http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/742.html
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http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2012/1319.html
FOMCでの量的緩和政策強化決定にもかかわらず、対円のドル高は続き、円安が83円台にまで進行している。しかし、最も取引の多い対ユーロでは1.30台のドル安・ユーロ高に動いている。ドル・インデックスで見ても、80.20台から79.90台にまで低下して、グローバルには量的緩和強化=ドル売りが主流となっている。
その流れに唯一逆らう円売りの動き。
一方、商品は量的緩和強化を「好感」して、原油も金も上げている。
★この市場の景色は、「円キャリー復活」を連想させる。
超低金利で先安観の強い円を借りて、商品を買う。商品価格が上がったところで、売り手仕舞い、同時に、円を返済する。借りる通貨の金利が低く、更に、(返済時点での円相場が、借りた時点より高いと為替差損が出るので)、円先安観が強いことが前提となる取引手法だ。
本欄12月10日づけで指摘したIMM(シカゴ通貨先物市場)における投機筋円売越残高急増の要因の一つとも見られる。
なお、これまで金市場では、FRBが超金融緩和2015年央まで継続と明記してきたので「金高騰2015年央まで継続」の実質的お墨付きと解釈していた。
しかし、今回の声明から「2015年央」という時間軸の表現は消えた。代わりに、異例の低金利を継続する期間としてコア物価上昇率が2.5%を超えない範囲で、失業率が6.5%程度で安定するまで、との方針を明記された。
そのうえで、FOMC声明後に発表されたFRBの経済見通しでは、2015年の失業率見通しを6.0%−6.5%としている。
しかも、声明発表後のバーナンキ氏記者会見を筆者も朝4時から見ていたが、記者の質問に答え「Jobless threshold is unlikely to be reached until mid 2015」(今回、政策転換開始時点の目途として明記した失業率の水準が2015年央までに達成される可能性は小さい)と述べている。
結局、実質的に2015年央まで超金融緩和継続せざるを得ないことは明白だ。
ただ、時間軸まで明記すると、それこそ「お墨付き」とも解釈されるので、表現方法を改めたのだろう。
更に、FOMCが住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入というQE3に加え、米長期債も毎月450億ドル購入という追加的量的緩和を発表したことで、「過剰流動性相場」の様相が強まっている。
但し、「目の上のたんこぶ」ともいえる、「財政の崖」問題については、バーナンキ氏が今回初めて“fiscal cliff” =“財政の崖”というはやり言葉を公式の場で使ったので、さっそく、記者団から突っ込まれていた。
「財政の崖を乗り越える時に、資産買い入れ枠を増額させるかもしれない。しかし、金融政策だけで乗り越えるのは無理。あくまで財政政策次第」と答え、大統領と議会にボールを投げた格好だ。
なお、記者会見で声明文を補足する形で述べたことは、「失業率はターゲットではない。6.5%に下がった時点で、自動的に即、超金融緩和を止めるわけではない。あくまで、市場とのコミュニケーションにおいて情報の透明度を高めることが目的だ。債券買い取りプログラムで短期的なモメンタム(勢い)を市場に与えると同時に、同プログラムの継続性の目途を失業率と物価上昇率の数値公表により透明化を図る。」である。
★さて、ドル円相場については、当面、アベノミックスや来週の日銀金融政策会合という円売り材料がQE3、QE4というドル売り材料を押し切り、円安に振れている。
★中期的には、FRBと日銀の量的緩和競演の様相だ。米ドルと円。「通貨の堕落度」が高いほうが売られるという、なんとも危うい通貨安競争が始まった。
★金市場から見ると、これまでは、米ドルへの不信任投票として代替通貨=金が買われてきたが、ここにきて、円への不信任投票としても金が買われ始めた。
11月21日づけ本欄に書いた「安倍金高で金を買い増す元経済官僚たち」の数が筆者の周辺で増えている。
★円安、海外金高の同時進行で円建て金価格は下げにくく、上がりやすい。海外で金価格が上昇しても円高で相殺される局面が明らかに減った。従来の「市況の法則」が通用しない。
★世界的には「通貨の王様不在」の「通貨大空位時代」の様相。
「刷れるドル、円、刷れない金」の違いが金市場であぶりだされている。
(以下略、豊島逸夫)
(参考記事)
・恐慌前夜 その1:株価の位置
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/
株価を長中期的に見ればNY株の実態は上昇だがテクニカルに下落と言うダイバージェンスを起こしている。株価上昇に見えるが実態は売り、それがこのダイバージェンスの示す方向である。この方向に何が見えるか?見え方でそれぞれの人生すら変わる。だが言えることは米国国民の純資産が1960年代にまで落ちている、株価もその辺に調整する。
・恐慌前夜 その2:出番を待つ次の主役
季節が変わると咲く花の色が変わるように、恐慌の向うには違う色の花が待っている。何色か問わずとも読者には分かるだろう。金色銀色の貴金属色である。冬の季節が来た日本、その椿の色は春になれば黄色に紫にと変化する。必ず変わる花色と同じように主役は変わる。その主役が今週末あたりからうごめく、全世界的に。ロスからきたチャート分析が参考になろう。
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