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安倍総裁:建設国債の全額日銀引き受け検討 独立性懸念
毎日新聞 2012年11月17日 20時01分(最終更新 11月17日 22時16分)
街頭演説で支持を訴える安倍晋三自民党総裁=熊本市で2012年11月17日午前11時6分、松田栄二郎撮影
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自民党の安倍晋三総裁は17日、熊本市内で講演し、デフレ脱却について「やるべき公共投資をやって建設国債を日銀に買ってもらうことで強制的にマネーが市場に出ていく」と述べ、政権に復帰した場合、建設国債の全額日銀引き受けを検討する考えを示した。安倍氏は衆院解散が決まった14日以降、大胆な金融緩和策を繰り返し訴えており、日銀の独立性を懸念する見方も出ている。
建設国債は道路や港湾など公共事業の財源に充てる国債。自民党は10年間で200兆円を防災などに投入する国土強靱(きょうじん)化計画を掲げており、その財源を想定した発言とみられる。ただ、「国の借金を中央銀行が肩代わりしている」と市場が受け止めれば、国債の信用が失われる懸念もある。
日銀は現在、市場から国債を購入し、資金を供給している。安倍氏の発言は、政府から直接、国債を買い取る「直接引き受け」を念頭に置いた可能性もあるが、財政法は原則として日銀による国債の直接引き受けを禁じている。国会の議決があれば可能だが、放漫財政につながる懸念から財務省などは反対しており、現実に議論されるかはわからない。
安倍氏は、来春に任期を迎える日銀総裁の後任人事にも触れ、「インフレターゲットに賛成してくれる人を選びたい」と発言。自らが主張する2〜3%の物価目標に協調できることが条件との見方を示した。日銀が物価の安定だけでなく、米連邦準備制度理事会(FRB)のように「雇用の維持」にも責任を持つべきだとし、日銀法改正を検討する考えを改めて強調した。
自民党の政権復帰が有力視される中、安倍氏が衆院選後の一段の金融緩和に言及した14日以降、円相場は対ドルで2円近くも円安が進行した。この日の講演では「私が講演しただけで円安になり株価は上がり続けた。市場は私たちの実行を望んでいる」とも述べたが、政府・民主党内からは「日銀の独立性を度外視したような発言だ」(前原誠司経済財政担当相)との批判が出ている。
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http://mainichi.jp/select/news/20121118k0000m020037000c.html
小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!
本人も誤解している(多分)安倍総裁のマイナス金利発言
2012/11/17 (土) 10:58
安倍総裁が15日、都内で講演を行い、マイナス金利にしてでも市中銀行の貸出を刺激すべきだと発言したことが注目されています。
もとい、それほど注目されてはいないと言った方がいいかもしれません。否、ネット上ではそこそこ注目されているというべきかも。
ただ、いずれにしても、テレビはその発言を殆ど無視!
解散のニュースでそれどころではないのでしょうか? でも、この発言も、解散というか選挙に深く関係することなのですが‥
先ず、貴方に質問します。
貴方は、安倍総裁のアイデアを支持しますか?
多分、多くの人は、マイナス金利なんてどうして実現できるのだろうかと、先ずそのことが不思議でならないでしょう。
いずれにしても、本件に関する報道ぶりを整理してみると、どうも報道する新聞社の側にも誤解があることが分かるのです。
昨日、私はブログで次のように述べました。
■引用開始
ただ、安倍総裁は次のようにも言っているのです。
「たとえば、最も安全な日本銀行に0.1%で預けられるのでは日銀に預けることになる。逆にゼロにするかマイナス(金利)にするくらいにして、貸出圧力を高めてもらわなければならない」
さあ、ここで安倍総裁が言っていることの意味がお分かりでしょうか? 否、安倍さんも結構勉強していることが分かり、少しだけ恐縮しました。
でも、その安倍総裁の真意を分からない新聞社もあるのです。
産経新聞。何故ならば、次のように報じているからなのです。
「自民党の安倍晋三総裁は15日、都内で講演し、日銀の政策金利について『ゼロにするか、マイナス金利にするぐらいのことをして、貸し出し圧力を強めてもらわなくてはいけない』と述べた」
安倍さんは、政策金利のことを話しているのではないのです。だって、政策金利は、既にほぼゼロですから、「ゼロにするか、マイナス金利にするか」なんていう言い方はしない筈です。言うならば、「ゼロ金利を一歩進めてマイナス金利にすべきだ」と。
そうではないのです。安倍総裁は、市中銀行が日銀に預ける預金の金利について言っているのです。つまり、日銀当座預金に付与される金利のことなのです。
■引用終わり
以上のとおり、私は、安倍総裁のマイナス金利発言は日銀当座預金に付与される金利のことだと主張したのですが‥世の中の人々が、この発言をどのように受け止めているかを知りたくて、改めて報道ぶりを確認してみたのです。
・産経新聞
自民党の安倍晋三総裁は15日、都内で講演し、日銀の政策金利について「ゼロにするか、マイナス金利にするぐらいのことをして、貸し出し圧力を強めてもらわなくてはいけない」と述べた。
・日経新聞
午後に自民党の安倍晋三総裁が都内の講演で日銀と協調して無制限の金融緩和を実施すると言及したほか政策金利をゼロまたはマイナスにして民間向けの貸出を増やすべきだと述べたなどと伝わった。
・朝日新聞
日銀の政策手法の「まずさ」にも言及し、「たとえば、最も安全な日本銀行に0.1%で預けられるのでは日銀に預けることになる。逆にゼロにするかマイナス(金利)にするくらいにして、貸出圧力を高めてもらわなければならない」としたほか、国債の買いオペに関して短期債のローリングでは不十分だとも指摘。「無制限にやって、それを続けてやることがインフレ期待が起こる」と注文を付けた。
・読売新聞
さらに安倍氏は、民間金融機関が日銀に持っている当座預金の金利をゼロ、またはマイナスにすることで、金融機関が企業や家計への貸し出しを増やすようにする対策も主張した。
・ウォールストリートジャーナル
また、日銀は商業銀行など市中の金融機関に支払っている当座預金金利をゼロないしマイナスにし、それによって貸し出しを刺激すべきだと語った。
・ロイター
15日の円債市場では、自民党・安倍晋三総裁が講演で、ゼロかマイナス金利にするぐらいにして貸出を高めてもらいたいと発言したことを受けて、政策金利や超過準備の付利引き下げの思惑が浮上。
これで真相がお分かりになったと思うのです。安倍総裁のマイナス金利発言は、あくまでも日銀当座預金に付与される金利のことを指しているのであって、政策金利について言っているのではないのです。しかし、ロイターが伝えるように、市場には二通りの解釈が発生している、と。
では、その二つの意味でマイナス金利を考えた場合、果たしてマイナス金利が経済活動を刺激することになるのかを改めて考えてみたいと思うのです。
(1)政策金利をマイナスにする場合
政策金利とは、無担保コール翌日物の金利を指します。
えっ、却って難しくなった? 分かり易くいうと、市中銀行がお互いの資金繰りを調整する市場における金利を指す訳です。つまり、資金繰りに余裕のある銀行が資金繰りがひっ迫している銀行に対し、1日間お金を融通する際の金利です。
では、その金利がマイナスになると、どんなことが起きるのか?
というよりも、金利がマイナスになれば、どんなに資金繰りに余裕がある銀行も、もはやお金を他行に融資しようとは思わない筈です。何故ならば、お金を貸すと却って金利を支払わなければならず、そんなバカな!と。
ですから、そのようなコール市場でそれでもお金を貸していいというのは日本銀行しかいなくなる
のです。そして、日本銀行がマイナス金利でお金を貸すということは、お金を日本銀行から借りた市中銀行は何もしなくても金利が得られる、と。
こんな不合理な取引が成立すると思いますか? しかも、日銀と市中銀行の間で?
だって、この取引の本質は、ただ日銀が損をして、市中銀行が得をするだけのことなのですから。
(2)日銀当座預金に対する金利をマイナスにする場合
では、市中銀行が日銀に預けている預金(日銀当座預金)の金利をマイナスにしたらどんなことが起きるでしょう?
市中銀行も、一般の預金者と同じように、もし預金しても却って金利が取られるとなれば極力そうした預金を減らそうと思うしょう。
しかし、完全にゼロにすることはできません。何故か?
それは、市中銀行は、法令に従い一定の準備預金を積む義務があることが一つ。それに、市中銀行は他の銀行との間の決済をその口座を通じて行うしかないために、法定準備預金以外に最低限度のお金をそこに積んでおくことが必要だからです。
そういうことで市中銀行は、日銀当座預金の金利がマイナスになったとしても、最低限度の資金をそこに積む必要があるのですが、それでも、コストを抑える見地からなるだけそうした預金残高を少なくしておきたいというインセンティブが働くのです。
では、そうした預金残高を少なくしてしまうマイナス金利というものは、それによって市中銀行の一般貸し出しを増やす効果があるのか?
確かに、日銀当座預金残高が高止まりすることはなくなる訳ですが、だからと言って一般貸出が増える根拠にはなり得ないのです。
いずれにしても、安倍さんが、マイナス金利にしてでも日銀当座預金残高を引き下げた方がいいと主張するのであれば、日銀が2001年3月から2006年3月にかけて行っていた量的緩和策(日銀当座預金残高の目標値を最終的には30〜35兆円へと引き上げていった政策)が、有効であるどころか有害であったと主張することにもなるのです。
そして、昨日も言ったように、現在付けている日銀当座預金に対する0.1%の金利をゼロ或いはマイナスにすることになれば、幾ら日銀が大量に市中銀行から長期国債を買い上げようとしても、市中銀行側は、そもそもそうしたオペに応じるインセンティブが薄れてしまうので、実現が難しくなってしまうのです。
折角の安倍総裁のアイデアですが‥ ももち残念!
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2012/11/17/017650.php
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