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2012年12月7日 日刊ゲンダイ
今度の総選挙は、各党の経済政策にも注目が集まっているようだ。目標として掲げた成長率を比較すると、みんなの党の「名目4%以上」をピークに、自民と維新は「名目3%以上」、民主が「名目3%程度」となっている。7―9月期のGDPはマイナス成長で景気は後退局面に入った。目標達成は簡単ではないし、実現までの道筋にも疑問が残る。
選挙で比較第1党が予想される自民党は、「企業活動の制度的障害を撤廃する」「世界で勝ち抜く製造業の復活」などと訴えた。法人税も大胆に引き下げるそうだ。法的な制約が多く、税金が高いから、産業の空洞化で経済が停滞しているという発想である。
残念ながら、この基本認識は間違いだ。グローバル時代に企業が海外展開を強化するのは当たり前である。「復活」の目標が掲げられた製造業は、死んだわけではない。ビジネスチャンスがあると見込んで海外に出ていっただけである。
ヒト、モノ、カネが自由に行き来できるのだから、工場を海外に持ち出したり、企業の本社を移転させたりする流れは止められない。規制や税金で世界の潮流を変えようとしてもムダである。鎖国時代にでも戻さない限り、企業の流出は止まらないだろう。力ずくでやろうとしてガムシャラに規制を取り払えば、小泉・竹中構造改革路線の二の舞いだ。弱肉強食社会が奨励され、格差は拡大し地方はボロボロになる。とても認められるような施策ではない。
政治に求められているのは、企業がどんどん出ていっても、経済が冷え込まない政策である。真っ先に考えられるのは、福祉や医療、再生可能エネルギーなど新たな産業の分野を育てることだ。この3年で民主党のマニフェストはアテにならないことがハッキリした。ただ、今回の公約に盛り込まれた「新産業の育成」は、重要なテーマである。
また、地域に眠っている伝統的な文物や産品を掘り起こし、事業化する施策も欠かせない。選挙では、地方分権だ何だと主張する政党はある。だが、歴史と伝統に培われた「埋蔵文化財」には目が向けられていない。それが地域経済を活性化させて、雇用を生み、日本経済の生き残りにもつながるという発想がないのだ。
大企業と大都市が主役の成長戦略は時代にマッチしないのである。
【高橋乗宣】
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