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デフレ下の公共投資の惨状
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投稿者 一言主 日時 2012 年 12 月 20 日 10:54:18: AlXu/i8.H/.Es
 

デフレ下の公共投資の惨状

これだけ自民党が勝つと、次なる政党に 政策を託すより、自民党の政策を変換させる方向に舵を取る方がいいと思う。

それ故、ふたたび同じことを何度も書くことになるがお付き合いいただきたい。自民党が性懲りもなく同じことを繰り返すため、同じことを何度も書かねばならないだけだ。

デフレ下の公共投資は、不毛に経済活動を拡大させ、借金と不良在庫を増やすばかりで、国富や民間の付加価値を減少させる。これがデフレ下の公共投資の結論です。もう何度も言ってきたことだが。
このことは理論的にも、実際にも実証されています。

特にその実証は、日本が行ったこの20年にも及ぶ公共投資の政策が証明しています。

バブル崩壊後20年経ち、日本の名目GDPは1990年より以下に下がりました。国富が少なくなったのです。お金が無くなり貧乏になりました。国に膨大な借金をこしらえました。この事実をしっかりと認識してください。

この間政府は何をしていたでしょうか。
大規模な予算を計上し、上げ潮戦略や、成長戦略などよい響きのタイトルを付け、どんどん資金を投下していた。
その結果が今の惨状なのです。

これには、低金利、過剰金融緩和、補助金による生産刺激策、大規模な公共投資など主に3つの主要な政策により、貧乏な大借金国になったのです。

その主要なひとつである大規模な公共投資はなぜ景気を回復させず、借金ばかり積み上げるのだろうか。

一言で言えば、デフレ市場が縮小再生産の循環にあるからです。このような時、公共投資をして経済を拡大させても、経済循環がマイナスになっているため、経済の拡大がより大きな借金を形成する事になるのです。

デフレ市場が縮小循環になるのは限界借金率が存在しているからです。限界貯蓄がないのです。正常な経済であれば本来あるはずの限界貯蓄が、デフレ下では存在せず、逆の限界借金が存在しています。反乗数といえるかも知れません。

それは、デフレ下である一定の経済活動が行われると、それに対してある比率の借金が形成されるというものです。この借金が不良在庫であったり、付加価値の減少分です。

正常な経済では、
限界生産量すなわち生産量がわずかに増えた時、限界貯蓄すなわちわずかな貯蓄が増えることになります。これが拡大再生産の正体です。

それ故、生産量が数倍伸びた場合、その貯蓄率に応じて貯蓄すなわち付加価値が生じることになります。それがケインズ経済学で言うところの乗数効果です。

ところがケインズ経済学は、デフレやインフレなどの資金の量が著しく減少したり、増えたりした市場を扱っていません。それがケインズ経済学が全くデフレに通用しない原因なのです。

デフレの場合は、乗数がなく、限界借金率があるため、生産量が数倍伸びると、その借金率に応じて借金が数倍になります。

公共投資による経済の活性化、拡大化が、借金の増大をより活発にする結果に終わるのです。
大規模な予算を公共投資に投下するほど借金が大きくなるのです。

実質GDPの成長がなんら付加価値の増大に貢献せず、不毛な単なる骨折り損になるのです。デフレの進捗度が激しくなると、実質GDPの成長率の伸びに反して、名目GDPの成長率が鈍化し、その差が大きくなる傾向がある。

その差の大きさがデフレの深刻度を表している。生産量の増大に対してどれだけの割合で借金が増えるかを示すものである。

公共投資は、貯蓄が存在し、乗数効果のある場合にだけ、付加価値を増やしその公共投資に費やした借金分を返すことができるが、
乗数効果がほとんど無い場合は、付加価値が増えず公共投資分の借金を返すことができない。

このことは、ケインズ経済学を普通に勉強しその理論を使っている者に取ってわかりきったことだろう。乗数効果のない公共投資など、借金増大策に過ぎないのだ。

ケインズは赤字であっても公共投資をした方が良いと言ったが、それは、乗数効果が見込まれる場合だけだ。ない時は借金だけが残る。

公共投資を推奨する者は、1990年より前の時代と現在の経済の基礎的条件の違いをはっきりと認識すべきであろう。

また逆に借金の方が多いマイナスの乗数が存在する場合は、マイナスの付加価値という借金を作り、公共投資分の借金と合わせて2重の借金を形成することになる。

これがデフレ下の公共投資の理論的帰結である。

そこで200兆円の日本強靭化戦略は、言葉の響きとは逆に全く不毛の成長戦略であることが分かるであろう。今まで自民党がやって来た、上げ潮政策などと同様失敗するのが目に見える政策である。

200兆円の公共投資の借金をして、さらに民間に200兆円の借金をこしらえ、計400兆円の借金をこれから作ろうとするのである。日本の現在の名目GDPは500兆円を切っている。

まさに日本狂人化戦略といえよう。日本を根本から破壊しようとしているのである。

経済政策は正しいものでなくてはならない。一般大衆受けするものではいけない。しっかりとした整合性のある物でなければならない。

デフレ下では、低金利や金融緩和によるインフレ政策は、無意味であり、公共投資も借金倍増戦略に過ぎない。笑い話である。自民党の政治家や、財務省の役人はもう少し経済的素養を身につけるべきだろう。しかしもう遅すぎるかもしれない。

理論を信ずる者は、消費者側に公共投資をするだろう。なぜなら、限界借金率が存在するデフレ下では、消費を直接増やす方が反乗数効果が顕著に表れるからである。

私が何度も何度も、ガソリン税の減税や、高速道路の3割負担、雇用保険料の満額負担、年金のスライド制の撤廃などいうのは、すべてこの逆乗数効果を見込んでいるからである。これによりデフレは簡単に直るのである。

自民党政権が、再び日本をぬか喜びさせるだけの政策を取ることは、2千5年にデフレインフレの一般理論を書いてからこの7年間の活動が無意味であったことがわかる。
この7年間は、主に阿修羅に投稿して来たが、あまり効果がなかった。

しかし来年2つの講演依頼が来ている。初めての講演だが一つの成果かもしれない。これからは講演も一つの武器にして、なんとか日本をデフレ解消に導きたいと思う。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siwaseninarou/

 

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コメント
 
01. 2012年12月20日 11:57:37 : 7TAFc6pn2k

たとい乗数効果がなくとも、やるべきことが沢山ある。
人命に関わることであり、たとえば橋が落っこったりしたら産業活動にも
大きい影響がある。自然災害への備えもせにゃならん。

近眼の経済主義者らは、計算ばかりしおる。目幅が狭い。

資金は借金ではなく、ただで刷り増せば良い、円高解消にちょーどよかろう

B/Cとか、計算主義者らは公共投資の本質がちっとも分かっておらん。


02. 2012年12月20日 13:08:39 : xGekQmjTpI
政府支出は民間の債務返済に使われてしまうから、バブルの大崩壊後の金融の緩和の効果は期待できない。今の欧米も中国もこのような状態が何年も続くであろう。

バブル崩壊が世界に先立つ日本は、民間の債務を日本の政府債務が肩代わりすることで、1000兆円もの揮発性の資産を抱えることになった。貯蓄は減らないどころか、増えたのだ。しかし、日本国民の累積貯蓄の中に膨大な不良債権は存在する。この資産がデフレの要因なのだ。

いつまでも、日本人は、ごまかしの生活を送ってはいけない。健全財政に戻る努力はするべきだ。


03. 2012年12月20日 13:34:50 : lqOPOFnyLE
>01
近視眼なのはどちらでしょうか。
「自然災害への備えもせにゃならん」?そもそもコンクリートはほぼ半永久的な耐久性があるえるはずなのに、実質的には施工やその他で40-60年程度で崩壊?。備えても備えてもザルでは、無駄ではないか。もとより自然災害には時間的に捉えがたい点があり、当然そこにこだわればある程度の貧乏を覚悟せねばならない。その折り合いをどのように把握し理解するかがポイントだ。意義あるものを生み出せば、自然に富が乗数効果を生み出してくる。それがないのは、なかなかその意義が認められないし、もしかしたらないのかもしれないということ。富をつくるのは政府ではない、政府にそんな見識はない。民間の力を支援するだけ。

04. 2012年12月20日 16:26:52 : 7TAFc6pn2k
コンクリートの寿命は半永久的では決してない。60〜70年というわれておる。
コンクリートってのは作って50ぐらいまでは強度がじわりと増していく、
そのご次第に低下、崩壊する。
 アメリカではニューディール政策の頃作った橋とかが落ちて、問題になった
ことあるみたいだが、そのことだ。我が国でも高度成長期かな、東京オリンピック
のころかな、あの頃のが寿命が近いのだ。工事のやり方ではない、コンクリート
そのものの性質なのだよ。
 びーばいしーとか、そーゆーそろばん屋、計算屋、では、長期の国土保全とか
なんとかは、理解の範囲外にあるのだね。
 キミみたいの計算主義者が「小泉構造改革を頂点とする平成改革」とゆぅ
新自由主義政策、自己責任だの、小さい政府だの、談合はいかんだの、なんだの
でもって、ここまで日本をダメにしたのだ。

05. 2012年12月20日 16:37:41 : Pj82T22SRI
>デフレ下の公共投資は、不毛に経済活動を拡大させ、借金と不良在庫を増やすばかりで、国富や民間の付加価値を減少させる。これがデフレ下の公共投資の結論です。もう何度も言ってきたことだが。

これは完全に間違い

公共投資は今のようにクラウディングアウトが起こらないデフレ時にこそ行うのが正しい

特に、少子高齢化対策の教育、医療高度化、耐震、トンネルや橋など本当に必要なインフラ整備は優先的に行うべき

まさに今は、その最後のチャンスかもしれない


問題は、過去のようなムダなインフラ整備や、無意味な輸入にある

山奥の自然や海を破壊して使わない高速、巨大港、贅沢な市庁舎、風車、ダム、農地整備・・などをやたらに作る愚だけは許してはならない

しかし、現実には、官僚や既得権企業を中心に再び動きが始まっている


06. 2012年12月20日 23:29:36 : HrkgpfvQPE
ベーシックインカム論てどこに消えたの。

現状、唯一最良のデフレ対策はベーシックインカムによる収入増政策だろ。

これなら、景気動向やグローバル化や他国の低賃金などには負けないで、

日本人だけ収入増化させることが可能である。


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