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円急落、国債暴落、金利大暴騰の恐怖も 過度な金融緩和政策のリスク (東洋経済オンライン) 
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/766.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 12 月 21 日 20:11:01: igsppGRN/E9PQ
 

http://toyokeizai.net/articles/-/12191
2012年12月19日 東洋経済オンライン


傾向的な円安が始まったときに恐ろしいのは、キャピタルフライト(日本からの資金流出)が生じ、円安を増幅させることだ。同時に国債価格が暴落し、金利が高騰する。これが、過度の金融緩和がもたらす第1段階だ。この過程がさらに進めば、輸入価格の高騰により、国内でインフレが起こり、それがさらに円安を進める。これが第2段階だ。

第1段階は、イタリアやスペインなどの南欧諸国でいま起こっている現象だ。ユーロの動向やアメリカの金融政策のいかんで、現在日本に流入している資金が逆流すると、日本でも第1段階が生じうる。

なお、イタリアの場合は、ユーロという共通通貨に入っているので、資金流出の影響は緩和されている。それでも、ユーロはかなり減価した。日本は単独通貨なので、影響はもっと大きくなる。イタリアは、国債利回りの高騰だけで済んでいる(それも大きな問題だが)が、日本の場合には円安が輸入インフレをもたらして、第2段階に進む可能性がある。

金融緩和の手段として日銀引受けを行えば、ほぼ確実に第2段階まで進む。インフレ的な政策が将来取られるという予想だけで、キャピタルフライトが生じる可能性もある。

前回述べた1940年代の傾斜生産方式のときには、海外との資金移動は制限されていたので、以上で述べたメカニズムは働かなかった。それでも消費者物価指数が3年間で6倍になったのだ。いま類似の政策を行えば、キャピタルフライトによって、40年代のそれより激しいインフレが生じるだろう。

■短期資金を原資にする投資は不安定

以上で述べたことが起きるのは、国際間の資本移動が自由化され、実需原則が外されたからだ。しかし、それだけではなく、投資資金が短期化しているという事情がある。

これは、投資者が自己資金の何倍もの短期の借り入れを行い、投資総額を増やして投資しているからだ(こうした投資を、「レバレッジのかかった投資」という)。

金融緩和を行えば、短期金融市場での資金調達が容易になる。しかも、低コストで調達できるようになるため、投資の収益率が高くなる。こうして、金融緩和は、金融資産への投機的な取引を促す。そのためバブルが生じる。それが破たんして、実体経済を混乱させる。

金融危機前のアメリカでは、こうしたことが、典型的な形で生じた。投資対象は、住宅ローンを証券化した商品(MBS、CDOなど)である(これらの説明は、後の回で行う)。投資主体は、ヘッジファンドなどだ。また、銀行などの金融機関が投資専門の子会社を設立して、上記のような投資を行った。これらは、「シャドーバンク」(影の銀行)と呼ばれた(なお、実物投資が増えないわけではない。証券化商品への投資が行われれば、住宅ローンが増えて住宅建設が促進される)。

こうした投資は、不安定なものだ。なぜなら、経済条件が変化して投資対象の市場価値が下落すると、借り入れの際の担保条件を満たせなくなり、損を被るとわかっていても、投げ売りせざるを得なくなるからだ。これが一斉に起こるために証券化商品などの投資対象資産の価格が暴落し、それが連鎖的、副次的影響を生む。証券化商品の場合、格付け会社が格付けを急激に引き下げたために、このメカニズムで価格が暴落した。ユーロ圏での国債の暴落も、同じメカニズムで生じていると考えられる。

国債の市場は、もともとは安定的な市場だった。とくに日本の場合は、銀行や保険会社が預金や保険料を原資として長期的な運用を行う。仮に国債の市場価格が下落しても、国債を償還期限まで保有し続ければ額面通りの償還を受けることができるので、売却する必要はないため、不安定な相場崩壊は起こらない。

日本の国債市場はこうした投資家に支えられていたので、これまで欧米のヘッジファンドなどが何回か売り投機を仕掛けたが、ことごとく失敗に終わっていた。

多くの人が、日本の国債市場はいまだにこのようなものであると考えている。しかし、現実は急速に変化しているのである。

■資金が流出すると金利が暴騰する

日本の国債市場の変化は、下図に明瞭に表れている。短期国債の購入に占める外国人の比率は、2007年ごろまでは5〜10%程度であったが、08年ごろから上昇を始め、11年には30%程度になっている。長期利付債での外国人比率が8%程度に留まっているのと対照的だ。これは、海外から流入する資金が短期国債に投資されているからだ(国債全体の購入に占める外国人の比率は、15%程度。また、短期債の売却での外国人の比率は5%程度)。

いま日本には資金の流入が続いている。国際収支統計によると、11年において、イギリスから実に40兆円という巨額の対内短期証券投資の流入があった。これは、ユーロ危機の影響と考えられる。株式市場では、すでに売買の約6割が外国人によるものとなっている。

日本が長期的に有望な投資対象とみられているわけではなく、資金の一時的な逃避先(セイフヘイブン)として利用されている。利益を得ようとして投資をしているのではないので、他に有利な投資先が現れれば、容易に流出する。1年間で40兆円の短期資金が流入したということは、短期間で同額だけ流出する可能性もあるということだ。

金融取引は瞬時にできるし、レバレッジをかけられる。そして思惑で動く。だから、流出が始まると、円安がさらに進む。それがさらに資金流出を加速させる。財政状況はイタリアより悪いので、国債市場への影響は大きいだろう。

だから、経済にとって致命的なことが生じる可能性がある。実は、ユーロ危機におけるイタリアの場合がそうだった。それまで比較的安定的に推移していたイタリア国債の利回りが突如暴騰したが、この間にイタリアの実体経済に大きな変化が生じたわけではなかった。何が引き金だったか、いまだにはっきりしない。ただ、97年まで2割程度だった外国人保有比率がその後高まり、11年には4割程度まで上昇して不安定性を増大させたことは事実だ。

日本のメガバンクは、すでにこのリスクに対応して、保有国債の期間を短期化している。一方、地方銀行保有の国債は期間が長いものが多く、金利上昇に対して脆弱だ。外国人投資家が一斉に売りに走った場合、日銀がいくら買い上げても追いつかない可能性がある。これまでは、日本国債に対する売り投機はすべて失敗したが、今後は分からない。

また第2段階に入った円安は、インフレの反射である側面が強いので、円の実質価値が下落するわけではなく、輸出は増えない。

日銀引受けが行われると、政府への信頼が崩壊して金利が高騰すると言われることもある。しかし、金利高騰も、インフレの反映である名目金利の上昇にすぎず、外国から資金を流入させることにはならない。

いまの日本経済は、薄氷の上を歩いているようなものだ。きわめて慎重な運営が求められている。

(週刊東洋経済2012年12月22日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


 

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コメント
 
01. 2012年12月21日 20:40:46 : Pj82T22SRI
結局、安倍自民と、民主との違いは、人事干渉をするかどうかの違い
それで日銀が動いた

ただし金融政策だけで市場が動いているわけではない

欧米金融不安の改善と、海外景気の回復期待が大きい

今後は、バラマキを、安倍がどこまでできるかで、円安インフレの進み具合は決まる


>国債価格が暴落し、金利が高騰する。これが、過度の金融緩和がもたらす第1段階だ。この過程がさらに進めば、輸入価格の高騰により、国内でインフレが起こり、それがさらに円安を進める。これが第2段階

潜在的にインフレを恐れる膨大な高齢選挙民がいる限り、第一段階が進んだ時点で、大きな反対が起こり、

結局、それほどバラマキもできないうちに、消費税増税に追い込まれる確率が大

 

財部誠一の「ビジネス立体思考」
態度を豹変させた日銀、「政治」のやり方を見せつけた安倍自民党 財部誠一

2012年12月21日  コメント(0件)

 12月20日、日本銀行の白川方明総裁は物価上昇率目標を2%に設定することを明らかにした。また同日、国債などを買いいれる基金

の規模を10兆円増やし、101兆円程度まで拡大。自民党の安部晋三総裁が求めるデフレ脱却へ思い切った金融緩和要請に応える姿勢

を見せた。

日銀はなぜ安倍総裁の要請に応じたか
 日銀のさらなる金融緩和がデフレ脱却や円高修正にどこまで効果を持つのか、いかなる副作用に注意しなければならないか等々、専門家

の間でも議論が分かれるところ。だが、総合的なデフレ脱却政策のなかのひとつとして、さらなる金融緩和が効果を発揮するであろうことは間違

いない。投票日前から阿倍総裁の口先介入で外為市場が大きく円安方向に動いたことでも、一定の効果があることは立証されたと言ってよ

い。

 もっとも安倍発言を霊験あらたかにしたのは、貿易収支の急速な赤字化だ。貿易立国日本にとって貿易赤字の常態化は経済崩壊に直

結する。円は売られて当然だ。まさにそのタイミングで「無制限な金融緩和を求める」と安倍総裁が発言したのだから、マーケットが動くのも合

点がいく。

Next:日銀法改正という恫喝の効果

 しかしここで思い出して欲しいことがある。野田内閣で国家戦略相となった前原誠司氏も、安倍氏同様の目的を持って、日銀の政策決定

会合に押しかけた。だが日銀は前原国家戦略相をはなから相手にしていなかった。政権陥落が近いということが最大の背景だとは思うが、日

銀への圧力のかけ方ひとつとっても、民主党と自民党の政権運営のレベル差が如実に現れた格好だ。

 日銀の白川方明総裁は前原国家戦略相を黙殺したのに、なぜ安倍総裁の金融緩和要請には満額回答したのか。

 答えは明白だ。安倍総裁は「日銀法改正」を全面に押し出して日銀を恫喝した。マクロ経済的な金融緩和への評価は別にして、日銀に

さらなる金融緩和をさせるという目的を実現するために、いかなる政治手法を使うか。

 政治はものごとを動かしてなんぼの世界だ。目の前の課題を「解決します!」と叫び続けるのが政治ではない。目の前の課題を解決するた

めに永田町と霞が関を実際に動かすことが第一歩となる。日銀は今、日銀法によって政府からかなりの独立性を担保されている。国家戦略

相が金融決定会合に乱入してきても、本質的には痛くも痒くもない。

Next:口先介入効果には限界

 だが独立性を担保してくれている「日銀法を改正するぞ」と恫喝される、そのとたんに腰砕けになる。「御殿女中」と揶揄される弱腰の日銀に

言うことをきかせるには、効果抜群だった。

 これが政治だ。「決まらない」か「決める」ではない。政治はただひとつ「動かす」か「動かせないか」だ。デフレ脱却は日本経済の至上命題で

、景気を回復させなければ、所得もアップも雇用の創出もありえない。

 そのためには金融緩和と同時に、各省庁が手放さない規制の数々を緩和することも不可欠だが、担当大臣が本気になれば、大概のことは

実現できる。それができないのは、大臣と役人と既得権益を共有しているか、大臣が無能か、そのどちらかである。

 民主党は鳩山、菅両総理を筆頭に、大臣があまりにも無能だった。現実の課題を「動かす」には程遠い稚拙さこそが、民主党政権の失敗

の本質である。

 安倍政権は、そこの格の違いを政権発足前から見せつけることに成功した。言うまでもなく勝負はこれからだ。口先介入効果には限界があ

る。

Next:自民党の気がかりなところ

非常に気がかりなことがひとつある。日本経済再生のために、経済諮問会議を復活させるだけではなく、ミクロの経済対策を議論する「日本

経済再生本部」なる組織も立ち上げるという。その詳細は現時点ではわからないが、こうした器の議論それ自体に危うさを感じさせる。

 政治家は器を作って記念碑建立と同質の満足感にひたり、運営はすべて官僚まかせという最低最悪なパターンに陥る危険が大いにある。

 来夏の参院選という目標がある以上、自民党もそれまでに具体的な成果が求められる。勝ちすぎ自民に対してバランス感覚が働いて参院

で惨敗するのが嫌なら、「減災・防災」が公共投資の免罪符になるなどという公明党との共同幻想に終始せず、リアリティあふれる景気回復

策を連打してほしいものだ。

財部誠一(たからべ・せいいち)
1980年、慶應義塾大学を卒業し野村證券入社。出版社勤務を経て、1986年からフリーランスジャーナリスト。1995年、経済政策シンク

タンク「ハーベイロード・ジャパン」設立。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして活躍。テレビ朝日系の『報道ステーション』、

BS日テレ『財部ビジネス研究所』などに出演。近著に『メイド・イン・ジャパン消滅! 世界で戦える「製造業」をどう守るか』(朝日新聞出版)

がある。
http://www.takarabe-hrj.co.jp/
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20121221/334749/?ST=business&P=4


02. 2012年12月22日 11:54:39 : Pj82T22SRI
米国債バブル崩壊懸念と日本への波及リスク=竹中正治氏
2012年 12月 21日 17:57 JST  
為替フォーラム
来週のドル、クリスマス休暇明けに投機筋が円売り材料物色か
アングル:政府債務が家計純資産に迫る、国債消化に不安も
コラム:2013年は「円安の年」、90円も想定内=亀岡裕次氏
焦点:インフレ抑制一辺倒を再考する世界の中央銀行

竹中正治 龍谷大学経済学部教授

[東京 21日 ロイター] 米国の10年物国債の利回りが1.6―1.8%程度と歴史的な低位水準にある。このことを米国経済の「日本化(長期低成長化)」の兆候と感じている方もいるようだが、とんでもない勘違いだ。

最大の違いは、インフレ率の相違が生み出す実質金利の違いだ。日本では依然として長期的なデフレ基調が抜けず、消費者物価指数の上昇率はゼロ近傍なので、10年物国債の名目利回りは0.7%と低いが、実質利回りも0.7%前後でプラスだ。つまり、将来転換する可能性は大いにあるが、これまでの日本国債の低利回りはデフレ基調に裏付けられてきた。

ところが、米国では消費者物価指数はリーマンショック後の2009年は一時的に前年比でマイナスになったものの、その後は2%前後で推移している。したがって、名目利回り(1.6―1.8%)からインフレ率を引いた10年物国債の実質利回りはマイナス0.2―0.4%となっている。

すなわち債券に投資してもインフレによる目減りを勘案するとマイナスのリターンしか得られないということだ。これは異常な事態であり、やがて転換局面が到来するだろう。問題はそれがハードランディング的な調整局面になるリスクが高いことだ。日本の国債市場も、その時点で多少でもインフレと円安基調に転換していれば、連鎖的な影響を受ける可能性もある。この点は今のうちから心しておいた方が良い。

<持続不可能な米長期債券の超低位利回り>

下の図をご覧頂きたい。図には10年物米国債利回り、政策誘導金利であるフェデラル・ファンド金利(オーバーナイト・レート、O/N)、両者の金利格差、そして消費者物価指数をベースにした10年物米国債の実質利回りを示してある。

長期国債の実質利回りが足もとでマイナスになっていることがおわかり頂けると思うが、こうした事態は50年遡っても、過去に2度しか起こっていない。過去の事例は、第1次オイルショックで消費者物価指数が前年比で10%を超えた1973―75年と、第2次オイルショックで同様の事態となった79―80年だけだ。当時はオイルショックで二桁インフレとなり、長期米国債利回りも急上昇した。ただし、こんな高いインフレ率は長期的には持続しないと投資家が判断したので、名目国債利回りはインフレ率ほどには上がらず、その結果、実質でマイナス利回りとなった。結局、インフレが鎮静化すると実質国債利回りはプラスに戻った。

ところが、2011年以降の今回は、消費者物価指数が前年比で2%前後という正常インフレ率の下で長期債券利回りが実質マイナスになっている。これはほとんど未曽有の事態だ。なぜだろうか。3つの理由が考えられる。

第一は、リーマンショックと戦後最大の不況を経て、投資家のリスク回避姿勢が強まり、株式などのリスク性資産から国債という「安全資産」へのシフトが生じているという解釈だ。実際、投資家の動向調査も「株から債券へ」という動きを裏付けている。短期・中期では投資家の心理は過度な楽観にも悲観にも振れる。過度な悲観局面では実質利回りマイナスの金融資産でも単に安全だからという理由だけで買われることはあろう。ただし、長期に持続することではない。

第二の理由は、米連邦準備理事会(FRB)が行っている超金融緩和、量的金融緩和政策(QE1―4)だ。ご承知の通り、フェデラル・ファンド金利をゼロ近傍に下げても景気刺激が足りない状況下で、追加的な金融緩和の効果を出すためにFRBは長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)などを大規模に買い続け、マネーを供給してきた。

ゼロ金利下でも量的金融緩和で追加的な金融緩和効果が生じる理由をバーナンキFRB議長は、QE2に踏み切る前の2010年8月の講演で「ポートフォリオ・バランス・チャンネル」として説明している。

すなわちFRBが大規模に国債を買って市場から吸収することで、民間の経済主体のポートフォリオから国債残高が減り、ゼロ・リターンのキャッシュが増える。その結果、民間はポートフォリオのリスク・リターンを回復するために、社債、株式、さらには外貨金融資産などの保有を増やす。前者は国内の資産価格を底上げし、プラスの資産効果による消費増加をもたらす。後者はドル相場を下落させることで輸出を増やす効果があるという仕組みだ。

長期債券の実質利回りのマイナスは、この一連の量的金融緩和による効果が働いている結果だと考えることができる。すなわち最終投資家にとって長期債券の実質マイナス利回りは当然歓迎すべきことではない。そこでやむを得ず株式や不動産にも資金を向けることでポートフォリオ全体のリターンを維持しようとする。もっとも、株式の平均配当利回りは2%強(S&P500)である一方、10年物国債利回りは2%を割り込んで、双方が逆転している。これも異例な事態である。これは株式に向かう投資家の姿勢がまだ「しぶしぶ」あるいはためらいがちであることを示唆しているとも言えよう。

第三の理由は長短金利格差である。フェデラル・ファンド金利は0%近傍である一方、10年物財務省証券は低いとはいえ1.6―1.8%の利回りがあるので、銀行は短期調達、債券運用で利鞘を稼ぐことができる。銀行のこうした操作は資産負債両建ての取引であるから、最終投資家のようにインフレによる購買力の減少を気にすることもない。

図が示すように、長期国債とフェデラル・ファンド金利の間のプラスの利回り格差が拡大した時期は80年代以降で見ると4回ある。80年代半ば、90年代前半、2000年代前半、そして今回である。いずれの時期も景気刺激のために金融政策の基調が緩和的だった時だ。

<債券ブームが終わる時>

今の債券市場の異例な状態が超金融緩和政策の終了とともに終わることは間違いない。終わる時には長期債券利回りは急騰し(価格は急落し)、逃げ遅れた投資家は大きな損失を被ることになる。金融関係者には言わずもがなのことだが、期間の長い債券ほど利回りに対する価格の変化は大きくなり、10年物債券の場合、利回りが1.7%から2.7%に1ポイント上昇すると、価格は約8.7%下落する。

大規模な債券価格急落という事態は、90年代では94年から95年にかけて金融政策が緩和から引き締めに転じた時に劇的に起こった。当時フェデラル・ファンド金利は3%から6%まで引き上げられ、10年物国債利回りは5%台後半(94年年初)から8%近辺(94年第4四半期)まで急騰した。

当然のことながら、それまで長短金利格差で利鞘を稼いでいた金融機関の債券ディーラーは多額の損失を被った。日本と違って年俸制の雇用形態が主流だから、多くの債券ディーラーが失職した。もっとも、タフな連中はヘッジファンドに転職したり、自らヘッジファンドを立ち上げたりして90年代後半以降のヘッジファンド・ブームに一役買った。

2004年から05年にかけて金融政策が緩和から引き締めに転じた時は、フェデラル・ファンド金利の上昇幅に比べて長期債券利回りの上昇が著しく鈍く、債券価格の急落は起こらなかった。当時のグリーンスパンFRB議長はこれを「謎(conundrum)」と呼んだが、この時は日本や中国など経常収支黒字国から米国への大規模な資金流入が中長期の米国債に投じられたことが長期金利の上昇を抑制した大きな原因になっていることが実証研究で明らかになっている。

<長期債券市場はすでにチキンレース局面に突入>

12月12日の連邦公開市場委員会(FOMC)は現在の超金融緩和を持続させる目安として、1.目先のインフレ見通しが2.5%を超えない、2.失業率が6.5%へ低下するまでという2点を提示し、その継続期間については柔軟性のあるスタンスを示している。

したがって現在7.7%の米国の失業率が7%を割り込めば、金融機関や投資家は超金融緩和解除に向けたカウントダウンを始めるということだ。なにしろ逃げ遅れれば債券価格の急落という津波に巻き込まれるのだから。

ところが厄介なことに、この津波は債券から逃げようとする人々(投資家)の群衆行動自体が波となるので、多くの投資家が速く走るほど津波の速度も上がり、結局大半の人々は巻き込まれる運命にある。

もうおわかりだろう。今の長期債券市場は最後まで走り続ければ(=保有し続ければ)、崖から転落するチキンレースの局面に入ったのだ。金融機関の債券ディーラーがレースから抜けるのが早過ぎれば、その後の利鞘を失う。最後まで走り続ければ、崖から転落する(=債券価格の急落で損失する)。典型的なバブル局面がすでに始まっている。

米国の債券バブルが崩壊する時に、もし日本で安倍政権の下でデフレからインフレへの転換が起こっていれば、日本の国債価格の急落も重なる可能性が高い。インフレ率1―2%の下で利回り1%を割り込んだ長期国債を日本の投資家が保有し続けるはずはないからだ。


03. 2012年12月22日 15:36:03 : p9B89YgNYw
日銀がコントロールしていることを知らない馬鹿、あるいはとぼけている馬鹿が書いた投稿だろう
馬鹿過ぎる

04. 2012年12月22日 15:54:30 : NJpC6Jy6Fs
円安マンセーしてる奴と
原発止めると電気が足らないと吹聴しているう奴がだいたい同じ


馬鹿なのか工作なのかわからんがw


05. 2012年12月22日 20:13:49 : lMcuByFbhg
実際、円安は正しい。

日本の赤字は円高からだ。円安にしなければこれから先未来はない。てか、ちょっと前まで100円とか150円とかだバブル時は200円台、現状が異常すぎる。

ただ、税制が悪いので金融緩和しても庶民は潤わない。

一部の金持ちだけが得をするのが自民の政策だ。


06. 2012年12月23日 00:03:30 : Pj82T22SRI
>>03

日銀(+政府)はインフレ率と失業率と経済成長率を同時にコントロールすることはできない

それができるなら、どこの国も、皆、日本以上にリッチになるはずだw

 

 

2012年12月21日 10:36 経済
2%のインフレ目標は可能か
すごい勢いで円が下がっている。ドルはここ1週間で2円、ユーロは図のように5円も上がった。これは「アベノミクス」のせいもあるが、ギリシャのユーロ離脱がなくなったという報道も大きいようだ。これまで円高の最大の原因になっていたリスクオフでユーロから円に逃避してきた資金が環流しているのかもしれない。

そんな中で日銀は2%のインフレ目標を設定するようだが、これは実現するのだろうか。藤沢数希氏が指摘するように、日本のインフレ率はアメリカよりほぼ2%低い水準で動いている(彼は超大手投資銀行のトレーダーなので、これは世界の投資銀行の見解)。

日銀が2%のインフレを実現するためには、アメリカが4%のインフレになる必要があるが、FRBは2.5%のインフレ目標を掲げているのでそれは不可能だ。これは国際金融市場で実質金利の鞘取りが行なわれるためで、その結果はフィッシャー方程式

実質金利=名目金利−インフレ率

で説明できる。脇田成氏もいうように、世界の実質金利は均一化している。最近の世界各国の実質金利は0〜1%の範囲なので、上の式で実質金利を1、日本の名目金利を0とすると、インフレ率は−1、つまり1%のデフレになる。名目金利(国内の資本収益率)が国際的な実質金利より低いため、意図せざる金融引き締めが起こってデフレになるのだ。

逆にアメリカのように国際的な水準より収益率が高いとインフレになる。つまり日米のインフレ率の差は資本収益率の差なのだ。したがって日本経済の潜在成長率(資本収益率)を高めない限り、デフレからは脱却できない。「日銀が輪転機をぐるぐる回せばインフレになる」などと思っている金融のプロは世界にはいない。

国際金融市場では1日に10兆ドル以上の資金が動くので、日銀の一国ケインズ主義はもはや機能しない。インフレが起こるのは、市場が「日銀は財政ファイナンスを始めた」と見て日本から資金を逃避するときだ。少なくとも私は、安倍政権で円と国債が暴落するリスクを見込んで資産を外貨預金に移している。


2012年12月22日 00:40 経済
景気対策の有効性と複数均衡
きのうのニューズウィークの記事に、数学者の辻元氏からコメントがあった。
今の日本経済のデフレ状態は定常状態で、これを財政ファイナンスで無理やり動かすというのは、すり鉢の底から玉を動かして、すり鉢の縁を越えるということだ。すり鉢の外側にはインフレスパイラルという急坂があって、すり鉢の外側に玉を動かすと、どんなことをしても元の状態には戻らない。 
直観的にわかりにくいかもしれないので、以前アゴラ経済塾で使ったスライドで説明しよう。ケインズの「有効需要」の理論には論理的な欠陥がある。政府が有効需要を追加して失業率を減らしても、それを使い切ったら元に戻ってしまうのだ。こういう政策に意味があるのは、次の図のような複数均衡で、経済が「悪い均衡」Aに陥っている場合に限られる。


デフレの状態Aから財政政策(日銀のリスク資産購入を含む)で需要を増やしてすり鉢の縁を上り、高い所得の「よい均衡」Bに到達すれば、あとは放置していても成長する。逆に不況でみんなが消費を控えると、それによって所得が減って景気がさらに悪くなる合成の誤謬が発生する、というケインズの説明は、経済が上の図のような状態にあることを想定していたのだろう。しかし下の図のように安定した均衡が一つしかないとすると、すり鉢の縁を越えたらインフレスパイラルに転がり落ちてしまう。

日本経済は、このどっちの状態にあるだろうか。神様が天から見ていればわかるだろうが、残念ながら人間にはすり鉢の外側は見えない。山崎元氏のように「日銀がリスク資産を買い入れる量を徐々に増やして、インフレ率が2%になったらやめればいい」というのは、上の図のようにちょうど2%が均衡になっていることを想定している。

しかし今まで10年以上にわたって日銀がGDP比で世界最大の資産を購入してきたのに何も起こっていないということは、辻氏もいうように現在の状態が唯一の均衡(定常状態)になっていると思われ、これ以外に2%のインフレで持続的に成長する均衡が存在するとは考えにくい。

現状が快適ではないことは事実だが、無理してすり鉢から出ようとすると、下の図のようにインフレスパイラルに転がり落ちて取り返しのつかないことになるおそれが強い。少なくともそのリスクが無視できない大きさであれば、地道に現在の均衡水準(潜在GDP)を少しずつ上げていくしかない。
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http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51832896.html


07. 2012年12月23日 11:09:48 : p9B89YgNYw
06
リスク資産の買い入れは市場価格で買ったとしても明確な利益供与になる
中立であるべき日銀の仕事では無い、政府がやるならかまわないと思うが

ここに日銀及び経済学者の堕落が見える
現実を把握できない経済モデルで分析しても無意味なだけ、アゴラは最低だね


08. 2012年12月23日 11:19:32 : f9rDmCCA1o
06さん
経済学の「毛」の字もわかっていない経済学素人・池田信夫の宣伝なんてやめてくれ。

http://www.esri.go.jp/jp/archive/sbubble/history/history_04/analysis_04_02.pdf


09. 2012年12月23日 11:20:13 : N39qjQRdyE
小泉の時と同じパターン
あんの時は郵便局が悪
今回は日銀が悪

また馬鹿は騙される


10. 2012年12月23日 11:32:34 : f9rDmCCA1o
小泉は郵便局が悪いと言った。
私の父親は、人を騙すのは悪いと言った。

小泉が間違っていたから、「私の父親」も間違っている・・・

郵便局と日銀は、まったく別のものだ。
その区別もつかずに、「誰々が悪い」という同じ批判だと思っている「馬鹿」もいる。


11. 2012年12月23日 11:58:30 : rfcCuFHQZE
自民党タカ派の安倍は日銀に一万円札を何万トンと増刷させ、国債を無制限に買い取らせて、国債を紙へ向けて暴走しだしたので、この前の戦時国債と同じで紙くずにするのだろう。

12. 2012年12月23日 12:42:39 : N39qjQRdyE
>郵便局と日銀は、まったく別のものだ

そんなの当たり前だが、同じ手法に
何度も騙される奴は「馬鹿」である。


13. 2012年12月23日 17:04:34 : lqOPOFnyLE
長期国債の暴落なら分かるが、短期国債の場合は満期を待てばよいのだから、皆が雷同して売りに走るということはないだろう。それがありうるのは、ギャンブルでなくて景気が良くなって極めて良好な(高いリターンの)投資先が数多く見えているときだ。

14. 2012年12月24日 00:23:31 : pSZVfHm2Y6
>>13 その通り。

仮に長期国債の金利が上昇するようなら、日銀の仕事は
物価安定なのだから、オペするだろう。


15. nyannko 2012年12月24日 12:18:27 : .Wqp6X1HS9wl6 : 3AxRHn1GgM
公務員の、給与や退職金の一部を国債で払っては以下かかな?

16. 2012年12月24日 13:39:05 : W9hVq2ZC3k
「日本がおかしくなったらIMFも救えない」

悪い円安ではない。
日本売りのときが来ても、そんなに簡単に倒れることはない。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20121219-00022737/


17. 2012年12月24日 15:27:16 : p9B89YgNYw
16
IMFに日本は救えないよ、IMFはドルを貸してくれるだけ
日本円を借りたければ日銀にたのむしかない

18. jaeseiszot 2012年12月24日 18:33:50 : Ye/xgRQYIoA7. : zmpSw6Oq2g
円急落と言っているが、従来の円レートが、信じられないくらい大幅な円高
であったという事実の認識が全く無い。
異常な円高が続いてきたのであるから、相当大規模な急落がなければ、
円は適正レートには戻らない。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

日銀が大規模な金融緩和で通貨を増やした結果のキャピタルフライトの場合、
国内には巨額のマネーが存在するから、一部でキャピタルフライトが起こって
も金利は絶対に上がらない。むしろ、キャピタルフライトを促進する必要がある。
逆に白川・野田流の財政金融政策の方が、デフレ不況の進化から財政破綻
の不安を呼び起こし、金利が急騰する可能性が高い。


19. 2012年12月24日 19:41:21 : yY24VYsclz
円高はアメリカの政策
そう簡単には円安にはならない。
せいぜい1ドル100円程度だ。
アメリカは日本が円高であることがメリットなのだ。
理由は
日本が輸出で儲けたドルでアメリカ国債の購入させる。
円高による為替介入でドルを買ってもらう。
日本の輸出企業をアメリカに誘致。
円高はアメリカの国益なのだ。

20. 2012年12月24日 20:10:01 : p9B89YgNYw
18
財政破綻はどうでも良いよ
問題は空洞化、
稼げなくなるよ、円高が続くと
デフレで15万人を殺していることを反省すべきだね、今の日本人は
デフレが脱却出来たら追悼碑でも作ってほしいよ

21. 2012年12月25日 10:19:20 : lqOPOFnyLE
>18
長期金利の急騰はありうる。大幅な円安が本当に実現するかどうかは、わからない。円の妥当な価格が、最近のレベルでなく、以前のレベルであろうというのも決してうなづけるものではない。

22. 外柴マラト 2012年12月28日 15:04:40 : pegqeb7X9h0Fo : nXNDe3Aujk
安倍と麻生が天下争いして、自壊現象っていうのが最悪の事態?

23. 2013年3月23日 17:30:48 : LfnpO3gGpI
>>22
民主のときと比べてどれほど、日本が明るくなったか。
民主の極左恐怖政治はこりごりだよ。
ついでにお前さんはどこの国の人か?

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