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日本はリスボン大震災後の「失われた250年」に学べ
欧州ルポ:ポルトガル編
2012年11月9日(金) 豊島 逸夫
1755年11月1日、ポルトガルの首都リスボンは推定震度8.5〜9の大地震に見舞われ、津波と火災により6万人前後の死者を出し、街全体が破壊された。15世紀にエンリケ航海王子の登場で幕を開けたポルトガルの黄金期=大航海時代も、この大震災で勢いを削がれてしまった。
1755年の地震の際、震度8でも崩れなかった教会の柱。
しかも、直近では第2の大津波ともいえる欧州財政危機に襲われ、さらに経済が疲弊している。日本人にとっても他人事ではない。
ポルトガルを破壊したリスボン大震災
そもそもポルトガル人は鉄砲、ガラス、タバコ、靴下などを日本へ最初に持ち込み、西洋文明の紹介役として日本人にとって先達となった。そして今、再び日本へ向け教訓を発している。
リスボン大震災は国内の政治混迷を招き、貿易国家から内需主導型経済への転換に失敗。失われた時間は10年どころか250年。さらに国債暴落がとどめを刺した。
近年の経済政策も長期戦略的ビジョンを欠く。リスボン近くのロカ岬はユーラシア大陸の最西端。地政学的に同国は世界にとって重要な位置を占める。欧州大陸、ブラジルなど南米、そして北アフリカといずれも伝統的に緊密な関係を保ってきた。その優位性を生かし、例えば地域ハブ空港建設を大々的に推進することも出来たはずだ。これは日本にとっても示唆的であろう。
そして、ポルトガル国債の利回り急騰。自国の国債がなぜ、かくまで売り込まれるのか。現地の人たちはキツネにつままれたような思いで見守っている。特に不動産バブルを経験したわけでもない。リスボン郊外を歩いてみても、スペインの首都マドリードに散在するような、工事が中断したままの大型商業施設などを目にすることはない。
他にも国民が競ってマネーゲームに走った痕跡は薄い。歴史的遺跡をリゾートとして売り出すより、自国文化の保存に力を入れてきたお国柄である。スペインの地中海岸コスタ・デル・ソルではリゾート開発のバブルの跡が生々しく残るが、大西洋岸のポルトガルはこの点で遅れを取ったことがかえって幸いしたようでもある。
ポルトガルの問題に戻れば、自国通貨を捨て、地域共同通貨ユーロを導入したことが果たして正しいことだったのか。国民が日々、自問自答している。
ユーロ導入で頭脳流出と過疎化が進む
ユーロ圏に入れば、「ヒト、モノ、カネの移動が域内で自由化」され、「労働力の安いポルトガルにはドイツ・フランスなどから大工場が競って進出する」はずであった。「資本移動も国境を越え規制が撤廃されれば投資資金が潤沢に流入する」はずであった。「モノの移動が活性化されれば、特産のタラなど水産物や靴製品などの流通が域内で拡大する」はずであった。
ポルトガルの取材でガイドをしてくれた大学教授。専門は女性学。娘たちは国外で就職している。
しかし、蓋を開けてみれば、大工場建設はアジアなどの新興国に持って行かれ、ヘッジファンドの投機マネーがポルトガル国債を売買するばかり。ヒトの動きも自由化されたが、「頭脳流出」を加速させる結果になっている。ポルトガルの国全体が域内の「過疎地域」化しつつあるのだ。
ただ、現地が荒廃しているわけではない。多くの国民は日々の生活を切り詰め、静かに普段通りの生活を営む。日曜の大型ショッピング・モールも賑わっている。
美しい景色も昔と変わらない。リスボン郊外の世界遺産「シントラ」には天正遣欧少年使節団4人が、16世紀に滞在した僧院や離宮が保存され、海抜500メートルの山上には装飾を凝らせたぺナ宮が忽然と姿を現す。
中世の城址を訪れた時に心に浮かんだのは、「城壁の外(国債先物市場)でマネーの空中戦が繰り広げられ、城内の市民にも流れ弾が飛んでくる」という光景だった。
1684年、九州からポルトガルの首都リスボンを訪れた天正遣欧使節団
質素に暮らす庶民はギリシャの借金棒引きに怒る
市民の常食は、イワシの塩焼きと干しダラ、と質素である。ホルモン系の料理が多いのは大航海時代、長旅に出る貿易船にある限りの肉を供出して、残る市民は内臓を調理してしのいだ歴史の名残だ。この精神がポルトガルを支えているのだろうか。
とはいえ、ポルトガル人はギリシャ国債を民間で保有する者に対する債務削減を、複雑な心境で見守っている。自分たちはEU提示の条件を受け入れ、血のにじむような緊縮努力を続けてきた。市場も「殊勝である」として好意的な態度だ。急騰していた国債利回りも下がってきた。
一方、自分たちより遥かに巨額の借金を積み上げたギリシャの借金は7割も棒引きされる。「正直者が馬鹿を見る」のでは納得できない。「次は我々の国債も棒引きを」との声も既に強まっている。
リスボンの裏通り。庶民的な雰囲気。石畳の道は風情がある。
豊島 逸夫(としま・いつお)
豊島逸夫事務所代表。一橋大学経済学部卒。国内銀行、スイス銀行外国為替貴金属ディーラー、ワールド ゴールド カウンシル(金の国際機関)日本代表を経て現職。金関連の著作も多く、日経電子版、ブログなどでの情報発信も旺盛。機関投資家向けにはブルームバーグ端末Toshima&Associates(コード GLD)。ツイッターは@jefftoshima
仕事の問い合わせはjefftoshima@hyper.ocn.ne.jp
豊島逸夫の「金脈探訪」
元ワールドゴールドカウンシル(金の国際機関)日本代表である金(ゴールド)取引のプロ、豊島逸夫氏が、金相場や金にまつわるトピックを、市場や世界中の国々を舞台にレポートします。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121017/238184/?ST=print
冬のボーナス3年ぶりマイナス 約4%減、経団連調べ
2012.11.8 15:11
経団連が8日発表した大手企業の冬のボーナス(賞与・一時金)妥結額の第1回集計によると、回答企業83社の平均妥結額(組合員一人あたりの加重平均)は前年同期比3.99%減の78万1396円で、額・率ともに3年ぶりに前年水準を下回った。東日本大震災やタイの洪水、円高などによる業績低迷が影響した。経団連は「12月中旬の最終集計でも傾向は変わらない」(労働政策本部)とみている。
減少率は1959年の調査開始以来、リーマンショック後の2009年、アジア通貨危機後の1999年に次ぐ過去3番目。内訳は製造業が3.48%減の78万5851円で9業種中6業種がマイナス。非製造業は6.78%減の75万6878円と3業種中2業種がマイナスだった。業種別では電機や電力の落ち込みが大きいとみられる。
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日本の7-9月期のGDP、マイナス成長へ−予想中央値は3.9%減
2012年 11月 8日 11:22 JST
【東京】日本の7-9月期(2012年第3四半期)の国内総生産(GDP)は、輸出と消費の落ち込みを受け、輸出と消費の落ち込みを受け、1年以上ぶりの大幅な減少を記録する公算が大きい。
ダウ・ジョーンズ経済通信がエコノミスト15人を調査対象にした予想中央値は、物価変動の影響を除いた実質成長率が、世界経済の減速やエコカー補助金の終了を受け、前期比年率換算で3.9%減になるとみられている。
第一生命経済研究所の主席エコノミスト、新家義貴氏は「日本がリセッション(景気後退)局面に入ったことが再認識される可能性が非常に高い」と述べた。
内閣府は12日にGDPを公表する。
ここ数週間の指標は貿易赤字の拡大、鉱工業生産の減少、それに雇用の減少を示しており、政策立案者に成長予測の見直しや景気対策の強化を促しかねない暗たんたる内容となっている。
アナリストたちは、新興国の持ち直しによって世界の経済成長の減速が緩和する可能性はあるものの、日本の現行10-12月期のGDPもマイナス成長になり、その結果、2四半期連続で縮小すると依然予想していることを明らかにした。GDPの2四半期連続減少は、多くのエコノミストがリセッションの定義としている。
日銀は先月、今年度(13年3月終了)の実質成長率が1.5%になるとの予測を示した。しかし、元日銀当局者で現在ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストを務めている馬場直彦氏は、日銀が来年1月に見通しを再検討する際に、この予測が下方修正される「公算が大きい」と述べた。
7-9月期のGDPが予想中央値である3.9%前後の減少となれば、11年3月の東日本大震災を受けて4-6月期に1.3%減となって以来初のマイナス成長となるほか、7.9%のマイナス減を記録した11年1-3月期以来の最悪の数字になる。
また、伊藤忠商事のシニアエコノミスト、丸山義正氏は、中国との領有権をめぐる争いが9月以降、中国での日本製品需要に打撃を与えており、問題を複雑にしていると指摘した。同氏は「日本は、世界経済が持ち直したとしても、それほど恩恵を受けられないだろう。中国との関係が緊張しているためだ」と述べた。
日本の経済は今年、異例なほど力強い滑り出しを見せ、1-3月期には5.3%増と、先進7カ国(G7)の中で最も高い成長率を記録した。この背景には、震災からの復興のための政府支出とエコカー補助金があった。
4-6月期の成長率はわずか0.7%のプラス成長に落ち込んだ。欧州債務危機をきっかけとした世界経済の減速などの外的な問題や、円高が輸出に与えた影響が大きく、公共支出で相殺することがより困難になったことが響いた。
また、中国の景気が一段と減速したことも、日本の7-9月期の苦境に輪をかけた。米国の7-9月期のGDPは前期比年率換算で2%増加した。
調査対象となったエコノミストたちの予想によると、日本の7-9月期の輸出は前期比4.2%減少したとみられる。これは11年4-6月期の5.8%減に次ぐ大幅な減少となる。また、企業の設備投資は1.8%減、個人消費は0.7%減になったとそれぞれ予想されている。個人消費がマイナスに転じるのは6四半期ぶり。背景にはエコカー補助金が9月に終了したことがある。
記者: Takashi Nakamichi
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特例公債法成立まだ楽観できず、解散は念頭にない=民主幹事長代行
2012年 11月 9日 16:30
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ドル79円半ば、株安深まらず円買い一服
日経平均5日続落、米株安や円高で8800円割れ
焦点:ギリシャ債務見通しでIMFとEUの見解相違、支援遅れも
焦点:世界の大手保険会社がミャンマーに秋波、汚職などハードルも
[東京 9日 ロイター] 民主党の安住淳幹事長代行は9日午後の会見で、特例公債法案の衆議院通過の日程が固まったが、成立には道半ばで楽観できないとの認識を示した。
衆参ねじれ状況で「日程観が固まって順調に通った法律はひとつもない」と述べ、成立させるための条件作りをしなければ成立は見通せないと繰り返した。
年内の解散観測が強まっていることに関しては「全く解散のことは念頭にない」と指摘。特例公債法案の成立に全精力を集中させる考えを示し、「通った段階で次のことを話せるのではないか」と述べるにとどめた。「解散と中長期の政治日程は総理が決めることだ」とも語り発言する立場にないとした。
特例公債法案に関しては「ある程度の日程の見通しについて(民自公の)お互いの認識はできた。ただし、きちんと通るかはまだ道半ばだ」と述べ、成立に向けて、3党の政調会長間で、自民党などが主張している減額補正や野田佳彦首相が提案したルール化などの協議を促した。「成立を確実なものにするには、衆議院段階から、民自公で賛成してこれを通していくことが大事だ。その作業は決して楽ではないので、私はまだ全く楽観していない」と繰り返した。
(ロイターニュース 吉川 裕子)
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10月の中国指標は総じて予想上回る:識者はこうみる
2012年 11月 9日 16:36
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アングル:不調際立つロシア株、プーチン大統領就任後に取引減少
焦点:ドイツ産業界、米エネルギー価格下落による競争力低下を懸念
ドル79円半ば、株安深まらず円買い一服
日経平均5日続落、米株安や円高で8800円割れ
[北京 9日 ロイター] 中国国家統計局が9日発表した10月の鉱工業生産は前年同月比9.6%増加した。ロイターがまとめたエコノミストの予想は9.4%増だった。
10月の小売売上高は前年同月比14.5%増。エコノミストの予想は同14.0%増だった。前月比では1.34%増。
1─10月の固定資産投資は前年同期比20.7%増。エコノミストの予想は同20.6%増だった。10月の固定資産投資は前月比1.94%増。
1─10月の不動産投資は前年同期比15.4%増。1─9月も同15.4%増だった。
今日発表された中国指標に関する市場関係者の見方は以下の通り。
<UBS(香港)のエコノミスト、タオ・ワン氏>
景気回復は進んでいる。小売り売上高は予想を若干上回り、鉱工業生産の伸びも予想よりやや強かった。
政府のインフラ投資は増加し、不動産セクターも回復、在庫調整は終息しつつある。これらが循環的な回復を判断する根拠だ。
現在のところ何らかの金融政策上の措置は必要ない。金利や預金準備率を変更しない安定的な政策を見込んでいる。
<コモンウェルス銀行(CBA)のアナリスト、アンディ・ジ氏>
10月指標は市場予想や若干上回った。回復トレンドが続いている。
小売売上高は引き続き勢いを維持しているものの、鉱工業生産については、回復の足取りが依然非常に鈍い。これは、消費支出が旺盛な一方で企業投資は慎重という、先進国で一般にみられる現象と同じものだ。
<国泰君安証券(上海)のアナリスト、JIANG CHAO氏>
10月の鉱工業生産の伸びは市場予想を上回り、鉱工業の回復傾向が確認された。
自動車や不動産といった下流のセクターの小売売上高は非常に力強いもので、中間から上流の事業も安定している。これは景気回復が具体的に表面化したことを示している。
ただし、外的な不透明感を考慮すれば、回復の勢いは限定的であることが見込まれ、今年通年の鉱工業生産はプラス10%程度になるだろう。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A804O20121109?sp=true
アングル:不調際立つロシア株、プーチン大統領就任後に取引減少
2012年 11月 9日 16:22 JST
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特例公債法成立まだ楽観できず、解散は念頭にない=民主幹事長代行
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ドル79円半ば、株安深まらず円買い一服
日経平均5日続落、米株安や円高で8800円割れ
[モスクワ 8日 ロイター] プーチン大統領の就任後、ロシア株の取引が低迷している。他の新興国市場に比べると、値動きもさえない。
ルネサンス・キャピタルの株式アナリスト、ミレナ・イバノバ・ベンチュリニ氏は「投資家はロシアを見限ったというのが大勢の見方だ」と指摘している。
5月に首相から大統領に返り咲いたプーチン氏は「新しい経済」を提唱。関係部署に投資の活性化や国営企業の効率化を命じたが、市場寄りの改革は実現しておらず、大統領の就任後、ロシア株の取引高は30%減少している。
ロシアの主要株価指数MICEX.MCXの構成銘柄の10月の取引高は、前年同月比58%減の210億ドル。世界的な金融危機がピークに達した2009年初め以降で最低となっている。
国内投資家の間では、国内市場に対する不信感が強く、海外勢もカントリーリスクを意識している。ロシアに投資したい投資家も、国債のほうが安全で利回りも高いとみているようだ。
<「ポートフォリオ投資家は不要」>
ロシアでは、大統領選・議会選後に選挙結果をめぐる抗議活動が起きたが、アナリストは、国内情勢が落ち着けば、投資家の関心も再び盛り上がると期待していた。
しかし、海外出張で投資家と話をしたという証券会社アトンのチーフ株式ストラテジスト、ピーター・ウェスティン氏は「ロシアはまだ嫌われている」とみている。
「潜在的にはロシアへの関心が高まる可能性はあるが、この3─4年は国際情勢と原油価格の動きに完全に左右されていたモメンタム取引だった」との見方を示した。
銀行大手ズベルバンク(SBER.MM: 株価, 企業情報, レポート)の株式売り出しには関心が集まったが、高い流動性と優れた経営力を備えた優良銘柄は、ロシアの上場企業ではまれという。
投資会社ダシェフスキー・アンド・パートナーズのスティーブン・ダシェフスキー氏は、当局のルール作りに問題があると指摘。
「ロシア政府は、株式市場など必要ないと言っているようだ。実際、政府はポートフォリオ投資家を必要としていない」と述べた。
<世界的なリスク回避が影響>
株式市場の取引高は世界経済の減速を受けて、世界的に低迷しているが、ロシア株は特に取引の減少が目立つ。
ルネサンス・キャピタルによると、10月までの1年間で比較すると中国株の取引高は前年比34%減、トルコ株は22%減にとどまっている。
ロシア株の割安感も際立っている。株価収益率(PER)ベースでは、他の新興国に比べて40%割安という。
ズベルバンクCIBのチーフストラテジスト、クリス・ウェーファー氏は「ロシアが世界的なリスク回避傾向の影響を受けていることは明らかだ。どんなに割安でも、リスク回避姿勢が後退しない限り、周縁市場は見向きもされないだろう」と述べた。
<強気派も>
強気派は、プーチン大統領が公約通り経済改革を実施すれば、割安感から買いが入るとの見方を示している
ロシア株に強気の見方を示しているシティのストラテジスト、キングズミル・ボンド氏は、プーチン大統領が一連の改革を実施し、ビジネス環境が改善すれば市場は上向くと指摘した。
ロシア株の売買高の80%以上は、流動性の高い10銘柄での取引。このうち、国営石油会社ロスネフチと銀行大手ズベルバンクの2銘柄が売買高の半分を占める。
ロスネフチは先月、英BP(BP.L: 株価, 企業情報, レポート)とロシアの投資家グループが折半出資するロシア3位の石油会社TNK─BP(TNBP.MM: 株価, 企業情報, レポート)の買収で合意したと発表。これを受け、ロスネフチ株は値上がりしたが、TNK─BPの少数株主は損失を被る可能性がある。
ダシェフスキー氏は「少数株主はいつも貧乏くじを引く。ロシア政府とロシア企業の大株主は、ポートフォリオ投資家は二の次だというメッセージを送っているとしか思えない」と述べた。
ただ、政治の影響を受けにくい成長株を安値で買おうという投資家にはチャンスがあるかもしれない。
ルネサンス・キャピタルのイバノバ・ベンチュリニ氏は、食品小売りのマグニット(MGNT.MM: 株価, 企業情報, レポート)、オンラインサービスのMail.Ru(MAILRq.L: 株価, 企業情報, レポート) 、ヤンデックス(YNDX.O: 株価, 企業情報, レポート)、貨物輸送のグローバルトランス(GLTRq.L: 株価, 企業情報, レポート)などを推奨している。
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焦点:ドイツ産業界、米エネルギー価格下落による競争力低下を懸念
2012年 11月 9日 16:09 JST
[ロンドン 8日 ロイター] ドイツの業界団体であるドイツ産業連盟(BDI)によると、国内の鉱工業業界はシェールガス開発ブームで産業用エネルギーのコストが急低下している米国に対して競争力を失うのではないかと懸念している。
米国とは逆にドイツのエネルギーコストは上昇している。政府が脱原発政策を採用、再生可能エネルギーの拡大に数十億ユーロを投じ、天然ガス(LNG)も輸入頼みだからだ。
BDIのマルコス・ケルバー会長は8日ロイターに「われわれの力の及ばない部分がある。現在われわれは米国での開発から恩恵を受けておらず、将来恩恵を受けるかどうか分からない。実際にはむしろ、中期的に天然ガス価格の格差は広がると見込んでいる」と述べた。
欧州最大のドイツ経済は、自動車産業や、BASF(BASFn.DE: 株価, 企業情報, レポート) 、バイエル(BAYGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)など化学大手といったエネルギー集約型産業への依存度が高い。
BDIによると、シェールガス開発ブームは米国の再産業化につながる可能性があるが、欧州で同じことが起きることはないという専門家の声が聞かれる。
BDIは「従って欧州の鉱工業企業はほぼ確実に、当面、米企業よりかなり高い電気・ガス料金を負担する」としている。
米国のLNG卸売価格は現在100万BTU(英国熱量単位)当たり3.5ドル程度だが、欧州では9ドルだ。
BDIの試算では、脱原発や再生可能エネルギーへの投資など、ドイツのエネルギー政策関連の負担は2030年には1500億─3500億ユーロに達する。
ケルバー会長は、シェールガスは欧州への輸出が採算に合わず、大陸欧州諸国でエネルギー価格が下がる要因にはならないとし、「価格を下げるには欧州全域を網羅する規制と市場の設計が必要だ」とした。
欧州連合(EU)欧州委員会もエネルギーのコスト高を懸念しており、欧州全域をカバーするエネルギー市場の創設が価格引き下げに役立つと期待している。
欧州委員会は2014年に単一のエネルギー市場を創設する計画だが、目標達成は困難とみられる。
<アジアの産業界も不安>
同じような不安はアジアでも高まっている。鉱工業が経済全体で大きな比率を占める日本や韓国は、世界最大級のLNG輸入国。アジアのLNGスポット価格は100万BTU当たり13.5ドルと、欧州を上回る。
マッコーリー銀行のアナリスト、ジェイソン・ガメル氏はリポートで「日本政府は国内産業の競争力低下に不安を募らせている。アジアからの硬直的で価格の高いLNG供給に過度に依存しているからだ」と説明した。
日本などアジアの主要国はLNG輸入の依存増大に伴い、世界の鉱工業経済ランキングで順位を落とすリスクにさらされている。
日本はLNG輸入額が2012年上半期に前年同期比で49.2%急増し、貿易収支が31年ぶりに赤字に転落した。日本は昨年3月の福島原発事故とそれに伴う国内原発の稼働率低下により、LNGのような代替燃料の輸入が急増している。
欧州やアジアの産業界にとって一つの救いは、米国のLNG価格がいつまでも低水準を続けることはないとみられることだ。ドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)の推定によると、2016─2018年の米LNG輸出価格は100万BTU当たり9─10ドルとなる見通しで、欧州で指標とされる英国NBP(ナショナル・バランシング・ポイント)スポットガス価格の予想とほぼ同じ水準となっている。(Henning Gloystein記者)
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聞こえ始めてきた南米の天候不良で穀物市場はどうなる?
2012/11/09 (金) 11:18
9月上旬には1,800セントを目指す足取りを見せていたCBOT大豆は9月半ばに下値追いに転じ、10月に入ってからは1,500セントをサポートにしながらも1,575セントを突破できずに下値で低迷する場面が続いています。
一方のCBOTコーンは8月下旬から下値を追う足取りを演じ、現地9月28日には705セントまで下落しました。その後は反発に転じていますが、それでも740〜780セントのレンジ内での推移が続くなど、頭の重さが窺われる足取りが続いています。
8月下旬から9月下旬にかけて大豆、コーンが共に下値を追う足取りとなったのは、需給のひっ迫が警戒される状況にあるとはいえ、収穫が始まることで供給の拡大が見込まれることでハーベストプレッシャーが強まったことに原因があります。
しかしながら、価格が下落したとはいってもそれは今年の最高値と比較したうえであり、現在の価格水準は過去と比較すると決して低いものではありません。
ちなみに、大豆の場合は2009年、2010年、2011年それぞれの最高値を上回っています。また、コーンの場合は期末在庫率が10%を割り込んだことで供給に対するひっ迫感が強まった10〜11年度の最高値の水準での往来となっています。
このように大豆、コーンの価格が高い水準で推移しているのは、干ばつが影響し、厳しい需給状況に直面していることが原因となっていることは言うまでもないでしょう。
ただ、米国の供給量が減少しても、近年穀物供給国として大きな成長を見せている南米諸国からの供給拡大を期待する声も挙がっています。これが、9月以降の価格の下落を促す一つの要因となっていました。
北半球とは季節が逆になる南半球では現在、コーン、大豆の生育期を迎えています。つまり、南半球は今、天候相場を迎えていることになるわけです。このようななか、アルゼンチンでの天候不良が伝えられ始めています。
ブエノスアイレス穀物取引所によると、アルゼンチンでは大豆の作付けが開始されているものの、洪水が発生するほどの大雨に見舞われているため作付作業は遅延気味となっています。
また、コーンの作付進捗率は、通常であれば10月末時点で50〜70%に達しているにもかかわらず、今年の場合は35〜40%にとどまっていると伝えられています。
さらに、洪水により農地が荒れた結果、収穫面積は当初予想されていたよりも縮小することが見込まれており、その結果としてコーンの生産量は予測を20%、そして大豆生産量は予測を10%下回るとの見方が強まっているのです。
ここに来て浮上しているアルゼンチンの大豆、コーン減産の可能性は、穀物供給に大きな影響を与えることが見込まれます。というのも、アルゼンチンはコーンにおいては世界第2位、大豆に関しては世界第3位を誇る主要穀物生産国だからです。
12〜13年度の生産量についてはコーンが2,800万トン、大豆が5,500万トンと予測されています。また、輸出量についてはコーンが前年度の1,600万トンに対し1,850万トンとされているほか、大豆が前年度の760万トンに対して1200万トンと、どちらも前年度以上の輸出が想定されているのです。
この予想の根底には、米国の輸出量が干ばつの影響で減少する分がアルゼンチンからの輸出増で相殺されるのではないか、との見方があります。しかしながら、アルゼンチンで天候不良が続き生産量が事前予測を下回る水準まで落ち込んだとしたら、米国の供給縮小分を補うことが出来なくなり、世界の穀物供給は一段と厳しさを増すことになるのです。
なお、現在予想されているようにアルゼンチンのコーン生産量が20%、大豆生産量が10%減少し、それが輸出量の減少に直結するようであれば、コーンに関しては2008〜09年度以来、輸出量が最も低くなる可能性が高くなります。また、大豆の場合は3年連続して輸出量が1,000万トン以下にとどまることが予想されます。
現在、CBOT市場ではコーン、大豆共に上値の重い足取りが続いています。これは南米が天候相場期を迎えるなかで様子見気分が強まっていることの表れかもしれません。しかしながら、供給ひっ迫の色が濃い需給状況のなかでのアルゼンチンの天候不良を見ると、今後の価格推移を楽観視するのは難しいように思われます。
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中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。
http://www.gci-klug.jp/commodity/2012/11/09/017580.php
【識者の見方】米日関係にTPPは不可欠=米外交問題評議会のスミス上級研究員
2012年 11月 8日 12:15 JST
米外交問題評議会(CFR)のシーラ・スミス上級研究員は、オバマ大統領のアジア政策の枠組み作りにはバランスの再調整が必要だとし、そのリバランス戦略で米日同盟は基本要素の1つだと強調した。また、両国関係にとっては軍事面のみならず経済面での協力も重要だとし、それゆえ環太平洋経済連携協定(TPP)は不可欠だとの見方を示した。
スミス氏のコメントの概要は以下の通り:
オバマ大統領のアジア政策の輪郭は既に描かれている。われわれは、リバランス戦略を持ってして、アジアに対する政策の枠組みが何であるかを正確に知っている。米国の外交政策で優先順位を組み替えるのには多大な努力を要する。その台本は作成され、実行に移され始めている。私はオバマ大統領2期目も、それを続けると予想している。
日本人の多くがこのことをきちんと理解していないが、米日同盟は米国のリバランス戦略の基本的要素の1つだ。今後われわれが取り組むべきは、(アジアに軸足を置く)ピボット戦略の促進と加速に向けて米国と日本がどのように協力できるかを見極めなくてはいけないことだ。
われわれにとって、このパズルの完成には環太平洋経済連携協定(TPP)というピースが不可欠だ。両国の関係にとって重要なのは軍隊の基地や戦略だけではないからだ。両国とも経済を勢いづける必要があり、これまでよりも広範な相互依存関係を構築する必要がある。したがって、両国経済を密接に統合させる方向へと両政府が経済関係を導いていけるよう道筋をつける際、克服しなくてはいけない宿題がわれわれにはある。軍事関係というミクロな問題だけ話し合っていてはいけない。もっと活気ある経済関係を持たなければならない。
こうした変化をどの程度のペースで実現できるかは、米国の政策的移行のペースだけでなく、日本のそれにもかかっている。予測が難しいことの1つは、米国政府が日本政府からどの程度、けん引力を得られるのかという点だ。われわれは問題の一部を解決しようと試みているが、いずれも決して簡単ではない。基地問題にしろ、危機管理の仕組みにしろ、通商交渉にしろそうだ。
これらはいずれも持続的な政治的関心を必要とする問題だ。だが、私のような日本をよく知り、共通の利益を理解している人間にとっては、いつになれば日本の政治がこれら問題の解決に必要な方向へと向かうのかを予測するのは困難だ。
これは日本の外交政策の米国との2国間に関わる部分についても、アジア地域に関する部分についても言えることだ。日本には、、さまざまな政党の指導者が一緒になって事を進め、戦略的な政策決定を行うことができる土台となるもの、つまり、合意形成が必要だ。そうしたことの台頭をわれわれが目にしているようには私に思えない。
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http://jp.wsj.com/US/Politics/node_544444?mod=WSJFeatures
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