として配当を受けているだけで米国の金融政策に直接口は出してはいないようである。

政府の一部として金融政策を担う目的でFRB(理事や議長は大統領が任命し、議会が承認する)や日銀は設立された。これは発券業務だけを行うことを目的に自然発生的に生まれた欧州の中央銀行と違う点である。このせいか欧州の中央銀行が経済政策としての金融政策に躊躇してきた歴史がある。

★しかし今回の欧州の経済危機に遭遇し、これを反省し、欧州中央銀行(ECB)もやや金融政策に積極的になって来たところである。安倍自民党総裁が日銀を戦略的に使おうと発言したところ(当り前の話)、「発展途上国のような発想」と民主党の金融担当相が批難し、経団連などからも同様の声が一斉に上がっていた。しかし彼等は単に世界の中央銀行に関する知識が欠けているだけである。

ついでながら米国は英国から独立後も利息を払って英国の紙幣を使っていた(後にロスチャイルド家やロッフェラー家などが関係する民間銀行が発券業務を開始)。これも米国国民には発券業務をどこかが独占することに長い間抵抗のあったからである。ただ米政府に通貨の発行権を取戻そうとした大統領が過去に三人いた。16代リンカーン、20代ガーフィールド、そして35代ケネディである。実際、リンカーンはグリーンバックという政府紙幣を発行している。

しかし今日、日米とも政府の影響下にある中央銀行が設立され通貨を独占的に発行しているので、政府紙幣を発行するという必要性が小さくなっているのも事実である。

★ちなみに政府紙幣にこだわったこの3人の大統領の全てが暗殺された話は有名である。筆者も政府紙幣と声高に主張するのではなく、国債(永久債)の日銀買入程度に抑えておこう。
 

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コメント
 
01. 2012年12月24日 12:07:13 : IOzibbQO0w

日銀が言ってることは正しい

日本の潜在成長率が下がっているのも事実だし

彼らは、金利上昇リスクを考慮した上で、かなりの規模の緩和を行っており、政策の非伝統性でも完全に先進国では先端を行っている

一時的な景気浮揚効果はあっても、財政出動や、金融政策だけでは、付加価値の高い生産力(成長産業)を生み出すことはできない

ただ、円安インフレを求める声は強く、本来は政治の責任なのに、結果責任を問われているのも事実

そして今、人事を抑えられ、もう抵抗できなくなったから、面従腹背戦略に転換したのだろう

>政府紙幣

これは日銀の人事を抑えて無制限緩和を実施すれば、同じことだから、どうでも良い話


02. 2012年12月24日 12:38:57 : IOzibbQO0w

白川は、下のようにはっきり政治家とマスコミに言っていれば面白かっただろうが、さすがにリスキー過ぎるとみたか


 海外に比べ労働生産性が低い産業の空洞化が進めば、自然に生産力が低下して、じきにインフレに転じるから、無理にインフレにするのは無意味

 それより景気・雇用回復のためには、規制緩和、税制改革、正規社員既得権廃止など、もっと生産性の高い、新興国と競合しない産業振興策を行うべきだ

 ただしどうしても急激に円安インフレにして旧来産業を維持したければ、もっと財政支出を増やし、国債を増発すればいい

 もちろん可能な限り金利が上がらないよう日銀は緩和を続ける

 ただし
 長期的に不要な産業に労働・資源を配置し続ければ、長期的にはマイナス効果の方が大きいし

 インフレ率より金利が低ければ、キャピタルフライトの円安インフレが確実に加速する

 その結果、金利が急上昇(国債下落)してインフレ率と釣り合うか、100%日銀が国債を保有することになる

 前者なら金融システムに甚大な影響が生じ、企業の資金繰りも悪化するし、

 後者なら、円自体の信認が失われるので、円安インフレは止まらなくなる

 そうなれば3%のインフレ目標なんて全く意味がないのは英国や欧州を見れば明かだ

 その結果、国民の円資産が失われ、国のサービス・社会保障は維持できなくなり、実質生活水準は急激に下がる


とは言え、モンティ・マリオと同じく、理解されずに排除されるだけだろう


03. 2012年12月24日 12:48:29 : IOzibbQO0w

多分、安倍自民党は、そこまで愚かではないだろう

石破の動きを見ていると、現実には、適当に既得権産業へのバラマキで妥協して、参院選後に、増税に転じる可能性が高い

それが、旧来の2枚舌・自民党というものだが、変質している可能性も0ではないな


04. 2012年12月24日 13:47:34 : XHfkK4hkjA
FRBは紙幣を刷り、米国が国債と引き換えに紙幣を買い上げ、FRBは国債金利で儲けるってのが、ロスとロックが作ったFRBの金融ビジネスじゃなかったかな。

日本は日銀が金融緩和政策と称するもので民間銀行に無利子で金を渡し、銀行は企業に貸し出さずに国債を買って金利で儲けるってのが日本式の金融ビジネス。

国家、即ち税金から金利を支払い金融機関を儲けさせるシステムはどちらも同じ。

国債を発行するタイミングと金融緩和で○○兆円って発表するタイミングを注目してれば、ジャストフィットってことがわかるよ。


05. 2012年12月24日 17:42:07 : 2uOv2R3MRs
まだ財政出動とかいってるやつがいるのが驚きだわ

100兆財政出動したって日銀が動かなければ同じ
資金吸収されて終わりだわ


06. 2012年12月24日 17:54:21 : 2uOv2R3MRs
>>02
あほや、輸出産業=国内産業力になってる国際競争時代に円高放置してどないせいっていうねん


ながながしくわかったようなこと書いててなにも理解していない


07. 2012年12月24日 23:27:57 : goy8An2OXI
関税などのバリアーを排除したために、先進国の製造業が人件費の安い後進国との競争に負け、経営を維持できなくなり雇用機会が失われ大量の失業者が生まれてしまった。 従前の製造業に代わる産業として金融業やサービス業がそれを吸収できると言われたが、それらの与える雇用は賃金や雇用量ともに、製造業に代わるものではなかった。 一旦後進国に移転してしまった製造業を取り戻すことは、簡単なことではない。 この状態で金融の緩和や財政支出の増大では、失われた雇用を復元することなど出来る話じゃない。 今やっているような金融緩和政策や財政支出の増大では、雇用の問題が解決できないことぐらいは日銀やFRBには解っているのだろう。 解っていないのは政治家と言うことだろうが、投資家と呼ばれる人たちにすれば国内の雇用などはどうでもよい話。 彼らは利益をもたらす投資機会が増えることだけに関心があり、投資家から利益の配分を受け取っている官僚やメデイアと経済学者がそれをサポートしていると言うことだろう。 N.T

08. 2012年12月25日 10:48:36 : I0wUTwXRRk
>>02
>それより景気・雇用回復のためには、規制緩和、税制改革、正規社員既得権廃止など、もっと生産性の高い、新興国と競合しない産業振興策を行うべきだ

それはこの20年間で既に現在進行形の話です。言わなくても日本だけでなく欧米でも更にやり続けるだろう。
国家破綻まで永久不況です。



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