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「新卒一括採用」不平等で見直すべき? メリットは?
産経新聞 11月26日(月)11時7分配信
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常見陽平氏(写真:産経新聞)
平成26年春に入社する大学生向けの企業説明会などが12月1日に解禁となり、就職活動が始まる。卒業予定の学生を年度ごとに一括して求人し、在学中に内定を出す「新卒一括採用」が大手企業では長く主流となっているが、就職活動の激化や既卒者の就職難の原因になっているとの指摘もある。新卒一括採用について「見直すべきだ」とする明治大学政治経済学部教授の加藤久和氏と、「長所も多い」と評価する人材コンサルタントの常見陽平氏に意見を聞いた。(山田泰弘)
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■常見陽平氏「欲しい人材を選べる」
−−新卒一括採用は新卒時の1回に機会を限定するため、就職活動を激化させていると指摘されている
「景気が悪くなる度に批判の対象になるが、短絡的に廃止論に走ることは誰も救わない。大企業ばかりを中心にして論じるからおかしなことになるのではないか。中小企業は以前から通年採用をしている。新卒一括採用よりも、むしろ今の大学教育や就職活動のあり方に問題がある」
◯廃止だと競争激化
−−新卒一括採用を廃止するとどうなるのか
「現在の状況で新卒一括採用をやめれば、既卒者と新卒者が競合することになり、競争が激化するだろう。既卒も含めた通年採用が一般的になると、高望みなどをして延々と就職活動を続けるスパイラルに陥る人も多く出る」
−−就職活動の激化が学業をおろそかにすることにつながっているとの批判もある
「確かにそうした側面はある。しかし、日本の大学は少なくとも文系に関して言えば、そもそも学生を勉強させる仕組みになっていない。大学3年までに卒業に必要な単位を取れる場合もあるが、これは教育の放棄とも言えるのではないか。そこで就職活動だけを悪者にするのが正しいとは思わない。『新卒カード』を切らないために留年したり、大学院に進学したりするのはおかしいが、それを大学側が受け入れていることも批判されるべきだ」
○社風の維持に役立つ
−−新卒一括採用のメリットとは?
「多くの学生にとって、初めて真剣に社会に向き合う機会だ。つらさばかりが強調されているように思うが、大学の教育力が不十分な中で、就職活動で初めて自分を見つめ、成長する充実感を覚える学生も実は多い。また、企業にとっては、一定の時期に多くの学生の中から欲しい人材を選べ、社風を維持しやすいという利点が大きい。多様な人材を採用できないとする意見もあるが、採用段階ではなく、入社後の人材育成によって多様性は実現されるものだろう」
−−現在の就職活動の問題点はどこにあるのか
「透明性が欠けている。インターネットで簡単に応募できるようになったため、学生はできるだけ多くの企業に応募する。そのため、その企業が求めていない学生から大量の応募が殺到し、学生も噂などに振り回される。企業側はどの大学から何人採用したかを、同時に大学も学生がどの企業に就職したか、実績を明らかにすれば、こうした無駄は減らせる。理想論で希望をかき立てるより、現実的な目安を示す方が学生にも企業にとっても有益なはずだ」
■加藤久和氏「不平等で見直すべきだ」
●毎年の景気に左右
−−大手企業では新卒一括採用が一般的だが、見直す必要はあるか
「不平等な仕組みであり、早急に見直すべきだ。景気が悪い年に就職活動を迎えた場合、企業が採用を絞るために就職活動が困難になるが、翌年に多少なりとも景気が持ち直していれば、その年は採用数が増えて志望する業界や企業に決まりやすくなる。新卒時の1回にチャンスが限定される上に、学生の能力に全く関係しない1年ごとの景気に強く左右されるのは不条理だ」
−−新卒一括採用は、新人を一度に教育でき、社風維持に役立つという主張もある
「高度成長期など右肩上がりで業績が伸びていった時代には、社員を効率的に大量採用し、均等に育てていく上で利点があっただろう。しかし、現在では、終身雇用や年功序列といった従来の日本型雇用システムは崩れ始めており、企業がグローバル化を進める中で、採用形態も見直すべき時期に来ているはずだ」
●既卒者向け通年採用を
−−どのような採用形態が望ましいか
「基本的には既卒者を対象にした通年採用になっていくことが良いのではないか。卒業後3年間はインターンシップや留学などを行える期間にすべきだ。自分がどの職種に合っているかを確かめられるし、多様な人材の育成につながる。現在も卒業後3年以内であれば『新卒扱い』とする慣行が広がっているが、実効性が疑わしい。やはり、新卒一括採用という大枠自体を変える必要がある」
−−電機大手で経営不振が相次ぐなど、企業の経営環境が厳しい中で、長く続けた採用形態を切り替えるのはコスト面で負担が大きいのではないか
「膨大な採用関連業務が一定の期間に集中している現状を考えれば、過密化した業務の平準化につながるはずだ。一時的にコストが増えるとしても、採用段階で多様な人材を取り入れやすくすることで、中長期的に日本企業の経営体力の向上が期待できる」
−−新卒一括採用が大学生の学業にどのような影響を与えているか
「卒業が決まってもいないのに、卒業を前提に就職活動を行って内定が出る仕組みは、考えてみればおかしな話だ。就職活動がうまくいかずに大学院への進学をするケースもあるが、本末転倒も甚だしい。出遅れを心配して留学を控える学生もいる。これからの日本をどうするかを真剣に考えて、国や日本経済団体連合会(経団連)のような団体、大学が協力し合って、今後の就職活動のあり方を検討すべきだ」
【プロフィル】常見陽平(つねみ・ようへい) 昭和49年、仙台市生まれ。38歳。一橋大商学部卒。リクルートを経て、玩具メーカーで新卒採用を担当後、人材コンサルタントや作家、大学講師として活動する。就職活動やキャリア論などが専門分野。著書に「僕たちはガンダムのジムである」など。
【プロフィル】加藤久和(かとう・ひさかず) 昭和33年、東京都生まれ。54歳。筑波大大学院経営・政策科学研究科修了。国立社会保障・人口問題研究所室長などを経て、平成18年から明治大学政治経済学部教授。社会保障制度の持続可能性や少子高齢化の原因と影響などが主な研究テーマ。著書に「世代間格差」など。
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最終更新:11月26日(月)15時1分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121126-00000520-san-bus_all
記者の眼2012年11月26日
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退職金をもらって青息吐息にならない3つのポイント
2012年11月26日(月) 治部 れんげ
「今から考えると無謀だったのかもしれません」。山本五郎さん(仮名・79歳)は肩を落とす。それは6年前の出来事だった。すでに勤務先を退職していた山本さんは、退職金と年金で暮らしていた。老後の生活資金は定期預金に預けておいたが「金利があまりに低いので投資をした方が良いかな」と思っていた矢先、取引先の銀行から高齢者に人気の高い、毎月分配金が出るタイプの投資信託を勧められた。
山本さんはあまり深く考えず、退職金1300万円強の15%にあたる200万円で投資信託を購入してしまった。運悪く2年後にリーマン・ショックが起き、大幅に値下がり。その後も値下がりを続け、200万円で買ったものが現在の評価額が55万円。分配金は累計77万円出たが、差引き68万円の損となってしまった。
多くの退職者が同じような体験をしている。市川信二さん(仮名・65歳)は2007年に300万円分の投資信託を購入した。「退職金で何か運用をしたい」と考え「銀行に相談して」というところは、山本さんと同様だ。市川さんが購入したのは、海外債券、海外株式、海外不動産で運用するに関する投資信託を各100万円ずつの計300万円。「値下がりして、現在の評価額は2分の1になってしまいました」とため息をつく。
退職者の8割が退職金運用に不満
「日経マネー老後資金アンケート」では、退職者408人に、退職金の運用や老後の資金などについて尋ねた。驚いたことに、84%もの人が自分の退職金運用の結果に不満を持っている。
その理由は、退職金の運用がうまくいっていないため、つまり退職金で投資をして損をしたためだ。山本さんや市川さんの例にあるように「何かで運用したい」と考え「銀行の窓口で相談」して「勧められた投資信託を購入した」ところ、損をしたという体験談が非常に多い。
こうした体験に共通するのは「何か運用をしたい」という漠然とした希望を持って銀行に赴き運用の相談をして、窓口で勧められた投資信託などを、あまり深く考えずに買ってしまったということ。アンケート回答者は退職後平均6年経っている人たちなので、投信を買った直後にリーマン・ショックに見舞われたという要素も大きい。
金融機関は、元本保証ではない商品を販売する際、リスクについて必ず説明をするが、今回の体験談では、購入前にどんなリスクがあるのかを把握していなかった人が目立った。
証券会社の元販売員によると「優秀な販売員はさらりとリスクの説明をしているから、顧客は気にせずに買ってしまう」という。運用する=儲かることもあれば損をすることもあるということを意識し、リスクについては、自分から販売員に尋ねるようにしたい。
「日経マネー」1月号の特集には、銀行や証券会社で勧められた金融商品が本当に良いものなのかどうか、見極めるための質問項目をまとめた。ここでは、金融機関の窓口に行く前に、やっておくべきことを考えてみたい。
数々の体験談から浮かび上がるのは、100万円、1000万円という大きなおカネを動かすにも関わらず、明確な目的がないということ。まずは、いくらを投資して何年後にいくらくらいにしたいのか、その理由はなぜなのか、どんなものに投資したいのかなど、自分の希望を明確にしよう。
ポイント1:いくら投資して、何年後にいくらに殖やしたいのか。
もしくは、減らしたくないだけなのか。目標を持つ。
「そもそも、いくら投資すればいいのか分からない」という人も多いかもしれない。そういう人は、まず、配偶者や子どもなど、自分の利益を第一に考えてくれる人に相談するようにしたい。退職者へのアンケート結果を見ると、老後資金に不安がない人は、家族とよく相談をしている。
実は退職金の運用について家族と相談する際、ハードルになるのは心理的なもの。いくつかの証言から分かるのは、特に「男/父親としてのプライド」が邪魔をすることだ。息子が金融や投資に関する仕事に就いており、その道のプロとして知られているのにも関わらず、父親が退職金の投資で失敗し大きな損を出している例が複数あった。
息子に相談できるかが問われる
息子たちからは「父親の死後、持ち物の整理をしていたら、先物取引で損をしていたことが分かった」「大手証券会社から上客として扱われるのが嬉しいようで、絶対に自分には相談してくれない」「『こんな投資信託を買ったんだけど…』と見せられたので、それらがなぜダメなのか丁寧に説明したら、それ以来、一切、投資について話してくれなくなった」といった経験談が寄せられた。
ポイント2:家族の中で経済や金融に詳しそうな人に相談してみる。その際、プライドは捨てる
最後に、退職金の運用が上手くできた人の体験からも教訓を得ておきたい。
石井健史さん(仮名・57歳)は「2011年に退職金で、米国リート(不動産投信)を500万円分購入した。10月中旬時点で、13%の利益が出ている」と話す。退職金の運用については「失敗した」とか「悔しかった」という声が多い中で珍しい「良い話」だ。
「投資信託を買うのはこれが初めて」という石井さんだが、実は現役時代から投資の経験があった。会社の持ち株会に毎月少しずつ積み立てをしていたのだ。「実は、この投資で退職するまでに約400万円損をしています」と石井さんは語る。
「退職金投資でうまくいった人」からは、過去に損をした体験も合わせて聞くことが多い。早川満さん(仮名・76歳)は「2001年に日本株に270万円投資し、直後に3倍以上に値上がりしました」。
売却益で別の株を買って運用を続け、夫婦で海外旅行を楽しむなど、退職後の生活を謳歌している。経済面も生活面も幸せそうな様子だが、よく話を聞いてみると「株では損をしたこともたくさんあります」という。
つまり、退職金の運用が上手くいった人も、過去には損を経験している。こうした経験を考え合わせると、「退職金運用が初めての投資」にならないよう、現役時代に少額から投資経験を積んだ方がよい。現役時代なら、損をしても働いて取り返すことができるからだ。一方、退職金をつぎ込んで大損を出すと、生活資金に事欠くことになりかねない。
投資額が小さいうちに損を経験した方がいい
運用資産残高約800億ドル(6.2兆円)の運用会社、オークツリー・キャピタル・マネジメント創業者のハワード・マークス氏は、「自分は、若くておカネをあまり持っていない時に投資の経験を積むことができたので、大きな資金を犠牲にすることなく必要なことを学ぶことができた。
これは大変幸運なことだ」と言う。マークス氏の投資哲学は『投資で一番大切な20の教え』(日本経済新聞出版社)にまとめられており、本書はあのウォーレン・バフェット氏も「極めて稀に見る、実益がある本」と推薦している。
退職者の体験談や識者のアドバイスを考え合わせると、次のことが言える。
ポイント3:投資は現役時代に始めて、損失を経験しておく方がいい。勉強料は退職金で払うより、現役時代に払う方が安くてすむ
治部 れんげ
1997年、一橋大学法学部を卒業し日経BP社に入社。「日経エンタテインメント!」「日経ビジネス」編集部を経て「日経ビジネスアソシエ」編集部所属。2006年7月より1年間、フルブライト奨学金を得て、米ミシガン大学 The Center for the Education of Women客員研究員として、「米国男性の家事育児参加と、それが妻のキャリアに与える影響」をテーマに調査や取材を行った。
ああ減収、どうする!老後のお金
老後に必要な資金は1億円と言われる。このうち「7割程度は退職金や公的年金でまかない、残りを貯蓄などで備える」というのがこれまでの常識だった。だが減収・退職金制度の見直しなどで、新たな対策を打たないと、老後資金が不足する老後難民になってしまう。「これからの老後資金はどうなる のか」「老後難民になる人・ならない人の別れ目は」などを日経マネー編集部が解説する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20121120/239643/?ST=print
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