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日銀にも国債償還の「崖」、追加緩和の焦点に:14年から「償還額>買入額」のため“金融緩和策”の大幅な刷新が必要!?
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/501.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 11 月 14 日 00:34:31: Mo7ApAlflbQ6s
 


 国債整理基金特別会計を使った国債の償還(債務履行)は、見掛けの個別債券ではなく、発行残高に対する長期計画(60年償還ルール)に基づいて行われている。ある10年国債を償還しても、償還時点で実際に償還されているのは1/6の金額でしかない。
 短期国債から長期国債までの様々な償還期間から構成される国債は、基本的に、買い手の“便宜”と“リスク”を考慮して振り分けたものでしかない。

 実質は日本の財政を支える日銀の行動である“国債買い上げによる金融緩和策”が本格的に始まって3年が経過する13年末から、予定されている買い入れ額を上回る金額の国債償還が行われるようになるという。

(上のグラフについてはホントかなという疑念がある。というのも、日銀は、長期国債と言いながら、満期が1年未満のもの(実質は短期国債)をずっと買い入れていたからである。それゆえ、買い入れたその年に償還が行われる国債も少なくなかった(ない)はずである。最近は、残存期間が長い長期国債も買い入れの対象にしている)

 引用する記事にあるような事態を算術的に考えれば、国債については、日銀に戻る通貨が日銀から出て行く通貨を上回ることになり、金融緩和ではなく“金融引き締め”ということになる。
 別の表現を使えば、日銀が政府に対し「売りオペ」を行っているわけだ。
 としたら、日銀が“金融緩和策”を継続したいと思うのなら、それまでの金額を大きく超える国債買い入れ(実質の「買いオペ」)をしなければ帳尻が合わなくなる。

 これまでもそうであったが、今後の経済(景気)状況を考えれば、家計や企業からお金が集まる銀行などの資金運用主体は、残念ながら、国債への投資割合をより高めることになるだろう。

 現在でも、日銀の国債買い入れ策は、銀行の“益出し”目的以外、既発国債→現金→新規国債・・・・というサイクル(過剰な国債は日銀が保有)を続けることで、政府の新規国債を低利でスムーズに消化するための仕組みであり、量的緩和に資するものではない。

 昨今のような金融状況であれば、日銀の国債買い入れ政策は、「金融(量的)緩和政策」にはならず、金融機関の国債保有状況を更新するものでしかないのである。

 日銀の国債買い入れ政策の主目的が,財政と国債サイクルの円滑な維持にあるのなら、引用した記事のテーマである「償還額>買入額」に陥っても問題ではない。償還といっても、日銀が直接引き受ける借換債で済ませる話なので、真水の国債費が抑制できるとともに、新規国債の消化条件も改善されるからである。

 ちょっとばかり恥ずかしい手法なので財務省は実行しないだろうが、このような仕組みを“活用”すれば、利払い費はともかく、償還費をゼロに近づけることができることになる。

 日銀が金融機関から残存期間が短い国債を買いまくり、金融機関が保有している国債は利払いを受けるだけで償還の対象にならないものとすれば、金融機関に国債償還費が流出することはない。日銀が保有する国債が満期を迎えたときは、それを借換債と差し替えればいいわけである。
 各年度の予算総則でも、「国債整理基金特別会計において、「財政法」第5条ただし書の規定により政府が平成○○年度において発行する公債を日本銀行に引き受けさせることができる金額は、同行の保有する公債の借換えのために必要な金額とする」と書かれている。

※ 財政法第五条条文

「第五条  すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」


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日銀にも国債償還の「崖」、追加緩和の焦点に
編集委員 土屋直也
2012/11/12 7:00

 米大統領選が終わり、いわゆる米国の財政の崖の回避策を巡る議論が活発化し始めた。日本でも2013年末の「日銀の崖」を警戒する声が出てきた。年末にも予想される追加緩和に向けて、株価材料としても気がかりだ。

 「日銀の崖」というのは、日銀が買い入れ基金による長期国債の残高積み上げを約束している2013年末を境に、日銀の保有する長期国債残高が急減すること。グラフの赤字部分が日銀保有分のうち償還される金額の推移だ。

 日銀は2010年10月から買い入れ基金による長期国債の購入を始め、徐々に毎月の買い入れ額を増やして量的緩和策を強化してきた。グラフにあるように毎月の買い入れ額は定額ではないが、公表している残高目標に向かって徐々に買い増している。足元では平均的には毎月2兆1000億円程度を買い増している。

 日銀は買い入れる国債を今年2月までは残存期間が2年以内の国債(現在は3年)に限っていた。買い入れ開始からほぼ2年がたち保有国債が償還を迎え始めている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の調べによると、今年9月が73億円、10月は1532億円とわずかずつだが償還が始まった。

 この償還が来年以降はじわじわ増える。残高で39兆円の保有を約束している2013年末までは、償還される国債額は買いましていくとみられる。
 買い入れ公約期限が切れる2014年以降はどうなるのだろう。1月は1兆7000億円、2月は1兆5000億円、3月は1兆9000億円とそれまでの買い増し額を上回るような償還を迎える。新たな買い増しをしないと保有国債の残高は急減する。量的緩和策の急速な収縮が始まるということだ。

 日銀が残存期間の短い国債の購入にこだわってきたのは量的緩和政策からの出口を意識しているからだ。量的緩和策を停止した際、市場で保有国債を売却しなくても償還を待っているだけで保有額を減らせる。国債流通市場の需給への悪影響が小さくて済む。前回の量的緩和からの出口の際にも手際よく国債残高を減らせた「成功」体験がある。

 前回の政策決定会合で採択した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では政策委員の消費者物価指数の前年比での大勢見通しは2014年度で平均は0.8%(消費税引き上げの影響を除く)としており、インフレ目標の1%に届かない。見通し通りなら2014年以降も緩和は継続しているはず。大規模な償還による保有国債の残高急減を放置してはいられない。

 しかし、白川方明日銀総裁はそこはぼやかしたままだ。10月30日の政策決定会合後の記者会見でも、「2014年以降の基金の残高が償還によって減ってしまってもしかたがないと考えているのか」と問われたが、総裁は「消費者物価の前年比上昇率1%が見通せるようになるまで、強力な金融緩和を続けていくという大きな方針のもとで行っていく」と原則論を語るだけで、残高維持には踏み込まなかった。

 総裁が償還額急増をご存じないはずはなく、あえて明言を避けているということだ。メリルリンチ日本証券チーフエコノミストの吉川雅幸氏は「償還分を買い戻して保有残高は減らさないと公表するだけでも、市場は緩和強化と受け止めるだろう」と語る。
残高の崖とは別に、毎月の国債購入額が2013年から急減する「崖」を指摘する声もある。現在の日銀の国債購入額は毎月にならすと2.1兆円。これに対して13年1月以降は10月の緩和分を入れても1.25兆円にすぎない。

 この点をリポートで指摘した三菱UFJモルガン・スタンレー証券の債券ストラテジスト、稲留克俊氏は「この段差は大きい。12月以降の追加緩和で埋めざるを得ないだろう」と指摘する。段差を埋めようとすれば、さらに長期国債の買い増し目標を現在の13年末39兆円から10兆円上乗せする必要がある。

 米景気は堅調に推移しているようにも見えるが、日本の対米輸出を見る限りは悪化の兆候もある。米国の財政の崖の解決が容易でないこともあり、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和の可能性は濃厚だ。

 日銀も円高回避に向けて緩和強化で歩調を合わせざるを得ない可能性は高い。現状は2013年末としている基金の積み増し完了時期の、2014年以降への先延ばしによる大量国債償還への対応や、長期国債の13年末残高目標の引き上げなどが予想される緩和メニューの一つ。日銀の次の一手を巡る観測が、年内株価の下支え材料として注目を集める展開になるだろう。


http://www.nikkei.com/money/column/teiryu.aspx?g=DGXNMSFK0900V_09112012000000

 

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コメント
 
01. 2012年11月14日 08:14:02 : 2uOv2R3MRs
そりゃそうだ円刷らずに緩和だと誤魔化してるんだもの


02. 2012年11月14日 21:49:15 : i82RXEYMyg
金融緩和は日銀の保有国債の残高によって評価されてるとは知らなかったな
てっきり当座預金残高かマネタリーベースだとおもってたわ
で、国債が償還されていくとどのように市中に出回る資金が減少するかの説明もお願いします

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