01. 2012年12月21日 15:17:54
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金融緩和や一時的なバラマキ財政政策といったカンフル剤だけでは、長期的な成長(国民の再分配後、実質生活水準の上昇)につながらない合わせて産業構造、社会保障構造、そして統治構造の改革がどこまでできるかで未来は変わる 海外エコノミスト、自民への期待低く日本経済の地盤沈下続くとの見方 2012年 12月 18日 13:59 米フェイスブック、メッセージ関連有料サービスの試験開始 ドル83円後半で軟調、米「財政の崖」懸念強まる 日経平均続落、国内勢の売り強まり一時1万円割れ 日本政府、中国によるステンレス鋼管への反ダンピング課税をWTO提訴 [ロンドン 17日 ロイター] 16日の衆院選で日銀の大胆な金融緩和や公共投資拡大などを掲げた安倍晋三総裁率いる自民党が大勝 したが、海外エコノミストは、自民党の政策方針では、ここ10年弱で世界経済の主役から端役に後退した日本経済を浮揚させることはで きないとみている。 安倍総裁が約束した日銀の無制限の金融緩和については、「すでに主要国中央銀行の流動性供給でカネ余りの状態だが、日銀がさらなる緩 和に踏み切ればリスク資産にとってプラス」というHSBCグローバル・アセット・マネジメント(ロンドン)の投資戦略グローバルヘッ ドのフィリップ・プール氏のような見方もあるが、財政出動や金融緩和ですべて解決すれば、そもそも日本が不況にならなかったはずだ。 キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のチーフインターナショナルエコノミスト、ジュリアン・ジェソップ氏は、投資家は期待し過ぎか もしれないと指摘。1%というインフレ目標さえ達成できていない状況で、安倍総裁の2%目標など意味がない、という意見だ。 加えて、自民党政権時代の日本は不動産・株バブルの崩壊に見舞われ、長期のデフレに陥った。「完全には可能性を否定しないが、政策の 大転換が起こることにやや懐疑的だ」とジェソップ氏はみる。 <高齢化の足かせ> 日本の労働年齢人口は、バブル崩壊直前の1980年代終わりにピークを打ち、2000年代になって減少傾向をたどっている。 消費が低迷し、企業が設備投資に消極的になった。現在最大0.5%とみられている日本のトレンド成長率はマイナスになる可能性も指摘 される。 高齢化問題を抱えるドイツのメルケル首相は17日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に掲載されたインタビューで、「欧州は現 在、世界人口の7%強を占め、世界の総生産の約25%を生産、世界の社会保障費の50%を拠出しているとすると、それを今後維持する のは相当大変だ」と語った。 メルケル首相は再三ユーロ圏に財政緊縮と大胆な改革を訴えている。それが求められているのは日本だという声も聞かれる。 シティグループ(ニューヨーク)のネイサン・シーツ氏によると、日本の総労働時間は20年間で15%も減少した。米欧は増えているに もかかわらずだ。 日本の女性の労働参加率は米欧のレベルまで上がったが、労働年齢人口は政府の予測でこの10年に9.4%減少した。労働人口の減少を 補うべき外国人の就労は厳しく規制されている。 ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(ロンドン)のジム・オニール会長は「労働力を増やしたいかどうか。この質問に日本 はこれまでのところノーと答えている。それが成長の決定因子だ」と指摘。 オニール氏は、日本が債券市場からプレッシャーを受けていないことから、安倍総裁はアイルランドやポルトガル、スペインが進めている ような生産性向上や成長促進のための厳しい構造改革を断行する気はないとみている。 しかし、オニール氏は日本の状況を見ていると、素朴な疑問を持つという。それは「すでに富裕な社会が、新たに台頭したライバルに対す る優位を維持するため、わざわざ苦痛を伴う改革を断行して名高い社会的調和を乱す必要があるのか」という問題だ。 日本は過去20年、米国やユーロ圏ほどでないにしても1人あたりGDPを増やし続けてきた。失業率は格段に低い水準を維持している。 オニール氏は、市場が容認する限り、日本が「ハッピーな不況」を堅持するのは理にかなっているのかもしれない、という結論に至ったと している。 関連ニュース 日経平均続伸、高まる日銀緩和期待で内需・外需系とも堅調 2012年12月18日 日銀が物価目標2%への引き上げ検討へ=関係者 2012年12月18日 日銀総裁に2%の物価目標とアコード締結の検討を要望=安倍自民総裁 2012年12月18日 金融政策について安倍自民総裁と議論しなかった=日銀総裁 2012年12月18日 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BH03C20121218/?sp=true 焦点:インフレ抑制一辺倒を再考する世界の中央銀行 2012年 12月 21日 13:51 JST ドル83円後半で軟調、米「財政の崖」懸念強まる 日経平均続落、国内勢の売り強まり一時1万円割れ 日本政府、中国によるステンレス鋼管への反ダンピング課税をWTO提訴 9月末の国債保有は海外が過去最高に、日銀は初めて100兆円突破 [ニューヨーク 20日 ロイター] 新世代のセントラルバンカーが登場し、金融政策に微妙な変化が生じようとしている。彼らは世界経済の回復を確かなものにするため、何が何でもインフレと闘うという古い教義に挑む覚悟だ。 近くイングランド銀行(英中央銀行、BOE)の総裁に就任するカナダ銀行(中央銀行)のカーニー総裁が先週行った講演は、意図したかどうかは別として、どの程度倦まず弛まずでインフレを抑制するかをめぐる高レベルの論争を巻き起こした。 それから2日のうちにオズボーン英財務相、BOEの金融政策委員2人、そして多くのエコノミストが、カーニー総裁の発言が中央銀行の将来にもたらす意味に関する議論に加わった。 この鮮烈な反応は、世界経済危機を経て回復の足取りが鈍い時代にあって、世界の主要中銀の政策運営姿勢が変化することへの当惑を反映している。 米連邦準備理事会(FRB)から日銀に至るまで、政策当局者らは長い間金融政策の存在理由だったインフレ目標の見直しや緩和を実施し、公式な使命(マンデート)ではなくても経済成長により重きを置き始めている。 元FRB幹部で今は米資産運用会社ノーザン・トラストのチーフエコノミスト、カール・タネンバウム氏は「インフレターゲティングという単一の目標に対する一途な献身が後退した」と語る。 雇用促進や成長加速のためにインフレ率の跳ね上がりを許そうとしているセントラルバンカーは皆無だ。彼らはまた、名目国内総生産(GDP)ターゲットなど、現在の目標に代わる革新的な目標に対して概ね否定的でもある。 しかし金融危機が、危険を防げない中銀の姿を白日の下にさらし、中銀が低利かつ大量の資金供給により対応している今、小幅なインフレ率の上振れはかつてほどのタブーではなくなったのかもしれない。 <カナダ中銀が草分け> バーナンキFRB議長はFRBの二重マンデートのうち雇用の方に焦点を定め、資産買い入れにより過去数年間で約2兆5000億ドルの資金を市場に供給してきた。 議長のアプローチはグリーンスパン前議長とも、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁とも異なり、カーニー総裁と同じグループに属するように見える。 FRBは先週、失業率を先月の7.7%から6.5%に引き下げる目標を掲げた。 前代未聞のこの措置は、グリーンスパン氏やボルカー前FRB議長が追求してきたインフレ中心の政策運営モデルからの離脱の結実かもしれない。また、雇用を増やすためのコストであるなら、インフレ率が目標の2%を超えることも看過するという明確なシグナルだ。 かつてニューヨーク地区連銀でエコノミストを務めたTDセキュリティーズのエリック・グリーン氏は「バーナンキ議長はインフレ制約を緩和」し、実質的にコアインフレ目標を1.75%から2.5%に引き上げたと記している。 カナダ中銀のインフレ目標は長年、幅が1─3%で中心は2%だ。 しかし47歳のカーニー総裁は過去の総裁と異なり、金融市場と経済の安定に資するならインフレ率が通常よりも長い間目標から外れることを許す「フレキシブル・ターゲティング」の考え方を強調してきた。 総裁は今月の講演で、カナダ中銀はインフレ・ターゲティングを撤廃する案も検討したが、リスクが高過ぎると判断したと述べている。 総裁は、英国の金融政策についての計画を示唆したわけではないと強調したが、BOE幹部らはすぐに反応し、金融政策運営アプローチの変更を牽制。フィッシャーBOE理事は、英国は2%のインフレ目標の変更に慎重になるべきで、カナダ中銀のように低金利を長期間約束する手法を採用する必要はないと発言した。 BOEの主任エコノミストのデール理事も、中銀の目標変更に「フリーランチ(うまい話)はない」と釘を差したが、オズボーン財務相は意外にもカーニー氏が論争の口火を切ったことを歓迎。議会で「体制の変更を望むなら、かなり強い論拠を示す必要がある」と述べた。 <最後のインフレファイター> カーニー総裁は来年7月、キングBOE総裁の職務を引き継ぐ。キング総裁はインフレと闘う(この点での成績にはばらつきがあったが)セントラルバンカーとして最後の番人の1人と見られており、白川方明・日銀総裁やトリシェ前ECB総裁もこの仲間だ。 ドラギ現ECB総裁はECBの物価安定という呪文を慎重に守る一方で、金融市場にことし1兆ユーロ以上の潤沢な資金を供給し、ユーロ圏防衛のために無制限に国債を買い入れると約束している。 日本では白川総裁が、安倍晋三・自民党総裁からデフレ脱却のために2%の物価目標を定めるようにと異例のあからさまな圧力を受けている。 JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、白川総裁は財政ファイナンスによるリスクを懸念する最後の「普通の」日銀総裁になると予想する。 菅野氏は「日本では、デフレ脱却を望み、インフレを生み出すため日銀に魔法の杖を振るわせるべきだと感じる人が増えてきている」と説明。「日本に残された選択肢は日銀が国債の買い入れをさらに増やすことでプリントマネーを行うことかもしれない。国民がそれを望むなら、(白川総裁の)後継者はその道に踏み込まざるを得ないだろう」と語った。 (Jonathan Spicer記者) 関連ニュース 米失業率、雇用増えても改善しない可能性=SF連銀エコノミスト 2012年12月18日 焦点:英中銀次期総裁が検討する政策、内部対立あおるリスクも 2012年12月13日 米FRB、他の主要中銀とのドルスワップ協定を延長 2012年12月13日 米FOMCで失業率目標を導入、月額450億ドルの国債購入も 2012年12月13日 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BK03220121221?sp=true 焦点:中国からの資金流出加速、外貨準備は安全保障で資本規制緩和に暗雲 2012年 12月 20日 16:44 JST ドル83円後半で軟調、米「財政の崖」懸念強まる 日経平均続落、国内勢の売り強まり一時1万円割れ 日本政府、中国によるステンレス鋼管への反ダンピング課税をWTO提訴 9月末の国債保有は海外が過去最高に、日銀は初めて100兆円突破 [上海 20日 ロイター] 人民元は5年以内に交換可能な通貨となる。HSBCの中国担当チーフエコノミスト、屈宏斌氏は先月、このような見通しを示した。 このような見通しに中国ウォッチャーは既視感を抱いている。中国が資本勘定の交換性を長期目標として正式に打ち出したのは1993年だ。 資本勘定の規制緩和を中銀が示唆していることで、路線に変更はないと市場関係者はみている。しかし中国指導部は経済安定のために外貨準備を重視しており、これは規制緩和への大きな障害だ。 中国からの資本流出が加速している兆候があり、政策当局者も懸念をしている。人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、「資本勘定の交換可能性を、国境を越えた規制なき移転が可能な自由通貨と捉えるべきではない。一部の微妙な分野では資本フローを監視し規制する権限をもつ」と述べた。 <安全保障としての外貨準備> アナリストによると、中銀は改革志向をもっているが、3兆3000億ドルに上る外貨準備は金融システムへの信認の源泉で、政府と金融市場にとっても安全保障策とみなし、これをリスクにさらすようないかなる改革にも反対する、という当局者もいる。 銀行の健全性は疑問視されており、地方政府や国有企業の債務水準は高い。ただ外貨準備が救済資金として利用可能とみられている限り、取り付け騒ぎや信用収縮に陥る可能性は低い。 人民銀行の元金融政策委員で政府系シンクタンク、中国社会科学院世界経済政治研究所のディレクター、余永定氏は「中国の家計預金は膨大だ。家計が外貨資産を多様化したければ、それが10%程度であっても資本流出は多大なものになり、人民元が下落し、パニック的に資金流出が追随するだろう」と述べた。中国の企業・家計の預金残高は84兆元(13兆4500億ドル)に上る。 <資金流出が加速> 10月末までの6カ月間の貿易と中国への海外直接投資(FDI)は1810億ドルの黒字だったが、中銀を含む銀行の買い入れは320億ドルに過ぎない。企業は人民元に交換することなく530億ドルを有している。つまり950億ドル程度のホットマネーが流出したことになる。 人民元は7月後半から急伸しており、米連邦準備理事会(FRB)は9月に新たな治量的緩和策を決定した。これらは通常ならホットマネーの流入要因だ。 国外投資のコンサルタント会社、オフショア・インコーポレーションズ・グループのマネジングディレクター、ジョナサン・クリフトン氏は、「中国の中間層はオフショアでの銀行口座開設を始めている。40―50歳代にとって実際に懸念が底流にある」との見解を先月示した。 <黒字幅の縮小> 貿易・FDIでの資金流入により、中国の外貨準備は2002―2011年の10年間に月250億ドル規模で拡大した。ただこれらの黒字幅は縮小しており、一部のアナリストはこれは長期傾向と指摘する。 人民銀の当局者は今週の中銀系の雑誌チャイナ・ファイナンスで「経常、資本、金融収支の黒字が縮小するなか、資本流入のリスクよりも資本流出を警戒するようシフトしなければならない」と指摘した。 2012年の1―9月に外貨準備は平均115億ドル増加したが、これは流入というよりも保有資産への金利による部分が大きい。 モルガン・スタンレーの元アジア太平洋チーフエコノミスト、アンディ・シェ氏は「来年半ばまでに中国は資本勘定をかなり引き締めるだろう」と指摘。2013年の貿易黒字縮小は、政治指導者の間で資本流出への懸念が強まるだろうと述べた。 ただ資本開放への楽観的見方は根強い。HSBCの屈氏は「来年初めに正式に発足する新指導部は、改革のスピードアップを今後数年間の政策課題で最優先としている明確な兆候がある」と述べた。 ただ個人が海外投資が自由に行えるような状況からはほど遠い。 ( Gabriel Wildau記者;翻訳 村山圭一郎;編集 宮崎亜巳) 関連ニュース 中国、2013年も安定的な経済政策維持 2012年12月17日 プーチン大統領、汚職問題や資本流出に取り組む姿勢強調 2012年12月13日 焦点:英中銀次期総裁が検討する政策、内部対立あおるリスクも 2012年12月13日 焦点:インドネシア投資に暗雲、大統領選控え天然資源の利権争い激化 2012年12月4日 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BJ04R20121220?sp=true |