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年金を壊す“真犯人”は我々自身だ
2012年11月16日(金) 田村 賢司
「張本人」といって、その意味の分からぬ人はいまいが、言葉の成り立ちを知る人は意外に少ないだろう。多くの人が思う「本人」に「張」が付いたというのは実は間違いで、正しくは物事の原因や文章の伏線を示す漢語である「張本」が基だという。そこから何かの原因や、その首謀者を表すようになったと。では、この問題の張本は何か――。
厚生労働省が今月初め、厚生年金基金の解散と制度の廃止を柱にした“改革案”を打ち出した。原因は明らか、厚年基金の財政が悪化し、約半数の基金は特に悪くなったためだ。「張本」はそこにあるというわけだが、ことここに至る経緯を辿ってみれば、さらに奥深い「張本」も浮かんでくる。
連帯保障制度はなくなる
厚生労働省の厚年基金制度改革案の概要
財政難の基金は5年以内に解散
代行部分の国への返還額を減額するか、その納付期間の延長を検討する
代行部分返還の際、倒産した加入企業の負担分が他の企業にかかる「連帯保障」を廃止
最後まで代行割れが残った場合は厚生年金保険料で補填
厚年基金が確定給付企業年金に移行した場合、積立不足の償却は現行の20年から30年に期間延長
中小企業向けに確定拠出型の新企業年金を創設
厚年基金制度は10年後に廃止
と、その前に詳しくない人のために改めて説明しておけば、日本の年金は基本部分に、全国民共通の国民年金(基礎年金)があり、その上にサラリーマンなどが加入する厚生年金が乗っている。厚年基金は、この厚生年金の資産の一部を借り(代行して)、それに独自の資金を加えて運用・給付している年金。基礎年金を1階、厚生年金を2階とすれば、3階部分に当たるものである。
損失は早期処理しなければ拡大する
2000年度には約1800の厚年基金があったが、IT(情報技術)バブルの崩壊で、その年から3年連続のマイナス運用になり、2002年4月からそれまで認められていなかった代行部分の返上が可能になると、大企業が次々と動き出す。結局、現在、577ある厚年基金のほとんどは、中小企業が業界・地域単位などで組織する総合型と呼ばれるものになっている。
中小企業が大半となった厚年基金に再び危機が襲ってきたのは2007年の米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題と2008年秋のリーマンショック。世界景気の急速な悪化で、またも大幅な運用損を計上したのである。さらに今年初めのAIJ事件による巨額損失で中小企業の厚年基金の厳しい財政状況が一般にも知られることとなった。
AIJ事件発覚直後の2012年3月末時点で、577の厚年基金の内、287基金が独自給付に備えて持つべき資産だけでなく、代行部分の資産も割り込む「代行割れ」で、その額は1兆1000億円にも上っていた。厚年基金のうち、約半数は健全な財政状態ではないところまで落ちていたのだ。
財政悪化の原因の1つは前述の運用難だが、同等以上に深刻になってきたのが年金の成熟度(年金受給者数/現役社員数)上昇。高齢化で厚年基金の年金受給者数が増え続ける一方で、産業の衰退などによって現役社員数は減り、保険料による年金給付が難しくなる厚年基金が増えてきたためだ。
いわば日本経済の低迷(運用難)と、高齢化の影響をそのまま映し出した格好だが、厚年基金の危機の「張本」はもっと根深い。それは官民それぞれの年金マネジメントのなさ、不作為といったものではないか。
例えば、サブプライムローン問題とリーマンショックで2008年度には、厚年基金の77%が代行割れに陥り、代行部分に対する積立不足額は2兆6507億円にも達した。2000年代前半をも上回る大幅な積立不足であり、主因の1つは運用が1990年代までとは一変して激しい上下動を繰り返すようになっていたことにあった。
だが、厚労省は元々、現在の年金受給者への給付や、現役社員への将来の給付を引き下げたり、厚年基金を解散したりすることには厳しい規制をかけており、その基準を緩めようとしなかったために、傷を深くした面もある。
年金は、いったん積立不足に陥ると、さらに厳しい状態になる「特徴」がある。例えば、代行部分に必要な資産額を100として、これが運用損などで80になった場合を考えよう。やはり必要な運用成績を2%として、資産額が100なら求められる2を稼げるが、80だと1.6にしかならないから、0.4だけ不足額が拡大することになる。仮に毎年同じ運用成績を続けると、80の方の年金はその後、不足額が大きくなり続けることとなる。つまり、年金は損失を少しでも早く処理することが重要なのである。だが、政治と厚労省は本格的な厚年基金改革になど、全く乗り出さなかったのである。
ガバナンス力低下する厚年基金
「実際には我々は事務局(厚労省)が敷いた路線に乗ってきたんだ」
厚労省案が発表された後、代行割れの処理に財政悪化の厚年基金とは関係のないサラリーマンや企業の納付した保険料を使うことや、財政の健全な厚年基金も解散せざるを得ない制度廃止を進めるとした点に批判が出ると、民主党の厚労系国会議員の1人は、こう「言い訳」をした。
「自分たちが強引に厚年基金解散・制度廃止を推し進めたわけではない」というわけだろうが、民主党はAIJ問題を受けて厚労省が4月に設けた厚年基金の資産運用・財政運営に関する有識者会議に平行して、党内の「年金積立金運用のあり方及びAIJ問題等検証ワーキングチーム」でこの問題を議論。4月24日には、「厚年基金は解散するか、代行返上をした上で確定拠出型年金か確定給付型に移行するかを選択させるべき」との中間報告をとりまとめている。
民主党側の言い訳を聞けば、厚労省は「与党の考えに沿ったもの」と反論するのは目に見えているが、AIJ問題で厚年基金の危機が世の中に知られるまで本格的な改革が行われなかった原因、いや張本はここにある。政官とも「主体は自分ではない」というかのごとくであり、国民に嫌われそうな改革をこれまで主導的に進める強い意志があったとは思えない。
民の側も甘い。厚年基金の事務局・役職者が厚労省と旧社会保険庁の天下りポストになっていたのが、その1つ。今年3月の調査では63%の基金が役員に天下りを受け入れていた。
これは、しばしば指摘される素人運用の失敗だけではない問題をもたらしていたはずだ。無論、構造不況業種で景気も悪い中、運用などによる年金資産の目減りを補うために、加入企業に保険料を挙げて貰うといっても容易ではないだろう。
だが、運用でも保険料引き上げでも収入を増やせないとなれば、OB、現役に対して給付減額抑制を働きかけ、支出を減らす以外に手はない。これもまた簡単ではないが、前述のように損失の回復を先送りすればするほど、年金は立ち直れなくなるばかりだとすれば、厚年基金のガバナンス(統治)力の低下は重大な欠陥と言わざるを得ない。
いわば政官民折り重なっての不作為の複合汚染とでもいえそうな厚年基金の問題は、厚生年金本体にもうかがえる。基礎年金を含めてみれば、厚生年金は保険料と国庫負担、そして年金自体の積立金で給付が賄われる。ところが、その大きな柱である積立金が厚生年金では2031年にも枯渇する可能性があるのだ。
厚生年金本体に忍び寄る密かな危機
推計した鈴木亘・学習院大教授によれば、厚労省が2009年の公的年金の財政再計算で用いた積立金の運用利回り(4.1%)、賃金上昇率(2.5%)などの前提を“現実的な”数字にしただけでこの結果になると言う。
実際、既に厚生年金と国民年金の合計積立金は急減し始めている。2006年度には計165兆6000億円あったが、2012年度は119兆4000億円。自公政権だった2004年度の年金改革では、2012年度時点で168兆8000億円残るとしていたが、その見通しを大幅に下回っているのである。
原因は、2004年改革で組み込んだマクロ経済スライドという給付抑制の仕組みを一度も発動しなかったことや、厚労省の立てた賃金伸び率、運用利回りの甘い見通しの結果、保険料収入や運用収入が想定より大幅に少なくなったことにある。
積立金が枯渇すればその分は保険料を引き上げるか、税金投入を積み増すしかない。しかし、引き上げ自体が難しい上に、無理に引き上げれば、負担と給付の世代間格差がさらに開くという大きな問題もある。
不作為の連鎖を断ち切らなければ、今度は厚生年金本体も揺らぎかねない。年金問題の「張本」は、政官民それぞれの甘えの中にある。
田村 賢司(たむら・けんじ)
日経ビジネス編集委員。
記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121113/239394/?ST=print
◇colum1 高城剛『オバマ再選で日本経済は大打撃!?』
◇colum2 北浜流一郎『アメリカ「財政の崖」をわかりやすく解説』
◇colum3 丸尾孝俊『今、出稼いで成功するアジアの国とは?』
◇colum4 東岳証券『世界の食糧危機について』
?今週はオバマ再選から、今後のアメリカについてお話ししたいと思います。
?現在、米国一般市民の生活は、予想以上に荒廃しています。食事をする事もできないフードスタンプ受給者数は急上昇中で、この10月過去最高数まで上昇して既に5000万人近くになっています。この数字は、5年前のおよそ二倍です。あわせて犯罪発生率も驚異的な数字になっています。事実上、破綻同然の地方自治体も多く出ています。この傾向は、当面米国では続くと思われます。
?オバマは、過去4年間で雇用と景気を回復させるために、グリーンニューディール政策や、バイアメリカン条項などを大々的に展開してきましたが、どれも思ったより効果が出ていない事は明らかです。このような一見画期的に思える政策が、もはや夢物語であることは、誰でも理解できています。今後もいくつかの画期的に思える、しかし夢物語は特に金融政策にも現れるでしょう。
?僕は、今後4年間でオバマは、想像以上の強権を行使した「なんらかの強い策」に出て来ると思います。財政的には、ノーリターニングポイントと呼ばれるリミットラインを超えてしまいました。もはや米国は背水の陣なのです。
?また、今後しばらく日本に対しての円高政策は続くと思われますし(アジア外交はさらに強化)、QE3に続く次の量的緩和政策や、もっとドラスティックなアプローチもしてくると思われます。これは、日本の企業にとって大打撃になるのは間違いありません。同じように、米国内の金融(ウォールストリート)に対しても厳しく指導することが予想されますので、表面的に見える株価などが、下落するどころか、大手金融機関の破綻の可能性まで見込んでおいたほうがいいでしょう。
?一方、本来なら迎え撃たねばならない立場の日本政府、財務省、日銀ですが、現状に加えてさらなる金融緩和政策をすれば、国債が大きな信用不安に陥る事も考えられると、担当者は考えていると思います。実際、世界的状況を冷静に見ればそのようなことにはならないと思いますが、誰でも暴落に続く引き金は引きたくないものです。特に責任を取りたくないと思っているポジションの偉いエリートたちはなおさらです。
?このような米国の状況は、ロムニーが大統領になっても、誰がなってもすぐに好転するものではありません。国家として米国がどのような手はずで、どのように着地するのか、そしてそれは軟着陸ではなく、ハードな着陸になると僕は今回の大統領選挙を見て思います。理想と現実のギャップがありすぎます。そのツケを誰が払うのかを考えた時に、オバマであれば、きっとウォール街にそのツケをまわそうとするでしょう。ここで、米国内で軋轢が生まれるのは間違いありません。結果的に世界経済は、大きく揺れる事になります。それが、今後この4年間に起きる事なのです。
?オバマは、どこから手をつけるかわかりません。しかし、米国の惨状に残された時間は多くありません。
? 高城 剛
日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオ・ビエンナーレ」でグランプリを受賞。総務省情報通信審議会専門委員などの要職を歴任。メルマガ「高城未来研究所」では実際に海外を飛び回って入手した世界情勢や経済情報など豊富な内容で配信。
Mail-Magazine
高城未来研究所「Future Report」
840 円/ 月額
僕は、常々中国最大の輸出産業は「人」だと思っています。これは、歴史的背景をもつ華僑とは異なった、最近の中国の特徴的な動き方だと感じます──
2012/11/02
『高城未来研究所』11/9号より抜粋
?米国市場が想定以上の下げになったのは、オバマでは目の前に迫った「財政の崖」を避けられない。こんな見方が圧倒的に多いから。「財政の崖」とは、まずブッシュ大統領時代に実施されたいわゆる「ブッシュ減税」が起点になります。それは2001年、2003年の2度にわたって実施した大型減税策。オバマ大統領は元々2010年末に期限を迎えるブッシュ減税を2年間延長する法案を柱とする経済対策法案に署名し、その期限が年内に来ることになっているのです。
?減税案の中身は、個人所得税率の低減を中心とし、特に累進課税の最高税率は39.6パーセントから35パーセントに引き下げられ、富裕層を中心とする投資所得に対しては、従来は通常所得と同率の最高39.6パーセントだった配当課税を15パーセントまで引き下げたのです。さらに55パーセントだった遺産税は毎年税率を低減させると同時に免税枠を毎年増やしていき、2010年末には完全撤廃するという日本では信じられないような大胆な税制改革でした。このような措置により2000億ドル(約16兆円)ほどの減税がなされたとされています。
?しかしそれがもう間もなく終わることになるのです。となると年明けから増税ということになります。これがまず懸念材料になっているところに、年明け以降、もう一つ大きなマイナス材料が控えているのです。オバマ大統領は2011年夏に米国が債券発行の上限枠を毎年外して赤字国債を新たにどんどん発行し続ける悪弊に歯止めをかけるべく、上限枠を外す条件として2013年から強制的に国防費を中心に10年間で最大1兆2000億ドルを歳出削減すると決めたのです。
?整理しますと、(1)年内にブッシュ減税が終わる、(2)年明けとともに国防費を中心に歳出削減しなければならない。こうなり、金額にすると5600億ドル(約45兆円)に達する見込みであり、そのまま実施されると米国経済は急失速、まさに崖から転げ落ちてしまう。成長率は前半だけで3%も低下する・・・と。
?確かにこのまま実施されると大変なことになるでしょう。オバマ大統領も回復中の経済を再度失速させるような愚かなことをするはずがない。こういうことになるのですが、市場は、議会のねじれを理由に「乗り切り困難」と見ているのが実際です。
?しかし、です。政治家とは「妥協」の名人たちです。日米ともにこの点に変わりはなく、今後大統領、民主、共和の指導者たちは幾度も協議を重ねることで妥協し合い、一点を見い出し、完璧な形ではないにしても危機を乗り切っていきます。それは妥協の産物ではないかということになるでしょうが、「妥協」で構わないのです。大事なのは米国経済の回復が止まってしまわないようにすることであり、ここから来年にかけてその努力がなされ、「崖」の角度は90度でなくなって、最悪でもゆるやかな坂ぐらいになる。こういえますので、市場のセンセーショナルを悲観論に巻き込まれないようにしたいものです。
? 北浜 流一郎
株式評論家。週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ転身。20年以上にわたって儲かる個人投資家を育て続ける。
Mail-Magazine
北浜流一郎の株リッチ進化大学★「損小利大」投資法で永続収入
10,500 円/ 月額
最近投資信託の中で、ファンド・オブ・ファンドの成績を調べてみて、正直驚きました。ファンド・オブ・ファンドとは──
2012/11/12
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『北浜流一郎の株リッチ進化大学★
「損小利大」投資法で永続収入』11/12号より抜粋
【質問】
?インドネシア、インド、フィリピン、マレーシアを比較した際、中でも、中小企業、個人が出稼いで成功し易い国はどこになるでしょうか?また、その理由も教えて下さい。
【兄評論】
?矛先としては、まず大きく2つ。どこかに就職するような形で出稼ぐのか、もしくは起業を目指しての出稼ぐのかや。
?前者なら、どういうことが出来るかという技量が大切やろな。たとえば、和食店で働くなら、日本語やし、ホテルのゲストリレーションなら、英語も日本語も何か国語しゃべれるので務まりますという形ももちろんあるやろ。この場合には、上位ランキング5位内なら、どこでもOKちゃうか。全部、観光もあるからな。
?商売的にイケるなら、どこでもいいという話ではなくて、いろんなことの兼ね合い考えるべきや。たとえば、食べ物、合わんかったら、継続できないやんけ。滞在期間、左右するやん。あと、言語との相性も重要。難しいと感じる言語なら、暇かかるのは絶対や。ところが、簡単言語のとこに行くと、比較的早くに打ち解けて、仲間を作ることができる。クロイワみたいにとりあえず英語でしゃべってたらええわというのは、完全に浅はかや。
?何を扱うか、自分のポジション置きも重要なわけで、だから、矛先をキチっと定めるためには、まずは旅するとか、事前調査が必要やと思うなぁ。
?おれが、インドネシアを推すのは、これからの大きな需要っていうのは、イスラム圏を語らずしてないと思うんや。ドンドンドンドン購買層が広がっていって、所得も年々少しずつ上向いていると言う状況が延々続いてる。
?デパートとか市場、見たらわかるんやけど、一つのアイテムに対する量やと思うんやな。クツでもカバンでも、今、これピンクもあるし、赤もありますよ、と。黒も緑もあるんやけど、お客さん、どれになさいますかっていう感じなら、それなりの消費高をほこってると思うんやな。他方、どの商品みても一つずつしかないとか、陳列されていない、同じ色のクツやカバンでも色が一種類しかない、っていうのは、これから消費を高めていきましょうの国や。
?モノが不足してるところでしか、モノは売れていかないというふうに思うんや。
? 丸尾 孝俊
元暴走族総長。16歳から仕事をはじめ、吉本興業など数々の職種を経て独立。1995年に単身インドネシア・バリ島に移住し不動産業を興し従業員数5千人以上のゼネコンPASTIグループに。資産数千億を超える大富豪。
Mail-Magazine
丸尾孝俊の週刊・出稼げば大富豪 -時勢とステージを変える成功法則-
840円/ 月額
人が人を見て一番評価するのは、いかに勤勉であるか、いかに努力家であるか、いかに速く確実に仕事を済ませているかというところにあると思うんや──
2012/11/09
丸尾孝俊(兄貴)の『週刊・出稼げば大富豪』』11/9号より抜粋
?今年は08年のような食糧危機が再来しないと思うものの、今年の末頃から来年の初めにかけ、世界の食糧情勢が一連の複雑な問題と挑戦に直面している。
?まず、今年に南米と北米が同じ年で被災した。これは珍しいことで、世界の食糧供給局面に新たな問題が出てきた。今年の食糧供給から、何らかの変化が見られる。世界最大の大豆輸出国であるブラジルは今年初め以来、大豆在庫を削減したほか、国内の大豆需要を満たすために海外から大豆を輸入した。
?また、今年までトウモロコシの純輸出国であった米国は、国内の需要を満たすために南米からトウモロコシを輸入した。特に、米国の変化が大きかった。米国が世界最大の食糧輸出国である。もし同国が今年のトウモロコシと大豆の生産高が大幅に下落すると、世界の食糧供給に深刻な影響が出てくるだろう。
ブラジルと米国両国の例から、今年の食糧生産状況に大きな変化が生じたことが見られる。
?人々の生活に大きな影響を与える穀物である小麦を分析してみよう。ロシア、ウクライナ、オーストラリアなどの従来の小麦生産地で干ばつに見舞われた。目前の状況を見ると、今年後半に干ばつが悪化し続けると、世界の食糧供給状態を変更させ、食糧供給に挑戦をもたらす。ロシアやウクライナの小麦が減産すると、08年のように小麦の輸出を抑制する可能性が出てくる。そうすると、世界の小麦供給に大きな影響を及ぼす。
?最後、今年の世界の食糧供給が依然としてひっ迫している。南米、北米、ロシア、ウクライナ、オーストラリアは今年干ばつに襲われ、大豆、小麦、トウモロコシが合計で約1 億トンの減産となり、全世界生産高の3.6%に相当するほか、08年の食糧危機時の減産水準を大幅に上回った。現在から年末まで、天気状況が明らかに改善できなければ、世界各国の備蓄食糧が充分であっても、世界の食糧供給が厳しい状況になる可能性が高い。
http://www.mag2.com/o/kinyukeizai/2012/1116.html
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