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http://biz-journal.jp/2012/12/post_1165_2.html
先ほど、第46回衆院総選挙の投票が締め切られ、メディアは一斉に「自民党圧勝の見通し」と報じた。
今回の総選挙では、景気対策を第一の争点に挙げる有権者が多かったが、上記の速報どおりもし自民党が政権を取った場合、儲かる会社と損する会社を占う。
11月に入ってから、自民党の安倍晋三総裁は、日銀の金融政策に対して積極的な発言を繰り返している。単なる野党党首の発言ではなく、“次期首相”の金融緩和発言として市場は注目したためか、為替は円安に振れ、株価は値上がりしている。
自民党の公約を見てみると、原発は「維持」、TPPは「国益が守られれば交渉」、外交・防衛に関しては「国防軍」発言のとおりタカ派である。景気対策としては、10年間で200兆円の公共事業をぶち上げている。
原発は「安全性さえ確保できれば再稼働させる」というのが自民党の方針で、それが党内の圧倒的な多数意見だろう。世論を考えれば、さすがに新規増設というわけにはいかないが、着工中のものは工事が動き出すだろうし、原発関連企業には追い風だ。具体的には、東芝や日立製作所、三菱重工業、東京エネシス、木村化工機などである。なお、福島原発事故以来低迷していた電力株は2〜3割程度の値上がりが期待できそうである。
逆に、30年代原発ゼロを掲げる民主党や、10年で全原発廃炉を主張する日本未来の党の獲得議席数次第では、新エネルギー関連銘柄は人気が一時低迷することも考えられる。7月からスタートした再生可能エネルギーの全量買い取り制度が中止されるようなことはないが、新規参入が減るかもしれない。太陽光発電関連では、昭和シェル石油、トクヤマ、京セラ、風力発電関連ではNTN、日本ガイシ、日本風力開発などが具体的には挙げられる。
また、夕刊紙記者は次のように話す。
「京セラ創業者の稲盛和夫氏が民主党に近いのは有名で、同氏が再建した日本航空に逆風が吹く懸念もあります。自民党は日航の業績急回復に対し『もうけすぎ』と批判しており、政権を取れば日航に不採算路線への就航を求めるなど横やりを入れることも予想されます。徹底した合理化で再上場を果たした同社が再び不採算路線への就航を余儀なくされれば、業績が悪化する懸念が強まるでしょう。また、経済界で脱原発の急先鋒といえば、ソフトバンクの孫正義社長ですが、経団連や自民党の中には孫さんを快く思っていない経営者や議員も少なくありません」
●自民の政権復帰で一番儲かるのはゼネコン?
自民党は「多極分散型の国土形成」や「特性を生かした地域振興」「大規模災害の未然防止」などを柱とする「国土強靭化計画」を掲げている。堤防整備やビル、住宅、橋などの耐震性強化を進めるのだろう。それにしても、10年間で200兆円の公共事業はかなり巨額だ。単純計算で年20兆円の公共投資がなされることになり、それが実現すれば、土建国家と言われた時代に逆戻りする可能性もある。自民党が政権復帰して最も喜ぶのは公共投資関連、つまりゼネコン関連ではないだろうか。
具体的に該当するのは、土木・建設、橋梁、セメント、建設機械、鉄骨など。
<耐震・補強工事>
鹿島、大成建設、奥村組、前田建設工業、東鉄工業、矢作建設工業
<地盤改良工事>
ライト工業、東亜建設工業、三信建設工業
<免震部ゴム>
ブリヂストン、住友ゴム工業、東洋ゴム工業
<セメント>
太平洋セメント、住友大阪セメント、宇部興産、デイ・シイ
<建設機械>
日立建機、コマツ、住友重機械工業
<鉄骨・耐震材>
新日鉄、JFEホールディングス
<橋梁>
横河ブリッジホールディングス、日本橋梁
<火災報知機>
能美防災、ホーチキ
これらの企業は、自民党の公共事業によって大きく儲かるかもしれない。
●不動産株にも注目
安倍総裁の金融緩和発言で関心が高まったのは、不動産株だ。
投資家から集めたお金でオフィスなどを取得し、賃料収入や売却益を分配する「不動産投資信託(JーREIT)」の相場が先月末、上昇し続けた。東証に上場する全銘柄の値動きを示す「東証REIT指数」の終値は、先月22日に1年6カ月ぶりの高値をつけた。三井不動産 、三菱地所、住友不動産など大手不動産株は、軒並み11月上旬に東証で大きく値を下げていたが、一気に回復して、今もその水準を維持している。
外交・防衛から見ると、タカ派とされる安倍氏の再登板により、防衛関連企業に関心が集まっている。石川製作所、豊和工業、東京計器、日油、日本アビオニクス、日本製鋼所など、国内にも結構たくさんある。自民党は公約に「集団的自衛権の行使」と「憲法改正によって自衛隊を『国防軍』と位置づける」ことなどを盛り込んだ。また、「尖閣諸島の実効支配の強化」も盛り込んでいる。
●輸出関連企業には追い風
TPPに関しては、自民党に限らず、交渉参加ということになれば、輸出産業には追い風だ。具体的には、家電・エレクトロニクスや自動車などのメーカーである。一方、大きな打撃を受ける業界の代表として農業が取り上げられるが、損失の規模では、さまざまな規制で守られている医療や金融、マスコミなどの方が深刻かもしれない。
このほか、安倍総裁の選挙区がある山口県に目を向ければ、宇部興産や山口フィナンシャルグループなど大手にとっては、自民党の政権復帰で何かとビジネス環境が良くなる可能性もある。
さて、自民と公明で過半数を制した場合のシナリオを考えてみたが、過半数に足りず政権の枠組みが変わった場合、自民党も軌道修正を迫られる。例えば、日本維新の会の橋下徹代表代行は「公共工事をどんどんやるのはノーだ」と主張しており、自公が政権内に維新を引き入れれば、自民のバラマキに待ったをかけるかもしれない。
(文=横山渉)
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