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衆院選後の首相候補の自民党の安倍晋三総裁は大胆な日銀の金融緩和策を求めているが、「日銀の独立を守れ」という日経などメディアの批判を受けている。だが、中央銀行独立至上主義では脱デフレ・超円高は是正されない。以下のような、インパクトのあるマイナス政策金利に背を向け、ひたすらデフレ継続のための金利政策をとっている日銀を野放しにする政治家やメディアも日銀と同罪である。
何よりも、事実と結果から是非を考えるべきなのだ。
衆院選後の首相候補の自民党の安倍晋三総裁は最近、日銀の政策金利について「ゼロにするか、マイナス金利にするぐらいのことをして、貸し出し圧力を強めてもらわなくてはいけない」と述べ、株式を含む金融市場を沸かせている。
マイナス金利のもとでは、借金しても金利をもらえる。ありがたいと考える方もいるだろうが、残念ながら、マイナス金利は銀行間の資金のやりとりや、金融市場での大口の取引にしか成立しえない。
安倍構想のように、銀行の中の銀行である中央銀行がマイナス金利政策に踏み切ったらどうだろうか。政策金利とは銀行間の短期の取引金利の誘導目標金利のことだ。政策金利がマイナスなら、少なくても短期市場金利もマイナスになる可能性が高いので、貸し出し金利は押し下げられ、借り入れ需要が高まるはずだ。
ところが、日銀は真逆の政策をとり続けている。銀行に金利を払ってまで日銀口座に資金を預かっている。これでは、カネは市中に回るはずがない。しきりに金融緩和を言いながら、実はカネを留め置くという欺瞞ぶりがはなはだしい。
参考になるのが、デンマークである。同国中央銀行はこの7月、マイナス0・2%の政策金利を導入した。世界初の試みである。グラフにあるように、短期市場金利を代表する翌日ものの銀行間金利はマイナス0・3〜0・4%台で推移している。同時に、資金供給量を一挙に1・8倍に増やす「量的緩和」にも踏み切った。(図解は元記事を参照ください)
銀行貸し出しのデータはこの9月が最新だが、前年同期比で4%増えている。貸し出しは2010年12月からマイナスに転じ、一時は13%以上も落ち込んでいた。金利と量の両面での大胆な金融緩和への転換は成果を生みつつある。
貸し出し平均金利はほぼマイナス政策金利分だけ下がった。預金金利(要求払い)はわずかな下落幅にとどまっている。この例から見ても、日銀がマイナス政策金利を導入したとしても、一般向け金利はプラスのままだろう。
見逃せないのが、円安効果である。銀行間市場金利がマイナスになると、マイナス・コストの円資金を調達して、より高い利回りのドルやユーロなど外貨建て金融資産で運用する「キャリー・トレード」も活発になる可能性もある。そうなると、大量の円が売られるようになる。
安倍氏はさらに、日銀に対して無制限の量的緩和や2〜3%のインフレ目標の設定を強く求めている。3年前から同様の案を提起してきた筆者としては、脱デフレ・超円高是正の妙案がやっと日の目をみる思いである。
だが、政策大転換ゆえに日銀や財務官僚を中心とした円高・デフレ容認派の反発は必至だ。自民党内部でも安倍構想に冷ややかな向きもある。総選挙後、安倍政権が発足したとしても、実現のためには力強い政治指導力と、4月に任期切れになる白川方明・日銀総裁の後任人事が鍵になるだろう。(田村秀男)
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