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「今度こそ日本売りは成功する」 国債バブル崩壊に賭けるヘッジファンド (英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/705.html
投稿者 DOMOTO 日時 2012 年 12 月 03 日 23:52:41: VRQtq/0DZtRLQ
 

※ 12月3日の JBpress の翻訳です。

「今度こそ日本売りは成功する」 国債バブル崩壊に賭けるヘッジファンド
 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36674

 (2012年11月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

へッジファンドマネジャーがなぜ大人用おむつに関心を持つのか? 大人用おむつは、次第に多くのヘッジファンドが今、次の一大トレードと見なしているものを示す手掛かりだ。すなわち、日本国債バブルの崩壊である。

 日本では今年、大人用おむつの売り上げが子供用おむつの売り上げを初めて上回った。これは日本が直面する大きな人口動態上の課題を見事に捉えた統計で、少子高齢化は、弱気筋が今後数カ月で発生する危機の背後にあると考える複数の要因のうちの大きなものだ。


      ■ 巨大ネズミ講の教訓

 「バーナード・マドフ氏の巨大なネズミ講は世界に何を教えたのか?」。ダラスに本拠を置くヘッジファンドの運用責任者で、11月の投資家向けレターで示した逆張り的な――時として終末論すれすれの――見方で幅広い支持者を集めているカイル・バス氏は、こう問いかける。

 「重要な教訓は、ある1つの重要な要素を維持する限りは、将来への途方もない約束をすることができるということだったはずだ。その要素とは、ネズミ講の仕組みから出て行く人より新たに入ってくる犠牲者の方が多い、ということだ」

 バス氏の要点は単純明快だ。日本の社会保障費は着実に増加してきている。定年(年金受給開始年齢)は65歳。そして、日本の出生率は1947年以降の4年間がピークだった、というものだ。

 日本は何年にもわたって国内総生産(GDP)比で債務が拡大し、政府の歳入が減少してきた末に、克服し難い人口動態上の力が原動力となり、経常収支の悪化――初めて赤字に転落した――が引き金となって、ついに審判の時に直面しようとしている。

 とはいえ、我々は前にも同じような経験をしている。何しろ、日本売りはかねてヘッジファンドのお気に入りの戦略だった。


      ■ 何度も失敗してきた日本売りだが・・・

 例えば、グリーンライト・キャピタルの創業者デビッド・アイホーン氏は、2009年以降あの手この手で日本売りを仕掛けてきたし、円売りのポジションンを取ることは、世界で最も経験豊富なマクロヘッジファンドの多くにとって、4年連続で失敗に終わった取引になっている。

 この点を強調するかのように、日本国債の利回りは11月最終週に数年ぶりの低水準を付けた。ソシエテ・ジェネラルのアナリストらが書いているように、日本国債の利回り上昇を予想することは、「虹を追いかける」に等しいように思える。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ債券ストラテジスト、石井純氏は銀行の貸出金と預金との差が国債で穴埋めされている「揺るぎない国債消化構造」について説明する。現在のデータは、銀行がさらに国債を買う余地が十分あることを示していると石井氏は言う。「国債を押し目買いしたいという欲求が弱まる兆しは全く見られない」

 こうした状況はどれも、ヘッジファンドの弱気筋の新たな転向者を防ぐことにはつながっていない。

 「状況は今こそ本当に変わると我々は考えている」。終生の日本専門家で、英国に本拠を置くアクティブ運用のオードリー・キャピタルで日本売り専門の新ファンドを運用するクリストファー・リグ氏はこう言う。「すべてが今、同時に生じようとしている」

 
      ■ 安部政権の発足が変化の触媒に

 リグ氏の主張は、バス氏の主張ほど極端ではない。変化を促す触媒は、12月16日に予定されている日本の総選挙になるだろう、とリグ氏は言う。この選挙によって、自民党の安倍晋三総裁が首相に就くことになりそうだ。

 「安倍氏の特徴は成長への望みを持っていることだ」とリグ氏は指摘する。「安倍氏が日銀にもっと積極的になってほしいと思っていることは全く疑う余地がない」

 日銀の総裁と2人の副総裁が来春交代することになっているため、安倍政権の誕生で日銀が恒常的によりハト派になる可能性があり、そうなれば、外債の購入により量的緩和で新天地を開く可能性が高くなる、とリグ氏は言う。

 リグ氏は、このような動きが日本国債の利回りを2%程度まで押し上げる可能性があると見ている。激変説を唱える人が考える6〜7%には遠く及ばないものの、日本国債を売り持ちにしている投資家に莫大な利益をもたらすのに十分な利回りだ。

 「日本の債務力学を見て、『大変だ』という人もいるだろう。利回りが6%のギリシャのような状況だと考える人たちだ。そんなことが起きるはずがないとは言わないが、我々は起こらないと思っている」とリグ氏は言う。

 そして重要なことに、ヘッジファンドにとっては、大きなリターンを上げるために、そこまで利回りが上昇する必要もない。

 オードリーは日本ファンドの潜在的な投資家に向かって、自らの理論が正しいと証明された場合には、日本国債の現在の先物価格に基づいて3ケタの伸び率を期待してもらっていいと話している。


      ■ 非対称性が大きな魅力

 ヘッジファンドにとって日本トレードを今再び非常に魅力的にしているのは、まさにその背後にあるファンダメンタルズと同じくらい大きな非対称性だ。

 「日本はもはや『なぜ日本売りに賭けるのか』ではなく、『なぜ賭けないのか』と問うような状況になっている」と大手グローバルマクロファンドのあるポートフォリオマネジャーは言う。日本国債に対するプットを買うコストはごくわずかで、リターンの上振れ余地は膨大だ。

 それでもやはり、日本売りが長期の取引になり、そして不確実性が散りばめられた取引であることがはっきりするかもしれない。

By Sam Jones and Ben McLannahan


 

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コメント
 
01. 2012年12月04日 01:23:48 : yy7D5jhcis
また大失敗して大損をこいた強欲な盗賊ヘッジファンド関係者が百人単位で首をくくるか、高層マンションから飛び降りて、地球に害悪をもたらすだけの不要な人口が減りますように。アーメン

02. 2012年12月04日 02:22:46 : FtAqUhrlFU
また失敗したらえらいことだぞ。
だいたいしきりに売りを喧伝しているのは、提灯をつけるため以外の理由は考えられない。
機関と個人が同じ手口だということなどありえるか。

03. 2012年12月04日 06:08:35 : Pj82T22SRI

いつかは「日本売りは」必ず成功する

ただし、それまで生き延びられた売り手の話

レバレッジを取り過ぎないことだ


04. 2012年12月04日 06:46:27 : IdtwI4hLv2
国債売り、どんどんやって下さい。
損する人が多いほど儲ける確率が高くなる。
日銀が付いているんだから暴落する分けが無いだろう。

円売り、これは少しは下げる余地が出てきた。
貿易赤字になったからね。


05. 2012年12月04日 09:05:39 : ndbAjb87pc
国債を売って手にした円で何を買う?

土地、株、資源、社債・・・何も買うものがない。
銀行に預ける?

結局、手にした円で国債が買われる。


06. 2012年12月04日 09:45:52 : EthbU7v6pc
円売り成功?近日はしません。阿部は、日銀、無制限買い取りを表明しているから。しかし、麻薬患者に、大量の麻薬を投与し禁断症状を延ばそうとしているだけだから、その反動の禁断症状は、すさまじく、瀕死の経済でハイエナの食いほうだいになるだろう。

07. 2012年12月04日 09:46:10 : IdtwI4hLv2
>結局、手にした円で国債が買われる。

いえ、金利0,1%の日銀当座預金に入れるのでしょう
で、日銀が国債を買って金利差で儲ける
で、国庫納付金が増える

国債を売って国庫に協力したいのでしょう。


08. 2012年12月04日 10:25:04 : KwzxlT2Fm6
アメリカ国債暴落を仕掛けてみろ!

日本が自主独立するチャンスなのに、、、、


09. 2012年12月04日 11:59:42 : lsBPqpLmSA
本当に大切な情報は流さないよね!
だから・・・・・!?

10. 2012年12月04日 12:20:03 : pVh04mYrg2
日銀の定期的な金融緩和や安倍さんの無制限金融緩和ってニュースが流れるけど、利益の出ている企業は基本的に借入金を返済しているのがここ数年の流れ出し、成長分野を狙って太陽光発電に1.5パーセント特別金利なんてのも知り合いから聞いたけど、中小企業に積極な融資なんて聞かないよね。

市場に潤沢な資金をってうたい文句だけど、実際は銀行に渡った金利0パーセントの日銀資金で0.715パーセントの国債購入に化けてるだけなんじゃないかな。

法の抜け道を使い、銀行に手間賃(金利)を支払って実際は日銀が国債を買ってるってこと。
ようやく銀行も法人税を払うようになってきたから、分離税と法人税を差引けば0.4パーセント未満の実質支払いになるからどうってことない。

売り崩されたら国債金利が上昇し手間賃が増えるから断固として対処するはず。
日本政府と日銀相手に売りの勝負を仕掛けても勝てないってことぐらい知ってるよ。

ロス、ロック、米政府が本気になればできるかもしれないけど、日本を潰すより、このままの植民地政策を選ぶでしょう。


11. 2012年12月04日 12:24:46 : FbGdHh0gUE
円をドルと無理心中させる
2012年12月3日   田中 宇
http://tanakanews.com/121203japan.htm

 12月3日、三菱東京UFJ銀行の平野頭取が日本国債の破綻を懸念していると、FT紙が報じた。40兆円の日本国債を保有する三菱は、国債が破綻に向かうと大惨事になるので保有を減らしたいが、市場への影響を考えると大量売却できず、長期債を短期債に変えてリスクを減らすぐらいしか対応策がないという。三菱以外の日本の銀行や生保も多額の日本国債を保有している。国債が破綻に向かうと、日本人の預金や保険は戻ってこない金になる。 (Japan bank chief warns on bond exposure)

 日本国債の9割は、日本国内の金融機関が保有している。金融機関は政府の厳しい監督下にあり、国債を自由に売却できない。米国債の場合、半分を外国人が保有しているので、国債に対する信用が落ちると、外国勢が国債を売り放って相場が下がり(金利が上がり)破綻に近づく。だが日本国債は、ある程度までなら信用が落ちても売り放ちが起こらず、相場も下落しない。FTに対し、三菱の頭取は国債が破綻しそうだと発言したが、三菱の広報担当者は「国債の9割を国内機関が持っているので、破綻すると思えない」とコメントしている。

 平野頭取の発言の真意は、経済面でなく政治面だろう。最近、次期首相と目される自民党の安部晋三総裁が、国債の大量発行を継続して日銀に買い支えさせる量的緩和策(円増刷)の拡大をやると、繰り返し宣言している。安部はこれを「デフレ対策」と称しているが、日本でデフレと言われている現象は実のところ、国内製品を中国などからの輸入品で代替したことによる値下がり(価格破壊)であり、金融緩和によって流れが転換するものでない。 (世界の運命を握る「影の銀行システム」)

 安部が国債と円の増刷を過激にやろうとしている理由は、米国で米国債とドルの過剰発行(QE3)が行われ、米国債とドルが崩壊しそうなので、それを防ぐため日本の国債と円を過剰発行し、資金がドルから円に流れるのを防ぎ、米国を助けたいからだ。日本の国債と通貨を米国並みに弱くして、米国を助け、日本の対米従属を維持しようとしている。政府が日銀に圧力をかけて円を過剰発行に誘導しようとする策は、民主党政権でも、対米従属派の旗頭だった前原誠司がさかんにやってきた。最近では、欧米のヘッジファンドが、米国より先に日本の国債が破綻すると予測し、先物売りを増やしている。 (Hedge funds say shorting Japan will work)

 ドルと米国債の過剰発行に合わせて、円と日本国債を過剰発行する日本政府の策は、日本の対米従属を維持する「利点」があるが、その半面、日本を財政破綻や超インフレに導き、日本の金融機関を破綻させ、日本人の生活や預金を破壊する。円をドルと無理心中させようとする安部や前原は、本来なら、自国より米国の国益を優先する「売国奴」と呼ばれるべきだが、現代日本語の「売国奴」は、韓国や中国に親しみを持つ人のことだけを指し、米国のために日本を犠牲にする人を含まない。

 日本ではマスコミや学界でも、日銀に「デフレ対策」を強めさせるべきだという意見が強い。日本の権力機構である官僚組織が、政界(国会)に権力を渡したくないので「お上」として米国を必要とし、対米従属の持続に固執している。マスコミも学界も、官界の影響下にある。だから平野頭取は、自分の主張を、日本のマスコミでなく、外国のFT紙に表明したのだろう。日本のマスコミに表明しても、意図的に要点を外して記事にする懸念が大きい。

 マスコミだけでなく、金融界も官界の影響下にあるのだが、このまま円と日本国債の過剰発行が拡大すると、いずれ金融界が日本国債を買い切れなくなり、外国勢が買う分が増えて日本国債の破綻が現実のものとなり、日本の金融界が潰れてしまう。それを懸念する金融界を代表するかたちで、三菱UFJの頭取が日本国債のあり方に警告を発したのだろう。 (米国を真似て財政破綻したがる日本)

 平野発言と前後して、経団連からも、日銀に圧力をかけ続ける安部を批判する声が出て、安部は、首相になったら個別の金融政策に対するコメントをしないと譲歩する発言を行い、日銀に介入しない姿勢をとってみせた。だがこの譲歩は、投票日までのそぶりにすぎないだろう。野田政権は、米国の財政金融危機の潜在的な拡大に合わせて円と日本国債を意図的に危機にさらしてきたが、今後米国の危機が拡大しそうな中、安部政権はこの傾向をさらに進めるだろう。 (Japan's Abe in U-turn on BoJ attack)

▼日本だけ米覇権喪失の悪影響を回避したがらない

 米国では、議会と大統領府の間で財政再建策の議論が平行線のまま妥結しそうもない。時間切れが迫る中、来年1月から支出削減と増税が自動発動される「財政の崖」が起きる可能性が増している。財政の崖が起きると米経済が減速する。債券格付け機関は、米国債を格下げすると言っている。ドルと米国債の崩壊が進んでいる。米国は市町村の財政難もひどい。かつて自動車産業の都と言われたデトロイトは、数年前から財政破綻の状態で、警察の機能が停止して犯罪の巣窟になっている。デトロイト市は、裁判所に破産申請しても効果が低いので、このまま市を解散し、周辺の郡に吸収合併してもらう「デトロイトの消滅」を検討している。 (Cities to Dissolve? - Detroit and Surrounding Cities Bankrupt)

 米国の同盟諸国の中でも、カナダやオーストラリアは、豊富な天然資源を、高度成長を維持しそうな中国など新興市場諸国に売って、米国の覇権が崩れても繁栄を維持する方向を模索している。IMFは、カナダとオーストラリアのドルを、これまでドル、ユーロ、英ポンド、円、スイスフランの5通貨だった国際備蓄通貨の中に加えることにした。豪州は最近、今後中国との関係を強化していく外交白書も出している。 (Aussie, Canada dollars termed reserve currencies) (尖閣問題と日中米の利害)

 カナダや豪州はアングロサクソン諸国で、米英の身内なだけに覇権動向に敏感で、米国とともに衰退していく道を選ばないようにしている。一方、中国などBRICS諸国は、ドルでなく相互の自国通貨を貿易決済に使う傾向を強めている。各国とも、ドルが使えなくなり、米国の覇権が崩壊する事態に備えている。対照的に日本では、そのような事態についての分析や懸念が、政府やマスコミからほとんど出てこず、むしろ米国とともに衰退する道が積極的に採られている。 (The Giant Currency Superstorm That Is Coming To The Shores Of America When The dollar Dies)

 日本ではTPPが選挙の大きな争点になっている。だが、先日カンボジアで開かれたアジアサミットでは、オバマ大統領が売り込んだTPPよりも、中国やASEANが主導して進められる米国抜きの東アジアFTA(RCEP、ASEAN+6)の方がずっと重視された。米政府は実績を作るため、タイに頼んでTPPの交渉に参加してもらうことにしたが、タイは国内の反対運動が強く、TPP加盟の可能性は低い。日本にとっても長期的に、TPPより、日中韓やASEAN+6の東アジアFTAの方が重要なのだが、そのような事実は国民の目から隠されている。 (Post-US world born in Phnom Penh) (アジアFTAの時代へ)

▼米国が潰れる前にぶら下がっている国々が潰れる

 今の世界では、米国の覇権衰退を見越して米国に頼らない世界体制の中に自国を置こうとする国々が繁栄を維持する半面、米国の覇権にぶら下がり続ける国々が窮地に陥る傾向を強めている。後者の代表的な例が、日本と英国とイスラエルだ。敗戦国の日本は完全に受動的な対米従属(日本の官僚が国内向けに米国の意志を「解釈」する権限を持つことで、対米従属が支配の道具に使われいる)だが、英国とイスラエルは米国に影響を与えて自国好みの世界戦略を採らせる能動的な対米関係だ。 (日本の権力構造と在日米軍)

 日本は、政府が日銀に円の過剰発行を拡大させて通貨的に米国と心中しようとしているのに加え、尖閣諸島を国有化して中国を意図的に怒らせることで日米同盟を強化する策が裏目に出て経済難につながっている。 (日中韓協調策に乗れない日本)

 英国は、1990年代から2008年のリーマン危機まで、米英一体の債券金融システムの中でロンドンの金融界に大儲けさせ、60−70年代に破綻していた財政を立て直した。繁栄はリーマン危機後に崩れているが、英国は、過剰な金融緩和策で自滅を強める米国よりずっと上手に延命を試みてきた。私は数年前から英国の金融財政破綻を予測し続けているが、実現していない。 (イギリスの崩壊) (イギリスの凋落)

 だが最近、英国の延命が終わりになりそうな感じが再び強まっている。英政府が予定通り財政緊縮できない場合、格付け機関が英国債を最上格から格下げすると言っている。格付けだけなら、英国はこれまで何度も窮地を乗り越えて最上格を維持してきた。債券格付けは英国が考案したシステムで、英国が「胴元」だ。だが今回は、EUがユーロ危機対策として政治・行政の統合を進め、国家的な自立を剥奪されたくない英国は、EUを離脱せざるを得なくなっており、これまでより問題が深刻だ。 (Sterling faces up to risk of downgrade)

 英国のロンドンは最近まで、世界一金融マンが多い都市だった。だが2015年までにロンドンはニューヨークと香港に抜かされ、香港が世界一の金融都市になりそうだ。 (London loses top spot as world financial centre)

 米国はブッシュ政権から現在まで、英国との関係を希薄化する姿勢をとっている。戦後一貫して米国にとりつくことで国力を維持してきた英国は、米国に疎外されまいとして、ブッシュの03年のイラク侵攻に乗り、逆に大量破壊兵器のウソの犯人扱いされ、国際信用を失った。今の英国は、米国だけでなく、独仏主導で政治統合を進めるEUからも疎外され、繁栄できる国家戦略を失いかけている。 (Blair warns UK against leaving EU2)

 イスラエルは、先日パレスチナ自治政府(PA)が国連総会で国家として承認されたことを契機に、国際的に「悪者」にされる傾向が一気に増した。PAは以前、国連に加盟しようと申請したが、加盟には安全保障理事会の承認が必要で、イスラエルの言いなりになる米国が拒否権を発動したため、加盟できなかった。PAは今回、加盟申請でなく「国連非加盟の国家」として承認してもらおうと申請した。これなら安保理でなく国連総会での多数決で承認でき、11月30日にPAは国家として承認された。

 国家として承認されると、国連関連機関に加盟できる。パレスチナは国際刑事裁判所に加盟し、イスラエルを人権侵害などの罪で提訴しようとしている。パレスチナではちょうど、フランスやスイスの当局が、04年にパリの病院で死亡したPAのアラファト前議長が毒殺された疑いがあるとして、11月27日に西岸にあるアラファトの墓を掘り返し、遺品を収集して捜査を開始した。毒殺と判断された場合、イスラエルの国家犯罪である疑いが出てくるので、PAはこの件でイスラエルを提訴できる。また先日のガザ戦争などで、イスラエルがガザの無実の市民を殺したことも、提訴できる案件だ。 (PA says will take Israel to ICC if tests prove Arafat assassinated)

 国家承認を受けたパレスチナに対する報復として、イスラエルは東エルサレムの郊外に新たなユダヤ人入植地住宅を建設する計画を開始した。東エルサレムはパレスチナ国家の首都になる予定の場所で、イスラエルとパレスチナが和解した場合、東エルサレムがパレスチナの首都で、西エルサレムがイスラエルの首都になることが第二次大戦直後から決まっている。 (イスラエルの戦争と和平)

 エルサレムを神聖視するイスラエルは、パレスチナとの首都共有に反対している。東エルサレムと、その周辺の西岸地域を分断するかたちで入植地を作り、パレスチナ人が東エルサレムに入ってこれないようにする計画だ。これは60年前に国連が決めたパレスチナ和平案を阻止する動きであるため、特にEUが怒り、英国とフランスは、イスラエルが東エルサレムを取り囲む入植地(E1)の建設をやめない場合、英仏の駐イスラエル大使を本国に召還すると言い出した。米国もE1入植地の建設に反対している。 (For first time, Britain, France may recall ambassadors in protest at Israel's settlement construction)

 オバマ政権は、米議会が決議したイランへの追加制裁にも反対で、2期目に入って中東への関与を弱めそうな流れになっている。米国は表向き親イスラエルの態度を続けているが、しだいに頼りにならなくなっている。加えて、これまでイスラエルに甘かったEUが、英仏大使召還など、画期的にイスラエルに厳しい政策をとり始めている。 (US: Israeli settlement plan 'counterproductive')

 中東では、対米従属のサウジアラビアの高齢の国王が危篤で植物人間状態に陥っていると報じられている。今後、国王の死を機に、王室内部の紛争が高まり、東部の大油田地帯でのシーア派の反政府運動と相まって、サウジは混乱するかもしれない。ペルシャ湾岸ではクウェートも、国王が議会の権限を弱める選挙制度の変更を強行したため、リベラル派からイスラム主義者までが異例の結束をして反政府運動を強め「アラブの春」の状況になっている。バーレーンでも反政府運動が強まっており、親米色の強い湾岸産油諸国の間に混乱が広がっている。 (Saudi King Abdullah clinically dead') (Kuwait election boycott shifts drama to streets)

 このように日本、英国、イスラエル、サウジなど、これまで米国の覇権にぶら下がる傾向が強かった国々が、いずれも凋落ないし不安定化する傾向を強めている。米国自身が潰れる前に、米国にぶら下がってきた国々が潰れ出している。これは国際社会で、中露、BRICSや発展途上諸国の発言権が強まっているのと対照的な動きで、ここ10年ほどの国際情勢の根本にある流れだ。全体として国際社会は、米国(米英イスラエル)の単独覇権から、多極型の体制に転換しているとみて間違いない。


12. 2012年12月04日 14:05:22 : KnSIZqqU3Q
そもそもこいつらの理論だとヘッジファンドや英米金融機関は超優秀で日本の富が盗まれるだけど

単にその時の勝負に買ったヤツを持ち上げるだけじゃん。
そりゃ市場の理論上ゼロサムゲームに近い形でどこかがプラスなら必ずどこかがマイナスになる。
くだらんイメージ論はさておき連中の優秀差というのはどうい方法で図られるんだ?
連中の投資に対するリターンの割合で示されるのか?
そうであるならば日本の機関投資とその海外の期間投資家を比較して教えてくれ。
せめて連中が優秀ならそのを証明する客観的な統計上の数値データを示して欲しい。

ほとんどはたまたま偶然に勝負に勝ったファンドマネージャーやら投機家を
時代の人と持ち上げて適当な成功の理由をでっち上げるだけじゃないのかね。


13. 2012年12月04日 14:57:07 : cO9FQOqt6Y
>「揺るぎない国債消化構造」について説明する。現在のデータは、銀行がさらに国債を買う余地が十分あることを示していると石井氏は言う。「国債を押し目買いしたいという欲求が弱まる兆しは全く見られない」

現状の分析は未来の予想に役立たない。民間資金需要の減少が国債を買い余力を担保しているだけ。言い換えれば民間の負債を政府が肩代わりしている。おかげで、企業や個人は身軽になっているが、政府は多重債務で身動きがとれない。

金融緩和は中央銀行による財政ファイナンスにほかならないが、国債を増発して政府が支出を増やしても、民間投資が刺激されず、信用創造が生まれずマネーストックは伸び悩み、いよいよ中央銀行の無限の偽札製造に頼る以外にない。既に、引退する団塊世代に年金を払うため、虎の子の換金資産である株を売り始めている。デフレで増税など自殺行為だが、手元にキャッシュがないので、手っ取り早く日銭を稼げる消費税にあれだけ固執するのだ。

金利があがれば、真っ先に政府が破綻するため、監督権という強権で、銀行が国債を売らないよう押さえつけているだろう。しかし、どんなポンジー詐欺(ねずみ講)も、破綻の直前まで健全そのものに見える。日本政府の破綻へのカウントダウンは始まっている。どれだけの時間がかかるかわからないだけ。今すぐではないが、5年乃至15年の間に確実にくるだろう。

テールリスクは増大しており、プットオプションの買いはどこかで巨額の利益を生む可能性が高い。

ただし、日本政府が破綻しても、一時的な混乱があるだけで、日本人も日本企業もすぐに復活するだろう。無駄な政府支出(天下り、年金、医療など)のあり方を見直し、若者に希望を与えて、生産性を向上させれば、未来は明るい。

政府の破綻=国の破綻は、財務省の保身のためのデマにほかならない。


14. 2012年12月04日 20:48:19 : ZjXTpAQa5M
田中 宇 なんか変だぞ。対米従属なのはお前じゃないのか!石原慎太郎のようなインチキ右翼を真の右翼と言ったり、対米従属の日銀・経団連を日本を憂いているかのように取り繕ったり、今までの読者をうらぎるような発言ばかり。最低だよ!馬鹿にするなよ!どう考えても超デフレ、超円高で日本経済がボロボロだろうが!

15. 2012年12月04日 22:55:50 : E8cZaCsCzg
田中宇氏は英米ユダヤについては冷徹な観察眼を持てるけど、日本自身については
愛国心が勝って空回りしているって感じがするな。

普段の田中理論をそのまま援用すれば、石原あたりは「やりすぎ要員」ということに
なるはず。


16. tk 2012年12月04日 23:01:16 : fNs.vR2niMp1. : l8OuF6oGLs
>14

たぶん、田中氏は、円の増刷自体に反対しているのではなくて、円と増刷してアメリカ国債を買い支えようとしている前原、安部を批判しているのだと思うよ。

tkとしては、円を増刷して、デフレ防止手当として国民全員に配ってほしいところ。

円を増刷して、購買力平価(111.39円/ドル http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E5%8A%9B%E5%B9%B3%E4%BE%A1%E8%AA%AC )の水準まで円安にしてほしいところ。

ただし、円を増刷してアメリカ国債を買おうとする政治家が居るかぎり、また、無制限に増刷させようとする政治家が居るかぎり、日銀としては円を守るために増刷は最小限にしか行わないだろう。


17. 2012年12月04日 23:28:09 : nTlVtvbSOw
>14
田中宇は自民党にすり寄っているゴールドマンサックスとその配下である竹中平蔵に気付いたんだろ。米国は日本以外からは相手にされていない。だからどうしても日本を占領配下に置いておきたいんだ。

18. 賢者の石 2012年12月05日 00:41:23 : Qf5ShLuWtoZHs : nYRTN8Lbqg
通貨や国債とは軍事力

日米同盟の上、世界有数の軍事力を持つ日本国債が売り崩せるなら

世界中の国が危うくなる。

腕力>>>>>>>>>金であると理解できない蛸壺馬鹿むけにしかこういう記事は

意味が無い


19. 2012年12月05日 07:16:45 : eisNMzGY3I
今までさんざん円高に振り向けてきた者が急になんだ?!

20. 2012年12月05日 12:35:08 : 6IJkc6SSxI
竹中平蔵のクズ売国奴が日銀総裁になったときが、日本の真の滅亡の始まりだろう。

安易な紙幣の増刷、米国債の大幅な買取など、露骨な売国策に走る…

オワリだ…


21. 2012年12月05日 13:47:13 : IMvnUFbxUM
今度こそ成功するか日本株売り

38000円をつけた日経平均はゆるぎない

に見えましたがなにか?


22. 2012年12月05日 23:54:33 : 5BtLv1uztM
経済のことは良く分からんが、田中宇さんの情報力には感心する。
でも原発の時の一連のこいつの記事読んで、結局電波左翼かと思った。w
自分の良く分からんことは情報に圧倒されるが、関心あることは
変なこと喋るとすぐ分かるわ。w

23. 2012年12月07日 20:56:15 : 65vt3h07xM
無理だ。日本売りをしかけてもすぐに書いてがつくだけ。

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